……実はちょっと意地悪なお願いをしてみたことになるんですけれど、「どんな感じの話で、終わりはこうする予定」を一言か二言か三言くらいで言えないってことは、それだけでストーリー構成や終わり方に問題がある可能性が高いのね。言えないようならそこちょっと深刻に捉えて欲しい。
あとやっぱり「把握」という言葉が気になるのは、作者が「こういう展開にしたい」「させたい」という漠然とした思いしか抱いていない可能性。ふつうは終盤になればなるほど、キャラクターが自身の置かれている状況などを把握していって「自分はこう動くべき」みたいなものが出てくるはず。出てこないってことは作者さんが今までキャラクターにそういうことを考えさせる機会を与えなかったとか、深刻に考えていなかったとか、キャラクターの気持ちを無視して作者のやりたいこと・させたいことばかりさせてきたか。
物語ってのは、終盤になればなるほど「風呂敷を広げる力」よりも「たたむ力」が要求される。広げるのに必要なのは自由な遊び心、発想力とかだったりするけれど、たたむのに必要なのは問題を解決する力や、目標を最後までやり遂げる強い意志、責任感など。正直に言うと、あんまり楽しいことばかりじゃない。そこをつまらないと思ったとしても取り組む意志がなければやっていけない。私は「どうせやらなきゃいけないなら、楽しんで」やるつもりでいますけどね。
私としては、序盤~中盤に求められるものと、中盤~終盤に求められるものは違うと思っている。そこを作者さんはどう捉えているのかな。ちょっと考えてみてください。