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タイトル:場合によっては非常に重い題材の返信 投稿者: あまくさ

重い題材を選択した時は、それによって何を伝えたいのかを見失わないことが大切かなと。

ストーリーの中で、そのエピソードが主人公にとってどういう意味を持つのかを確認してみるといいように思います。おそらく主人公が信じる正義を貫くことによって誰かが不幸になってしまう。それゆえ辛い二者択一を迫られるという局面ですよね?
そう考えると、2は主人公が何らかの決断をしたわけではなく、ストーリーの操作によって成り行き的にハッピーエンドになっていることが分かります。だからご都合主義感があるんです。

ただし。
だからと言って、2が一概にダメだと言うわけではありません。エンタメ・ストーリーですから、主人公が一々重い決断に直面していたら読者も疲れてしまいます。だからストーリー操作で救ってしまった方がいい場合も時にはあるでしょう。

よって。
良いか悪いかはおくとして、ポイントは主人公が重要な決断を免れていること。作者の意図、またはストーリーにおけるそのエピソードの位置づけとして、それで構わないのかどうか?
考慮しなければならないのはそれでしょう。

そこで、もう一度エピソードの意味ということに戻って考えてみます。それはおそらく、主人公の目指す正義が試されているということ。そう言い換えられると思うんですね。
次に、そのエピソードがストーリー全体の中でどういう位置なのか、という観点があります。端的に言えば、

A)長いストーリーの中の1エピソード。

B)一つのストーリーを完結させる重要なエピソード。

このどちらなのか? です。

Aであれば、主人公の決断は曖昧でもかまいません。不幸な少女をめぐる1エピソードとしては、一応のハッピーエンドで読者を安心させるのも悪いことではありません。ただし課題が残り、それは先送りという形になります。

Bの場合。
主人公の決断を曖昧にする2の解決は、消化不良という印象を残す可能性は否定できません。
ただし、繰り返しますがすべての読者が主人公の重い決断を望んでいるともかぎりませんから、必ずしもダメだということはないと思うんですね。重苦しい設定が吹き払われて一応明るい結果に着地するだけでも、カタルシスに持っていくことは可能でしょうから。
冒頭に、何を伝えたいかが重要と書いたのは、そういうことです。

しかし作品作りのコンセプトとして主人公の決断を重視したいなら、AにしろBにしろ工夫が必要になります。
Aは「課題が残るひとまずは幸福な着地点」ですから、残された課題がストーリーを進展させ、ラストの大きな感動を準備する伏線として機能する必要があります。

Bの場合は、そこがストーリーの完結に直接繋がりますから、安易なハッピーエンドは望ましくないとは言えそうです。
ただ見逃してはいけない重要なポイントは、「主人公が少女を攻撃して下半身不随にする」わけではなく、あくまで「少女が悪役組織から受け取ったパワーを失わせることによって、結果的に下半身不随にもどる」のだということです。結果的には同じように見えても、前者なら少女を冷酷に断罪する感じなのに対して、後者は少女に同情しながらやむを得ずにという描き方も可能です。
悪役組織から受け取ったパワーによって少女は足を動かせるようにはなりますが、それによって災厄を引き起こしてしまうとしたら彼女にとって幸福とは言えないでしょう。そういう辛い状況から少女を解放するという側面もあるのだと思います。そう考えると、けして救いがないわけではないのです。

少女からパワーを奪うことによって、彼女は下半身不随にもどる。しかしパワーを得ていた期間に少女が起こしてしまった罪により世間から非難されることからは守ってやり、少女の心の傷を癒す方法も見出す。それによって少女は立ち直り、下半身不随ながら強くなった心で新たな生き方を見つけていく。
これはこれで難しいストーリー作りにはなるでしょうが、最も真っすぐな方向性として検討してみる価値はあるのではないかと思います。

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