第4研究室 創作に関するQ&A 197P | トップへ戻る |
因幡の白兎さんからの質問
 「感情移入できるキャラクター」はそんなに大事か?
 
 どうも因幡の白兎です。

 正直な所兎は、今まで小説の登場人物に共感や仮託といった感情を感じたことはありません。
 主人公は読者が物語を仮想体験するために存在する、どこかで聞いたことがあります。
 しかし兎は物語を読んでいて主人公になった覚えはまったく無く、
 毎回「あらら大変だな、この人たち」「すごい考え方だなぁ、こいつ」「がんばれ主人公!」
 みたいな感じで完全に外から楽しんでいる派で、
 キャラクター自身として考えたことは一度もありません。
 あくまで自身はまったく関係ない野次馬の一人して見ているわけなのです。あくまで他人事。

 なのでこいつの考えには共感できん、とかの理由でキャラクターの好き好みも決められません。
 どんなにハッチャケタ考え方でもああこういう考えの人もいるんだなと思うぐらいです。
 というか皆そんな感じです。さらに言うと結局人って存在がそんなものでしょう? な感じです。

 しかし、たくさんある小説サイトの「魅力ある主人公の作り方」などの文には、
 共感やら感情移入やらの単語が必ず出てきてそれが必須であると断言する所もあります。
 どうも納得できません。
 主人公に好感を持ったり応援したくなる気持ちに、自分も同じ悩みがあるからだ、
 とか同じ感じ方をしたからだ、とかはぜんぜん関係ない気がするんですよね。
 物語に入り易いか否かも結局はそこ、
 なんて意見も聞いたことがありますがそここそ絶対違うと思うんですよ。

 結論から言うと主人公やキャラクターの魅力を強くするためには、
 読者に共感を感じさせる心理を持たせることが必須なのでしょうか? ということです。


 それともキャラクターに感情移入したことが無い兎がおかしいのでしょうか?
 もしそうだとすると兎は小説家になれないのではないかという不安さえあります。
 このキャラクターが好き嫌い、を突き詰めると一体何処にたどり着くのでしょうか?
 なるべく多くの人の意見を聞きたいです。

 あとできれば「自分はこういう考え、性格、特徴、進み方のキャラクターが好きだ又は嫌いだ」
 的なことも一言教えていただければ幸いです。


● 答え ●

ぺーさんの意見
 主人公の条件として、共感出来る人物がいいのは当然です。なんら間違っていません。

 「あくまで他人事」の話を、どうやって何時間もかけて読ませるのでしょう?
 他人事のために、貴重で有限である時間を潰すお人好しがいますか?

 主人公のことを他人事と思って書いているなら、
 確かに小説家に向いていないとしかいいようがありません。
 そのような書き方で、主人公の胸の内を描き出すことなど出来ようはずがありません。

 ですが、共感――してますよね。「がんばれ主人公!」って思っているんだもの。

 人なんてそんなもの、と書かれてますが……こんな言葉がありますよ。
 「人は同感なんて出来ない。でも共感することは出来る」
 共感とは、全く同じ感情を抱くことではありません。その人の気持ちを想像し、推し量ることです。
 「あらら大変だな、この人たち」は立派な共感ですよ。


日向 葵さんの意見
 こんにちは、日向 葵です。

 自分で書く小説には、キャラクターを作る時にそういったことを意識したことはありません。

 私の場合は二次創作から小説を書くことに入ってきた人間で
 『好きなキャラクターに好みのシチュエーションの中で行動して欲しい』
 というところから始まったせいか、オリジナルを書いている今でも基本は同じです。
 なのでキャラクターを作る時にも読者が感情移入できるようにとか、
 共感できるようにということはまったく考えておらず、
 私の好みのタイプがそのまま登場人物になります。

 読者が共感・感情移入できるようにとかは、これといって意識しなくても、
 よっぽどおかしなキャラにしない限りは、
 どっかの誰かの好みには引っかかるだろうと思ってます(笑)


 私はプロを目指していないこともあって、
 できるだけ多くの人に受けるようにという考え方はしておらず、
 楽しんでもらいたいのは確かですけど私と好みの近い方が楽しんでもらえたらいいな&
 それをきっかけに仲良くなれたらいいな、という感じなので。

 実際に書くときは感情移入度が高いですけれど、一人称視点を使うことが多く、
 主人公の心理を追いながら書くためにそうなるだけで、
 3人称のときは冷静にそれぞれの行動を眺めながら書いている感じです。
 場合によっては一人称で書いていても、読むときと同じようにつっこみを入れながら、
 キャラクターたちの行動を楽しく眺めて書いてたりします。

 読む側に回る時も、あまり仮想体験という読み方はしないタイプです。
 共感を感じることはありますが、
 それは現実で考え方の似てる相手に対して思う感情と同じ性質のもので、
 なりきる・仮想体験という意味では感情移入しません。
 白兎さんとおなじく、完全に他人事で「なにやってんのばかーっ!」とか
 「見てて面白いなあ、この人たち」なんて感じで突っ込みいれながら読んでたりします。

 けれどそういうタイプの人間が書いてる小説でも、好きだと言ってくださる方はいらっしゃるので、
 それはそれで問題ないのではないかと思います。
 私は小説家を目指しているわけではないので、
 入賞を見据えて考えた場合の結論は出せませんが。



 好きなキャラ、嫌いなキャラに関しては男性向けのものを読んでいる時と、
 一般向けのものを読んでいる時で変わります。

 一般向けのものであれば、たいがいにおいて、
 男の子に護られてるだけの大人しい女の子は嫌いです。
 男の子を圧倒するくらいの強い女の子が好きです――リナ・インバースとか(笑(
 男の子の場合は好みがかなり広くて、外見でも性格でも、
 どこか一箇所でも可愛いと思えれば好きです(笑)
 嫌いな男の子キャラというのはあまりいませんね……。

