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タイトル:新人賞に応募したいのですが書きたいものが思いつかない…の返信 投稿者: サタン

プロの作家ないしラノベ作家は、確かに中学高校の頃からバリバリ長編を作ってたって人が少なくありませんが、一般的に考えてこれは相当難しい事です。
長編小説を完成させる技術って意味でもあるけど、同時に、多感な思春期に一つのことに打ち込める感性を持っているって時点で非常に稀有な存在です。
野球やバスケなどスポーツが大好きで部活一本ですごく上手い人ってのは、クラスに一人はいたりします。
逆を言えば、一クラスに一人、学年で数名しかいないって事。

こういう多感な時期というのは、アレやコレやに興味が広がって、一つの事に集中するって事が難しいです。
でもそれは、「興味を広げる」という意味で捉えれば非常に有益なことでもあります。
毎日書くことをしているのなら執筆は十分でしょう。
それより興味を広げて書きたいと思えることを増やしていくというのもまた、この時期には大事なことじゃないかなと思います。
例えば恋人を作って恋愛を経験してみたり、バイトをしてみて客の鬱陶しさを体験してみたり、部活ではない地域のサークルに顔を出してみて広い年齢層と交流を持ってみたり。

そしてスランプについてですが、私の場合は、学生の頃は気負う事がスランプの原因の一つでした。
「やらなきゃ」「かかなきゃ」「もっとこう、書きたいのは別のモノのハズだ」とか。
違う違う。やりたくないならやらんでいい。書きたくないなら遊んでくりゃいい。誰に強制されてるわけでもなく書いてるのに、出来たものが「別のもの」なんてあるわけない。
単に、自分の技術力の無さに目をそらして、作家気取って「コレじゃない」と原稿をやぶいてただけ。
「書きたいモノが書けない」じゃなくて、「書けたものが、自分の書きたいことだった」って事。
納得がいかないなら、そりゃ「書きたいこと」を表現する力がなかったってだけの事。
イラストを描くときにイメージ通りに描けりゃ、そりゃ気持ちいいです。
でも技術がなくて下手くそな絵になってしまって、「こんなんじゃない」というのは違う。
言葉は悪いけど、「それが今の限界なんだよ」って事。
イラストだと出来がハッキリわかるから理解しやすいけど、小説の場合、日本語は誰にでも書けるもんだから、これがなかなか理解できない。
だから、その気負う気持ちを捨てて気軽に取り組むことで、何か吹っ切れたようによく書けるようになりました。

というのも、「書きたいモノが~」というのはよく聞くけど、自分で自分の書きたいモノというのを書く前から理解してるのかな? と思う。
少なくとも私は当時、理解してませんでした。
自分の本心や表現したい頭の中のカオスを、どんだけ正確に理解してるんだろう? と思う。
吹っ切れて気負わなくなってからは、完成した小説を実に冷静に見ることができました。
まるで他人が書いたもののように、「コイツはコレを書きたかったんだな。アレをしたいがためのモノなんだろうが、するとココが甘い」と評価できました。
そこからは、人それぞれでしょうが、まず書きたいものを書く前に言葉にしてみて、物語の出来はともかく「書きたいモノの表現はできてるか?」ということに着目してみたり、そもそも私には「面白いもの」を書くだけの力がなかったので、逆に「面白い」は二の次にして、技術的に想定したものを正しく形にする力を養うようにしました。
そうすりゃ、「面白いものを思いつく」なら「面白いものが書ける」って事だから。

新人賞に求められるモノというのは、単純に「面白いもの」なので、ちゃんと物語を理解していて話を成立させることができれば、コツみたいなものは無いと言っていいです。
そりゃ、レーベルの色に合わせるとか受賞作や審査員の過去作から傾向と対策を練るとか、やりようはあるけど、柔道白帯の新入生がいきなり大技のコツを教えてもらったってケガするだけ、変なクセが付くだけです。

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