閣下さんからの質問
　戦闘時と恋愛時のヒロインの態度にギャップがありすぎるのはNG？
　
　こんにちは！　初カキコの閣下と、申します。
　早速ですが、ご相談です。
　僕はヒロインにも戦闘シーンがある小説を現在書いています。
　ここで、1つ問題が生じました。
　僕は登場人物達に威勢の良く、格好良いセリフを言わせたい人間です。
　ヒロインにも戦闘中に威勢の良いセリフを言わせるんですが、
　結構生々しいセリフになってしまいます。

例・「アンタを完膚なきまでに再起不能にしてやる為のね……。
　覚悟はいい？　準備はいい？　後悔した？　後にも先にも待つのは地獄よ！」

　僕個人としては、なかなか良い感じのセリフかな？　と自惚れていたんですが、
　当然ヒロインのワケですから主人公の腕の中で泣いちゃったりしてしまいます。　
　で、完成品を友人に見せたところ……
　「ツンデレ？」とか「猫かぶり？」とか「媚売ってねぇ？」等と散々たる感想を頂きました。
　僕はヒロインを「武装錬金」の津村斗貴子のような感じにしたかったんですが、
　なかなかうまくいきません。

　上記を要約すると、
１・ヒロインの戦闘シーンでの苛烈なセリフはありか？
２・戦闘時と恋愛時のギャップがありすぎるのはNG？
３・上記が違和感無くマッチするヒロイン像はどんなモノ？

　っていう事なんですけど、お願いします。
　皆さんのご意見、ご返答お待ちしております。
　では


● 答え ●

ペシミストさんの意見
>津村斗貴子

　ああ、あの人は良いキャラでした。
　僕がツンデレを好きになったのも、あれを見てからです。
　さて本題。結論から。
　１は許容範囲。２も耐えられます。
　３に関しては今から説明するとして、何故そのヒロインが「媚を売っている」などといわれたのか。
　
　おそらく、弱さを見せるのに、理由が無かったからです。
　ラノベにだって、リアリティはある程度必要なものです。
　特に人の心、ここにリアリティが無い作品は好かれません。

　例えば今回の場合ですが、世の中強気な女性というのは結構います。
　しかし、そういう人は大抵、いきなり恋人の腕の中で泣いたりしません。
　強気なため、最初は強がります。泣いていないふりをします。
　気にしていない素振りを見せます。そして、決して弱さを他人に見せようとはしません。
　思うに、あなたの作品のヒロインは、そんな素振りも見せず、
　突然弱気になったりしているのではないでしょうか？

　確かに性格には二面性が存在します。けれどもその変化が突拍子もないと、
　「猫かぶり」だの「二重人格」だの言われるのです。

　余談ですが、漫画「ナルト」に出てくるサクラというキャラもそのようなところがあり、
　そして性格の悪そうなヒロインランキングで見事に一位を獲得しております。
　それに似通ったところが合ったのでは。

　以上、全て僕の想像で話していたので、絶対に合っているとはいえませんが。


りょうこさんの意見
　はじめまして、りょうこです。
　私の中では、ということで質問に答えさせていただきます。

１・あっても良いけど、スマートなセリフであってほしい。
　例のセリフだと、ヒロインをいたぶる悪役キャラの女性が思い浮かびます。
　私は、丁寧な口調で、言葉少なに、辛辣な事を言う方が、凄味があって好きです。

２・ギャップはなきゃつまらないですよ！
　でも、そこまでヒロインが心を許せるようになった過程とか、ヒロインは一体何に苦しんでいるのか、
　を丁寧にエピソードで重ねていって欲しいです。
　そこに現実の女の子も理解できる、経験したことのあることが入ると、
　強気で戦闘シーンたっぷりのヒロインでも感情移入しやすくなります。

３・私は『もののけ姫』のサンがそんな感じかな？と思います。
　登場時は恐い女の子？と思いましたが、
　アシタカに「そなたは美しい」と言われて驚いてうろたえるシーンや、
　「シシ神様が死んでしまった」とアシタカにすがって泣くシーンは、可愛げがあると感じました。

　閣下さん、魅力あるヒロインに育ててあげて下さいね。
　それでは。


ジャムさんの意見
　初めまして。小説を書こうと筆を執ってからまだ日も浅い私ですが、
　こういうキャラはよく知っているつもりですので、述べさせていただきます。

　まず１ですが、これはありです。
　主人公が何らかの原因で人格が入れ替わってしまい、
　口調まで変わるというのはよく見かけますし。
　女の子でも言葉遣いが荒い人って少なからずいますしね(苦笑)。

