興味深い話題だったので失礼します。
「設定厨に小説は向かない」のかについて、個人的な回答としては「設定『だけ』をこだわる書き手に小説は向いていない、それどころか外部へ発信する創作全般が向いていない」だと考えています。
小説は基本的に娯楽でありエンタメであり、読み手に「読みたい」と思わせなければ何の俎上にも載らないためです。
かつ、「設定だけ」で「読みたい」と思わせることはほぼ不可能です。この性質はイラストや漫画などの他媒体にも共通しています。
質問の中で「自分の世界を発信する方法」と記述されているため、「誰かに読んでもらうこと」を想定されているのだと思います。
ただ、設定(特に世界観設定)とは料理に喩えると「タルトの生地部分」のようなもので、単品では食べたいと(読みたいと)思えないケースがほとんどです。生地のまずいタルトは不人気になるが、生地だけが美味しくても人気にはなれない、という。
ではどうすべきかとなると、「面白く見せる」しかありません。シンプルかつ最も困難な手段です。
要するに「自分が考えた、少なくとも自分は魅力的だと思う世界の魅力」が何たるかを、初対面の相手になんとかして伝える必要があります。
人が一番愛着を持ちやすい、覚えやすい要素は「キャラクター」です。ONEPIECEの国の名前なんか一つも知らない人間でも、ルフィの名前と性格はなんとなく知っています。
魅力的なキャラクターを作り、自分が思う魅力的な世界に配置すればすべて上手く行く……なんてことはもちろん無く、いわゆる「チェーホフの銃」的な理屈で「不必要な設定」は削った方が物語自体は魅力的になります。
また、世界観自体がストーリーを内包している方が、物語の核もより強く・面白くなります。魔法少女まどか☆マギカ、メイドインアビスなどが好例でしょう。あれは世界観の核となる設定が、メインキャラクターの大目標と密接に関係しています。
その他、例えば設定集にありがちなキャラクターの利き手の情報なんかは(利き手が重要になるミステリでもない限り)不要です。特に小説の場合、「さりげなく見せる」が困難なのでますます邪魔になります。
一方で、上記すべては「他人に共有することを前提とする場合」の話なので、見られることを望まずただ自分の作り出した世界へ純粋に浸るのであれば無用の長物となります。
けれど「見てほしい」という欲求が強いのであれば、世界観を作り込めるだけの熱量をキャラクターやストーリーにも注ぎ込むことで願望の成就に近づけるのではないでしょうか。
月並みな結論ではありますが、的外れでもないはずです。
良き創作ライフを応援しております。