現実にはない異世界を描くのがファンタジーなので、そのために世界観を立てなければなりません。
とくに「現代技術」と対峙させるなら、空想的異世界観と現代科学的世界観とを対照させねばなりません。
その鍵になるのが、じつは「哲学」だと感じています。
たとえば上記に挙がっている「聖書」などは、いま一般的に歴史文献とされていますが、いわゆる「三位一体」の考えの典拠となった点では、たいへん重要な哲学資料だと思いますし、西洋から遠い中国なども、「三国演義」が書かれた時代には、すでに「(その時代における)新しい中国哲学」とも呼ぶべき「朱子学(しゅしガク)」が、立てられていたんです。
哲学は、その当該時代地域における世界に対する把握すなわち世界観そのもの、なんですね。
もっとも、ただ「読んだだけ」では参考にもできません。
なぜ「そういう哲学が考えられたのか?」を納得しなければならないんです。
たとえば「三位一体」ですが、なぜ考えられたのか……?
朱子学にしても、なぜ当該時代になって「新しい中国哲学」が立てられたのか?
それらの課題に対して、独自にでも構わないので見解を抱けるようになれば、もうファンタジー小説を書くのは簡単になります。
と言うのは、世界観を作るための素養が、身につくからです。