第4研究室 創作に関するQ&A 163P | トップへ戻る |
清水 一平さんからの質問
 小説の書き出しについて
 
 初めての方がほとんどだと思いますが、宜しくお願い致します。
 今、架空の軍事小説を書こうと思い、
 (現在のパラレルワールドのような舞台設定です)資料を集めたり、
 小説の書き方の本を読んだりしています。
 ただ、題名の通り、小説の書き出しの部分をどのようにしたら良いのかで悩んでいます。
 衝撃的なシーンを回想形式を用いないで冒頭にということで、
 戦闘中のシーンを入れようと思うのですが、どのように書けばよいのか悩んでいます。
 皆様のお力をお貸し下さい。

 あと、登場人物の外観等の描写ですが、神様視点を用いないで描写した方が良いのでしょうか?

 以上、2点宜しくお願い致します。


● 答え ●

峰しずくさんの意見
 こんにちは。
 まず、書き出しについてなのですが、これは誰しもうんうん唸って編み出していますし、
 これが正解というのもなければ、一朝一夕に解決できる問題でもないでしょう。

 生みの苦しみです。
 悩んで悩んで悩みぬいて、清水さんなりのベストを生み出してください。……としか言えないかなあ。
 ただ、「衝撃的なシーン」が本当にいいのかどうかは、よく検討・検証されるのがいいと思います。
 
 冒頭は読者の襟首をつかんで、ガツンと衝撃を与え、
 ぐいぐい引っ張っていくものにしなくてはなりませんが、
 それが必ずしも場面として衝撃的なのが良いかどうかは、一概には言えないと思います。


 静かに、そっと、後ろから抱きしめるような冒頭もあるかもしれませんよ。

> 登場人物の外観等の描写ですが、神様視点を用いないで描写した方が良いのでしょうか?

 これも決まりはありませんが、個人的には神様視点を用いず、
 誰かのキャラの視点から描写したほうがいいのではないかと思います。
 理由は簡単。神様視点はあとで否定できない。決定事項。
 キャラの誰かからの視点なら、あとで訂正できる。

 つまり、読者をミスリードできるので、作品の幅が広がります。


例:「大笑いしてるから、愉快で愉快でしょうがないのかと思ってたよ」
   「冗談じゃない。水虫がかゆくて、七転八倒してたんだよ」


ぺーさんの意見
 冒頭は重要ですものね。
 ただ、衝撃的なシーンを意図して持ってくるというよりは、
 結果的に衝撃的なシーンにならざる終えないって所が真実じゃないでしょうか?
 例えばファンタジーなら、これから主人公が大冒険を始めるわけですから、
 危険を冒してまで旅立つ、それ相応のきっかけを描かなくてはいけない。
 結果、やはり衝撃的なシーンになることが多い。

 ミステリでよく言われる
 「まず、死体を転がせ」
 ですが、これは単に衝撃的なシーンを持ってこいと言う意味ではなく、

 主人公が行動を起こすに足ると納得できる、強烈な「きっかけ」を持って来いということだそうです。

 いくら衝撃的で派手な戦闘シーンから入ってみても、
 「天気がいいから散歩がてら魔物と戦ってくるわ」みたいなノリだと良い冒頭になり得ません、
 話が展開していきません。

 軍事小説の場合は単なる戦闘シーンではなく、
 主人公がこれから戦わざる終えないように追い込むシーンを持ってくることが、
 良い冒頭の条件になりそうです。

 ぱっと思いつくのは激戦の末、相棒が殺され復讐を誓うとかでしょうか?すいません。ベタですね。
 とにかく、これから話が動いていく為の強烈なきっかけを持ってくるということですね。

 外見描写に関してですが、語り手から見たと言うように書かなくてもOKですよ。
 というか、三人称の場合、カメラと語り手が、ずれているのは、
 今は結構普通じゃないでしょうか。むしろ最近はそっちのが多い。
 例えば、語り手の外観描写として、
 ○○は青ざめた。
 と書くのもアリの方向に向かっていると感じます。

 これは三人称の、カメラ+誰か一人の心理描写という視点ですね。

 昔は、語り手から自分の表情は見えないはずだからこの表現は変だ、とか言われたものですが。
 ただ、一人称で書く場合、
 俺は青ざめた。
 と書くのは、まだまだタブーのような気がします。


卯月さんの意見
 こんにちわ。初めまして卯月です。
 超ド級の初心者の意見ですが、参考までに。

 竜頭蛇尾とも言われるとおり、冒頭は大切な掴みですからね。
 私もよくそこで筆が止まります。
 冒頭は何も強烈な物だけとは限りませんが、架空戦記ものだと、
 私の場合は、物語の進め方にもよりますが二つありますね。

