1. 「掛け合わせ」で考える
オリジナリティは、「無から有を生み出す」ことではありません。「既存のものと既存のものの、誰も思いつかなかった組み合わせ」から生まれることがほとんどです。
A × B = C(新しい世界) の方程式を試してみましょう。
例1: 魔法少女 × ヤクザ = 「仁義なき魔法戦争」
変身アイテムが「ドス」や「刺青」だったら?
縄張り(シマ)を魔法で奪い合う抗争が起きたら?
敵対組織の魔法少女に恋をしてしまったら?
例2: SF(宇宙船) × 平安時代 = 「惑星源氏物語」
十二単のようなデザインの宇宙服。
ワープ航法は「方違え」によって吉凶が決まる。
敵対勢力との交信は和歌で行われる。
例3: 探偵もの × 全員が嘘をつく村
物理的な証拠よりも、「誰が一番マシな嘘をついているか」を探るゲームになる。
探偵自身も、村で生き残るために嘘をつかなければならない。
このように、全く関係ないと思われる二つの要素を無理やりくっつけてみると、化学反応が起きてユニークな世界観が生まれます。身の回りのもの、好きなジャンル、歴史上の出来事など、何でもいいのでカードを2枚引くような感覚で組み合わせてみてください。
2. 「もしも?」から広げる(What if? 思考)
日常や常識に「もしも?」を加えて、世界を歪めてみます。
もしも、 夢を記録・再生・売買できる技術が発明されたら?
他人の壮大な冒険の夢を見る「夢レンタルサービス」が流行する。
悪夢を見せる「夢テロ」が起きる。
他人の夢から秘密を盗む「夢探偵」という職業が生まれる。
もしも、 人間の寿命が頭上に見えるようになったら?
余命が短い人だけが集められる街がある。
寿命を売買する闇市場が生まれる。
余命わずかな恋人と、どう残りの時間を過ごすか?
もしも、 嘘をつくと体の一部が植物になってしまう世界だったら?
政治家や裁判官は森のようになっているかもしれない。
ポーカーフェイスが得意な詐欺師は、美しい花を咲かせることができる。
愛する人を傷つけないための優しい嘘で、体中が茨に覆われてしまった主人公。
一つの「もしも?」が、社会構造、文化、新しい職業、そしてそこに生きる人々のドラマを生み出します。
3. 「当たり前」をひっくり返す
物語の「王道」や「お約束」を、あえて逆転させてみましょう。
王道: 勇者が魔王を倒し、囚われたお姫様を救う。
逆転: 実は魔王は、暴虐な王(お姫様の父)からお姫様を「保護」していた。何も知らない勇者が魔王を倒してしまい、お姫様を地獄に連れ戻してしまう。
王道: 魔法は神秘的で特別な力。
逆転: 魔法がエネルギー源として使い倒され、深刻な「魔力汚染」が起きている世界。科学こそが世界を救う秘術とされている。
「使い古された設定」だと感じたら、その設定の「前提」となっている常識を疑い、ひっくり返せないか考えてみてください。
4. 「感情」や「テーマ」から作る
プロットや世界観からではなく、自分が描きたい「感情」や「問い」からスタートする方法です。
描きたい感情: 「許されないとわかっている相手を、それでも許したいと願う気持ち」
→ 誰が、誰を? なぜ許されない?(例:家族を殺した相手、自分を裏切った親友)
→ その二人が、協力しなければ生き残れない状況に置かれたら?(例:無人島、閉鎖空間)
描きたいテーマ: 「本当の正義とは何か?」
→ 片方から見れば「英雄」だが、もう片方から見れば「最悪の破壊者」である人物を主人公にする。
→ 読者がどちらの視点に立つかで、物語の解釈が全く変わるような構成にする。
あなたが今、心惹かれる感情、こだわりたいテーマは何ですか? それが、あなたの物語の核になります。
「書くのが楽しい」を取り戻すために
最後に、一番大切なことです。
今は、インプットの時期と割り切ってみましょう。無理に書こうとせず、面白い物語をたくさん浴びるのです。
小説を読む、映画やドラマを観る、漫画を読む、ゲームをする。
美術館や博物館に行く、旅行する、散歩して人間観察をする。
その際、「ネタを探そう」と意気込む必要はありません。ただ純粋に「消費者」として楽しんでください。心が動かされた時、「なぜ自分は今、面白いと感じたんだろう?」と少しだけ考えてみる。その「なぜ?」の積み重ねが、あなたの血肉となり、新しいアイデアの源泉になります。
スランプは、あなたが成長している証です。焦らず、色々な方法を試しながら、あなたの心が再び「これだ!」と震える瞬間を待ってみてください。