第4研究室 創作に関するQ&A 132P | トップへ戻る |
三毛招きさんからの質問 2006年
 ライトノベルブームってどうなの?
 
 あまり意味のない質問ですが、疑問に思ったもので皆さんの意見を聞きたいです。
 私は最近の(2006年現在)の「ラノベブーム」というものをあまりいい目で見ていません。
 むしろ危ないと思っています。
 1990年代に、「仮想戦記ブーム」と呼ばれるものがありました。
 私は昨今のラノベブームがかなりこれに近いのではないのかと思っています。

 1990年代に書かれた仮想戦記は確かに数は多いです。
 ですが……古本屋で戦記のコーナーを当たってみると、
 この時期に書かれた仮想戦記と言うモノは明らかに「火葬戦記」……ようは下の下なのです。
 もちろん目を見張るべき作品はいくつもあります。
 しかしこの時期のものはあからさまに「乗っかっただけ」の作品が多いんです。
 事実、この時期に出版された仮想戦記はほとんどが完結せず、
 酷いのになると1巻で未完結で終了と言うのも多々あります。

 それだけならまだしも……シミュレーション作家として名をはせていた先生でさえ、
 この時期に出されたものは正直「イタい」ものが多いんです。感化されたとしか思えませんでした。

 もちろん、単純に比較はできません。
 仮想戦記は幅が狭いものであり、ライトノベルは基本的には「何でもあり」だからです。
 でも、でもです!
 「いくらなんでもあんまりじゃない?」な作品が多くては危惧します。

1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
2・イラストに頼りきった「萌え」
3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

 固有名詞をあげれば誹謗中傷になるのであげません。
 が、上に上げた三つのどれか、あるいは全てがそろったラノベというものが多すぎる気がします。
 要領を得ない質問ですが、答えをいただくとうれしいです。


● 答え ●

無用斎さんの意見
 ブームとは、総じて浅はかなものです。
 質問に答えようと思ったのですが、質問の真意が掴みかねます。
 聞きたいのは、『いつか、このブームが終わってしまうのではないか?』ということなのか、
 『ブームが終わったあと。ラノベがなくなってしまうのではないか?』ということなのか、
 どちらなのでしょうか?
 
 前者だとしたら、答えは簡単です。
 いまだかつて、終わらなかったブームは存在しません。
 人間は、特に日本人は、熱しやすく冷めやすいものですからね。


 後者だとしたら、難しい話です。
 ブームが終わったからといって、今日明日中に、ラノベがなくなることはないでしょう。
 十年後、二十年後、五十年後に、ラノベがどうなっているかなどは、想像もつきません。
 考えるのも面倒くさいだけです。
 ただ、ブームが終わったあとは、市場規模が縮小することは間違いないでしょう。
 悲しむべきことではありません。それは、資本主義の摂理です。
 
 しかし、ラノベのブームというのは、ラノベ単体でのブームとはいえないと思います。
 いまや、人気のあるラノベがアニメ化することは、あたりまえのようになりました。
 ラノベは、オタク産業の一角を担っているのです。売れているのは、そういうことからでしょう。
 
 ラノベとオタク産業について、素直に肯定できない人もいるかもしれません。
 そういう方は、日曜日にアニ○イト秋葉原店さんの三階に行ってみてください。
 びっくりしますよ。樋口さん一枚では足りない額のラノベを、
 当たり前のように、みなさんが買っていきます。
 これを見たときに僕は、「この人たちが、ラノベを支えているんだ」と思いました。

 話が脱線しましたが、最後に一言だけ付け加えて、締めさせていただきます。
 ラノベって、ブームなの?


脂さんの意見
 き、危険なスレっすね……(汗)
 えーと、実は私『涼宮ハルヒの憂鬱』がすごく評論的におもしろい作品だなと思っております。
 この作品が今一番ラノベで売れてる作品ですよね、多分。
 で、詳細は省きますが、私はハルヒはナンセンスギャグ作品だと思っています。
 ナンセンスとして読むと何も考えず楽しく読めるんですよね、これ。
 ここにブラックユーモアを感じ取ると、非常に面白い状況が読み取れると思います。
 受身だけど非日常を望む主人公、ポジティブなセカイ系、萌え等、
 ラノベのお約束を各個ナンセンス化させている作品だな、という印象です。
 もちろん最初読んだときはラノベのお約束はわからなかったので、最近思い始めたことなんですが。

 で、ナンセンスというものは何がしかに対する批判を内包することが多いんですね。
 そう考えるとハルヒは、昨今のラノベお約束をナンセンスギャグ化して、
 ラノベお約束を批判している作品だという風にも読み取れなくないのです。
 ラノベ以外でそういう手法で有名なのは筒井康隆さんなどですが、状況が違うのは、
 批判を内包していると読者がわかっているかわかってないかというところですよね。
 ここに危うさみたいなものは感じます。ナンセンスによる異化効果が発揮されていないというか。

 つまり、ラノベというジャンルは、自身を客観視できない、
 自己批判が機能しない状況であると思います。
 これは表現ジャンルとしては少し危険な状態かと。
 表現として進化するには権威などによる閉塞感が必要になりますが、
 その閉塞感を商業主義のもとで感じさせない現状になっているではないかと、思います。

 芸術にはパトロンが必要になります。最近は国家が重要な役割になっていますが。
 で、ラノベのパトロンというと商業主義だと思っています。
 こういう状況を経てきた表現としてはマンガがまさにそうですね。
 商業主義の下で文化として育ってきたマンガ。
 それとラノベの違いは裾野の広さですね。
 マンガと比べるとラノベの裾野は比べるまでもなく狭いですよね。
 では裾野を広げるにはどうすればよいかというと、一番簡単なのはマーケティング手法ですね。
 つまりどっちにしろ商業主義の下で裾野を広げるしか、
 ラノベには道はないのではないか、と思っています。

