第4研究室 創作に関するQ&A 149P | トップへ戻る |
玖渚さんからの質問
 どうすれば怖いホラーを描けるか?
 
 どうも、再び死亡説が出たんじゃないかな〜?
 と感じつつも夏休みをグータラ過ごしている玖渚です。
 自己紹介が長すぎました。すみません。

 早速質問なんですが、僕は最近ホラーへ挑戦しようと思っていて、
 浅知恵ながらもコツコツ執筆しています。
 そこで思い当たりました。

 どうすれば、より怖い情景を読者へ想像させられるのか?、と。
 何でもホラー初挑戦なもので、戸惑っているんです。
 漫画なら簡単かもしれませんが、小説となると一筋縄ではいかないと思うのです。
 そこで、皆様の数々の知識を、僕に教えていただきたいと思います。
 アドバイスをお願いしたいと……
 それでは! よろしくお願いします!


● 答え ●

komiさんの意見
 自分が実際に怖いと思ったことや、怖かった作品を参考にすると良いでしょう。
 具体的な例ではなく、その恐怖の根源的な部分を参考にすると良いと思います。

 たとえば、小説ではないですが、「ひぐらしのなく頃に」という同人ノベルゲーがあります。
 有名な作品なので、恐らく内容のアラ程度は知っているかと思われます。
 知らなかったら体験版があるのでやってください。(死)

 その「ひぐらしのなく頃に」の作者様の恐怖の根源は、
 「自分自身の思い違い」なのだそうです。


 幽霊の正体見たり枯れ尾花ってやつですね。
 道に軍手が落ちていて、手が落ちていると錯覚したことはありませんか? ありませんか。

 とにかく、人間は未知のものに対して恐怖を抱きます。
 それは、本当に知らないものだけでなく、認識不足でも起こりえます。(上の軍手の例のように)


 思い違いの恐怖は思い違いが進めば進むほど、大きくなっていきます。
 一度、実生活で「これがこうだったら怖いよなぁ」とかいう妄想を爆発させてみてはどうでしょうか?
 その後に金属バット振り回すようになっても、責任は取れませんが。(笑)
 実体験ほど参考になる資料はありませんから。


鈴忌さんの意見
 こんばんわ、鈴忌です。

 ホラーと聞いて出てきました(笑)。ホラー読みの鈴忌です。
 まず、基本的な話ですが以下の状況の中でホラーたり得るのがどれなのか分かりますか? 
 答えは一つだけです。

 前提:主人公が扉を開けるシーン

 タイプ1:何もいないと思って開けたら、何もいなかった。
 タイプ2:何もいないと思って開けたら、何かがいた。
 タイプ3:何かいると思って開けたら、何もいなかった。
 タイプ4:何かいると思って開けたら、何かがいた。

 ホラーに慣れている方なら即答できると思いますが、「タイプ3」だけがホラーです。
 分かりましたでしょうか?


 タイプ1は論外として、タイプ2やタイプ4でも怖いのでは?
 という考え方もありますが、これはホラーじゃないです。
 タイプ2は、所謂びっくり箱的な「驚き」になるため「恐怖」ではないんです。
 タイプ4も「恐怖」に近いように見えますが、
 実体が目の前に出てきてしまうので完全な恐怖じゃないです。
 むしろ、ミステリーみたいな方向性になります。

 大前提として、人間を含め動物は「未知のモノ」を恐れます。
 だから、ホラーは未知の存在を描けばよいのです。

 タイプ4は、目の前に登場していることで、既に一部が未知じゃなくなっているんですね。
 事前に想定していることもマイナス要因です。
 その点、タイプ3は未知が続く所に本当の怖さがあるわけです。
 ただ、毎回毎回タイプ3が連続できるわけじゃないので、
 時々はタイプ2やタイプ4を混ぜる必要はあります。
 
 ですが、人間がもっとも恐怖を感じるのはタイプ3であることを肝に銘じておくことが、
 ホラーを描く際には重要になると思いますよ。


 これが、ホラーの何よりの基本です。最終的に恐怖の正体が姿を表すにしても、
 そこに至る過程が重要で、登場の後はさほど重要ではないです。
 良質のホラーは必ず過程を重視してます。