 ちなみに男性向けのものを読んでる時は、
 よっぽどしつこい・うざい女の子以外はたいがい好きです。
 一般向けだとダメなのに、男性向けだと「護られる女の子も可愛いよね!」とか思える辺り、
 自分でも謎です……。
 男性向けでの男の子の場合、普通の世界で特殊能力を隠して生きてる系のキャラが好きです。


んぼさんの意見
 これがダメだから作家になれないんじゃないか、というのは極論というか短絡思考というか、
 どうしてそういう思考パターンに陥る人が多いのか不思議な、んぼです。
 そんなに心配しなくても、夢は大抵破れるものです。

 んー、個人的には必須だとは思いませんけどね。
 「なりきる」という意味で考えるなら、大抵のギャグ系作品は、
 なりきっちゃうと色んな意味で辛いと思いますよ。
 逆に言うと、シリアス系は「感情移入させてナンボ」ですから、
 その作品の魅力を最大限に伝えようと考えたとき、感情移入は必須になると思います。

 質問者さまは、「感情移入の経験が無い」と仰っていますが、それと質問の内容は繋がりません。
 全っ然繋がりません。

 「読んでいても感情移入出来ない」→「こんな自分でも感情移入出来るものを書こう」→
 「普通の人なら、すごーく感情移入出来る話になる……ハズ!」と……普通なりませんか?w

 一歩引いた位置で読む質問者さまの読書スタイルの是非は問いませんが、
 自分が書く側に回った時に、幅広い読者層(読書スタイル)の「想像」が出来ないのは……
 どうでしょうか。

 様々なサイトでそれが、時には「必須」とまで書かれている以上、
 「一般的な読書スタイル」であろう、という推測と、それに基づいた執筆は「して当たり前」の話です。
 それが「読者を意識する」ということです。


 趣味として書くならば、自分の読書スタイルにだけ合わせて書けばいいと思います。
 しかし、ちらりと出てきた「小説家」なるものになりたいと思っているのなら……
 すべきは、分かると思います。


まいちんさんの意見
 因幡の白兎さんこんばんは。

> 主人公に好感を持ったり応援したくなる気持ちに、自分も同じ悩みがあるからだ、
 とか同じ感じ方をしたからだ、とかはぜんぜん関係ない気がするんですよね。


 ってのにものすごく同意したまいちんです。
(だって応援したって結末は決まっているわけだし、そもそも私はあまり悩みを持たない性質だし…)

> しかし兎は物語を読んでいて主人公になった覚えはまったく無く、
 毎回「あらら大変だな、この人たち」「すごい考え方だなぁ、こいつ」「がんばれ主人公!」
 みたいな感じで完全に外から楽しんでいる派で、
 キャラクター自身として考えたことは一度もありません。


 のように外から楽しめるのも、感情移入の一つじゃないでしょうか。
 文字で書かれた情報に人格を感じて、
 それに「あらら大変」「すごい考え方」などと思うことそれ自体が、感情移入の一種ではないかと。

> このキャラクターが好き嫌い、を突き詰めると一体何処にたどり着くのでしょうか?

 このキャラクターをもっと見ていたい、と思うか否かではないでしょうか。

 例えばあるキャラクターが今起きている事件をどう解決するのかが見たくて、
 物語を読んでしまったなら、そのキャラは魅力的だし好みなんだといえるでしょう。
 逆に、あるキャラクターが動くたびにいちいち気に触ったとしたら、
 そのキャラは嫌いなんだと思います。
(かっこいい/悪い、考え方が合う/合わないなど好き嫌いにもいろんな理由があると思うけど、
 それらを総合しての話)

> あとできれば「自分はこういう考え、性格、特徴、進み方のキャラクターが好きだ又は嫌いだ」
 的なことも一言教えていただければ幸いです。


好きなタイプ:
 表ではちょっと間が抜けてても、裏でやることはちゃんとやって、
 主人公の負担を軽くしている脇役キャラ。
 それを理解している二枚目も一緒に出てくるとGood。
嫌いなタイプ:
 (主人公勢)決め台詞を乱発しながら暴力でしか物事を片付けないキャラ。
 (敵勢)いい加減な理由で主人公勢に歯向かってくるキャラ。
 その敵自体がいい加減なのではなく、作者が歯向かう理由をきちんと考えていないことが多い。
 やっぱり傍観者的な好みですね。

 以上、つたない意見ですが参考になれば幸いです。頑張ってください。


橘 燈也さんの意見
 はじめまして。
 白兎と聞いて「ドジョウすくい饅頭」が食いたくなった橘です。
 ローカルネタ? ですみません。

 前の方々がほとんどの似たようなことを言われているので、
 自分の意見は簡略に言いたいと思います。

 まず、共感させるべきか否かについては作品によると思います。
 んぼさんが言われているように、ギャグ系ならば共感させる必要性はあまり感じませんし、
 シリアス系ならば共感は必須です。


 次に、キャラクターに感情移入しないのはおかしかについてですが、
 これは是非を控えさせてもらいます。
 橘も共感したことないですが、共感の是非は人によりけりです。
 
 小説家になれるかについて、
 共感できるできないというのはあまり関係ないのではないかと思います。


 自分よがりでなければですが。
 夢、というより、目標は追い続ければ必ず達成できます。お互い頑張りましょう。

 最後に、好き嫌いを突き詰めれば、何処にたどり着くか? ですが、橘ではわかりません。
 すみません。
 精神分析の観点からなら好きを突き詰めれば自分に似たキャラ、
 嫌いを突き詰めれば自分とは正反対なキャラにたどり着くと思います。知ったかですが。

