>それともある程度のストーリーが無ければ、キャラクターは作れないのでしょうか?
この点について、もう少し考えてみます。
ある程度というなら、その通りかもしれませんね。
ストーリーはキャラクターが行動することによって動きますし、キャラクターは何らかのシーン・エピソード・シチュエーションがないと生き生きと表現できないように思います。
後者は小説の場合とくにそうです。
マンガなら一コマの絵だけでもキャラクターはかなり表現できます。しかし小説にはそれがありません。ヒーローのかっこよさやヒロインの可愛らしさをどんなに巧みな文章で描写しても、絵にはかなわないでしょう? だから小説のキャラ表現は行動の重要性が高いのだと思われます。そして同じ行動でもアニメのように直接的な身体の動きを表現するにも向いていないので、ある程度のシチュエーションをからめた行動が必要になります。
ここまで来ると、もうストーリーの一部に近づいているでしょう?
このような意味で、キャラとストーリーは不可分です。なので、小説は「ある程度のストーリーが無ければ、キャラクターは作れない」と言えなくもありません。
ただ、この場合の「ある程度のストーリー」というのは本当にある程度でいいと思いますよ。
私が一番最初にエンタメのストーリーを考えたとき、最初に「何でもいいから主人公がヒロインを助け出す話にしよう」と決めました。ちょっと恥ずかしいくらいアレな発想ですが、出発点はこんなもんでいいと今でも思っています。
サタンさんが物語の最小単位として「魔王を倒す話」をよく例にあげていますが、つまりそういうことです。
次にやることは、これまでに読んだり観たりした小説やら映画やらアニメやらのうち「主人公がヒロインを助ける話」を思い出し、その中の自分が気に入った要素、または人気がある(と思われる)要素を思いつくだけ拾い集めます。で、なんでそれを気に入ったのか、どうして人気があるのかを考えて、パーツを取捨選択して再構成します。
拾い集めた要素を全部つめこむことはできないし、要素と要素の間で相性が悪いものもあるわけですね。そういうことを検討していると、ストーリーの輪郭もだんだん見えてきます。
構想の段階でキャラとストーリーを一緒に煮詰める。そういう方法もあると思います。
(余談)
「誰だれが~をする話」というシンプルな最小単位は、実は最近よく言われる「ログライン」の基本でもあるんですね。
ログラインという言葉は、ハリウッドのナントカさんとかの影響なのかよく耳にするようになりましたが、具体的にどうすればいいのかイマイチわからんってことないですか?
こういうのって難しく考えない方がいいです。そこに引っかかっていると何もはじめられませんから。
まずは自分にとってわかりやすく、手をつけやすい形にアレンジしちゃっていいから、やってみることが肝心です。