タイトル:苦労して書いた小説はまったく読まれません、評価されません。どうすればいいか教えてください。の返信の返信 投稿者: 手塚満
(No: 06の続き)
拝読した少量からの印象ですので不正確にはなりますが、どうも作者さんが己がイメージした物語に夢中になり過ぎ、浮かれてしまっています。そのせいで、イメージして興奮した物語の感想しか言ってないように感じられます。言い換えれば、作者イメージ中で、作者が興味をひかれたものしか書いてない。
読者にとって大事なのは、作者さんが何に感動したかではなく、感動に至る過程です。その過程を読者が追ってみて、うまくいけば作者さんのような感動に至るわけです。「いやあ、凄かったんだよ!」と言われたって、凄いと思う人はいません。何が凄かったのか、その「何が」を伝えてみてください。
そのためには、最低限の伝わる文章技術が必要です。御作の書き方から感じられるのは、「この作者さんは、自分が書いて自分が読むことに終始したんじゃなかろうか」ということです。作品知識がない人、つまり普通の読者に読んでもらって、分かるように書けているかどうか確認せずに、ここまで来たんじゃないかと思えます(そういうケースはちょくちょくある)。直截簡潔に表現するなら「独善」です・
捨ててもいい、あるいは全面的に書き直してもいいと思えるくらいの小品、短編を書いて、感想を求めてみてはどうでしょうか。大作だと書き直すのは嫌なはずです。ある部分の書き直しが、後のストーリーに響いたりしますし、とにかく作業量が膨大になる。おそらく、御作に対して誰が何を言っても、やり直すのは難しいのではないでしょうか。
ですので、繰り返しくどくて申し訳ありませんが、練習と割り切った短いもので、文章技術を磨くべきです。幸い、このサイトでは投稿作品への感想が得やすいです。掌編~短編なら気軽に読んでくれる方も多い。予め作者コメントも付けられます。作品投稿時に「文章面でアドバイス欲しいです」と断って、感想を求めてはどうかと思います。
(終)