***

 キャラの好き嫌いに関しては
 いわゆる、熱血漢は嫌いです。馬鹿(熟考しない人)ならなおさらです。
 だからといって冷静沈着、頭脳明晰な人が好きと言うわけではないです。
 女の子では悲劇のヒロインように、何かを演じている女の子が嫌いです。
 男の子で好きなのは特にありません。女の子では不思議系(電波系ではない)とか結構好きですね。

 後半はかなり私的に感情的にことを言ってしまいすみませんでした。
 ここで終わらさせてもらいます。ありがとうございました。


白州さんの意見
 初めまして、白州と申します。

 私も読む時はちょうど、白兎さんと全く同じです。
 私も感情移入ができない、他人事を読んでいる感じでした。
 しかし、ぺーさんの『それだって感情移入している』の書き込みで、
 この自分の読み方を考えてみました。

 本題に入ると、私は心理だけでそのキャラを好むことはありません。
 でも、行動や態度に心理が表れたキャラは結構好きです。
 その行動やら態度やらの外見の描写が巧ければ巧いほど、キャラに魅力を感じます。


 要は伝わるものがより大きくてはっきりしている小説に魅力を感じるってことです。
 もっと簡潔に言えば

 描写力。

 の漢字3文字で終わります。

 今の感情移入の仕方では良い作品は書けないでしょう。
 なりきる勢いで書かないとどうしても薄っぺらな作品しか出来なさそうですし。
 なりきり過ぎて暴走してもダメですがね。

 読むと書くとでは作業量が違いますから、その点で心構えも変えないといけませんね。
 両方に対していつも本気ならそのまま行けばいいから楽なんですが、
 いつも本気ってのも知らないうちに疲れるもんです;。

 以下に持論展開してますが、果ての見えない長さ&まとまりない駄目文なので、
 よほど暇でない限り読まないほうがよろしいかと。


 私が思うに、登場人物になりきるだけが感情移入ではないのではないでしょうか。
 なりきりは『同化』という『究極の感情移入』であって、
 それ以外にも感情移入の度合いはいろいろある、と言うことです。

 白兎さんの場合はその度合いが『他人事を見ている』レベルなんだと思います。
 『あらら大変だなぁ、この人たち』と思えるのは、
 読み手側に『大変だ』と思わせる描写(出来事)があったから。
 それに対する気持ちの表れとして白兎さんが上記のように口走った、
 もしくは心の中にそういう言葉が浮かんだんだと思います。
 小説内のキャラの行動に対して自分がなんらかの感想を持つ、
 それも感情移入の一つとみれないでしょうか?
 いえ、感情移入などという四字熟語的な言い方はやめて、
 「そのキャラ、その場面に自分はなんらかの感想を持てたか」と言い換えても構わないと思います。

 何故このような考えに至ったか。

 そもそも感情移入とは何か? まさしく上で書いた
 「そのキャラ、その場面に自分はなんらかの感想を持てたか」の一言に尽きます。

 ではその移入するであろう感情とは?
 それは対象がなければ絶対に発生しません。

 退屈だと感じるのは身の周りに自分の求める刺激がないから。
 あったかいと感じるのはそこに火があるから。
 嫉ましい、嫌いと思うのはその人が自分より顔が良いからか。
 あるいは何か過去の因縁があるからか。

 このように感情(気持ち)には必ず『そう思わせる心理の出所』があり、
 それに対する自分の感じ方を自分の言葉で表したものがまた感情なのだと思います。
 言わば気持ちなのだと。

 そういう感情がそのキャラに発生した段階で既に「感情移入している」ことになります。
 私の考えでは。

 感情が発生すること=感情移入している、と。
 感情の発生自体が既に感情移入である……。


 本当に感情移入が出来ないならば『何も思うことがない』。まるで機械の心のような人間です。

 1ミクロンでも感情が発生したらそれが既に感情移入。
 また、例え嫌いというマイナスイメージの感情であっても、それが感情の枠に入る以上、
 その対象を嫌いと感じているのですからこれもある種の感情移入だととらえられます。

 移入と聞けば【入り込むこと】なのですが…。嫌いという感情に入り込む。
 喉元に支えて上手く言い表わせないもどかしさが拭えないっ!(説得力皆無だな)

 殊感情移入と聞けば自分にはプラスイメージがあるので、
 マイナスイメージを持つ負の感情をプラスイメージのそれに当てはめるのに、
 自分の中で違和感があるのでしょう。

 結局、何が書きたかったんだ? って感じでしょうが、白兎さんは、 
 私から見れば、十分感情移入していますよ。ということです。

 はい、それだけのために駄文ばかりを書き連ねてしまいました;。
 すみません。先にこっちを書くべきでした。
 
 お読み頂きありがとうございました。


黒尻尾の駄猫さんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。

 世の中のエンタメにはワイドショウとか、情報番組とかドキュメンタリーとか、
 文字通りの他人事とかを紹介するだけの番組もあります。

 それはそれで面白いです。

 小説だって、そういう面はあります。
 等身大で、身近な主人公ばかりではありません。

 悲劇の出生を経て常人を凌駕する肉体や、
 特殊な能力を持つ強靱な精神の主人公に共感できる人は少ないでしょう。

 でも、カッコイイ。

 オイラには秒間数万桁の演算を行う強力な機械知性の感覚はよく解らないですが、
 見ていてユニークだと思いますし、面白いと感じます。
 で、オイラの嗜好で言えば、あまりに自分勝手な主人公がなんら省みたり、
 他人を思いやる事もなく大活躍して無事終わる話しは苦手です。
 ちゅーか、嫌い。

 でも、そう言うので人気がある作品は多いんですよね;;

