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タイトル:言葉足らずだったので補足の返信 投稿者: 手塚満

サタンさんへの返信だし、サタンさんから的確な回答が出てるんだけれども、どうも気になりまして、少し差し出口をお許しください。

作中で主人公がモブ含む他のキャラ見殺しをするのは薄情ではないとお考えなわけですよね。その証拠として有名、人気既存作で見殺しにする描写が多々あるけれど、読者/視聴者から薄情と悪評価は受けていない。もっとも他作品、特に話題にならない不人気作で見殺しがどう評価されたかは分からないわけですが。

つまり「ある作品で見殺しは薄情とのの悪評価はされないのに、ある自作での見殺しを薄情と酷評されるのはおかしい」。これは論理的には有名な誤謬です。創作的にはよくある間違いです。今の場合、創作面のほうが大事ですね。

見殺しは現実的にはできれば避けたいものとされるのはご存じでしょう。仕方ない、とはされても褒められることは稀です。逆に見殺しにせずに救った(例えば線路に転落した人を救う)、なんてのはニュースで取り上げられ、警察から表彰されたりするのはご存じのはずです。つまりヒーロー扱いですから、フィクションに取り入れて問題ない。

逆に欠点になる、なりやすいポイントを「あの作品でも『許されている』」から取り入れても大丈夫だろうと考えるのはリスキーです。なぜ許されているか、よく分析しないと悪評価されるポイントだけを高確率で取り入れることになります。

主人公が誰かを見殺しにして納得されるとして、見殺しにするシーンだけで納得が生じるわけがありません。必ず前後の支えがあるんです。見殺しシーンの前段では、例えば「この主人公なら困った人を助けない(、そこが魅力だ)」というイメージが既に生じていて、その期待通りに誰かの危機で主人公は見殺しにする。

あるいは見殺しにされるキャラに相当な悪印象を生じさせておいて、危機に陥っても助けてもらえないことが天罰みたいに感じられるようにする。

そうでなく、「ここで主人公がこのキャラを助けるはず」と期待できるのに、見殺しにして、読者に「あれ、なぜだ?」と疑問を生じさせるやり方もあります。その場合は、後段でなぜ主人公が見殺しにしたかを描くことになります。必ずしも見殺しを納得できる運び(例えば主人公の隠れた本性が露わに)ばかりとは限りません。主人公に後悔させるために、見殺しにする運びにあえてしておくこともあります。

いずれも、見殺しにするシーンではないところで、見殺しを支えているということです。見殺しの前段で準備し、後段でフォローする必要があります。見殺し以外でも同じです。例えば「決め台詞」ってあるわけですよね。繰り返しパターンを用いる作品で頻出し、言えばジーンと感動するのが「決め台詞」です。

しかし、その決め台詞を全く関係ないシーンとか、冒頭で叫んでも決め台詞の効果は得られません。その決め台詞が出るべき段取りを整えないと効果は出ない。例えば、これから目の前の敵に立ち向かうときに発する決め台詞を、食事の前の「いただきます」の代わりに言わせても、決して燃えるものは発生しません。やはり敵を目の前にしないと。

ですので、

> 「それでも私以外の人間にとっては許される見殺しと許されない見殺しの2種類が存在するのが現実なら、せめてその理由を知りたい」

については、

「見殺しの前後が違っているからだ」

となります。他作品の該当するシーンだけ見倣って、そのシーンだけで考えても無駄なんです。

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