 で、ラノベに今後重要になってくるのはラノベにあったマーケティングかな、と。
 マンガなどは有名なところではジャンプアンケート式マーケティングなどがありますね。
 こういうラノベ特有のマーケティングなるものが現在あるのかどうか、
 ないのなら今後育っていくのかが個人的に興味があるところです。

 うーん、お答えにもなってないかもですが、何となく今思っていることを乱雑に述べてみました。


優奈さんの意見
 こんばんわ。
 「ラノベブーム」……初めて聞きました。

 三毛招きさんのおしゃってることは、男性向けライトノベルに限りだと思うのですが。
 たとえば、コバルト文庫やホワイトハート文庫、
 角川ビーンズ文庫に「萌え」なんて含まれているでしょうか。
 あと、私には国語力不足で3の意味がよくわからないのですが…;
 
 私は文章はあまり重視しないのですが、文章なんて人々の好みだと思います。
 というか…ごめんなさい、中身のない文章って何でしょう…;

 
 皮肉じゃなくて、本当に私馬鹿なんで、完成度の意味すらよくわかってないので、
 中身のない文章の意味が普通にわからないのです;

 「撲殺天使ドクロちゃん」とか、ああいうのは「萌え」とか結構含まれてますよね。
 私は読んだことないのですが、あれは好き嫌いが激しいようです。
 好きな人がいれば、嫌いな人もいるので、それはもう人の好みだと思います。
 
 内容がなく、薄っぺらなパターン化されたキャラ、
 と申しているのはどれを指しているのか存じませんが、
 他の人はそう思わず「奥が深い」とか思うかもしれません。

 三毛招きは嫌いでも、
 人気が出るのですからそれ相応にそれを愛する人もいるのではないでしょうか。


 つまり何を言いたかったっていうと、人の好みそれぞれ、ってことですね。
 それでは。質問の意味、違ってたらごめんなさい。国語力ゼロだからと言い訳しておきます。


傘ブラゥン管さんの意見
 ライトノベルって、ブームなのでしょうか。
 ネットなどでは流行っているようでしょうが、一般人にはあまり縁がないんじゃないでしょうか。
 深夜テレビなどでは見かけますが、昼の時間帯にテレビでライトノベルは見たこともありません。
 (戯言シリーズは出てたけど、あれは講談社ですし)

 そもそも、小説というのは古くから親しまれてきたものでして、
 それがちょっと軽くなっただけの物ですから、ブームも何もないのではないでしょうかね。


 音楽の分野でジャズが頻繁に出てくるようになっても、ブームとは思えないように。私見ですけど。
 それと、作家なんてそんなに何人も素晴らしい物語を描ける人はいないでしょう。
 なんの職業でも、成功するのはほんの一握りって言いますし。

 夢ないなぁ、私。
 そういえば、今(2006年)のテレビゲーム界も、ライトノベルと似たような感じですね。


北野卵さんの意見
 ライトノベルは商業ですからね。
 要は売れる作品の要素を詰め込んでいくうちに、今のようになったのでしょう。
 これはまあ、性格的に仕方のないことですが、一般的に、
 こういう傾向に嵌ると、後は落ちていくだけです。
 
 純文学が良い例ですね。芥川賞がいくら売れるからって、
 相応しい作品もないのに話題ばかり先行する作家を受賞させ、
 それこそ名前の通りゴミのような作品を世に出していて、結果、純文学は衰退傾向にあります。
 
 このままだと、ライトノベルも同じ道をたどるのは間違いないですね。
 ドクロちゃんが新しいライトノベルの道なぞと言われていますが、
 私から見れば破滅の道としか思えません。
 それでいて売れているのだから始末が悪いですね。
 まあ、何時の世も粗悪品が席巻するのは短い時間です。そのうち消えるでしょう。
 
 ライトノベルが生き残るには、誰かが名作を書けばいいのです。
 
 それか、今頻繁に行っているメディアミックスを一つでも成功させるか。
 今のゴールデンタイムにアニメで放送されている漫画などに比べると、
 まだまだライトノベルの方が上ですので、可能性はなきにしもあらず、でしょう。
 便乗する形で色々言いたいことを書きましたが(でも、まだまだ書き足りない)、
 まあ、これは商業主義の運命みたいなものでしょう。

 常に一定のペースで発展することなど不可能なので、
 どこかでリセットしなければならないのです。
 運がよければ、それから再発展するでしょう。
 私はライトノベルから本格的に本を読みはじめたので、できれば頑張ってほしいのですが。
 

くさかべくろのさんの意見
 「こんな堕落が長続きするはずがない」とか、
 「世界は悪化の一途を辿ってる」とか、
 「やがて審判の時が来る」とか。

 その手の憂い人は古代ギリシャ時代から履いて捨てるほどいて、
 彼らは声の限りに警鐘を鳴らし続けてきましたが、世界はまだまだ存続しています。
 終末論者の言い分にたいしたリアリティーがないのは歴史が証明してくれています。

 こっちの業界に引きつけて考えても、
 例えば、ゲーム業界は常にクソゲーの海に満たされています。
 同人業界だって99パーセント(か、あるいは99.9パーセント)の作品は、
 シロウトの趣味だから技術がないのは仕方ないとしてアイディアすら欠乏しています。
 食玩フィギュアだって惨憺たるガレキ(ガレージキットではない産廃のことである)の山だし、
 アニメに至ってはもはや犯罪的としかいいようのない品質の作品群が、
 レンタルビデオ屋を制圧しております。

 まあでも大丈夫です。
 個々の作家が食えなくなることはあるでしょうが、ラノベの終末はまだ先です。


 といいますか、ここに集ってる方の何割かは作家の予備軍なわけですよね。
 三毛招きさんもそうですか?