　２もいけないことはないです。
　ですが、途中の細かい心理描写無しで手の裏を返したように変わられても、
　人によっては｢ぶりっ子みたい｣と思われても致し方ありません。ペシミストさんと意見が被りますね。

　３は……そうですね、やはり強気なﾋﾛｲﾝが合う気がします。
　強気な人がたまに見せる弱い面がいいんですよ(笑)。あくまで私の場合ですが。
　ただ２でも述べた通り、心情描写がないとそのｷﾞｬｯﾌﾟもただの｢猫被り｣だと思われてしまいます。
　作り手が作った設定を読み手も完全に理解しているわけではないですから。
　
　ﾋﾛｲﾝの心情変化を伝えられれば、｢ﾋﾛｲﾝはこういう理由で泣いたんだな｣と納得できます。
　
　たまにﾋﾛｲﾝを猫被りに仕立てあげようとしてわざとそれっぽく書いてある小説も見かけますが。

　偉そうなこと言ってすみません。
　気に入らなければ忘れてください。あくまでちっぽけ人間の意見なのですから。


仁ノ河一城さんの意見
　祝・アニメ化。
　……どうも、仁ノ河です。

　さくさくっと答えれば、
１・アリです
２・結果次第です
３・斗貴子さんです

　勝手な想像ですが、閣下さん（妙な表現だ…）のヒロインは台詞倒れだったのでは？
　
　斗貴子さんのバトルヒロイン像は「臓物をブチ撒けろ！」とか「脳漿をブチ撒けろ！」とかいう
　苛烈な台詞だけでなく、それらを問答無用で実行したことで成立したんだと思うんですね。
　本当に人間の臓物に穴ブチ開けてみちゃったりとか、
　主人公にガチ目潰しや肋骨の間から肺を突いたりとか……
　ぶっちゃけ、敵味方含めて一番凶悪な人だったでしょ（汗
　それなのにあんな照れっぷりしてくれちゃうもんだから。

> 例・「アンタを完膚なきまでに再起不能にしてやる為のね……。
　　覚悟はいい？　準備はいい？　後悔した？　後にも先にも待つのは地獄よ！」

　この台詞見た直後の感想が「ぬるいなぁ」でした。
　言ってることが抽象的で脅しとしては甘い気がします。

　有名な漫画ヘルシングでは、男性キャラの台詞ですが
「小便は済ませたか？ 神様にお祈りは？
　 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はオーケー？」
　とまぁ、作者の表現力に脱帽するしかない喋りっぷりで。

　ギャップというのは落差が大きければ大きいほど効果的です。
　かといって、それが無理矢理すぎると露骨なテコ入れに見える恐れがあります。

> 「ツンデレ？」とか「猫かぶり？」とか「媚売ってねぇ？」等と散々たる感想を頂きました。

　読んでない以上はっきりとはいえませんが、
　この辺はそういうバランスが取れてなかったからではないでしょうか。
　要するに、可愛さを見せたのがわざとらしかったんでしょう。
　戦闘パートでは過剰なくらい苛烈に。
　恋愛パートではわざとらしくないように。
　こんな感じでしょうか。


んぼさんの意見
　キャラがちゃんと見せられてないんじゃないかな、と思います。

　戦闘シーンではカッコいい台詞を言わせたい→じゃあ言わせよう。
　ヒロインは主人公の腕の中で泣かなくちゃ→じゃあ泣かせよう。

　これでは猫かぶりどころか、二重人格者かと思われかねません。

　何故ヒロインはカッコいい台詞を言うのでしょう。
　何故ヒロインは泣いちゃうのでしょう。

　その辺りのバックボーンがちゃんと出来ていない。
　記号化された行動論だけで書いたのが原因だと思います。
　要約すると、キャラ作りが甘い、と。


東雲さんの意見
　こんにちは、はじめまして。
　まず、武装錬金というのは知らないです、ごめんなさい。
　なので、想像できなかったので某、名前の通り乙女なんだ、鉄乙女さんを代わりに想像しつつ。

　例の台詞は……そうですね、結局死ねと言ってますし、優越感というか、余裕を感じません。
　「地獄に行けて良かったと思う」とか、「後悔なんて生易しい」なんて台詞の方が良かったかな、と。

１について
　良いのではないでしょうか。

２について
　ギャップがあるのはいいと思いますけど。

３について
　『永遠のアセリア』のセリア・Ｂ・ラスフォルト。
　切り殺されそうになったり。信用できないといわれたり、よく生き残れましたねといわれたり。
　それでいて最後の方では、デレデレです。ヒロインじゃないですけど。

