第4研究室 創作に関するQ&A 193P | トップへ戻る |
らじがくさんからの質問
 主人公は普通(一般人)がいいのか?
 
 初めての方もそうでない方もこんばんわ、らじがくです。
 今回は数度目となる質問で、ちょいっと考えてた事を書かせてもらいます。

 題名どおり、主人公は普通がいいのか? です。

 私が読んで来た小説では、殆どと言っていい程、
 主人公は精神的に普通の一般人で、周りに異常な人達が居るという感じでした。

(例 
作者名 作品名
京極夏彦 『姑獲鳥の夏』
橋本紡 『半分の月がのぼる空』 『リバース・エンド』
甲田学人 『missing』 (後書の作者談の主人公)
高橋弥七郎 『灼眼のシャナ』
谷川流 『涼宮ハルヒの憂鬱』etc
櫂末高彰 『学校の階段』
日日日 『アンダガの改造学』 『狂乱家族日誌』

 等、言い上げればきりがありませんので割愛させてもらいます。

 そこで、やはり一般受けするには、異質な人達は周りに配置し、
 普通の主人公が巻き込まれてゆく(後に異端の力をつけるたり、あったりとゆうのは可)
 という感じにした方がいいのかという事です。

 正直、今私が書いている主人公は異質です。
 変人、狂人、異端人といってもおかしくない人です。


 これについて皆さんは、どのように考えているかを教えて欲しいしだいです。
 やはり、主人公は一般的な考えをしたりする方が、
 読者にもわかりやすいですし、いいと思うでしょうか?
 どうか、ご意見お願いします。

 ちなみに、著者の技量次第で終わらすのだけはやめて欲しいです^^;


● 答え ●

 主人公には2つのタイプがあります。
 一つは、おっしゃるとおりの平凡な性格、容姿、能力の主人公。
 このタイプの主人公は厄介事に関わる気が無いのに、いつのまにか巻き込まれ、
 物語を展開していくことが多いことから巻き込まれ型と呼ばれます。

 反対に、らじかくさんの作った主人公のように、個性的な異端児、
 容姿や能力が特別優れていたりする非凡なタイプの主人公もいます。
 こちらのタイプは、自信に満ちている人間が多く、
 自ら厄介ごとに首を突っ込み物語を展開していくことから、首突っ込み型と呼ばれます。

 あまり見たことが無いとおっしゃられますが、実にポピュラーな主人公です。
 ライトノベルで代表的なキャラクターとして、スレイヤーズの「リナ=インバース」が挙げられます。
 他にも、フルメタル・パニックの「相良宗介」、トリニティ・ブラッドの「アベル・ナイトロード」などがいます。

 巻き込まれ型と、首突っ込み型はどちらも一長一短でどちらが良いかは、
 完全に個人の嗜好・好みによります。
 なので、どちらを選んでも問題ありません。

 巻き込まれ型の場合、平凡な人間であることから、
 読者が自分を投影し感情移入しやすいメリットがあります


 このタイプの主人公は、なぜか美少女に異様にモテたり、物語の中で徐々に成長し、
 特殊な力を身につけたり、目覚めたりします。
 このため、自己を主人公に重ねている読者は、自分がモテているような、
 あるいは強くなって活躍しているような気持ち良さを味わうことができます。

 ただし、巻き込まれ型の場合は、どうしても性格が他作品と似通った主人公になってしまうので、
 個性が出しにくく、陳腐である面があります。
 また、初期段階ではヘタレなのにも関わらず女性にモテモテであることから、
 私のように殺意を覚える読者もいます(笑)
 ハーレム系の物語の主人公は、ほとんどこのタイプで、他のキャラに喰われ印象に全く残りません。