 また、恐怖には色々と種類があることも覚えておくべきです。
 例えば視覚的恐怖と心理的恐怖は全くアプローチが別ですよね?
 あと、倫理的道徳的恐怖などというのもあります。
 宗教観が厳格な外国人じゃないと意味がないのが冒涜的恐怖でしょうかね。
 どういう読者を想定し、その読者にどのような恐怖を与える事を目的とするかで
 選択は変わりますが、作者としては必ずしっかりと考えておく必要があります。

 後は、肉体感覚の描写と視覚以外に訴えかける描写が有効です。
 例えば嗅覚や触覚などですね。
 やや使い古された表現ですが、血の描写として「鉄サビのような匂い」というのがあったりします。
 他にも色々とあるのですが、語り出したら止まらないのでこのあたりで止めておきます(苦笑)。

 ただ、最後に言っておきたいのは「自分で恐怖を知ることが重要」という事ですかね。
 
 自分で知っておかないと、たぶん描いても浅くなります。
 どの恐怖でも良いので、とりあえず体験してみて下さい。
 例えば遊園地のお化け屋敷でも構いませんし、ジェットコースターでも構いません。
 ホラー映画でも良いですし、悪夢にうなされるのも悪くないですね。どうぞ、頑張って下さい。

 個人的な意見に終始しましたが、何かの役に立てば幸いです。
 では、失礼します。


渡部さんの意見
 どうも、ホラーは苦手な渡部です。
 ど素人の個人的な意見ですが、お役に立てれば幸いです。

 古典的な方法として、「水」による表現をお勧めします。

 使い古された感が否めませんが、それでも効果はあるようです。
 皆様もよく知る、「四谷怪談」や「番町皿屋敷」でも、
 水の滴る音や雨が降る場面、それに準ずる表現がよくあります。
 
 ではなぜ、「水」なのか。
 申し訳ないのですが、理由はよく分かりません。
 ですが、水としての性質を考えれば、なんとなく分かる気がします。
 どこにでもあるが故にどこにもないと感じる。
 幽霊も同じように、どこにでもいるが(霊感がないから)どこにもいないと感じる。
 そういう面を、「水」として描写しているのかもしれません。

 偉そうに言っておいて、結局基本ですね。
 こんな自分を戒めつつ、これで失礼します。


永久本さんの意見
 こんばんは、永久本です。

 これは映画だから怖かったんだと思いますが、「プロフォンドロッソ」という連続殺人物の映画で、
 犯人が殺人をする際、「こどものうた」という不気味な歌を流すのです。
 これが怖くて怖くて。
 いきなり流れ出すし、歌も怖いし、ああやだやだ(何が)
 他にも例えば「呪怨」って映画ありましたよね(元はビデオですが)。
 あれの登場する亡霊も、出てくる時に不気味な軋むような音を立てますね。
 「着信アリ」は携帯の着信が死の合図です。

 そういった「予兆」のようなものを活用すると良いと思います。

 あとは、ある作品で、ヒロインが鶏に襲われるシーンがありました。
 その鶏は、亡霊(精霊?)のようなものが化けたものなのですが、
 人の眼球をつついて抉り出したりと、恐ろしい鶏です。
 暗闇のテントの中で逃げられず、鶏の足音だけが聞こえてきて、
 目を抉られるんじゃないかと恐怖する。
 描写が秀逸なので怖かったですね。

 「襲ってくる」というより、「迫ってくる」描写をしていたので、恐怖感がより引き立ちました。

 ただ鶏がつついて襲ってくるだけだと、パニック物っぽくて割と怖くなさそうですしね。
 でも、犬が襲ってくるとかよくありますが、
 鶏が襲ってくるというのは斬新だし怖いアイディアだと思いましたねー。
 鶏の顔って良く見ると不気味なんですよ……。

 こんなところでしょうか。
 うーむ、しかしなんか書いてて思いましたが、これじゃ全然参考になりませんね……
 でもせっかく書いたので投稿します(笑)


