小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

返信する!以下は元記事

タイトル:主人公像は最後に考えてもいいかも 投稿者: 【本人から削除依頼】

 考えてみたものの、サタンさんのご意見の枠組み内になっていますし、ある場合にはこう、みたいな一例にもなってしまっています。応用性に欠けるなどの点を予めお詫びしつつ、個人的な経験での一場面でこうだった、という事例として見て頂けるよう、お願いします。

1.感動した作品による執筆意欲の罠

 好きな作品は、主人公に魅力を感じている場合が多いですね。いいなと思うものは、自分もやってみたいのが人情というものです。特に主人公が特異な能力を持っている場合に顕著です。そのこと自体は、いいことだと思います。

 しかし、主人公の能力に魅力を感じ、同じように特異な能力を持つ主人公までは考えたけど、そこから先が思いつかないってよくあります。剣の達人のフィクションを読んだり観たりして、槍の名手ならどうだろうと思いつく。槍の名手の設定は難しくはありません。物凄く簡潔に言えば「最強無敵の槍使い」ですから。

 じゃあ、その槍使いが活躍するにはどうしたら、どんなイベントがあれば、となってアイデアが出てこない。主人公に対抗できそうな剣使いが出てきて、えーっと、みたいになってしまう。話作りの自由度が大きすぎるんですね。なんでもいいがゆえに、方向性が定まらない。

2.主人公の能力・特性はイベントから引き出される

 一方、「どういう困難があるだろうか?」という発想も、お話作りにはあります。現実でも自分が困難に遭遇することは多々ありますね。高校や大学入試だと、「志望校に入学するには学力が足りない」とか。すると、「教科書や問題集がすらすら分かる頭があればよかったのに」とか「もっと前から準備しておけば」となります。(分かっちゃいるけど、ですけれどもorz)

 困難を先に発想すると、困難を克服できる能力や条件が発想しやすいわけです。どういう困難があるかを先に考え、その困難を解決できるキャラクターを次に考える。そういう発想順序だと、お話作りがやりやすくなってきます。

 自分が魅力を感じられる主人公を先に発想しても構いません。が、イメージした理想の主人公を全く変えずに、主人公が活躍できるイベント(≒物語)を発想しようとすると、発想自体が難しいこと以外に、なんとかアイデアをひねり出してもイベントに無理が出がちです。主人公を引き立てるためだけの演出臭さが出たりするんですね。

 ですので、最初の主人公案は仮のもの(叩き台)として、主人公が活躍できそうなイベント案をひねり出したら、イベントの見せ場、効果を最大になるようイベント主体で考え、イベントに応じて主人公(の能力、特性、弱点等々)も変えてしまうべきです。

3.悪役は能力が先、イベントが後

 一方、物語で事件を起こす悪役は事情が違ってきます。悪役は調和した平和を破る破壊者です。壊した後のことは考えなくていいキャラクターですね。波乱さえ起こせばいいので、能力から先に発想するほうが楽です。

 とてつもない腕力(と倫理観欠如)だけでもいろいろできます。しかし、物語を起動させるには、いろいろできるうちのたった一つを選べばいい。あれもできる、これもできるのに、なんでそれなの、なんてことはどうでもいい。野暮です。悪役は「こうしたいからこうする」のキャラです。

 つまり、こういう能力があれば、例えばこんな悪事ができるな、で物語をスタートさせることができます。悪役で説明しましたが、非常識なまでの無邪気でも似たようなことができます(ラブコメでよくある、例えば主人公に一目ぼれしてまとわりつく超絶美少女ヒロインとか、主人公が一目ぼれしたのが超横暴ヒロインとか、いろいろ)。

4.イベントが発生すれば主人公が必要とされる

 イベントが発生してくれれば、上記2になるわけで、イベントの解決方法(いわゆる「勝利条件」)も考えだすことができます。腕力頼りの悪党を止めるか倒すには、A.単純により強い腕力を持つ B.柔よく剛を制す C.正面からぶつからずに知略を用いる(孔明の罠)、などが容易に思いつけて来ます。そのどれかを、主人公が能力として持てばよい(もしくは、持とうと努力するのもドラマになる)。

5.とりあえずのまとめ

 以上のような次第ですので、物語発想のやりやすい手順の一例としましては、問題行動を起こしそうなキャラ→そのキャラが起こす具体的問題→問題解決策→主人公の能力・特性、という発想の流れがあるように思います。

コメントは4500文字以内。

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

トップページへ 「いっこうにストーリーが」のスレッドへ

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