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タイトル:生きたキャラクターを生めた試しがないの返信 投稿者: サタン

それは多分、ストーリーがないからだと思うよ。

それまでただのモブでしかなかったキャラが、次の話題でスポットを当てられてそのキャラの視点の話になる、という漫画なりアニメなりに覚えはないかな。
一話だけそのキャラの話をする、という箸休め回によくあると思うのだけど。

じゃあ、背景扱いのただのモブと主役級のキャラクターと何が違うのかっていうと、極端に言えば、単に物語の中でスポットを当てられているかどうかの違いでしかない。
でも例えば、あるとき友人たち数人と一緒に舞台の上に立たされて、その中でよく喋る中心人物的な友人が得意気にスピーチしてるんだけど、フッと照明が消えて唐突に何の前触れもなくスレ主にスポットライトが当てられたら、スレ主さんは舞台の上で友人に代わり満足にスピーチをすることが出来るでしょうか?
おそらく、スレ主さんだけでなく多くの人はスピーチできないでしょう。
そんで、こう思う。「自分に当たるならちゃんとスピーチ用意してきたのに」って。

このたとえ話で何が言いたいのかって言うと、スポットを当てるなら「ちゃんと用意しておかなきゃいけない」ってこと。
用意しておかなきゃ、そのキャラはちゃんと喋れない。
つまり、動き出してくれないし、友人に振られて相槌うったり返答したりするくらいのモブにしかならない。

じゃあ、キャラが動き出すために何を用意すればいいのかっていうと、最初に戻って「ストーリー」になるわけだけど、
たぶん、そもそもソレがないから困ってるんじゃないかなとも思う。
つまり「キャラが動き出す」から「お話が作れる・生きたキャラになる」という考えなんじゃないかな。
だから「キャラが動き出す」の前に「ストーリーを用意する」と言われても、疑問符が浮かぶのではないかなと思う。
「生きたキャラを作れればキャラは勝手に動き出す」って、そんなん当たり前やん、みたいな。

私が言ってる「ストーリー」は、起承転結の物語って意味でもあるんだけど、いまは、どっちかっていうと「そういう物語の素になるモノ」のことで、コレに名称がないので「ストーリー」と表現してます。
なので、人によっては別の表現をしてるかもしれない。

ほんで、ようやく本題だけども、これは一種の考え方の話で、方法論ではないと思う。
例えば、キャラ設定で「彼は炎を操る能力者」という設定があったとしましょう。
これだけでは「ただの設定」で、「彼の個性」ではない。
そういう個性が生々しく彼に宿っているわけではない。ただ単に「炎を操れる」と言ってるだけ。
設定をキャラクターに宿らせるには、「その設定を持ってることによって彼の身に起こるエピソード」を簡単に考えるのが一番手っ取り早い。
それも、例えば「誤ってペットの愛犬を焼き殺してしまった事がある」と、ここまで考えられる人は多いし、この時点で問題ない人もいる。
でも、もう少しそのエピソードの状況をハッキリさせたほうが「彼」が見えてくる。
例えば「愛犬の散歩をしていると、不良に絡まれる。愛犬が前に出て守ってくれるが、その守ってくれてるハズの愛犬が燃え上がってしまい、ビビった不良は逃げていく」とか。
こういう簡単なエピソードがあると、例えば「彼」が炎を出すときの、その炎の形はどんな形だと思いますか? 犬ではありませんか? 彼にとって犬とは罪悪感の象徴であり守護者でもあり友人でもあるわけですから。と、このように「設定がキャラに宿る」わけです。

で、そうなると、この「彼」の設定に「弱った狼男と出会う」という展開をぶっこむと、なんとなく「あ、こうなりそう」というイメージが出来ません?
更に狼男がいるなら、それを追う退魔師がいてもおかしくないので、さて、すると「彼・狼男 VS 退魔師」って場面もイメージできますよね。
今回の例では「彼」については「犬」に関連するワード・それに近い要素をぶっこむと「彼」は勝手に動き出すってのがわかりませんかね?

元々の設定は「彼は炎を操る能力者」というだけで、この状態では、「彼」に何の要素を入れてもあまり動きません。
「誤って愛犬を焼き殺してしまった」というエピソードがあると、「それについて話ができる」ので、「犬」のワードが強くなる。
この状態でも問題ないけど、こうだと「誤って愛犬を焼き殺してしまった過去がある」と、これを「そういう設定」と認識してしまうミスが起こる気がする。

「彼は炎を操る能力者」という設定の、いちエピソードに「誤って愛犬を焼き殺してしまった」という過去があるわけで、設定とエピソードをごっちゃに考えると混乱の元になる。
決して、設定が2つあるわけではない。設定とエピソードの関係。
なので、エピソードをより具体的にするためにも、エピソードは少し掘り下げて考えるのが良いと思う。

キャラクターがモブではなくなるためには、単純な話「彼」にスポットを当てれば良い。
けどスポットを当てられても「用意」してなければスピーチもできないため、話す内容を用意しておく必要がある。
「炎の能力者の彼」に「愛犬を焼き殺した事があるというエピソード」を用意しておくと、「犬」という要素が来れば、彼は主役になれる。
とまあ、こんな感じ。

つまり、「愛犬を焼き殺した」ってエピソードは「犬」という要素に対する「ストーリーの素」ってことで、これを用意しないとねって事なんだけど、説明できたかな。

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