Hemoiさんの意見
 初めまして、Hemoiと申します。
 ホラーに挑戦ですか。難しいジャンルですね。

 簡単に答えると人間が生理的に嫌な描写を上手く使えば恐くなるのではないかと思います。
 それは触感と臭いの表現です。


 漫画でも映像でも表現しにくい部分なので、
 それを読者に想起させるのは小説独特になると思います。

 あとは、なるべく読者の環境に近い場面設定をすることかなと思います。
 
 すぐにでも自分の身の回りに起きそうな雰囲気を持つように。
 映画「リング」や「呪怨」などの作品舞台を見るとわかると思います。

 アメリカの広大な土地の中の一軒家が舞台の物語より、
 日本の団地の中での物語のほうが日本人にとっては恐いと思います。


 ホラーといっても色々とあると思いますので、一概には言えませんが、
 より恐くなると言う意味で答えてみました。

 ちなみに私が恐いと思う小説は貴志祐介先生の「黒い家」です。
 身近で恐い、描写も上手いと言う意味で。
 映画では黒沢清監督の「回路」かな。
 こっちは静かに進行する雰囲気が恐いです。


Sinさんの意見
 こんにちは、Sinといいます。
 参考作品とか詳細描写については私も参考にしたいぐらいの意見が出ているので(笑)、
 違う方向からの意見を。

 あえて「描写しない」というのも怖さの演出のひとつかな、と思います。

 具体的に恐怖をえがくのではなく、想像させて恐がらせる。
 「これってもしかしてこういう事……!? ぎゃー、想像しちゃったよ私の馬鹿!」
 と思わせられたらこちらのモノです。
 ……難しいですが。私も未だうまくできません。
 例文を書いてみると……

A:私は眼球を飲み込んだ。
B:私は、その柔らかな一対の球体を飲み込んだ。

 ……こんな感じですかね。もちろん、Bの場合はこの描写の前に、
 「それ」が何であるか匂わせる描写がいると思いますが。 
 あと、全編通してこんな描写ばかりだと効果が薄れますし、
 下手したら自己陶酔したアイタタ小説に見えてしまう事もあるので諸刃の剣です……

 参考になるかわかりませんが、こんなのもアリかな、と思ったので投稿しました。


緑さんの意見
 自分が読んだライノベでは、電撃文庫の「MISSING」という作品のホラー描写が好きでした。

 普段は説明的な文章なのに、ホラーシーンになると急に文章のリズムが変わり、
 それが妙に引き込まれました。


 随分前に読んだので、細かくどうとは言えませんが;
 同じ作家さんの「断章のグリム」という作品で、鳥が目玉を抉っていたと思います。
 個人的な感想ですが、MISSINGは「怖い」、断章のグリムは「グロイ」という印象を受けました。
 どちらも鬼気迫る物がありましたので、参考になるかも知れません。


倉佳宗さんの意見
 こんにちは倉佳宗です。
 ホラーですか、私も書いたことがありますが確かに難しいですねぇ。

 どうすれば怖くなるか、っていうのは理論を考えるよりも過去の作品を読むのが一番かと思います。

 というわけで、参考になると私が思っている小説を書いておきます。

「怪奇小説傑作集」(東京創元社 現在四巻まで発売中)
「幻想と怪奇」(早川書房 全三巻)
「怪奇礼賛」(東京創元社)

 これら計八冊を読めば大体どうすれば良いのか解るようになると思います。
 出来ればこれら以外にも、H・P・ラヴクラフト、
 E・A・ポオ、アーサー・マッケン、レ・ファニュの著作を読むことをオススメします。

 どれも大型書店に行けば、ほぼ全部揃うと思います。
 ただ、少しばかりお値段高め、というのがあれですが。


黒尻尾の駄猫さんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 怖い物の事を考えて、嫌な物を思い出しました;;

 80年代をご存じの方は、CMのワンショットを観ただけで、
 トラウマになった事を覚えておられるかもしれません。
 実際に映画館やビデオで観てしまった方は滲み出る汗と喉の渇きに身が細ったと感じたはず。

 怖いんです。「震える舌」

 同名の小説を原作とした映画なんですよ。内容は闘病物です。
 皆さんは予防接種を受けた事が有るはずの「破傷風」と言う病気の話。

 ……なんですが、どう見ても撮り方がホラーなんすよ;;

