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タイトル:魔法が存在しない世界観での返信 投稿者: 手塚満

結論から申せば、とりあえずリアルの室町との類似性は気にせず、書き上げてしまえばいいと思います。書き上げて、読み返して気になる点が出たら、微調整で解消できます。

おそらく作者的に気になるのは、

「室町風ながら異世界と設定したのに、読者からリアルの室町と思われてしまうんじゃないか」から、例えば「ここが室町史実とは違うとか駄目出しされるんじゃないか」

などではないでしょうか。昔の時代劇でいえば、「暴れん坊将軍」で将軍たる吉宗が、普段は市井の遊び人として暮らしてるなんて、史実的にはあり得ないみたいなことですね。

しかし、「暴れん坊将軍」で真剣に「時代考証が間違ってる!」と駄目だしする人は事実上いませんでした。一応、歴史ものバラエティなんかで、時代劇の嘘を解説したりして楽しまれてはいました。

だからといって、「暴れん坊将軍」が駄作だとは誰も言い出しません。時代考証の嘘で失望もしない。面白かったことは素直に認めている。「水戸黄門」「遠山の金さん」などでも事情は同じです。

面白ければいいわけなんですね。たとえ、読者が室町風異世界と思わず、「もし室町がこうだったら」のIFだと思っても、面白ければそれで問題はないはずです。

読者的に困ることがあるとすれば、例えば固有名詞の流用です。ちょっと前に見かけたアマチュア作品では、第二次大戦前~中くらいの時代背景風で、固有名詞では例えば「関東軍」が出てくるんだけど、日本の関東にいる軍事部隊と設定してある。著名人の名前もそのまま流用されているんだけど、全くの別人の設定でした。

これでは読んでて、頭がこんがらがるわけです。固有名詞から実際の歴史の知識が思い浮かんでしまうんですが、作中では別物だといちいち意識しないと、ストーリーを理解することができません。そうしてもなお、ストーリーの理解を史実の知識が邪魔してしまい、作品に没頭できなくなってきます。

しかし、構想してお出での作品では、そういう懸念はなさそうです。「主権や出来事、登場人物の持ち物に至るまで」オリジナルであるわけですから、史実の知識が邪魔しそうにない。類似性があるのは「世界観の持つ雰囲気」だけであるわけですよね。読みにくくなる要素は、仰る範囲では感じられません。

異世界ファンタジーですと、中世ヨーロッパ風がたくさんあるわけですよね。ですが、リアルの中世ヨーロッパと違うと文句を言う人はいませんし、史実と混同してしまって困るというのも聞いたことがありません。

むしろ、ベースとして理解しやすくなる効果があります。少し聞いた(読んだ)だけで、だいだいこんな感じと分かるということですね。文章作品ではとても大事です。絵で見せるわけではなく、文章描写なんですから、言葉という記号から絵は読者がイメージしないといけない。見たことも聞いたこともない未知の世界だと、言葉だけでイメージ、理解するのは難しいのです。

しかし、中世ヨーロッパ風と思っただけで、ずいぶんと楽になります。「騎士が馬で道を行く」と書いただけで、周囲の状況はおおよそイメージできてしまいます。道沿いの庶民の家々とか、街道を行きかう人々の様子とか、遠くに見える城とか、言われなくてもなんとなくイメージできてしまう。

室町風と感じられるなら、同じようなメリットが生じるはずです。無理に(本当の室町じゃないとか)否定しなくていい。仮に、ある読者が室町時代のIFと誤解したとしても、何ら問題になるわけではないでしょう。無駄になるものがあるとしたら、作者がせっかく異世界と設定したことくらいですが、読者が読んで楽に面白がれるなら、作者の心づもりは譲ってあげたらいい。

それでも気になるのなら(現実の室町ではないことがテーマに関わるとか、あり得なくはない)、よくある手ですが、例えば冒頭に作者の宣言を付け加えれば大丈夫です。書き出しの1行目が「これは日本の室町時代のようでいて、実は異なる遠い世界の物語――」みたいな感じです。他の方法もいろいろあると思いますが、作品がどう仕上がったかで何かすべきか、すべきなら打つ手は、と決まってくるはずです。

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