個人的に関心のある議題なので、しつこいようですがもう少しお邪魔します。自分の頭を整理するためでもあるので、そちらから何かなければ返信は不要です。
示された設定のポイントの一つは「立身出世のために」という部分だと感じます。主人公の序盤~中盤の動機として大いにありだと思いますが、浅ましいという印象を読者に与えるのはまずいでしょう(硬派な社会派ストーリーなら別ですが)。
で、そこを救う手段はいろいろあるでしょうが、一例として主人公を没落した名家の子弟にするという設定などが考えられるかと。
主人公の父は人格高潔な貴族だったのですが、陥れられ、汚名のうちに窮死したとします。これならば主人公が父の無念をはらし、家名を再興するために出世することにこだわったとしても、読者の理解は得られると思います。序盤~中盤の主導動機としても十分かと。
ここをベースにして彼の心の成長要素を重視するならば、心を閉ざした主人公がヒロインへの愛に目覚めることによって次第に変化していくといった流れが想定できます。
この場合、姫君と女ボスがヒロインとして競合したとしても大丈夫じゃないかと思うんですよ。
読者の期待感は主人公がどちらのヒロインを選択するかよりも、どちらか(または両方)への愛によって成長することそのものに向かうと思うからです。
作品のコンセプトというのは以上のような設計方針のことだと思うんですね。
最初のリンク先の説でも、特定のヒロイン=コンセプトとは説いていないのではないでしょうか? あの例はメイン・ヒロイン一筋という設計方針がコンセプトなのであって、そこを見失うような浮気はまずいんじゃないか。
そういう話だと思います。