 破傷風菌は土の中にいます。通常は免疫で排除されるものです。
 でも、お年寄りや幼い子供は要注意。

 作品は小さな女の子が泥んこ遊びをしていて、舌先を怪我するという事から始まります。
 少しして異変が起きるんですが、両親は娘がふざけているのだと思って叱る程度。
 しかし、その後、夜中に女の子の得も言われぬ絶叫。
 (これが本当に得も言われぬと言う奴で、怖いのです;;)
 で両親が目を覚まし、娘が全身を強張らせて痙攣し、
 白目をむいて舌先を噛み切っておびただしく出血している事に気が付く。

 本来は社会派の作品で病院を何件もたらい回しにされたりする部分も描かれてるんですが、
 そんなの消し飛ぶ程怖い。

 最後にたどり着いた病院でようやく正しい診断を受け、わずかな音や光でも痙攣を起こし、
 酷い場合、ひきつりで反り返って自分の背骨を折ってしまう場合すらあると判明。
 即緊急入院して、暗く締め切った部屋で息を殺して娘を見守る両親。
 この作品はカラーなんですがモノクロじゃないかと思わせる程、暗いシーンの描写が多いのです。
 そして、外は一般の病棟、すやすやと静かに眠っていた女の子が、
 ほんの些細な物音で、まさしく豹変、白目をむいて絶叫し、舌を噛みきって血を溢れさせる。

 暗いシーンに鮮烈な赤、そして絶叫。

 舌を酷く噛みきった場合、通常の生理反応として舌が丸まり、
 気道を塞いでしまって窒息してしまいます。
 そこで駆けつけた医師は、なんとか口をこじ開けて、
 気道確保のためにチューブを差し込もうとするのですが、開かない。
 そこで医師は女の子の前歯はまだ乳歯だから生え替わると言って、
 前歯を強引に抜歯して、チューブを差し込んだりします。

 その後何度も繰り返させる、絶叫と痙攣、そして舌を噛みきる女の子。

 原因は明らかですが、いつ発作が来るのかは「解らない」。
 この「解らない」と言うのが怖い。先を想像してしまう。

 そして、発作で豹変する少女。静かで変化のない物がちょっとした事で一気に崩壊する恐怖。
 発作のたびに右往左往する大人達。
 無力でそして娘のあまりに異常な発作に疲弊し、上っ面な愛情も壊れていく両親。
 「生まなきゃ良かった」「あなたと会わなければ」と全てを否定し始める母親。
 娘に触れた手を執拗に洗い、感染に怯える父親。

 暗闇で眠る小さな女の子が、
 ほんの些細な音や刺激で周りの全てを狂わしてしまう程に叫び痙攣する。

 うう、怖いのですよ。
 愛や感動はなく、恐怖で泣かせる闘病作品。

 トラウマ覚悟で、この映像作品を探すなり取り寄せるなりすれば、
 恐怖という物について大いに体感でき、
 分析できれば確実にレベルアップしてしまうのではないのかと思うのです。
 テレビで放映されてしまって、もうすっかりオイラは怯えましたよ;;
 オイラは分析する余裕なんか無いです。怖い;;

 ホラー好きの方々が観ても「気持ちワルい」と半泣きになる実写版「サイレントヒル」とかも、
 今上映されているので参考にするには良いかも知れませんね(オイラはDVD発売まで待ちますが)

 答えになっていなくて申し訳ないですが、オイラのトラウマ「震える舌」は、
 良い教材になるかも知れないと、言い残して去ります。


 本当は、思い出したくない映画です;; とにかく、怖いんですもん;;
 ではでは。


魏延さんの意見
 音と余白と静寂。

 これを書いたら怖さは際立つんじゃないでしょうか。というか多分王道技術(?)
 擬音だって使い、「ぴちゃぴちゃ」「ばきっ。ばきっ」など、
 ゾッとするような不気味な音を入れて、
 空白な場面を入れ、今度は音鳴く忍び寄る恐怖……ひいっ!(泣
 音が全てじゃないけれど、音(声)は重要なスパイスになると思います。

