あまくささんが伝えたい事、それを人は「贖罪しようとしている」と呼ぶのかもしれません。
この小説はね、ハンディキャップが元で十字架を引きずって生き続ける羽目になった、贖罪者の詩(うた)でもありますから。
最近それがやっとわかりました。
余談ですが、現代を生きる侍シンイチに促されて、ヒロインのアイルと最終的に別れるかどうかを決断するシーンがあります。要は主人公のレイヤに罪を償う覚悟があるのかどうかが、ここで試されるわけです。そこで「アンズとデイゴの花を君へ」ルートか「黒き悪夢に撃砕を」ルートに分岐します。
だからね。「自己憐憫に浸ってんじゃねぇよ。ボク可哀想でしょ★、ってか?馬鹿じゃねぇの」と言われると「自分の弱さに甘えてきた自分が許せないから、こうして字にして訴えている僕に、大した十字架も茨の冠でさえかぶっていないテメェに言われたかねぇよ」って言いたくなるわけ。
だからあの時、ここは絶対に譲れないな、って思ったから激怒したの。
僕があまくささんを好いているのはそういう所。
察しがよくて、心に刺さる的確な伝え方が小説でなくても素でできちゃうんだもん。
なんて天稟でしょうね。
うらやましいですよ。