 逆に首突っ込み型の場合は、その非凡さから、とても自分を重ね合わせることはできません。
 英雄談を、第三者として眺めているような感覚で読み進めることになります。

 しかし、特別な個性を与えることができるので、
 作品の顔として印象に残りやすく、覚えてもらいやすいです。



chiiさんの意見
 こんばんは、chiiです。

 精神的に普通の主人公がいいかどうかですが、一概には言えませんよ。
 一見、普通の考え方をしているけれども、
 実は心の根底に深い歪みを抱いている主人公も多いですよね。

 精神的に普通の者を主人公にするのは、多くのメリットがあるからだと思います。

 大抵の読者は、主人公に自分を仮託して読み進めますので、
 読み手の大半に近い考え方をする主人公の方が、より作品に入り込みやすくなります。


 つまり、その作品を面白く感じやすい、ということです。

 それに主人公の置かれる状況が異世界など異常な場合は、
 主人公が一般人の方が、無理なく状況説明ができます。


 特に一人称で、語り手が異常な状況に慣れきった者である時、
 いちいち状況を説明するのは不自然です。当人にとっては「当たり前」なのですから。
 これは、登場人物の心情に入り込む感じの三人称でも同じです。

 異端人にとっては、周囲の一般人の方が「異常」であり、「理解不能」であることしょう。
 また思考パターンもさぞや独特であることでしょう。
 それを文章として表現できず、一般人と同様の書き方をしてしまうと、
 一気に陳腐になってしまう危険も否めません。

 あくまで私見ですが、主人公に一般人が多いのはこんな理由ではないかと思います。
 それに、周りが異常者ばかりでは、主人公が相対的に一番の「異常者」になりますしね…。

 とはいえ、主人公の周囲に一般人がいれば、全然大丈夫だと思いますよ。
 「名探偵ホームズ」とか良い例かと。

 以上、失礼いたします。


メムナークさんの意見
 一般人がいい、ではなく、一般人でも構わない、と思います。

 ただ、スタンスのない人間は動かしにくいです。

 一般人(特殊能力なし)でも、「俺はこういう信念に基づいて動く」という方向性は必要だと思います。
 「○○のためなら死ねる!」というようなものが無いと、
 「キャラが動く」のではなく、「周囲の状況にキャラが流される」だけになります。


はなもげさんの意見
 こんばんは、はなもげです。

 受ける、受けないはともかくとして、らじがくさんが本当にその話を書きたいのならかくべきです。

 プロなら読者受けなど気にして書いたほうがいいかもしれませんが、
 アマチュアなんだから好きに書く自由があるとおもいます。

 あと少し気になったですが、
 京極夏彦の関口君は俺が思うににあの中で一番異端児だとおもうですが...
 あれがまともの分類に入るなら、たいていのキャラは普通人で通る気がします。


富士山さんの意見
 一般人でもかまわないと思いますが、どこか変なところがないとツマラナイですよね。

 というより、『アンダカの怪造学』の空井伊依は一般人なふりをしてますが、
 その世界では立派な異常者です。変です。

 『涼宮ハルヒ』のキョンは、一般人のふりをして、どこか冷めてるというか変です。
 SOS団に入っていること自体、変です。

 『半分の月がのぼる空』の裕一は、一般人のふりをして、好きな女の子のために命かけてます。
 おおよそ一般の考えではなく、変です。

 『リバース・エンド』の瀬川拓己は自分の故郷を滅ぼされスクールに送られます。変です。

 そもそも一般ってなんですか? 普通ってなんですか? どのレベル? 誰の基準?

 というように、この世に一般人はいません。
 強いて言うなら普通の身分の人間ですか?
 小説というのは何かの事件だと高畑京一朗さんがいってた気がします。
 事件の中の主人公が普通なわけないのですよ。
 そんな感じでそれでは。


ぺーさんの意見
 技量次第は駄目らしいので、言います。
 どちらかと言えば、異質な人や変人は、脇に回した方がいいでしょう。
 主人公には適していません。人選ミスかも知れません。向き不向きで言えば、不向きです。
 ただし、勿論、技量次第では――すいません。