 かくいう自分もホラー書いたことはないんですけどネw(オイ


ヘイワさんの意見
 ヘイワの場合は「MOTHER2」「ひぐらしのなく頃に」といった、
 東洋的な怖さを秘めている作品を否応がなしに薦めたいと思います。
 双方どちらの作品も一夜程度眠れなくなったほど怖い作品なので。
 あっ、少しネタバレが入るかもしれませんが、ご参考くださいませ。

 くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ……というのは有名な話ですね。
 ヘイワはこのように……例えば紙一面に「死ね死ね死ね死ね死ね」が、
 延々と書き綴られているだけでも恐怖を感じます。
 繰り返しが読者に恐怖を感じさせるわけではなく、文面から狂気が滲み出ているというか……
 何というか……そのようなことがあったら……良いような……って、
 全く参考にならないような意見で済みません。


ガルバさんの意見
 どうも、久々に投稿するガルバです。

 怖く表現するには、「周りの様子」をやけに暗くしたり、
 謎の音をさせたり、変な物があったり……とここらへんは王道ですね。

 暗くさせるのは非常に便利です。人間なら大抵の人は暗い所は怖いと思いますから。
 
 謎の音とかは使いこなせば便利です。
 伏線を張ったりするのにも役に立ちますから。(変な物は謎の音と一緒です)

 後、もし耐えられる勇気があるのなら、わざと友達か誰かに頼んで怖い事をしてもらったり、
 森林みたいな所に行って肝試しみたいな事をすれば、
 多少なりとも主人公の恐怖心の参考になると思います。
 まあ、参考にならなかったら骨折り損のくたびれもうけですけど。


ビタミン回さんの意見
 どうも、お久しぶりです。
 本題。
 より怖い表現をする為には、その前に怖くないシーンを置くことだと思います。
 『ひぐらしのなく頃に』は、一時期自分もはまったことがありましたが、
 (無料体験版だけです)それで一番感じたのが、日常が崩れていく恐怖。
 
 安心しきったところに、冷や水を掛けるような、そんな技法です。

 というか自分はホラーとかあまり読まないので、参考になるかどうかは疑問ですが。
 簡単ですが、これで。


Dr.ウニボンさんの意見
 もし、スーパーファミコンをお持ちなら、
 『学校であった怖い話』
 というゲームをオススメします。
(一応、PS版もあるらしいですが、結構レア物らしいです。
 ……スーファミ版もなかなかレア物みたいですが)
 「サウンドノベル」形式で、選んだ選択肢によってストーリーが変わっていく、
 マルチエンディング方式なのですが、膨大な量の文章があるので、
 全て読むのは時間と根気が必要です。

 さて、このゲームをオススメするのは色々な種類の「恐怖」が詰め込まれているからです。
 例えば、「プールのロッカーに幽霊が出る」という話になって、
 ロッカーを順々に開けていく場面があるのですが……
 「開けるロッカーの順番はプレイヤーが決める」のです。
 『一番左 左から二番目 左から二番目 … 一番右』という選択肢が出てきて、
 その中のたった一つだけ「幽霊が出る」ロッカーを選ぶまでビクビクしながら選ぶわけです。
 で、当たりのロッカーを選ぶとバンッ!と画面全体に不気味な顔が……。
 という一種のビックリ箱的恐怖。

 ある恋愛の話の内容では、男(ただし当人にその気は無い)に迫る女が、
 「私たちは赤い糸で結ばれているのよ」と自分の小指をナイフで抉り神経や血管を引っ張り出して
 「ほら、赤い糸」と恋人の小指に結びつけるという相当にアレなスプラッター&狂気描写。
 「もし、トイレに閉じ込められたら」「もし、この高さから飛び降りたら人は生きていられるか」
 「貯水槽の中には何があるのか」「実験室から漂う異様な匂いの正体」
 というような日常の中でふと思うような「怖い」想像が実際に起こったときの恐怖。
 虫や人形、暗闇などの日常に潜む生理的な恐怖。
 など、ほとんどのタイプの「恐怖」がこのゲームには詰まっています。
 「サウンドノベル」である為、不気味な絵や不安を煽る音楽に効果音など、
 文章以外の恐怖が強いですが、文章自体もなかなか面白いので参考になると思います。


深言さんの意見
 はじめまして、深言と申すものです。
 ホラーという単語につられて思わずメールしてしまいました。
 
 私が思う怖いホラー(の描写)は、「普段できることが突然出来なくなること」だと思います。

 簡単な例として、恐怖で足がすくんで“逃げれない”、叫びたいのに“声が出ない”というところでしょうか。
 普段当たり前に出来ることが出来なくなると人は恐怖を感じると思います。
 またもどかしさも同時に感じます。それが迫り来る何かに繋がるのではないでしょうか?

