……実は現在入手困難だけどおすすめしたい作品がありまして……
昔ガンガンで連載されてた「ツインシグナル」って漫画がね、ロボット三原則に従いながらも序盤は日本が舞台でほのぼのめでいってたんだ。諸事情あって路線変更とかもあったんだけど、一時はガンガンの看板漫画だったし「これ見てロボット工学専攻した」とかいう人もいるらしい。
主人公が戦闘用ロボットなんだけど、一人っ子の少年の「兄」としてプログラムされていて、あとはいろいろチートスペックやら変なバグやら背負い込んで毎回ドタバタに。中には「ドジっ娘と思いきや長年ちゃんとメンテ受けてないかわいそうな子」とか「目からレーザー出すから使うたびにレンズが焼ききれて基本ド近眼のやつ」とか「自分は皮膚感覚鈍いんで差がわかりません!」とか製作者の得意分野やら趣味やらで変なことになってるロボット達が多数。
いちおう、ロボットのAIプログラムに特に強い研究者がいるんだけど、かなり繊細な感情を表現できるようにまでなっている。派生で「ロボット心理学」なんて分野までできている。
主人公の製作者は一度女性ロボットを作ったけど、あまりにプログラミングのほうが女性らしくなくて(ようするにガサツになってしまったので)それに懲りて以来男性型ばかりつくっていたり。で、ヒロインロボットは前述した繊細な感情表現が得意な人によって作られている。
「ツインシグナル」の「アトランダム・ナンバーズ」でググると各ロボットの詳細はわかるんだけどね……
この漫画、中盤~終盤あたりはその「ロボットの情報処理能力・感情プログラム」に焦点を当てた物語になってしまったため、電脳空間でのエピソードが多くなったりで戦闘型ロボットの出番が極端に減ったりして、主人公を含む戦闘型がかなり割を食った結果になってしまった。作者が情報処理タイプを贔屓しすぎた気配があったり。
なので、「最初から戦闘型の出番がない」のは確かにありかもしれないけれど、そのロボットがどういう製作者に、何の目的で作られたかは大事かも。ヒロインは看護ロボットでどちらかというと目的優先だったし、戦闘型でなくても「運動能力をどこまで追求できるか」というコンセプトの、要するに研究者の実験的な試みが強く出たやつもいたりするし。そういう意味では主人公の製作者は戦闘型を作れるってことで、その世界の第一人者ではあったがな。