 読んでいて腹が立つ。お金出して買って、時間を掛けて読んで、
 最後まで「嗚呼、腹が立つぅ!!」と言う物はどうにも……。

 でも、そういうデタラメな主人公や、サブキャラはどうにも人気があるらしい。
 嗚呼、腹が立つ。

 でも、腹が立つと言う事は、物語によって感情が動かされているので、
 負の意味で感情移入させられているのでしょうね。

 思わず読んでいて途中で辞められなくなる驚く展開。
 カッコイイと唸りそうになったり、涙が溢れてきたり。

 そんな時は、そこには素晴らしいキャラクターの遣り取りが有る事があり、
 ストーリーの展開上、報われることなく散るキャラを「ああっ……!」と思わず
 残念が声になって溢れてしまったり……。

 小説はエンタメです。
 映画やドラマ、マンガと同じで描き手が最高のシーンになるように演出された完成作品です。
 感情移入させたいシーン。感情移入させられたシーンは作者の意図と演出がそこに含まれている。

 読んでいて「やられた!」と唸るような作品をオイラは求めているし、書いてみたいモノです。

 まあ、ながながと失礼しましたが、オイラ的には作者さんの思うように書けばいいと思います。
 読み手は勝手に解釈しますので、ちゃんと物語が仕上がっていれば、
 書き手が何を思って描いたかなんて誰も気にはしないでしょう。

 ただ、キャラ性や立ち位置を無視した振る舞いや、物語のためだけに流れ、
 役割を果たすだけのキャラが右往左往する文は読みたくないです。
 それならいっそ登場人物なんざ要りません。

 キャラがしっかり描かれていれば、読み手は勝手に感情移入するものだと思いますよ。

 一、読み手として。
 ではでは。


jogtyさんの意見
 ちょっとややこしい回答の仕方をします。

 「小説全般において、登場人物に共感できる心理は必要か」という質問ならば、
 私は必須ではないと思います。それがコメディであろうとシリアスであろうと。


 コメディの場合は、他の方が言及なさっているので省きます。
 シリアスな作品においても、例えばそれがナボコフのロリータや、
 ナチュラルボーンキラーを主人公に据えた作品ならどうでしょうか?
 新堂冬樹の溝鼠に共感しろといわれても、私にはちょっと共感できません。
 ショートショートのように話の展開(オチも含めて)こそが真骨頂ともいえるような作品なら、
 たとえ主人公であっても登場人物は「記号」的に存在しえればよいわけで、
 そこに共感も感情移入も必要あるとは思えません。
 星新一さんのショートショートに多く出てくるN氏などはまさに記号ではないでしょうか。

 質問の文言どおり「主人公やキャラクターの魅力を強くするためには、
 読者に共感を感じさせる心理を持たせることが必須なのでしょうか?」
 であっても、必須ではない思います。
 共感を感じさせる、感情移入をさせるだけが、
 登場人物の魅力を高める手段などと限定したくありません。
 
 極論かつ暴論になりますが、天空の城ラピュタのムスカに共感できますか?
 感情移入できますか?

 しかし、彼は「人がまるで虫けらのようだ」と「めがね、めがね〜」という二大セリフをもって、
 今になってもネタにされるほど愛される魅力あるキャラクターになっています。


 共感を感じさせる心理はあればあったほうがいいでしょうが、
 それがなくても魅力ある登場人物は作れると私は思います。
 檻に入って動物と触れ合うだけが、動物園の楽しみ方ではありません。
 檻の向こうから動物を見下すもまた一興(逆に動物から見下されてるかもしれませんがね)。

 それと以下は番外。

 小説のハウツーサイトは数あると思いますが、
 私の私見の意見ですが(三重表現大好き)、鵜呑みにするのはどうかと思います。
 小説はそもそも主観的なもの。読むほうも作るほうもです。
 作り方がある程度マニュアル化されても、創る人によって合う合わないはでてくると思います。

 マニュアルを参考にしつつも、自分のスタイルを模索するのが、
 遠回りに見えても一番の近道であるように私は思います。


 まずは自分の小説における武器とは何かについて把握するのが、
 小説のハウツーの最初ではないかと。文章の基本作法は別として。
 あるいは自分の武器を自覚した結果、ライトノベルには向かないと思うかもしれませんが。

 これは小説に限らず就職活動もそうなんですが。
 これから就職活動する人は覚えておくと良いかと。

 小説のように感性が重視される事象においては、
 マニュアルは「絶対的な規範」にはならないことを知っておかないと、
 自分の本来のポテンシャルが生かされない、
 判を押してでてきましたみたいな小説しか書けないと思います。

 ちなみに私の好きな登場人物は、一本筋が入ったキャラクターと、
 半分病んでいるようなキャラクターです。
 暴力で全てのカタをつけようとするヤングガンカルナバルのキャラクターの思想には、
 さっぱり共感できませんが、全ての障害を暴力で排除するという、
 一本筋の入ったやり方には好感を覚えます。

 長文乱文雑文失礼。


みつきさんの意見
 因幡の白兎さま、こんにちは。

 感情移入というのはそんなに難しいものではなく、
 『ああ、そうなんだ』と思えてしまえはそれが感情移入です、という、ひどく簡単なことなんですよね。
 けして、主人公になりきったりすることではありませんし、
 感情の全てを注ぎ込むわけでもありません。
 他人事だと思いながら、わざわざその成り行きを見守ってしまうということ自体が、
 もう充分感情移入だったりするわけです。

> さらに言うと結局人って存在がそんなものでしょう? な感じです。
 
 そのように思いつつも、もう片方で、そんな人間というものが好き好き大好き! 
 という気持ちを持っていないと、小説を書くのは難しいかもしれません。
 舞台でも映画でも漫画でも小説でも、結局は『人間』をどう捉え考えていくかというものなので、
 クールな見方が出来るのはかなりポイント高いですが、
 それと同時に、熱い魂も持っていないと……みたいな。
 
 知と情のバランスが大切なんですよね。

> 結論から言うと主人公やキャラクターの魅力を強くするためには
 読者に共感を感じさせる心理を持たせることが必須なのでしょうか? ということです。

 『キャラクターの魅力を強くするため』に読者に共感してもらうのではなく、
 『物語世界に入り込んでもらうため』に共感が必要、ということです。
 共感できる主人公とはつまり、読者のためのナビゲーションというか。
 普段自分がいるのとは違う時代・場所・状況で展開されるストーリーを追うときに、
 主人公やその他のキャラの考え方や行動にさらっと馴染むことが出来れば、
 物語にグッと入りやすくなるので、そのために重要視されているのだと思いますよ。


>このキャラクターが好き嫌い、を突き詰めると一体何処にたどり着くのでしょうか?

