最近のVRものって実質的に異世界転生と変わらないっていうか、VR世界が現実と遜色ない解像度になってしまっていてゲームである意味がわかりにくくなってるので、ここらで逆にものすごく解像度が荒くてデータ量が少ない世界を舞台にした作品があったら面白いんじゃないのかなとか。
使用可能なデータ領域が限られているので人の名前は7人までしか覚えられないとか、チェックを付けて記録しておかなかった出来事の記憶はゲーム内時間で24時間ごとに消去されてしまうので一日前の出来事はもう思い出せないとか、そんな制限があるなかでギルドを組んでダンジョンに潜ってモンスターを倒さなければならない(モンスターを倒すと、モンスターのグラフィック描画に割かれていた演算能力が割り当てられてプレイヤーの記憶力がちょっとだけマシになる)とかどうでしょう。
ゲーム世界の話じゃないけれど円城塔の『エピローグ』にASCII文字だけで構成された宇宙の話があったっけ。この宇宙の住人はすべて@の一文字で表されていて付随する個人情報を持たないので個人の区別はない、っていう世界観。この世界で殺人事件(ASCII文字列のなかにaという文字が発見され、これが@の変質したものらしいと分かった)が発生したのだけれど個人の区別がない世界なので容疑者は住人全員……とかそんな話だった気がする(うろ覚え)。
デスゲームに限らず、ゲームならではの"制限"をストーリーに取り入れた作品がもっと増えてもいいんじゃないのかなと時々思います。ルール的な制限じゃなくて、ゲームの設計や仕様に起因する物理的な制限のほう。