 だとしたら、今現在のライトノベルの品質の劣悪さはむしろ喜ぶべき事だと思いますよ。
 だって、ゴミみたいな売文屋が1人いるってことは、
 つまり1人分椅子が空いているってことですもん。
 少なくとも、わたしはそう思ってます。

 余談1
 終末論者はときどき救世主に化けます。

 余談2
 「架空戦記ブーム」なる世紀末的現象が産み落とした宝石のひとつが、
 「戦国の長嶋巨人軍(志茂田景樹著)」であります。


峰しずくさんの意見
 こんにちは。
 ラノベが果たしてブームなのか、というレスもありますが、僕はブームだと認識しています。
 いや、ほんと、びっくりしているのですよ。

 もともとは、コバルトとソノラマくらいしかなかったジュニア小説界に、
 (あと、ハヤカワSFなんかを若い人は読んでたかな?)色々なレーベルが参入してきました。
 この頃はまだラノベという呼び名は無かったと思います。
 年代がいつだ、と聞かれると、いつだろう? としか答えられないんですが、
 スニーカー文庫が生まれてから、しばらくの間、ということにしておいてください。

 で、ジュニア小説に色々なレーベルが登場したわけですね。

 その頃のことを、若桜木なんとかさんっていう作家さんが、
 小説の指南本で書かれているのですが、
 とにかく新レーベルを出したらまずは作品点数を揃えないといけないから、
 同人誌市場から新人をスカウトしてロクにトレーニングもつまずにどんどんデビューさせ、
 その結果、質の悪い作品が大量に出回って、読者にそっぽを向かれてしまった、とのことです。

 それまでは平井和正、菊池秀行、夢枕獏、火浦功、大原まり子、新井素子、山浦弘靖、高千穂遥、
 藤川桂介、田中芳樹などといった方々が、中高生に好んで読まれていたりしたわけですね。
 あと、辻真先、赤川次郎、富島健夫、光瀬龍、眉村卓なんて方々も付け加えておきましょう。
 人によっては、「こんな人も付け加えてくれ」ってどんどん追加が増えるでしょうけれど。

 電撃とかが出てきたのは、それらジュニア小説の廃退が終息してから、でしょうね。

 ジュニア小説の衰退をリアルタイムで見ていますので、
 ラノベについても、それほど僕は期待していませんでした。
 ところが、いまや一般のノベル(新書版)にも、ラノベが登場していますし、
 堂々と「ライトノベル」と書いてあります。

 さて、では我々がものを書いていくときに、ラノベが衰退しちゃったらどうするの、
 というのがあるかと思います。

 その参考になるのが、山浦弘靖さんの「星子ひとり旅シリーズ」と「旅刑事シリーズ」です。
 前者は強烈なラノベ文体、後者は普通の文体です。
 この文体の変化には定評(?)がありますが、作家側からしたら、
 両方の技術を身につけておけば、ラノベが衰退したって平気、ということになります。
 星子ひとり旅シリーズの初期の頃は、ジュニア小説という言葉はあっても、
 ライトノベルという言葉はまだなかったんではないかなと思います。

 あと、山浦さんには、「黄金の新幹線シリーズ」というのもあって、
 これは若い人を読者対象にしています。
 が、文体はラノベではなく、しかし一般小説ほどでもない、
 けれどSFとしては重厚な趣がある、という感じです。

 ついでに言うと、星子をリアルタイムで読んでいた当時の若い読者は既に結婚して子持ち、
 星子くらいの年齢の子がいてもおかしくない、って世代になっていて、
 そういうひとたちからは「普通の文体で星子のシリーズ続編を読みたい」
 という声が上がっています。

 ある意味、年齢とともに、
 ラノベから離れていく傾向があるということの証明のひとつにはなるでしょう。
 もっとも中年でも「少年ジャンプ」の読者は多いですから、
 全員が年齢とともにラノベから離れるわけではありません。

 なので、いずれはブームは去るけれども、ブームが去ったあとが本当の勝負、
 ということではないでしょうか?



蒼い人さんの意見
 ラノベは大切だと思います。

 少なくとも、「十代から読める小説」としての位置付けは、大切にするべきではないかと。
 ブーム云々には関係無しに、です。


 ただ、その中で質の低下を憂慮せずにはいられません。私は。
 それだったら、最初から漫画にした方が早いと思うのですね。文
 章にする意味が薄くなっていると言いましょうか。
 高尚さは必要ないとしても、何か考えさせるものはあってほしい。
 それは簡便な言葉でも構わない。
 とにかく読者に訴えかけるものが何か――あってほしいです。但し、キャラの外形以外で。

 三毛招きさんは、どうやら私と同種の人間のようですね。
 ただまあ、危惧するだけなら誰でもできる訳でして。
 反旗を翻す為に何らか行動を起こさないと、その恐れも無意味になってしまうのでは?

 この問題は、ブームの観察よりも、自分にどう生かすかにした方が良いと思います。
 現状に違和感を持つ人が、新人賞で何らか結果を残せば、
 少しでも何かが変わるかもしれませんから。


 そして私は、低迷に乗じて投稿してみよう派なのですが。

>1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
>3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

 以上の二点が、自分にもあるのではないかと気がかりですね。
 特に1は、設定でパターンを流用しているので、かなり危ぶまれます。
 自分なりには、主人公だけでもその内面を出していこうと思っているんですがね……。
 いや、難しい。


EXEさんの意見
 え、ラノベってブームなの? ただ、知名度とかが上がっただけじゃないの?
 まあ一部にしか当てはまりませんが、一言で片づけると……って言うか、

 長々と書くと途中で意味わかめな文になるで一言で言うと『人の好み』ですね。
 こればかりは、他人がケチ付けることは出来ませんよ。


 北野卵さんとくさかべくろのさんは、
 その駄作とかクソゲーとか言ってる物を好いてる人もいるんですから、
 (くさかべさんは名前出してませんが)もっと遠慮して書いた方が良いかと。