 たぶん、自分というものにたどり着くのではないかな、と思います。
 好きも嫌いも結局は自分という同じ存在から引き出されるものなわけで、
 突き詰めれば『好き』は憧れであったり理想形だったりヒロイズムに酔える部分であったりするし、
 『嫌い』は目をそらしていたかったことを、
 避けようもなく突きつけられたときに起こる感情であると思いますしね。


>「自分はこういう考え、性格、特徴、進み方のキャラクターが好きだ又は嫌いだ」
 
 好きなキャラは、外側をどう装っていても、中身は真面目でまともで安定した、
 地に足の着いた感じのある人。ある意味、大人なキャラが好きですね。
 渋いおじさんなんか出てくると、すぐに目が行っちゃいます。
 
 嫌いなキャラは、精神的に不安定な人。
 あんまり『嫌い』と思うようなキャラに出会うようなことはないのですが、
 今までの人生でただひとり、『機動警察パトレイバー』という漫画の内海という敵キャラさんだけは、
 あまりの訳分からなさに嫌悪してしまったことがあります。
 大好きな漫画なのですが、今でも彼の登場している部分は読みたくないな、
 と思ってしまうくらいに(^^;。

 それでは、長くなりましたがこの辺で失礼させていただきますね。


どてかぼちゃさんの意見
 「ドジョウすくい饅頭」がとっても気になる、どてかぼちゃです。
 「ガンバレ」というのは、感情移入だと思っていましたが、違うのでしょうか。

 人は他人にはなれません。
 ですから、他人の気持ちなんか分かりません。
 そう考えれば、主人公になりきって物語を体験することは出来ません。
 物語は絵空事です。
 共感や感情移入といっても、読む人間が、価値観に照らし合わせて勝手に判断しているだけで、
 書き手の思惑はそこにはありません。
 これは魅力的なキャラクターだ、と書き手が思っても、
 読み手にとってはちっとも魅力的ではないのは、当たり前なのかもしれません。

 感情移入出来ないとしても、書くことは出来ます。
 統計を取って分析すれば、「多くの人が感情移入しやすいキャラクター」は作ることが出来ます。
 ストーリーにしても同じです。「多数の人が面白いと思えるストーリー」は作れます。
 実際、プロ作家や編集者というのは、「面白い」と思ってもらえなければお金になりませんから、
 その辺は念頭に置いているはずです。
 多くの人が「本を読め」というのは、こういうことを経験的に勉強する意味もあると思います。
 研究して統計を取っても、実践できるかどうかは、技量の問題になると思います。

 キャラクターの好き嫌いを突き詰めると、わたしは自分自身にたどり着くと思います。
 キャラクターを書いていると、どこかに自分の反映があると感じるからです。


 わたしは、作者によって人間として扱われないキャラクターが出てくるとダメです。
 ザコだから、その他大勢だから、死亡フラグが立っているから……
 そんな理由で邪険にされたり、殺されたりするのは大嫌いです。

 長くなりました。失礼します。


三毛招きさんの意見
 わたしは小説は「三人称的」「一人称的」作品の二つに分かれると思います。
 これは文体によりません。
 「一人称的」な作品は主人公(もしくはその周囲の人物)に感情移入できるように作られています。
 主人公が熱くなるときには熱くなり主人公が笑うときには笑えるように。
 一方「三人称的」作品は主人公と読者を突き放して書かれています。
 主人公に共感できるわけがない、
 あるいはあえて突き放すことによって何らかの効果を狙うなどです。
 これは主人公が世間一般と感覚がずれているとき、
 例えば主人公が狂気に犯されている場合などですね。
 やはり一人称的作品で共感を感じさせないことは難しいと思います。

> 「自分はこういう考え、性格、特徴、進み方のキャラクターが好きだ又は嫌いだ」

 義務を果たさない主人公、それを当然と思う主人公、
 自分が何をなすべきなのか分かっていない主人公、ですね。


世羅 悠一郎さんの意見
 因幡の白兎さん、こんばんは。
 世羅 悠一郎と申します。

 感情移入出来ない理由についてですが……実は三通りくらい理由あるのです。

 一つは読み手の人生的経験値不足。

 何だそれは、いきなりお説教かよと思われるかも知れませんが、
 実際そういう理由で共感できないって言うのがあるのです。
 私はこれがありまして、これに気付いたのは歳を取ってからです。
 十代の頃にはどんなに「感動する」と言われた作品を見ても目元がウルっとしなかったりしました。
 ですが、歳をとって登場人物の感情を読み取れるようになってからは、
 目元が潤んだりすることがあるようになりました。
 そういう事から経験値不足を一つ目として挙げさせて頂きます。

 二つ目は、性格的に反りが合わない場合。
 
 つまり、思想が全く違うので移入できない。
 これについては単純ですね。

 三つ目は、視線が常に客観・傍観である場合。


 これも性格的なものです。常に一歩引いている方は感情移入できません。
 何故なら、重なる一歩後ろ以前の距離に引いているから。

 感情移入というのは、実際に読み手が体験した事柄の欠片を
 キャラクターの行動やらその状況における心理やらに見る事で発生する事が多いです。
 全く同じ感情を抱いて、それがトリガーになる……というのは余り無いと思います。


 因幡の白兎さんはどれでしょう?
 私には判りませんが、これを考えてみるのも一興かと。


> 結局人って存在がそんなものでしょう?