 一般受けするからというより、そのキャラクターをどのように魅せれば一番輝けるか、
 それを考えた方がいいと思います。


 せっかく作ったキャラクターなら、魅力を存分に振りまいて欲しいじゃないですか。
 同じモノでも、見せ方次第で、全く違うものに見えるモノなんです。

 異質なキャラクターというのは、異質であることが魅力なわけですから、
 一般的な感性を持った目線からそのキャラクターを眺めることで、魅力が倍増するわけです。


 異質な人自身が主人公だと、その人自身にとっては、その人の行動は普通なのですから、
 その行動が異質である、ということを描写しずらい。

 また、総じてミステリアスな所があるキャラクターも主人公に据えるのは難しいと思います。
 そのようなタイプは、理解しがたい、でも理解したい。
 ふとした瞬間に本音が見え隠れ――といった所が素敵なのであって、
 詳しく心理描写すると、とたんに普通になってしまい、その魅力がそがれます。
 つまり、キャラクターの良い所が生かしづらい、ということです。

 キャラクターにも適材適所があるってことですね。

 また、他の方も言っておられますが、
 主人公があまりに変な考え方をしていると、感情移入が出来ません。
 共感できない、ということですね。

 脇に回した方が輝くキャラというのは、います。
 
 主役が脇役より偉いってことはありません。
 よりよく魅せるためには、脇に行って貰った方が良いときもあるわけです。
 あくまで、そのキャラクターのためにもなることです。


匿名希望さんの意見
 どうも、匿名希望です。
 ええと、申し訳ないですが、例に上っている作品は、
 どれも主人公が精神的に普通の人には見えません。

 信念を持ってたり、行動力があったり、へたれだったり、変に優しかったり、
 現実に周りを見てもいないような、割と普通じゃない変わった人達です。
 周りが変人過ぎて、普通の基準が変人に偏ってないでしょうか。
 そもそも、変な能力を持っていても、精神的には普通なキャラの方が多いような気がします。
 
 まあ、話が逸れましたが、本題に入ると、物語によりますね。

 『電車男』のように、主人公がオタクでないと物語が成立しない場合は、
 オタク以外のキャラに変えることは不可能でしょう。


 主人公が『このようなキャラクターでなければ駄目』という条件がなければ、
 普通の人でも異端人でも問題ないと思いますよ。
 では、失礼しました。


三毛招きさんの意見
 異常な人間は主人公にはあまり向いてないと思います。
 やめて欲しいといわれていますが、あえて言います。
 
 「技量しだいでは可能」です。
 
 特殊な能力を持っている人間と一般人どちらに感情移入できるか?
 当然後者ですよね?

 ということは前者を主人公にした場合は必然的に難しくなるのは当然なんです。

 ただ私の友人にも「主人公最強系大好き!」という人もいますので一概には言えませんが……
 あ、一つだけ注意を。
 
 精神的に一般的でない人間の一人称で進む物語は、
 よっぽど自信がない場合はやらないほうがいいです。


 一人称地の文で主人公の思考が見えるので読者は当然そこの部分にも感情移入をします。
 地の文に狂気を持ってくると判りづらくなり、
 持ってこないと、していることが「ウソ」になってしまい、読者は混乱するのではないでしょうか。
 なのでらじがくさんが書いている小説のような「狂人」とまで言われるようなキャラクターならば、
 一人称はやめたほうがいいと思います。


らじがくさんの返答(質問者)
 皆様、お早い回答ありがとうございます。
 皆さんの返答を見ていれば、やはりと言っていいですが、
 最後まで読んだ後、こいつは普通じゃねっといった感じですかね。

 ホームズやら電車男においても、一般的思想を持っている訳で、
 イカレタ、一般常識から逸脱した発言はしませんよねぇ、
 まぁオタク的発言やら推理なんかは別とさせてもらいましょう。
 まぁ突飛な行動をしないという事です。

 私が気になったのは、最初っから異常だって話ですなのですが、まぁ別に悪くないようですね^^;
 やはり大切なのは技量ですかね、頑張ります。

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