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タイトル:文章を書いてみましたの返信 投稿者: 手塚満

細かい点でもいろいろ推敲の余地はあるように思います。情報の出す順序での一文ごとの並びとか、各文での単語選択とか、重複などの冗長性とかとか。それらは、すらすら読めて、ぱっぱと分かるためには磨き込んでもいいかもしれません。

しかし、もっと大枠で問題がありそうに思います。そこで非常に損をしている感じです。これは小説の途中ではなく冒頭ですよね。読者を掴んで、続きを読んでもらえる作りにする必要があるはずです。

しかし、出だしからイベントが発生しているようには見えません。重要キャラクターが何かしようとする動きが感じられません。物語の舞台とか設定とか、これから読むドラマを理解する準備に、出だしからの相当部分が使われてしまっているようです。

具体的に計算してみます。このサイトのカウンターによれば、冒頭全体は、

> 文字数 : 6,335文字
> 原稿用紙換算枚数 : 16枚

となっています。主要キャラクターが具体的な動きを見せたと感じるのは、まず、

>  少年の手を取る。
> 「ちょっとこっち来て」

からでしょうか。そこまでの文字数は、

> 文字数 : 2,695文字
> 原稿用紙換算枚数 : 7枚

です。つまり冒頭のイベント開始まで、出だしから全体の43%が設定説明に費やされています。しかも、その後は設定説明主体に戻ってしまいます。キャラがちゃんと動きを見せ、その後にドラマが起こりそうと思えるのは、

>  ザッザッと歩いていると、遠くに影を見つけた。そいつはこちらを見つけたらしく、段々と寄ってきた。どう見ても人間には見えない。

からでしょうか。そこが目を引けるイベント開始になっているようです(あるいは、なり得そう)。

そうだとしますと、文字数計算ではそこまでが、

> 文字数 : 5,557文字
> 原稿用紙換算枚数 : 14枚

となります。目を引けるイベント開始までの設定説明が、実に全体の88%にもなります。文章量は原稿用紙14枚分です。そこまでは、読者は作者が語る物語舞台やキャラ紹介を読み進めねばなりません。言い換えると「お勉強」です。作者は自分の想像したイメージを語るので楽しいですけど、それを聞かされるだけの読者はなかなか楽しめません。

出だしからキャラクターを動かし、イベントを起こして読者の目を引いたほうがよくないでしょうか。よく使われる手で、あまりに使われるので避けろという人がいるほどの手法で「1行目が台詞」というのがあります。

出だしでも台詞であるだけでキャラがいること、何かに反応していることが分かります。その台詞内容が異変を暗示してたりすると、さらに興味を引くことができます。

お示しの冒頭ですと、無言で迫って来る「ソイツ」から始められないか、構成から見直してはどうかと思います。読者としては主人公エーリカも、ホーリーも知らず分からずですが、「主人公らしきキャラに危機が迫る」ことくらいは分かりますし、拍子抜けするオチだということも分かります。

そうなれば、読者は「その2人って誰なんだ?」という興味を持てます。そこから説明を含む描写にしていけば、より有利ではないかと思います。

細かいことは後、みたいなことを申し上げておいてなんですが、細かい点での注意点もあります。お示しの冒頭ですと、物語世界の舞台について具体的に示すのが少し遅いようです。はっきりと文明レベルを示唆する単語は「携帯ゲーム機」です。その後の初出までが、

> 文字数 : 1,530文字
> 原稿用紙換算枚数 : 4枚

となっています。この間、物語世界の文明レベルが曖昧です。一応、「多機能なカード」がもっと前に出ては来るんですが、どう多機能なのかは(主人公にも)よく分からない。中世欧風で魔法のある世界、でも通じてしまいます。

現代でも身近にあるアイテムが「携帯ゲーム機」になります。ゲーム機はすぐに時計機能もあると示され、現実世界でだいたいの時期も察せられます。そこから全体的、かつ具体的にイメージも確定してきます。

読者は文章から映像イメージを再現しますので、基準となるアイテムや描写は、できるだけ早く出すべきです。上記しました通り「携帯ゲーム機」だけでも相当にイメージ確定効果がありますから、ピンポイントな単語だけでも出だしには充分です。

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