 主人公が自発的に動くパターン。
 例を上げるなら、
・相棒や大切な人が殺され、その復讐を誓い戦争に参加する。
・上官から指令が下り、守るべきもののために戦うことを決意する。

 もうひとつは巻き込まれるパターンですね。
・戦争の鍵を握る人物を匿ってしまう、または拾ってしまう。
・偶然、軍事機密を知ってしまう。

 あとは、謎の人物たちの戦略会議の場面など緊迫した場面を入れるなどですか。
 思いつく限りで書いてみましたが、知っている限りではこのくらいです。
 あと、架空戦記物だと、紺碧の艦隊などが、
 パラレルワールドの設定なので参考になるかもしれません。
 余談ですが、私的には陰謀の気配が漂う緊迫した冒頭が好きですね。


嘉月幸さんの意見
 多分はじめましてです。

 私は敵の行動の動機となる過去の出来事を書くことが多いです。
 いい加減そのパターンは止めようかなと思っているのですが。
 衝撃的なシーン、ということですが、
 私的には必ずしも衝撃的なシーンばかりが良いわけではないと思います。
 仮に衝撃的なシーンにしたいと思って、戦闘シーンを入れたとします。
 そのシーンで大量虐殺されていたり、血が飛び散っていたら確かに衝撃的ではありますが、
 読む方によっては引く方もいるでしょう。こんな表現しか出来なくてすみません。
 
 単に冒頭が衝撃的なシーンがいいというのは、
 読者が興味を示しやすいからなのではないでしょうか。

 
 冒頭はやはり興味をそそられるものがいいと思います。
 恋愛ものにしてもこのサイトに書いてあるとおり、
 日常の一部よりはいきなり告白シーンから始まったほうが、私としても興味がわきます。
 私が今書いているものは軍事ものではないのですが、冒頭で戦闘を入れました。
 その時事の前後で冒頭にするにはどれが適切か考えた結果、そのシーンが一番合致しました。

 外見描写については、言葉が出てこないのでここら辺で失礼します。


脂さんの意見
 とりあえず書きたいところから書いてみるっていうのはどうでしょうか?
 正直、冒頭なんていくらでも後付けのきくものだったりします。
 というか、書き上げたシーンをいじくりまわすのもすごく勉強になることだと思いますよ。


ぺーさんの意見
 ですね。

 冒頭は大事なので必ず最後に書くというプロの方も多いです。

 素晴らしい冒頭の代名詞みたいにいわれている
 「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」
 も最後に書いたそうですよ。

 自分もアウトライン機能を使ってアッチ書いたりコッチ書いたりします。
 書きやすい所から書いていくと詰まっていたところがすんなり書けたりするもんです。



三毛招きさんの意見
 私は好きなジャンルの一つに仮想戦記があるので読み込んでいるのですが、
 仮想戦記のような軍事小説においては回想形式は「アリ」です。
 ただ、ただ単に衝撃的なシーンを入れたいから、という理由ではダメでしょう。
 例えばその世界が現実とどう違うのか、
 その違った理由を回想形式で入れるのはアリということです。


根さんの意見
 読者の気を引くポイントは

「謎」……キャラクターは知っているが、読者が知らない謎、というのもあります。
 状況は描かれているが、何故そんな状況なのかが読者に説明されていない、みたいな書き方です。

「内的葛藤」……一人のキャラクターの心の中での葛藤。

「外的葛藤」……複数のキャラクター、もしくはキャラクターと事故や自然災害など、
 精神を共有しないものがぶつかり合う。

 このうちのどれかを、最初にドンっと提示します。

 そして、読者をおいていかないですむように、できるだけ早く「状況説明」をします。
 ようは、謎や葛藤が、具体的にどういうものなのか、という背後関係の説明です。

 清水さんがあげておられる、戦闘シーンなどは「外的葛藤」にあたるわけです。

 もし圧倒的な筆力があるなら、それこそ、国境を越えるとそこは雪国であった〜のように、
 その情景描写力を見せ付ける手もあります。
(ちなみにこの雪国であったな冒頭も、「なぜ国境を越えたのか」「何故雪国にたどり着いたのか」
 といった、読者に対する小さな「謎」を提示して、興味を引いています)

 よくあるのが、第二段階である「状況説明」が遅すぎて、
 読者が置いてきぼりになってしまったり、
 あるいはその「状況説明」をだらだらとやりすぎて、飽きられてしまったりすることです。


 この「状況説明」は、何故こんな謎や葛藤が起きているのか、と言うことがギリギリ分かる程度の、
 最小限に抑えて、話をどんどん進めていったほうが良いと思います。

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