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タイトル:地の文が書けないの返信 投稿者: t

こんにちは。パッと読んだ感じ、たしかに夜野燈と奏がどういった人物か分かりませんね。
つまり人称が弱いのですが、とはいっても沼に行くことを読者にちゃんと書こうとする気持ちや、燈や奏の魅力を書きたい台詞、心情としてUMAや改造人間などの情報も入れたい、そして全体を面白くしたいメタ発言といった感じで。苦心されている様子が痛いくらい伝わってくる、真摯に向き合っている素敵な文章です。

小説の文章には、”誰が書いても面白くなる展開”と”技術を必要とする展開”があります。
誰が書いても面白くなる展開を使えば、昨日今日はじめた初心者さんが文章ド下手で書いても普通に面白くなります。
異世界なろうテンプレやチートハーレムはゴミだという人がいますが。(その意見には賛同できる部分もありますが……)。世の中には、”誰が書いても面白くなる展開”を使って書かれているものが、私達の身近にはかなりたくさんあります。
別サイトでもなんでもいいのですがネットの短編で高評価ものとか、探せばいくらでもでてきます、そういった、誰が書いても面白くなる展開の引き出しを多く持っておくことも大切です。

この夜野燈の短編は、技術を必要とする展開なので難しいです。
例えば今だと一手間加えて、誰が書いても面白くなる展開に傾けるのは簡単です。
燈か奏のどちらでもいいのですが、
夜道でつまずいて転びそうになったところを、手を掴んで体を支えてもらう。2人はしばらくの間、手を繋いで歩いていたが、そのことに気付くと手を放し気まずい空気が2人に流れた。
というシーンを、
「まさか迷ってる?」
「だ、大丈夫よ。ちゃんとつく、もうすぐだから」
このあたりに挿入するだけでお話が少し分かりやすくなります。
しかしこのようなやり方は、
周りの作家レベルがちょっと上がっただけで、まったく通用しなくなります。

この短編の一番の課題は、最後まで読んでも、夜野燈と奏がどういった人物か分からない点につきます。
これはどうしてかというと、よく視点人物はカメラに例えられますが。
視点人物が弱いと面白さが半減してしまいます。
その原因として、夜野燈には動機が書かれていません。
もちろん作中では、
『今回は幼なじみ兼別の支部所属の月影奏に「水中から白い触手を出すUMAを見せてあげる」言われ、半ば強引に連れ出されたのであった』
と提示されているのですが、ちなみにこれは非常によくあるミスなので重く受け止めないでください。

小説では、
『今回は幼なじみ兼別の支部所属の月影奏に「水中から白い触手を出すUMAを見せてあげる」言われ、半ば強引に連れ出されたのであった』
が、夜野燈をどのような気持ちにさせたのか! までを、つまり後もう一歩踏み込んで書かなければいけません。

半ば強引に連れ出されたことに対して、夜野燈は怒ったのでしょうか。
もし彼が怒ったのであれば、腹が立って、憂さ晴らしに周囲の物を殴るかもしれません。
あるいは夜野燈は奏のことが好きなので、彼女にいいところを見せようと思ったのかもしれない。その場合は、彼女が普段香水をつけているかどうかは分かりませんが、歩きながら香水を褒めようとして言い出す機会をずっと伺っていたのかも。
あるいは、奏に従わなければ何かしらのペナルティを加えられるのだとすれば。地の文で、もし文句でも言おうものなら奏からどんな罰を与えられるのか、それで胃が痛いだとか。
まとめると、夜野燈はどんな人物か?

このお話は事実として、夜野燈と奏が山道を歩いて沼に行きます。
その現実にもう一歩踏み込んで、視点人物である夜野燈はどのような心境や考えで、山道を歩いて沼に行くのかを地の文に書くようにしていくと、全体を通して流れが生まれてきます。
夜野燈、彼から見える景色を、これは視点人物のフィルターを通してといわれるやつですが。
その部分に注目しながらあらためてネットやプロの本を読んでいくと、新しい発見があるかもしれません。そしてコツを掴むまでが大変ですが、分かってくればすぐだと思います。
何かの参考になれば幸いです。

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