さらに横やり失礼……
戯曲の場合は上演時間も気にしなくちゃいけないから、けっこう圧縮気味にしないといけないんですよね。圧縮しないで一人の男の栄華と転落を描いたものというと「源氏物語」かな。女三の宮を迎えたあたりから、これまでの栄華の報いを受けるかのように光源氏の運気が下降していってる(それまで自分が不倫三昧だったのに、不倫される側になったり紫の上の信頼を失ったりとかで)。
通常だったらこれ読みたくねー、宇治十帖なんかほんと、人気が出た後の番外編として次世代の話をファンサービスで描いてるだけみたいに思えてくるんですが、穿った解釈かな。
それはさておき、御作を拝見しましたが、なんだか「前半の説明が妙にわかりにくい」という意見には頷けるかも。「伏線としてうまく機能していない」感じがするんですよね……(私は感覚から入ってその後その感覚の出どころを探るために分析するんですが、そのため論評は超テキトーなので、その程度と思ってもらっても構いません)
女性に下心を持つあたりの描写はともかく、故郷に対する複雑な気持ちはもう少し早めに表出させておいたほうがいい感じがしました。事件のことは伏せておいて構いませんが、そこが「伏線としてうまく機能していない」感じがしたところです。「場所の名前を言えなかったのはこういうことなんだよー」という伏線回収が、いまいち盛り上がらなかった感が。
他作品やコラムなどのテクニック論を参考にするのは構いませんが、それが自作に該当するかを客観的に判断するのは……難しいことだと思いますが、できる範囲で頑張って下さい。自分も研鑽中の身ではありますが。