まえに、『セリフとセリフの間に地の文をはさむタイミングがよくわかりません。』( https://www.raitonoveru.jp/counsel/novels/thread/3068 )という質問をしていたことを踏まえての想像なのですが、キャラの描写をセリフに頼りすぎていませんか?
言葉遣いが一語一句同じでも、言い方によって感じる印象は千差万別です。セリフ単体だと、意外とどんな様子で喋ってるのか確定できない場合が多い。でも、そんな時のためにあるのが地の文。
「いい、感じだね」
彼女は言いにくそうに視線をさまよわせた。
「いい感じじゃん……」
彼女はどこか悲しげにつぶやいた。
「いい感じですわね!」
彼女はステップを踏みながら元気よく叫んだ。
「いい感じだな」
ぼそっと耳元で囁かれた。
「……」
彼女は眉間に皺を寄せて僕を見下ろした。
台詞の印象を規定しているのは、言葉遣いや語尾だけではなく、むしろ付随する地の文なのが分かると思います。台詞単体にキャラの個性が宿るわけじゃなくて、それをそのキャラがどんな思いで、どんな様子で、どんな調子で言ったのかのほう、つまり地の文によってキャラクターが表現されるのだという話。