 これって言うのは、要するに冷めた視線――ですよね。
 では、何故冷めているのか。
 それは人生が少ないのに諦観にも似た感情を常に抱いているせいか。
 全くキャラクターと反りが合わなかったか。
 引いていて入り込もうとしていないのか。
 分析する価値はあると思います。

 で、感情移入できるキャラに関して言えば、
 居る事に越した事は無いと言えるのではないでしょうか?


 感情移入というのは読み手を物語に引き込む格好の材料となります。
 ですから、それをみすみす逃しておく手は無いと思います。
 いつでも目を逸らせる作品では、
 客観的に考えても魅力的という評価は下させないのではないでしょうか。
 ですから、感情移入は売りの一つと考えると良いでしょう。
 感情移入できないのなら、
 それを補えるだけの魅力を他の部分で読者に見出させる努力をしないといけませんから。

 他の方も仰っていますが、「感情移入するキャラクターは必須だ」
 と鵜呑みにする必要はないと思います。
 他で魅力が出せれば問題ないのです。
 ですが、それは結構難しい……。
 だからこそ、必須と強調してまで考えさせるのだとは考えられませんでしょうか?
 実際、武器が多い事に越した事はないのですから。

 キャラクターの好き嫌いは……それまでの自分に辿り着くのではないでしょうか。
 そう思う理由はそれまでの体験や環境に左右されますから。
 良い事も、悪い事も含めて。

 私的にはこんな感じです。
 参考にするかしないかの判断はお任せいたします。

 それと、自分のキャラクターの好みですか。
 私の場合、好きなキャラクターは熱さを失わずに、信じる事を貫くキャラクターでしょうか。
 嫌いなキャラクターは……ハードボイルドや孤独を気取っていて、その実、
 傷付く事からただ逃げているだけ……みたいなのが嫌いですね。
 いわゆる似非ハードボイルドや予備軍気取りみたいな。

 こんな感じです。
 参考になれば幸いです。


出城さんの意見
 こんにちは、出城です。呼ばれもせぬのにお答えしましょう。

> 正直な所兎は、今まで小説の登場人物に共感や仮託といった感情を感じたことはありません。
> しかし兎は物語を読んでいて主人公になった覚えはまったく無く、毎回
 「あらら大変だな、この人たち」「すごい考え方だなぁ、こいつ」「がんばれ主人公!」
 みたいな感じで完全に外から楽しんでいる派で、
 キャラクター自身として考えたことは一度もありませ
ん。

 まず、因幡の白兎さんの質問は、論理矛盾を起こしています。
 察するに、感情移入という言葉の意味を正しく理解していらっしゃらないのでしょう。
 大変だな、すごいな、がんばれ、と思っているというのは、もう感情移入です。
 少なくとも、「こんなの、所詮紙の上の出来事ジャン……」
 とは思っていらっしゃらないということですから。

> なのでこいつの考えには共感できん、とかの理由でキャラクターの好き好みも決められません。
 どんなにハッチャケタ考え方でもああこういう考えの人もいるんだなと思うぐらいです。
 というか皆そんな感じです。さらに言うと結局人って存在がそんなものでしょう? な感じです。


 悲しいことおっしゃいますね。創作、物語を作るということは、「仮想現実は現実に匹敵し得る」、
 という信条あってのことではありませんか?
 この創作物は、現実と同等以上の価値があるんだ、と思わなければ、
 自分の時間をそんなものに使えませんよ、バカらしくて。

> 主人公に好感を持ったり応援したくなる気持ちに自分も同じ悩みがあるからだ、
 とか同じ感じ方をしたからだ、とかはぜんぜん関係ない気がするんですよね。


 じゃあ、あなたは好感をもって、
 応援したくなったキャラクターの悩みや感じ方を、理解できないんですか?
 あなたのその気持ちは、物語を触媒にして、あなたの内側から浮かび上がってきたものです。
 外部から持ち込まれたものではありません。

> 結論から言うと主人公やキャラクターの魅力を強くするためには読者に共感を感じさせる心理を
 持たせることが必須なのでしょうか? ということです。

 そのキャラクターが、自分の抱いた感情に従って行動しているなら、
 そんなすけべ心は必要ありません。
 そのキャラの心情を、読んだ人が「全く」理解できないとすれば、それは、
 
 @そのキャラクターの心情描写が足りない
 Aそのキャラクターの人格が破綻している(キャラの練りこみが足らない)
 Bそのキャラクターを創造した因幡の白兎さんの人格、メンタリティが、
 他人から全く共感を得られないほど破綻している。

 のどれかかと思います。

> それともキャラクターに感情移入したことが無い兎がおかしいのでしょうか?
> もしそうだとすると兎は小説家になれないのではないかという不安さえあります。


 それは、「恋する」という感情がそれを体験するまで解からないのと、同じようなもんでしょう。
 自分は、『ホビットの冒険』を読んだときに、そのような体験をしました。
 霧の山脈の山並みや、暖炉にくべられたリンゴの木の香り、
 トンネル屋敷の空気感まで、はっきり感じられるようでした。
 そのとき自分は、たしかに「旅の一行の15人目」になっていたのでしょうが、
 主人公の視点で感じられるということは今までありませんでした。
 そんなもんでいいんじゃないでしょうか。

