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タイトル:過去の成功体験を忘れるにはの返信 投稿者: 手塚満

例えば、1年前のご自分(スレ主さんご自身)をどう思いますか? 365日あったわけですよね。1日にたった1つの知識を得るとしても365個になります。1年前の自分は今の自分基準では愚かであるはずです。もし1年前の自分もなかなかやれていたと感じるなら、成長がなかったということです。

私自身で申し上げるなら、過去の成功体験なんてすぐ腐ります。執筆に限りません。何かを継続的にやっているなら、遅くとも1年以内に「あんなのは全然ダメだった」「今ならもっとうまくやれたのに」となります。だからずっと抱えていられる成功体験なんぞありません。1年以上前は全て黒歴史です。

これは特別なことではありません。例えば、中学生が小学生のとき掛算ができたことを誇ったらおかしいでしょ? ベテラン社員が新入社員より仕事ができると自慢したら笑われるでしょ? 中学1年生は小学6年生に勉強を教えることができて当たり前。入社1年目の社員が新入社員に仕事の要領を教えるのが当たり前。

ご質問では「書いては消して書いては消してを2年ほど繰り返し」とのこと。消したにせよ書いているんですよね? それでうまくいかないなら、まず「成長していないのではないか?」と疑ってみるべきだと思います。

原因はいろいろ考えられます。

・インプットが足りてない(今の自分に書けることに終始してきた)。
・良し悪しを判断する力が先行している(これはそうあってしかるべきもの)。
・作品を完成させていない(書いて伸びるには完成が有効、重要)。

可能性を挙げだすとキリがないので、これくらいにしておきます。最も大事なのは「作品を完成させること」ではないかと思います。完成しないと、誰もきちんと評価できない(感想や批評、アドバイス等を言うにしても個々の表現とかに留まる)。

書く力より読む力が先に伸びる点も注意かもしれません。書くと格段に読めるようになるんです。手より目が先に肥えているのに、今までと同じ読解力だと思っていると、自分の成長を見誤る恐れがあります。どうなっているかを判断するには、やはり作品を完成させるしかありません。成功したと思った過去作と新作を読み比べたら、成長の度合いが掴めるはずです。

名作を書ける人は駄作もたくさん書いて発表した人です。貶されるとか褒められないのが嫌なら、何もしないでいるしかありません。常に褒められたいなら、小説等の新規に手を出さず、既に自分が得意とすることをやっているしかありません。

しかし、ご質問になるくらいだから小説を書いてみたいんですよね? でしたら、過去の成功体験をご自身で駄目出ししてください。成長していればできるはずでし、過去の成功がレベル低いことが当たり前に思えるはずです。

(ちょっと極論ですが、過去の成功体験に自信をもってよいのは、己が極限まで能力を高めて発揮できた人にのみ許される贅沢です。ある種の絶望を伴う自信です。伸びしろがあると思えるほうが、たぶん幸せです。)

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