その「隣の綺麗な女性への意識」と「後ろで待っている客の苛立ち」の描写の仕方が似ていたためまぎらわしくなっていて、「隣の綺麗な女性への意識」がかえって埋没している感じがありました。すなわち、描写の匙加減にきわめて重大な計算違いがあったのだと考えます。
「隣の綺麗な女性」は後半きわめて重要な役割をするのだから、前後の描写を含めてこの女性にピントを合わせ、最新の注意をそそいで文章を調整するべきです。
そのためにこそ、「気もそぞろで見つからない探し物」と「後ろの客を怒らせてしまう」の描写は端的で素っ気ない方がよいと私は感じたのですが、いかがでしょうか?