> あとできれば「自分はこういう考え、性格、特徴、進み方のキャラクターが好きだ又は嫌いだ」
 的なことも一言教えていただければ幸いです


 ぶっ飛んだキャラは好きですね。とか言うと、「『涼宮ハルヒ』みたいな?」などと言われそうですが、
 あんなもんじゃ、全然パワーが足りません。第2宇宙速度には程遠いです。
 あの話は日常と非現実の間でウダウダやってるだけです。
 いつでも日常に戻って来れるくらいのトび加減です。
 自分が言ってることの意味が解からなかったら、映画『ファイト・クラブ』を観てみてください。
 かなり長くなりましたのでこのへんでご勘弁をば。


因幡の白兎さんの返信(質問者)
 どうも、沢山のご意見感謝極まる因幡の白兎です。
 お返事を書かせていただきます。

>ペーさん
 成程、兎は知らずの内に共感してしいたということですか。
 というか兎はそもそも共感と言う事の本質を知らなかったのですね
 そのことに気づかせてくれてありがとうございました。
 今後はもう少し意識して読書して行こうと思います。

>日向 葵さん
 日向さんは意識しなくても自然と気持ちをこめて書いていれば
 自然と誰かが共感できるキャラクターが出来上がるという意見ですね。
 これはかなり励みになった意見です。
 たしかに書くときには登場人物にはなりきっていたりします。
 そりゃもう恥ずかしいぐらいに〔どう恥ずかしいのかはご想像にお任せします(笑)〕
 そういった感じでもいいと言ってくれた方が、
 実際にいるのという事を知ることができたのは素直に嬉しかったです。
 ありがとうございました。

>んぼさん
 単純思考のその他大勢ですか……ショック!
 と落ち込んでいてもしょうがありませんね〔笑〕

>「読んでいても感情移入出来ない」→「こんな自分でも感情移入出来るものを書こう」
 →「普通の人なら、すごーく感情移入出来る話になる……ハズ!」と……普通なりませんか?w
 
 すごい考えた方ですね、素直にすげぇと思ってしまいました。
 自分はまったくそんな前向きな考え方には至らなかったのです。
 ん? ということは兎は普通の人ではない考え方の人間ということに……ダブルショック!!
 って、あれ? さっきはその他大勢で今は普通の考え方ができない人間で……
 兎って人間は一体何者?。
 おっと自己嫌悪はさて置き、その前向きな考え方見習わせていただきます。
 本当に兎ってネガティブマンなんですよ。ありがとうございました。

> ま いちんさん
 自分の意見に激しく同意してくれる人物に出会えたことは素直に嬉しいです。
 えーっとまいちんさん限らず皆さんの意見を呼んでいて痛烈にわかって来たことは、
 兎が感情移入や共感を真に理解できていないことですね〔泣笑〕
 外から楽しむことも立派な感情移入ですか……
 その考えも浮んだことは浮んだのですがやはり自分一人の意見は一般的に正しいのかと
 悩んでしまいまして。実に励みになりましたありがとうございました。
 キャラクターをもっと見ていたいと思うこと。
 なるほど確かにそうですね、なんかじわっとしみじみ思います。
 けっこう忘れがちになってしまうことだと思いますが魅力があると言うことはそういうことですもんね。
 実に参考になりました。
 
> 橘 燈也さん
 ドジョウすくい饅頭とはいったいなんですか?
 はっ、つい疑問が口に〔笑〕

 ジャンルにより様々ですか……。これまた成程としか言いようが無いですね。
 いろんな考えがあるんだなぁと世の広さを知る一匹の兎です。
 自分よがり、兎がもっとも警戒している単語の内の一つに気をつけろと言われれば、
 そりゃもう全力で気をつけます。なんならこっちから迎撃していく気持ちで気をつけていきます。
 お互い目標目掛けて日々精進しましょう。

> 白州さん
 駄文!?とんでもない!全文残さずゴチになりましたよ。

 自分が書くときのキャラクターはやっぱり自然となりきってしまいますので。
 そこらへんはご心配には及びません。
 でもそれって身勝手ですかねぇ? という不安もまたあります。
 描き写す力次第、とても励みになる言葉ををいただきました。
 これからの努力次第と言うことなら兎にもまだまだ可能性は無限大ですね。
 感情移入という重苦しい言葉を捨て感想と言う身近な言葉に置き換える、
 これまたとても励みになるお言葉です。
 なんらかの感情さえ感じることがそれがそうということですか。
 わかりました。自信が持てましたありがとうございました

> 黒尻尾の駄猫さん
 どうも黒猫さん、白兎です〔笑〕

 腹が立つのにおもしろいと評判で人気、矛盾炸裂ですがだからこそ
 作品の幅が広がるものだと兎は呼んでいて感じたりします。
 兎の思うように書け。わっかりやした!!任せて下さい〔何を?〕
 いつか兎色と呼べるものができるまで書き続けます。

> jogtyさん
 詳しくまたわかりやすい説明ありがとうございました。
 ラピュタ好きです。たぶんジブリの中で一番好きな話です。
 物語やキャラクターを生かすのは共感だけではないのですね。
 考えると当たり前のような気もしてきました。
 動物園のたとえはすごくしっくり来ました、
 これまたすごいモノの見方というか捉え方というか、ただ……
 見下すと言う言葉は動物愛護教会に訴えられてしまう可能性があるので使用は控えめに〔笑〕
 マニュアルに捕らえられていては駄目なのですね。
 あくまで参考であって決してそれは絶対ではないと言うことを再確認させてもらいました。
 自分のスタイルを速く見つけたいものです。

> みつきさん
 この質問で感情移入を嫌というほど学ばせてもらいました。
 これ言うときりが無いのでこれについては一言のみで。
 人間を好きになることですか……兎はどっちかと言うと人間嫌いの方です。
 寂しくても死なない自身があります。
 ですが自分は人間という存在を楽観視はたぶんしていないと思うので、
 自分的には大丈夫かなぁと思ったりします。
 キャラクターが好き嫌い=自分、すばらしい答えですね。ものすごく納得できました。
 憧れや理想、眼を避けようと思ってしまう心、
 これは気づかされたというのが一番的確だと思います。
 本当にありがとうございました。

> どてかぼちゃさん
 ドジョウすくい饅頭……謎です。

 書くことで表現することが物書きですもんね。
 決して感覚的なものだけじゃない統計的に図ることでわかることもやはりあるということですか。
 そこに関してはストーリーもキャラクターも同じで大した差はないわけなのですね。
 兎は読破量が半端なく浅いです普通に食わず嫌いしてしまいます。誰か兎を殴ってください。
 今度からは本があったら読んで読んで読みまくりますと密かな決意を兎はするのです。


> 三毛招きさん
 えっとなんて読むのでしょうか?