くさかべくろのさんの意見
> その駄作とかクソゲーとか言ってる物を好いてる人もいるんですから、
 (くさかべさんは名前出してませんが)もっと遠慮して書いた方が良いかと。

 ごめんなさいね。
 でも、良いものとダメなものは、誰が何といったって現実に存在するんですよ。


 もちろん良い悪いにいろんな価値があるのはその通り。
 「売れる」っていうのもめちゃくちゃ大きな価値です。
 で、ちょっと言い方きつかったかもだけど、このサイトはFAQから判断するに、
 少なくとも公募で数百人蹴落として勝ち残る作品書くことを主眼としてるように思いますので。
 そういう意味では、「ダメなものはきっちり否定する」って態度はとても大切です。

※追記 補足すると、私は「それが何であれ、売れて、利益を生み出している」ってことを、
 私がそれを買うか買わないかとは別に評価しています。
 影で人気作の悪口言ってもただの負け犬の遠吠えだから、
 「自分が好きなものを、世間に惚れさせよう、嫌いなあの作品からファンを全部奪ってやろう」
 って試みが、新人賞に公募するってことじゃなかろうかと思うのですよ。


リンチェさんの意見
 他の人もおっしゃっていますが、ラノベブームって本当にあるのですかね?
 確かにここ2000年に入ってから新しいレーベルがどんどん出てきていて、
 発行される本の数も増えていますが、
 ブームというほど広まってはいないような気がします。
 ベストセラーの上位をラノベが飾るということもあまりないようですし。

 ライトノベルの主流は、現在の段階ではあくまでおたく向けの小説であると思います。
 最近のエンターテインメントにはおたくを意識したものが少なくありませんが、
 ライトノベルの発行数が増えているのも、その一環ではないでしょうか。

 また、駄作はいつの時代にも存在します。
 どの時代、どの場所、どのジャンルであっても、9割は駄作です。
 いわゆるスタージョンの法則ですね。


> 1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
> 2・イラストに頼りきった「萌え」
> 3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

 これらは、近年の「ライトノベル=おたく向け小説」
 の駄作に見られる傾向にすぎないのではないでしょうか? 
 10年前、15年前、あるいはライトノベル黎明期の作品にも、
 その時代なりの駄作の傾向は存在するでしょう。

 まあ、私は業界の人間ではありませんから、
 以上のことに確たる根拠があるという訳でもないのですが。
 これはあくまで本屋を歩いての感想に過ぎません。

 それでは、失礼しました。


鈴忌さんの意見
 こんばんわ、鈴忌です。
 ラノベのブームはそろそろ佳境でしょうかね? (2006年現在)
 新規参入も今年辺りから増えてきましたし、さて発展するか衰退するか、
 どちらにせよ本物は残ってゆきますよ。
 ライトノベルという言葉自体は死滅する可能性はありますが、
 現状でライトノベルにカテゴライズされている作品が消え去ることは無いと思います。

> 1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
> 2・イラストに頼りきった「萌え」
> 3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

 鈴忌は元々、あまりラノベを読まないタイプだったのですが、
 今年から勉強目的で読み始めて月に最低十冊ぐらいずつは読んでいます。
 
 で、その感覚から言わせて頂くと、それほど酷い作品には、まだ出会ったことがないです。
 
 鈴忌は元来ホラー文芸読みなのですが、あっちは末期も末期、
 「どうしてこれが商業レベルで流通するんだ?」と言いたくなるような作品がゴロゴロしてます。
 また、中には爆発的にヒットを叩き出した駄作もあります。
 それに比べれば、ライトノベルは全体的に質が安定している気がします。

 単に鈴忌がホラーに対する目が鋭くて、
 ライトノベルに対する目が出来ていないだけかもしれませんが、
 上下の質差はホラーの世界よりずっと安定している気がしますね。

 一般文芸の世界だと「売れる」と「売れない」の落差が激しいので、
 そもそも「売れない」作品はライトノベル以上に市場から消え去るのが早いので目立ちませんが、
 確実にダメな作品は存在しています。
 その「ダメな作品」を手に取りたかったら、新刊を片っ端から読んでみると良いです。
 10冊中半分は駄作で、更に3冊は出版社の正気を疑いたくなること請け合いです(笑)。
 
 一般文芸の世界だと、10冊中残りの2冊がある程度長期的に市場に流れ人目に触れるわけで、
 自然と質が高く見えるだけです。

 
 もちろん、ベストセラーになるのは、そういった生き残りの中からさらに1%ぐらいじゃないですかね?

 それに、ライトノベルと違って、一般文芸の売れ筋本は長期間本屋に並びます。
 つまり、良作が累積するんですね。
 それに対してライトノベルは良作でも1〜2年で市場から消え去ります。
 結果として「ライトノベルは質差が激しい」と思われるのではないかと思うのですが……
 さて、どうでしょうかね?

