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タイトル:本を読めない人間の小説家の目指し方の返信 投稿者: サタン

どうしたら作家たる能力、つまり文章表現で物語を作る能力が育つか、というのはおそらく各々の個性によるところが大きいし、一概に「こうだ」と言えるものはないと思う。
とはいえ全て私見でしかない話だけども。

「本を大量に読め」というのは一般論というか、本を読むことを続けてそれが身になったという実感を持てた人だからの言葉で、別に必須ではないと思うかなぁ。
むしろ私は
>「漫画家になるには漫画読む時間で漫画以外に触れろ」
こっちのほうに共感するかな。
作家になりたきゃ小説以外の趣味を持て、なんてたまに主張してたりします。
というのもね、
そもそも作家、つまり小説ってのは作者が何らかの事を読者に「伝えたい」からその表現を物語として書くわけですよね。
じゃあ、まず、最初に「伝えたいもの」が作者の中にないと書けないのは道理でしょ?
なら、その「伝えたいもの」はどうやって手に入れるのか、どうやって自分の中から見つけるのかっていったら、それって「小説を書く勉強」では絶対手に入らないと思うのよ。
小説を書く、そういう創作活動ってのはあくまで「表現の手段」であって、「表現したいもの」は「それ」以外の活動から湧いてくるものだと思う。
だから、小説なんか書いてないで地域サークルに参加したり自治会や青年会に積極的に顔だしたり、友達と遊んだり恋人作ったり、小説以外の事をたくさんすべきだと思う。

でも、いま書いた「小説を読まなくてもいい論」とはある意味真逆のことが「小説を読んだほうがいい論」で主張できてしまう。
というのも、小説、というか物語にはある程度のテンプレート(型の意)があって、それを理解してしまうと、もうある程度の話は誰でも書けちゃうのよね。
作者に「伝えたいもの」が無くても、流行に乗って「流行ってるもの」をテーマに置いちゃえば、傑作は書けなくても「ある程度」の小説は書けちゃうのよ。
そもそも物語をゼロから全てオリジナルで作ろうというのは初心者によくある幻想で、プロの物語作りってのはだいたい既存作から骨組みを持ってきてアイディアを盛り込んで作るわけで、ということは、そういった「ある程度のテンプレート」ってを理解し、その応用の形を大量に仕入れて引き出しに入れておくと、自在に瞬時に物語を作ることができちゃう。
でもそれは、あくまで物語の類型とかテンプレートの把握の話だから、映画でも漫画でも代用可能な話で、小説を読みましょう、にはならない。
ただ、「小説を読みましょう」で代えが効かないこともある。
それは「小説表現」で、映画の「映像表現」は映画だから出来ることで、小説の「小説表現」は小説にしか出来ないし、小説を読まないとそれがわからない。
だから、「自分が得意なジャンル」が明確であれば、そのジャンルの小説に対しては貪欲に読むべきだと思う。
やたらめったら適当に読みまくればいいって話じゃないと思う。

なので、個人的な結論は。
物語の類型なり構造なりテンプレの把握なりは、映画でも漫画でも好きな媒体で勉強すればいいと思う。これは小説じゃなくても全然問題ない。
ただ、文章表現に関しては小説を読まなきゃわからないので(原作ラノベの映像化とかでも無理。映像に適した表現に変更されて映像化するから)、自分が得意なジャンルに関しては、これは読みまくるしかないと思う。
そして、物語の構造が把握できてる、つまり物語として成立してる話を書くことが出来る人は、別に無理して読む必要はないと思う。そんな時間あるなら引きこもってないで外で遊べって思うかな。
芸人が後輩を引き連れて旅行に行ったりするエピソードをフリートークで話してたりするでしょ。芸人って旅行好きなんだなーって話じゃなくて、エピソードトークのために生きたくもない旅行に行って何かやらかしそうな後輩を引き連れて面白い話を見つけに行ってるのよね。
それと同じ。作家になりたいなら、そういう創作のネタを外出て見つけてこい、という。
でも。
そもそも芸人としてのスキルが一定値に満たない人が芸事の腕を磨かず遊んでばっかだったら、そりゃ錦鯉じゃないけどなかなか芽が出ないのは当然だよね。
だから本を読んで、いっぱい書いて、小説としての物語を作る能力を磨く必要は、そりゃあるんじゃないかな。

ただまあ、「小説を読みましょう」というのは自分が得意なジャンル書きたいジャンルだけで十分で、そもそも「本を読みましょう」ってのは「小説」じゃなくて歴史の本とか経済の本とか雑学の本とか科学雑誌とか、そういう小説以外の「本」だと思うぜ。

>※ちなみにインプット自体の重要性は理解しているので、
ぶっちゃけインプットよりアウトプットのほうが圧倒的に重要。
それで言えば、「作家になる」という結果に対して「読む」というインプットよりも「書く」というアウトプットのほうが重要なので、読むことはさほど重要ではないと言えなくもない。
更に言っちゃえば、「書かない作家志望」が一番厄介。インプットだけして頭でっかちで知識だけはあるからあーだこーだと妄想やら願望やらを口にして結局自分は書かないで「作家になりたいなら小説は読んだほうがいいっすよ^^」とか煽ったりしてくる。
まあ、スレ主さんが聞いたのはプロ作家の言葉のようだけど、「読んでて書かない」人つまり「読むのが好き」で「書くのは別に好きじゃない」って人も同じこと言ってるよ。
それに比べりゃ、「あまり読まないけど凄い書く人」であれば、そっちのほうが遥かにマシだし圧倒的に作家になれる能力は高い。

最後に、「作家になる」が夢なのであれば、電子書籍で売りに出せば明日から作家を名乗れるので、さっさと作家になってしまいましょう。
ココで販売サイトを出してくれれば、高くなけりゃ私が一冊買いますので。1円でも文章でお金を稼いだならもう作家と言っていいでしょう。
作家は文章表現で物語を作る人のことで、そういう人物になれることをゴールにするのではなく、物語を作り続けることが大事です。
作家になる人は「作家に成る」んじゃなくてやってりゃ自然と成ってるものなんで、作家になる・書籍化するなんて創作活動において過程ですらない。

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