ちょっと補足しておこう。
なぜ私が最初に「鉄腕アトム」を指して「ぶっとんで人間的」と言ったのかという理由なんだけど、アトムは「人間になりたい」という感情を持ったロボットだったからなんだ。確か、そういう夢を見ているエピソードもあったくらい。
たぶん、疑似感情だったらいくらでも付加できる時代にきている。
だから逆に精密すぎるより、ちょっと抜けているくらいのほうが愛嬌があっていいかもしれない。
「ツインシグナル」では、製作されたロボット達は、そのAIの育成のためにしばらく製作者の家庭で「家族」として扱われる。そのため、人間らしい・らしくないを抜きにして、その家庭の(おもに子供たちが)そのロボットに愛着を持っている。「兄」として接してきたロボットの年齢を超えてしまってもいまだに「兄」として接していたり、機能的に優れているとは言えないロボットでも一緒にいてくれないと落ち着かない、と駄々をこねる子供もいる。
ロボット側もその蓄積データによって人格が形成されているから、「人間らしい」「らしくない」に焦点を当てるよりも、他者と過ごす時間を大事にする、というところに焦点を当てたほうがいいかもしれない。