 ちなみに、戦記モノは詳しくないので全然わからないです。
 申し訳ありません。では、失礼します。


脂さんの意見
 ブームかどうかという議論になってるような気がしますね(汗)
 単純に売り上げとかだけで考えれば、2000年代に入ってからは、
 90年代とは比べ物にならないぐらい高まっていると思いますが、
 確かに社会現象とまではなっていないですね。
 どこからがブームかというまあどうでもいい議論ではあると思いますが一言だけ。

 小説というジャンルで社会現象にまでなったブームって、
 アニメやマンガとかと比べるとすっごい少ないんですね……
 新本格派ミステリ台頭だって社会現象とかというには程遠いレベルですしね……

 「ブーム」をアニメやマンガのそれと同じ敷居まで高めて考えるのはちょっと違うかな、と思いました。


桜木谷 見征さんの意見
 ども、はじめまして。
 ラノベブームですか……仰りたい事はわかります。
 
 自分は仮想戦記ブーム、というのは知りませんが、
 確かに現状で玉石合わせた膨大なラノベが発行されている事は事実でしょう。
 三毛招きさんが危惧されるのもわかる様な気がします、が、
 逆に言ってしまえばそれが「ラノベ」なのではとも思います。
 
 アニメやマンガの様なイラスト、軽めのファンタジー等の内容、売り場はティーンズという見出し(笑)
 ラノベがここまで盛り上がってきたのは、偏にやはりスレイヤーズ等の作品の台頭、
 そして質の高いラノベが増えて来たからでしょう。

 上があれば下もある。
 
 ラノベは文学ではなく、あくまでサブカルチャー的なスタンスが強いものでしょうから、
 しばらくすれば収まるとは思います。
 仮想戦記シリーズの様に全く知らない人間が出てくるという事にもならないでしょう(笑)
 ただ、昨今のラノベには目を覆いたくなるような物が増えている、
 という事に関しては同感ですよ(笑)


ジダマさんの意見
 こんばんは、ジダマです。僕はこういった質問というか議論的なものが大好きです。
 まともな返答はできないんですけどね。

 ラノベブームですか……。僕は嫌いですね。
 んー、というか、ラノベ自体に最近はちょっと……。

 ラノベブームが具体的にどんなものかはまじめに考えたことがないのでよくわかりませんが、
 要するにバカスカアニメ化してるって事ですかね? 
 間違っているような気もしますが、まあ、あながち間違いでもないでしょう。

 最近はおもしろいマンガが減ってきたのでラノベに手をつけてるんじゃないかな、
 と僕は思っています。
 ラノベのアニメ化、マンガ化か……。「半分の月がのぼる空」のアニメ化ってなんなんでしょうね。
 「シャナ」も「ハルヒ」も「ゼロ使」も「いぬかみ」も「ガーゴイル」もあんまり……。

 イラストに頼り切った萌えですか。
 ラノベってそういうのがほとんどですよね。特に最近のは。
 まあ、出版社が売れたらなんでもありだと言うのならしょうがないんですけど。

 ラノベブームが去ったら売れる作家だけがちゃんと残るので、今は我慢しませんか?
 駄作が溢れかえるのは悲しいことですが、辛抱しましょう。
 ああ、早くブーム終わらねえかなあ……。

 グダグダですが、失礼します。


しゃんテンさんの意見
 ライトノベルのブームの内容については…
 私はいいことだと思います。
 
 人によって何がよいか、心の琴線に触れうる作品は違います。
 人によって駄作であってもある人にとってはよい作品だったりする。


 作品がより多く出されるということは読者にとって心の琴線に触れうる作品にである可能性が、
 増えるということで喜ばしいことだと思います。
 駄作がたくさんあるとのことですが、ライトノベルに限らず小説全般やあるいは映画や漫画など、
 はやっているジャンルからこそある人には駄作と思われる作品が多いとおもうのです。

 のっかっただけの作品が多いとのことですが、
 有名な作品の二番煎じや三番煎じがない作品なんてないと思います。
 映画でも漫画でもアニメでもプロレスでも。
 また、乗っかっただけではなく、ただの二番煎じではなく、
 「ある作品が切り開いた地平を利用してさらに自分のオリジナルな何かを付け加え、
 その作品の先まで目指そうとしている」作品である場合があると思いますし。

 私自身は、そのジャンルの七割八割が私にとって駄作でも、
 二割でも一割でも私にとって傑作があるなら、それでかまわないと私は思います。

 また、八割が駄作であっても、一割すばらしいさくひんがあるならライトノベルは続くと思います。
 
 仮にライトノベルのレーベルが次々と消え、ライトノベルというジャンルがなくなったとしても、
 ライトノベルのある種の長所は他のジャンル、
 たとえば一般小説やサウンドノベルなどに受け継がれると思います。

 問題にされている
 1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
 3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章
 については、一見中身のない文章に中身を見出す人もいるでしょう
 パターン化された人間にこそ、人間らしさを感じる人もいるでしょう。

 2・イラストに頼りきった「萌え」
 イラストに頼りきっているといいますが、私はイラストと文章、
 両方がうまくかみ合って効果を出しているのなら、それはそれで優れたライトノベルだと思うのです。

 電撃で賞をとられた田村登正『大唐風雲記』の二巻だったとおもいますが、
 そのあとがきでイラストを見て初めて自分の小説が内包していたテーマに気がついた、
 とおっしゃってました。
 
 イラストと文章がミックスして新しいものを生み出す好例だと思います。

 もちろん、三毛招き様が上げられた1〜3には悪い面もあると思います。
 ですがよい面だってないわけではないということで。
 さて、こうしたラノベブームが仮によくないと思うならばどうすればいいか?

 購入者読者としてなら面白くない作品は買わない、面白いと思った作品を買う。
 読者カードに自分の意見を書いて送りつける。優れていると思う作者の方にファンレターを送る。
 などの方法があると思います。どこまで効果的かはわかりませんが。

 また、創作者としてなら、自分が、ライトノベル全体に良い影響を与えるような作品を書く……
 例えば『スレイヤーズ』や『ブギーポップ』などのような(作風ではなくて影響力で、ですよ)
 作品を書くことを目指す…ということができると思います。
 私自身にはとてもできそうにありませんが(涙)

 すいません、悪文乱文をどうかお許しくださいませ。
 えらそうなことを申しましたが、こういう考えの人間もいるということで、
 なにとぞご容赦いただければと思います


AREXさんの意見
 ですね、 三毛招きさんのおっしゃる通りだと思いますよ。
 仮想戦記ものも当時たくさん読んでいたので、その気持ちはよくわかります。
 最近は萌えに終始して、
 肝心の内容が見過ごされているラノベ作品が非常に多いように思えます。

