そらまあ、「仲が良い」という前提がないと成立しない展開のようだから、事前に「仲が良い」という演出は必要でしょう。
とはいえ、幼少の頃の仲良く遊んでたシーンを追加するのもテンポがなぁ、ってこともある。
そういうときは小道具を使ってしまえば、シーン追加より多少印象は薄れるけど、割と効果的です。
例えば…
「主人公、おまえいつも犬と一緒だな。ジローつったっけか」
「ああ。子供の頃に仲良かったAって友達が飼ってた犬なんだ。友達は引っ越して連れてけないって言うからさ。俺は預かってるだけなんだけど、あの頃はジローも一緒にずっと遊んでたから」
って感じで、犬を強調する書き方をしといて、
何らかのタイミングで犬が見知らぬ青年へと走っていってやたら懐く。青年はハッとして
「おまえ、もしかしてジローか……?」
と、その見知らぬ青年の言葉で、主人公も気がつく。
「……A?」
とまあ、ちょっと下手くそだけど、こうすると主人公とAとの間をつなぐ犬の存在が二人の仲を象徴できるので、直接「仲良かったシーン」を書かなくても二人の関係を描写することが出来るわけですね。
ちなみにこの場合、小道具ってのは犬のことですね。
もちろん犬ではなく、別れを惜しんでお互いに大事にしてるものを交換した、それをいつも身につけている、とかでもその「大事なもの」の扱いで二人の関係性を描写できるので割と何でもいいです。
とにかく二人の間をつなぐ何かを用意すればそれを利用できるので、そういった小道具を用意しとくと便利。
で、こういう前提を作っておいてから、「彼は子供の頃の友達で……」と会話で関係性を説明していく。
血も涙もないけど、この例の場合ジローは二人の関係を象徴するための小道具なので、再会シーンで誤ってか事故かでジローが死んでしまい(二人の友情を象徴するものが無くなる)、二人は対立していく、という表現にも使えるね。
友情とか愛情とか、「想い」に関する描写はこうした小道具を用意しておくと便利です。