身も蓋もないことを言うなら、そもそも小説やアニメなどの物語世界はすべて一種の仮想現実です。なのでVRMMOモノと異世界ファンタジーは道具立てと演出が異なるだけで、フィクションとしての構造はさほど違わないんですね。それを端的に示している作品が例えば『オーバーロード』で、あの舞台設定はVRMMO空間から実体的な異世界に転移したようにも見えますが、それでいてゲーム・システム的な特徴をかなり備えていて、もう一つ別のVRMMO空間のようにも見えます。だから登場するキャラ達もNPCと異世界の住人の境界がはっきりしません。
なので、そういう世界観がすでに定着しているラノベというジャンルに親しんでいる読者にとっては、
>『NPCの伴侶、または自分のお腹にある体液を消さないためにログアウトしない、という決断は、ゲームをやっていない人には理解されづらいですか?』
>『NPCと家庭が作れたとして、親族は実在の人物とみなしてくれるのでしょうか?また、そうした人々が社会的少数派になって、社会問題になりませんか?』
このアイデアは問題提起としては機能しないんじゃないかと。オーバーロードの読者って、おそらくアルベドがNPCなのか普通のファンタジー・キャラなのかあまり意識してないと思うんですよ。
なので、仰っているような意図でそのアイデアを扱うなら、ラノベではなく一般寄りのSFに仕上げた方がいいんじゃないかと。それなら書きようによっては面白いものになるかもしれません。