 では、内容がしっかりしている作品はどんなのかというと、
 これが大概売れている作品だったりしますから、皮肉なもんです。
 (それとも逆に、内容がしっかりしているからこそ売れているのかもしれないですね)

 キャラや萌えは大事ですが、それ以上に作品の面白さを追求してもらいたいなぁ、
 と自分はひそかに願っております。



魏延さんの意見
 愚生もちょっとそんな危機感があります。魏延です。

 確かに「これじゃラノベ=文学の対象外とか叩かれても仕方ないぞ」
 って思えるのもちらほら感じます。
 読書開始時期があまりに最近のため、仮想戦記時代を愚生は知りません;

 しかし……。内容あるなしに関わらずイラストで萌えを狙うのはどうも抵抗があります。
 愚生の周囲では暗黙のうちにR指定危険本対象とされているので(汗)、
 容易に借りたり読んだりが出来ません。
 ラノベ最大の売りであるイラストで株を落としている状況なんですね。

 今のところブームが始まらないだけ終わる気配もないのが愚生の周囲なのですが、
 局地的(だと思う)とはいえラノベ敬遠も始まっている現状で、
 これ以上萌えを前面に押し出すデザイン、
 作風の作品が多く出るとそれは損なことじゃないかと思います。

 イラストはラノベの特徴のひとつですが、無くても一向に構わない(楽しめる)ものだと思うので、
 出版側が今より派手な暴走をしないことを祈りたいです。
 書き手の方にしても、萌えブームがいつ終わるか分からない分、
 それだけに依存した作品にしないでほしいですね。

 ブームに伴ってか、異常な量の新刊出版が行われているのも危惧すべきなんじゃないかなあ、と。
 大量生産されていく新作の前に、いまや何がなんだか分からないのが愚生の脳内環境です。
 注目されるのはほんの一部分。大半は読み手の視界からはみ出しています。
 これは決して書き手にとって優しい商売ではありません。
 しかも実際にシリーズを続け、ファンをもち、連載を続けているのは一握りですから、
 多くのプロが使い捨てで終わっているという状況に陥っていることも叫ばれています。
 作家の卵を目指していらっしゃるここの皆さんにも必ずそのあおりは到達するでしょうし、
 やっとデビューした頃にはブームも終焉し、細々とした活動しかできないかも知れません。

 ブームに合わせて経営を加速させるのは長い眼で見て大きな危険だということを感じます。

 熱しやすいが冷めやすい、というのが現代の日本人。
 熱すのは簡単だけど、次にますます暖めるのではなく、
 温度を保つ努力への切り替えが必要だと思います。

 てなわけで、三毛招きさんに同意です。
 今のままでは将来ラノベというジャンルが完全消滅する可能性も大きいですからね……。


風月堂さんの意見
 全体に辛口になります。

小説の"読者"の質
 ラノベは芸術作品としての文学ではなくエンターテイメントだと思います。
 エンターテイメントは商業です。
 商業主義であることを否定するのは、文学に対するある種のコンプレックスを感じます。

 エンターテイメントは時代のニーズに迎合するものですから、
 時代の波が露骨に現れるのは、むしろ当然でしょう。
 流行の波が非常に極端だという(イメージを持たれる)ファッションでは、
 去年の服は今年着れない、とよく言われます。
 これを10年に置き換えれば、あるジャンル(ここでは架空戦記)が、
 いずれ見向きされなくなるのは理解できることではないでしょうか?
 
 質の悪さだけを理由とするのは近視眼的に思えます。

 質より面白さを問う(私のような)頭の悪い消費者から見ると、
 出版社だけが一方的に悪いのではなく、
 文学的感性の無い消費者が大多数いることも理由だと思います。
 こうした読者の存在を考えれば、質の悪さは仕方ないのかもしれません。
 しかし、エンターテイメントであれば、それは悲観すべきことではないと思います。
 京極○彦とかの大衆ミステリーが文学的な価値を問われているようには見えません。

 専門書を面白がって好んで読む私は、
 『小説にはエンターテイメントしか求めません』し、
 評論的に見ようとは思いません(結果として考えることは、なくはないですが)。
 評論家から見て駄作だったとしても、個人的に面白いと思えればそれで十分です。
 (書き手としてなら、そこにとどまらない方が良いのかもしれませんが。)
 評論である以前に、エンターテイメントであってこそのラノベです。


ブームか否か
 新刊の多さやアニメ化からすると、(全体量はともかく)確かにブームなのでしょう。(2006年現在)
 また、実家で取っている朝日新聞の青年読書欄?(『中高生のためのブックサーフィン』)にも、
 今年から小さいながらもラノベのコーナー(『トライライトノベルス』)が出来ました。
 この欄は、これまで青少年向けの一般小説ばかりでラノベは完全に無視していたのが、
 とうとう注目することになったのです。

(悪しき?)特徴について
1・内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ
2・イラストに頼りきった「萌え」
3・「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

1・パターン化されたキャラ
 それが市場の求めるものならば、その市場の中で育って書き手であれば、
 好きなキャラクター像がまとまるのでしょう。
 薄っぺらなキャラでも、それなりに物語になっていれば、それほど気にはなりません。
 そんなラノベがキャラ頼りといわれるのは皮肉ですが。

2・イラストに頼りきる
 イラストを否定するのはちょっと賛同できません……
 頭の良い活字至上主義者でない私には重要なものです。
 絵柄で選んであらすじで絞り込むと言うスタイルなので。
 残念ながら、活字至上主義者でない人々にとっては、
 興味がイラストによるところも大きいのです。
 むしろ、イラストとの相乗効果こそがラノベの持ち味だと思います。


