「裏切り 映画」でググれば名作どころは見つかるかと。
個人的に裏切り要素があって最後にどんでん返しな映画で好きなのは「ワイルドシングス」。
でも別に「裏切り」がテーマではないです。
裏切りがテーマになるとコンゲームでなければ胸糞悪くなるものが多いので、あんまり好きじゃない。
例えば「ダンサーインザダーク」とか。これも裏切りってか不幸を描いたものだけど。
裏切られた後の復讐劇がテーマになると「キル・ビル」とか、アニメでは「ガングレイヴ」が好きかな。
復讐劇ならアンチヒーローやダークヒーローといった枠でラノベにも多いでしょう。
でも、
>どうしても自分の理解が浅くてよく分からないので
とあるので、あくまで創作の参考として「裏切り」を理解したい、という事なのかなと考えて答えると、
まず、スパイダーマンは(私は2002年公開の古い方しか見てないが)別に裏切りをテーマにしてるわけではないです。
「親友が主人公と敵対する過程」のエピソードであって、その過程は別に裏切り行為がなくとも成立していたし、たまたま手っ取り早くストーリーにマッチする手段が「裏切り」であったというだけ。
紐解いていくと、
最終的に「親友が主人公と敵対する」に持っていきたいので、これを実現するにはと考え「主人公と敵対するだけの事実が親友に突きつけられる」という案を出す。
ではその「敵対に値する事実」は何かと考え、「父親が主人公(ヒーロー)に殺された」という展開を考える。
となると、別の問題として「主人公が親友の父親を死に至らしめてしまう」というエピソードが生まれるので、これに説得力を与えなけりゃならん。
よくある「争いに巻き込まれて英雄に親を殺された」という展開でもいいんだけど、スパイダーマンの場合は「親友父が敵の正体だった」として、倒さなきゃならない相手として書いてる。
ここでポイントになるのは、このエピソードはスパイダーマンの中で最初にあるエピソードだって事。
主人公はヒーローとして生きる決意をしていないし、元々は引っ込み思案な人物で自ら事件解決に乗り出すような性格じゃない。
そんな主人公が「親友の父親を殺してしまう」わけだから、これにも説得力が必要。
なので、「主人公は親友父にすごく気に入られていて、実の息子よりも目をかけてる」という信頼を置き、そしてその信頼にヒビが入ることで親友父を放置できなくなるし親友父もより一層主人公扮するヒーローに執拗になる。
そして結果的に「信頼を裏切った」として親友父は死ぬことになって詳しい顛末を知らない親友は父を殺されたとしてヒーローを憎むことになり、「主人公に敵対する親友」の図が出来る。
なので、確かに「裏切り行為」で物語は上手くまとまってるけど、別にそれが目的ではなく、元をたどれば「親友と主人公が敵対する」という流れに持って行きたかっただけ。
一応、裏切りを書くにあたっての助言も書いておくと、
そもそも「裏切る」ということは前提として「繋がり」がないと切りようがない。
だから「親友父は主人公を実の息子より信頼している」という描写がある。
裏切り行為は、単にこの信頼を裏切る行動を取れば良いだけだから、すごく簡単。
でも、「二人の間には信頼関係がありますよ」と印象づけるのはそれなりにページ数がかかるので、どっちかって言うと、まずこうした「繋がり」を書かないと(考えないと)裏切りは書けません。
よくありそうな思考のミスとしては、プロットなどで「友人Aに裏切られて主人公がピンチになる」みたいに書いている場合。
これは前述したとおり、前提となる「繋がり」を書いていないので、漠然と「裏切るって何?」となってしまう。
例えば「愛し合う二人が」となれば「裏切り」は「愛情に対して裏切り」なのでパッとイメージできますよね。
「裏切る」ということは前提に「繋がり」がある。それを明確にしなければ、「何を裏切るのか」が作者自身わからないので、イメージがしにくく発想できない、ということになったりします。
なのでまずは前提になる「繋がり」を考えて「何を裏切るのか」を明確にすると思考しやすくなると思います。