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タイトル:一話完結型の連作についての返信 投稿者: あまくさ

主人公が旅をしているのか定住しているのかは本質ではないような気がします。

例えば『美味しんぼ』『孤独のグルメ』。
料理という一貫したモチーフ・テーマがあり、毎回、特定のメニューを軸にキャラの人生をからめた物語が作られます。
料理ではなくて、音楽やスポーツをテーマにしても同じことができますよね?
水島新司さんは言わずと知れた野球マンガの名手。『ドカベン』は長編ですが、連作物の『野球狂の詩』も名作だと思います。

一貫したコンセプト(テーマ)から一話ごとのモチーフを抽出するのが基本ではないでしょうか?

あと。

私が好きなアニメの一つに『プリキュア』があるのですが。あれは基本的に毎週1話ごとにストーリーがまとまるスタイルになっています。
で、ファンだったら同意してもらえると思うんですが、プリユアはバトルよりも日常パートの丁寧な作りが持ち味なんですね。
料理とか野球とか、そういう具体なモチーフはありません。テーマは「日常」そのもの。
初代のエンディング曲に、

(引用はじめ)
地球のため、みんなのため、それもいいけど忘れちゃいけないことあるんじゃないの?
胸がドキドキするトキメキ、夢みてるティーンエイジャー
ごく普通のそれが日常、けして失くしたくない
(引用おわり)

というフレーズがあります。
17年続いているシリーズですが、毎週のようにダークサイトからの敵と戦いながら、それよりも日常をエンジョイすることを大切にする基本思想はみじんも揺るがないのがプリキュアの特徴なんですね。
そういう明確なコンセプトをもとに、一話ごとのストーリーが作られています。

実例を一つだけ。私が好きなエピソードに、5年目『プリキュア5』の「悩める生徒会長」という話があります。
プリキュア・メンバーの一人の生徒会長が、部活の予算の配分に悩みます。複数の部活が予算を増やしてほしいと無理な要求をしてくるんですね。
そんな時、天真爛漫な主人公が雑談で、学食のおかずを分け合うと2倍美味しいというようなことを言います。生徒会長はそれにヒントを得て、各部の実情を聞いてまわるということを始めます。
演劇部は上演のための衣装がほしい。裁縫部は作品を発表する場が欲しい。でも、どちらも予算が足りない。
じゃあ、コラボさせればいいんじゃないか?
そういう発想で各部の無理難題をさばく目途がついてきたところに、敵組織の幹部が襲ってきます。幹部は自分の利益だけを追求すればいい、かなわないなら奪い取るしかない。現実とはそういうものだ、みたいなことを言います。
それに対してプリキュアたちは、お互いの立場を理解して協力し合うことによって大きな力が生まれると反論しながら戦います。

こういう議論をしながら戦うのが、プリキュアの特徴の一つです(笑

対象年齢が低いのでやや教育番組的な感じがないでもないですが、明確なコンセプトを軸に各話をまとめる技術が秀逸で、参考になりますよ。

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