 洋画ホラーと邦画ホラーの1番の違いはここだと思います。
 洋画ホラーは何かと遭遇したら必ず絶叫するのに対し、
 邦画ホラーは呼吸が荒くなるけれど声が出ない、また呼吸すらも引きつったそれになります。


 どちらの表現方法が怖いかは人それぞれですが、私は間違いなく後者だと思います。
 悲鳴は恐怖を駆り立てる表現の1つでしょう。
 しかし、実際に叫ぶと、そうすることでどこか気が抜けるのではないでしょうか。
 
 また、咄嗟に悲鳴を上げれるほどの空気を吸うことが、
 果たしてその状況でできるのかと考えれば、リアリティーの有無にも繋がると思います。
 少なくとも邦画ホラーは悲鳴をあげる前に呼吸をする余裕があります。
 物語を書くのであれば、表現だけに囚われず、
 自分が体験するならどちらが怖いかも考える必要があると思います。

 映画と小説では全く違うのではと思われそうですが、1番身近かと思い例にしました。
 長々と失礼しました。


樹 灯悟さんの意見
 どうも、樹です。ホラーは得意ではないのですが、怖い思いをしたことが多い(要するにビビリ)ので、
 参考になることが書けるかなーと思って投稿します。
 個人的にいくつか怖さのポイントがあると思います。
 
 一つは、常態と異常時のギャップ。
 
 これは、何人かのかたの意見にもある「ひぐらしのなく頃に」が秀逸です。
 もとはノベルゲームですが、他のメディアにもなっています。
 私がはじめに出会ったのはアニメでした。
 アニメは音も入っているし、他のメディアで表現しきれないテンポ感も怖さに一役かっています。
 また、漫画はアニメよりさらに視覚的効果による恐怖が強いです。

 第二に、意思の疎通ができないということ、意思的活動を感じない、理解できないもの。

 たとえば幽霊や化け物が登場する場合ですが、私は普通の幽霊よりも、水子霊の方が怖いです。
 相手の意思がわからない、相手が意思に基づいた活動をしていない、
 というのは非常な不安を掻き立てます。
 
 つぎつぎと人を狂わせて異様な自殺を遂げさせる霊がいるとします。
 そのとき、もし不幸な死に方でこの世に恨みのある人の霊ならそれほど怖くないのですが、
 それが、さまよってる水子霊が何かに恨みを持つでもなく無差別に人を狂わせている、
 となると、理不尽で事情がわからないので、普通より怖く感じます。

 最後に、動物や人形。
 普通は口をきかないそれらが笑う、喋るというのは、メチャクチャな異形よりも空恐ろしいです。

 
 例としてあげるのは、「地獄先生ぬーべー」に「くだん」という妖怪がでたときのことです。
 小学校の飼育小屋、新しく生まれたうさぎのこどもの中に一匹、
 しわくちゃの老人のような顔をしたものが。
 それは「くだーん、くだーん」と言った後にうさぎの世話をしていた女の子が「水で死ぬ」と予言し、
 「水で死ぬ!水で死ぬ!」と大笑いして、すぐに死んだ。
 文章ではうまく表現できませんでしたが、後にも先にもぬーべーを怖いと思ったのはそれだけでした。

 たいしたことは書けませんでした、申し訳ないです。では・・・ビビリは退散します。


ケンタッキーさんの意見
 一番最初に述べてくれた人がいましたが、「いると思ったらいなかった」がホラー。
 また、「何気なーい日常生活の中でのもの」
 のなかに入れ込むといいです。
 たとえば遊園地でとなりの席に家族がいると思ったらいなかった。
 これはホラーとしては完成度が低いものの、本当にあったらすごい怖いですよね。

 本当にあった怖い話ではなく、
 本当にあったら怖い話を書くのです。

 また怪物が実はいなかった、というのもアリです。

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