3・中身のない文章
 硬い、生真面目な表現なら、それが質の良さを保障するのでしょうか?
 仮にそうだったとしても、私には「羅生門」や「こころ」や「檸檬」の面白さが全く理解できません。
 面白さと質の良さは別問題だと思います。


 極論ですが、ラノベは文学である必要さえないかもしれません。
 ブームは大いに結構。
 駄作も良作も沢山あれば、多数派の感性に合わなくても自分好みのものも見つかるわけですし。
 それを見つけるのも一つの楽しみです。
 また、どうせ生き残るのは一部です。市場淘汰、勝手に良き残ると思います。
 ただし、それが自分の好みや質の良いものとは限らないでしょう。
(高校の図書館の司書は、生徒にも評判いいけどハリポタは少々幼いと言っていました)
 ただ、一般人受けしずらさ(=市場の限界)に、もどかしさを感じるのなら、
 分からなくはない気がしますが……

最後に
 いくらなんでもジャンル自体が無くなると考えるのは大袈裟に思えてなりません。
 感性のある人のためだけに書かれたのではないのですから。
 ライトノベルの新刊数が落ち着いたり、アニメ化が減ったりしても、
 せいぜい市場が大幅な縮小をするぐらいでしょう。
 
 辛口になってしまいましが、売れること面白いことと質が良いことは別問題だと言うことです。
 駄作が氾濫したところで、その将来性の全否定にはならないでしょう。
 芥川賞受賞作の質が落ちたとか言われても、それが大衆小説界の危機とは言われないように。


 良作にあふれている世界というのは、ある種のユートピアです。

 気に入らなければ買わなければ良いだけのことです。
 莫大な刊行数の中で、自分にとっての良作に出会えれば、それで良いのではないでしょうか。
 長文、すみませんでした。


魏延さんの意見
>いくらなんでもジャンル自体が無くなると考えるのは大袈裟に思えてなりません。

 これは愚生に向けられてるのかなあ……多分そうだろうなあ……。
 
 ラノベはもうすでにそのステータスから文学性という項目を除外されています。
 少なくとも大半の消費者はそれを思っています。
 純・大衆小説支持者からするとこれはほぼ必須です。
 なので一般イメージとして、ラノベは明らかに格下なんです。
 一部には『絵本から読書への移行期間にラノベは読まれる』、
 とまで認識している人もいるんですから。

 ブームになればなるほど、比例して風当たりは強くなります。
 
 ジャンルそのものが低レベルととられているラノベですから、
 ブームでかろうじて支えられている面も大きいです。
 消費者が現状のままでいてくれればいいのですが、
 業界の加速に追いつけなくなったら、あとは四散します。

 『気に入らなければ買わなければ良いだけのことです。』
 自分の気に入らない本が大量(すなわち主流)だ、と思われた時が最期なんでしょうけど……。

 『それが大衆小説界の危機とは言われないように。』
 一部ではすでにそういう声があります。
 何でも、現代にはカリスマ的作家が存在しない、みたいな感じで。
 というよりこれは、日本文学・文壇そのものの凋落を嘆いている人々、ともいえるのですが。
 時々純文学絶対主義の固い人もいますが、そういう人はさておいて、としてもです。


日向さんの意見
 いまライトノベル読んでいる人たちとか、
 ライトノベルから読書をはじめた人たちが、
 そこから純文学やミステリ、SFとかに進んでいって、
 その結果ブームが衰退していくのであれば、それはそれで構わないかなあという気はします。

 ライトノベルが消えてしまっても、
 ここでこうやってライトノベルについて話あったり議論したり創作しあったり、
 ライトノベルをきっかけに得たものとか、そういったものが残るのであれば、
 悲しむべきことではないし、下手にブームを終わらせまいと画策することでもないのでは、と。

 いい作品はいい作品でちゃんと評価されているし、評価する人間が沢山いるし、
 わたしたちもそのなかの一人。良作は良作としてちゃんと見てくれている現状が、
 一読み手としては結構好きです。

 何より読書は一人ですることのなのだから、
 出版側は薄っぺらい作品でも萌えにしか視点をおいていない作品でも、
 中身のない作品でもなんでも出していいけれど、
 ライトノベルにおいては、たとえブームがなくなろうとも、
 読み手と書き手が近いところにいて欲しいな、とは思います。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの……意見は書くべきじゃないのかなぁ……。むう。

 現在のラノベは玉石混合な状態であるのは間違いはないと思います。
 流行ってますからね。

 今は次々出版すれば、それだけ収益も得やすいでしょうし、
 その分、良い物もあまりそうでない物も、
 本来なら良作なのに作者も編集も推敲や校正が甘くなって真価を発揮できない物も、
 たくさんあると思います。
 架空戦記も流行り当時はそんな感じでしたよ。


> 内容がなく薄っぺらなパターン化されたキャラ

 おおお! これは、そのページだけ読むと何の作品の何て名前のキャラか全然解らない癖に、
 そのタイプだけは明確に解るというアレですな!
 まあ、「流行り」が横行しているウチは、こういう物はたくさんありますよ。
 そしていずれ「流行り」が去った後は淘汰されてしまう……。

 今が旬です! いましか楽しめない!(何年か後に見ると懐かしさより悲しさが湧くですよ) 
 なら、今楽しむですよ! 
 それで、良いじゃないですか……;;

> イラストに頼りきった「萌え」

 おお! これは挿絵と表紙を隠してしまうとキャラのアクセサリーは何となく解るけど、
 具体的な特徴や表情は全然解らなくなってしまうと言うアレですな!

 「美少女」と書けば、美少女を描かなくても「美少女」なのですよ! ……たぶん。

 これも、今の内ではあります。今、美麗な画を楽しめばいいのですよ。
 それでいいのですよ……。


> 「おしゃれ」で「気取った」中身のない文章

 お! これは、なんだか駆け引きしているようなカッコイイ台詞の応酬と、
 キャラクターのイメージだけ表現を読んでいる内に気がつくと巻末にたどり着いてしまうと言う、
 何かお話しがあったような無いような、アレですな!!