　『つよきす』の鉄乙女。
　結構強烈な台詞を吐かれます、口癖が根性無しがですし。
　同じく『つよきす』……のネタバレになるので、某キャラ。
　詳細は言いません、ああ、でもＰＣ版だけなのか。
　私としては以上の３キャラから、主人公が努力する姿を見せて、
　その姿によりヒロインが惹かれる、という描写があると良いと思います。
　ただ、戦闘シーンだけではなく、日常でも、強烈な台詞を吐かせていた方が、
　二人っきりになって時にデレデレって言う感覚が出ていいと思います。　　　


蔵神紫苑さんの意見
　どうも、蔵神です。

　おお、斗貴子さんですか！　いいですねぇ、ツンデレ大好きですよ。
　「臓物をブチまけろぉ！」かっこいいです。おっとずれてしまいましたね、本題に戻ります。

１・ヒロインの性格によると思いますよ。
　たとえば無邪気で子供みたいな性格のヒロインが戦闘シーンには
　「臓物をブチまけろぉ！」とか言うと全然合いませんよね？　
　とは言っても「二重人格」とか「戦闘時になると性格が変わる」などの設定なら話は別でしょうけど。

２・ありすぎる……とは言ってもどれくらいの差があるのかわからないからなんとも言えません。

３・難しい質問ですね。でも読んだ感じだとなんか好戦的、
　戦いが好きなヒロインのように思いますね。例を挙げると「ブリーチ」の剣八のようなやつ。
　あとはまるで仇敵を倒そうとしているようにも見えるかな？


旭さんの意見
　こんにちは、旭と申します。
　私が気をつけていることや考えていることで答えさせていただきます。

１・ヒロインの戦闘シーンでの苛烈なセリフはありか？
　あり、だと思います。
　非日常的、もしくは攻撃的な場面では精神的にも高ぶりますし、
　口調が荒くなっても可笑しくはないと思います。
　飲み会の時とか、飲んでもいないのにテンションが高くなったりしますし。

　ただし、そのキャラに合っていないとダメだと思いますが。

　極端ですが、武装錬金の津村斗貴子が、
　某格闘ゲームのキャラのように『イッちまいなぁ！』とか『早すぎると嫌われるよ』だとか、
　卑猥で苛烈な言葉を口にしたら、えええ！？　と思いますよね。
　
２・戦闘時と恋愛時のギャップがありすぎるのはNG？
　別にNGではないと思います。
　学生が部活をしている時、授業を受けている時、バイトをしている時、
　恋人と遊んでいる時、友人と食事をしている時、
　全て同じ様に振舞っているとは思えません。少なくとも私は違いました。

　ただ、そのギャップを不自然に感じさせないようにしないといけないと思います。

　主人公の腕の中で泣くにしても、泣きたくないとか格好悪いところを見せたくないだとか、
　色々な葛藤があって、でも我慢しきれずに泣いてしまったという描写があれば、
　グッとくるものがあると思います。
　あとは、強がって泣きたいのに泣けないヒロインを、
　主人公が必死で優しくし大切に扱って、泣いてもいいと言ってやり、
　ヒロインが泣くというのは、少なくとも私は不自然に感じません。


３・上記が違和感無くマッチするヒロイン像はどんなモノ？
　気が強くて頼りがいがあり、普段からやや粗野な言動のあるけれど、
　実は甘えたいという願望がある女の子。
　というのが、パッと思いつきました。
　ありがちなバックグラウンドですが、ヒロインが幼少の頃に両親は離婚していて、
　父親・兄弟と一緒に暮らしている。
　父親は仕事が忙しくて、兄弟は手の掛かる我侭な奴。
　凄く簡単な説明ですが、兄弟がいれば気が強いのも、
　言葉が苛烈な言葉も、頼りがいがあるのも、そう不自然には感じないと思います。
　一見感じられない性格だけれど実は甘えたいというのも、
　家族には小さい頃から甘えることが出来ずに周りの世話ばかりしていれば、
　おかしくはないと思います。
　
　こういった設定にそってヒロインを動かせば、
　戦闘シーンも恋愛シーンも違和感が少なくなるのでは。
　短時間で考えたただの一例ですが。
　
　
　結局はキャラ作りとストーリーに無理がなければ、１も２も大丈夫なのではないでしょうか。
　ありきたりな言葉ですが、これに尽きると思います。