 大丈夫ですよ! これが良いというニーズがあるのです! 
 その方達が飽きるまでは「流行り」は続きます!
 ええ、「流行り」が続く限り、それでいいのです……。その後は知りませんが。
 でも、それ以外の作品もたくさんあるはずですよ。

 作中の素晴らしいエピソードを更に盛り上げる挿絵。
 互いに寄り添うような素晴らしい作品だって有るはずです。
 一見パターンにハマっているようでも、画なんかなくても飛び出してきそうな元気なキャラも、
 台詞の裏に深遠な何かを秘めて、それを実践する実力あるキャラだって描かれているはずです。

 でも、そんな珠玉の名作は一握り。出版されている作品にも石は多い。
 それはラノベに限った話しじゃないですよ。
 ただ、いま「流行り」なので、その数が目立つのはやむを得ないでしょう。

 勿論評価は人それぞれ、オイラには石にしか見えないものでも、
 誰かにはダイヤより輝く一品なのかもしれません。
 どっちに見る目がないかなど、大した問題ではないですよ。

 一読者として、誰かがさんざんこけ降ろしていても、
 オイラにとって面白い物を読みたいですから。

 三毛招きさまが皆、石に見えてしまうなら、
 ご自分で納得できる作品を書き下ろしてみるのも手ですし、
 ラノベ以外のジャンルでも宝石と思える良作を見つけてみても良いと思うのです。
 折角の「流行り」ですから、間口も広がりますし、
 将来磨けば素晴らしい輝きを放つであろう作家も見つかると思います。
 
 読み手にとっても書き手にとってもチャンス。

 オイラはそれで良いと思うのですが、どうでしょうか?
 ではでは。


みつきさんの意見
 三毛招きさま、こんにちは。

 80年代〜90年代にかけても、『漫画ブーム』というのがどこかに吹き荒れていましたね。
 でも、そのブームのおかげでたくさんの名作が生まれ、
 今も長く描き続けている良い書き手さんたちが育ったように思います。
 
 たぶん、その世界の裾野が広がるということは、
 小さく狭い世界になっていくよりもずっと良い事なんだと思いますよ。

 
 こんな、「何でもアリ」な状況になることなんて、『ブーム』の時以外にはまず無いですから、
 それを楽しむのが一番良いやり方、かもしれないですよね。

 それではこれにて。失礼いたします。


ヴィーノさんの意見
 どうもはじめまして、ヴィーノです。
 えっと、ブームとか何とか言ってますけど、あんまり関係ないと思うんですけど。
 そんなことは市場が決めることですし、そもそも盛者必衰の通り、
 遅かれ早かれある程度の業界の「沈み」はあるでしょう。
 でも、また「浮かす」こともできるし、「沈み」を遅らせることも抑えることもできます。
 それをするのが作家や皆さんのような作家志望者のやることではないでしょうか。

 ちょっとサムイというかクサイ事を言うと、ブームなんて関係なく、
 作家さん方皆さん方のすることはなんら変らないと思います。
 「これから成長していく十代の少年少女諸君に夢と希望と感動を与えること」
 これひとつです。まあ、十代だけじゃないし儲けもしなけりゃいけませんけど、
 そんなものは後から付いてきます。

 恥ずかしくて死にそうですがこれで。


BEさんの意見
 初めまして。
 はたしてライトノベルというジャンルがブームなのかはわかりませんが、
 例えばあるジャンルの衰退ということなら、
 作品の質に関係なく起こりうることでしょう。
 僕は自慢出来るほどの大量のライトノベルを読んだ訳ではない
 (というか萌え系のライトノベルをわざと避けている)ので、断言できませんが、
 もし、ライトノベルの作品群が、三毛招きさんが挙げた3つの特徴に依存して
 パターン化が、それも長期にわたって起きているとなれば、
 それは大いに危惧すべき、また忌み嫌うべき事態でしょう。
 それがどんなに質の良い作品であろうと。
 まぁ、そりゃゲーテとかの歴史に残るような作家の作品は
 それ単独で生き残ることはあるでしょうが、
 ライトノベルと言うジャンルでは「ライト」ゆえに
 そのような伝説的作品は作られにくいうえに、
 そのような作品は極々小数なので例外とします。

 ジャンルというものが確立されるには、そのジャンルを確立するに十分な統一的アイデンティティと、
 それの長期的生存を物とするための多様性という、
 矛盾した2つの特性を持ち合わせる必要があります。

 簡単に言えば、ジャンルとしてくくる為の一つの特徴と、
 ユーザーを放さない飽きさせない多様性を持てと言うことです。
 コレを持つことの出来なかった、生まれたてのジャンルは、
 一過性のものとして、簡単に歴史の中に「ブーム」として置き去りにされてしまう。
 生物学の遺伝多様性と似た話です。
 ジャンルの中の多様性が薄れ、どれもコレも似たような作品になれば、
 読者群のちょっとした心変わりですぐに「ライトノベル」というジャンルは退廃し始める。
 もちろん作家群は、それを防ごうとより良い作品を作るでしょうし、
 読者のほうも皆一気に興味を失うということは無いでしょうが、
 大まかな流れとして恐らくそういう方向を向くでしょう。

 ただ、現在のライトノベルを見てみると、
 まぁ確かに三毛招きさんが挙げたような特徴のパターン化が起き始めてはいるものの、
 まだ十分読み応えのある作品はありますし、
 それぞれ作家の個性というものが、目に見える形で存在します。
 まだそう恐れる事態ではないのではないかと言うのが正直な意見ですね。
 余談ですが、音楽の話だと、個人的に最近の作品は独創的なものが減ってる気がします(^^;)

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|