 人称によって使い分けこれも重要ですね。
 自分は主に一人一人称と三人称を主に書いていますのでとても参考になる意見でした。
 他の人とくらべて短くなってしまいました。すいません。

> 世羅 悠一郎さん
 どうも冷めた兎、白兎です。参考にさせてもらいます。

 わたしはズバリ一、三ですね。二は絶対に無いです。
 人生経験はないです、断言しちゃいます。
 まだ若造ですし人とのコミュニュケーションはあまり取らない方なので、
 まずいなぁとは思っているのですがこれが中々上手くいかないのです。
 鵜呑みにする必要はないですか……気が楽になるお言葉です。
 半分呑みぐらいに留めて置きます。

>出城さん
 ここで感想をもらっていること自体が皆さんを呼んでいるようなものなのでぜんぜん構いません。
 常にコール信号発信中です。
 これからも呼ばれて跳び出てくれば幸いかと。

 えっと初めに言わせてもらうことはただ一つ。

 本当にすいませんでした。

 なんか読んでいる内に先生に怒られているような温かみのある感覚を覚えたのでつい……。
 本当は「すいやせんしたー」の気合と共に!
 をつけたかったのですがこれをつけるとどうも反抗的っぽく見えてしまうのでやめておきます。
 兎は理論矛盾をしていました、それに気づかされてました。

 兎は冷めたり悲しいことを言っていました。これからは人肌程度に暖かくなります。
 感情移入や共感の意味を真に理解できていませんでした。すいませんでした。
 兎はメンタリティや人格が崩れているのかもしれません。
 と昔の兎は思うでしょうが皆さんの意見をもらった兎は前とは違い前向きに進んでいきます。
 今メンタリティや人格がおかしいのなら今からでも変えて見せます。
 それくらいの気合で乗り切りたいと思います。
 本当にありがとうございました。

> 最後に皆様へ
 多くのご意見感謝感激無限絶頂の因幡の白兎です〔なんだそりゃ〕
 皆さんのご意見で一番身に染みて感じたのが兎の感情や共感への誤解です。
 読んでいて感じて思って迸ったものこそが感情移入や共感そのものなのですね。
 なんか同じようなこといっぱい書いてしまったような気がしますが、兎的にとても励みになりました。

 皆さんの好きなキャラクターもやっぱり個々人様々な感じですね。
 共通して言えることは性格人柄云々より強い目的とそれに向かう意思を持った人物みたいですね。
 逆に嫌いなキャラクターはなぜかあまりいないという意見が多くて意外でした。
 貴重極まるご意見ありがとうございました。
 兎は作家の道をあきらめるつもりは無いので今後もがんばりたいと思います。
 あっ、まだまだご意見は募集中なのでこれを見かけた方は是非是非お願いします。

 では。


緋蓮さんの意見
 感情移入……単純に考えれば、「その人物の気持ちになって考える」ことだと思います。
 出遅れた感たっぷりの、緋蓮と申しますm(__)m

 少し見方を変えて……
 感情移入は、なにも人物に対してだけじゃないのではと思います。
 例えば、「世界感」とか「設定」とかに対しておもしろいと思えば、
 それは立派な感情移入だと思います。
 そして、また読んでみたいなとか、続きが読みたいなとか、
 物語りに夢中になることも感情移入だと思います。
 逆に、この話は面白くないとか、もう読みたくないと思っても、
 それは感情移入だと言えると思います。

 ようは、「物事に対して思いを持つ」ことが感情移入なんじゃないかと私は思っております。

 して、感情移入ができないと言うのは「何も思えること、感じることが無いこと」だと思います。
 果たして、「何も思えること、感じることが無い」物語を面白いと思えるでしょうか?

 話が少し逸れてしまった気がしますけど(^_^;私の考えとしてはこんな感じです。
 参考にしていただければ幸いに思います。


kanaさんの意見
 こんにちは、もしくは初めまして。kanaです。

 感情移入については皆さんも仰られている通り、難しいものではありません。
 ただ、「主人公になった覚えはまったく無く」という部分ですが、主人公はあくまで「他人」です。
 恐らく主人公の大部分が「自分」そのものでない限り、他人と同化することはできません。
 また、同化するというのは、ある意味「自分」を失くしているか、希薄にしている状態ですので、
 他人との境界線をしっかり認識できている人間にはとても難しいです。
(ただし、俳優や声優といった役者さんなんかの場合は「もう一人の自分」というものを作り出して、
 自分の役に「なりきる」ことはあると思われます)。

>それともキャラクターに感情移入したことが無い兎がおかしいのでしょうか?
 
 という部分ですが、私は「キャラクターに感情移入したことが無い兎がおかしいのか?」
 と思うことがおかしいのだと思います。
 
 十人十色という諺があるぐらいですから、人間の数だけ色々な考え方があります。

 大多数が夢見ている「普通」であることも必要かも知れませんが、
 時には「普通」でないことが重要な場合だってあります。
 多少の不安は良薬かも知れませんが、あまりに不安感を持ちすぎると劇薬に変わってしまいます。
 考えすぎず、たまには力を抜くことも必要なのではないでしょうか?

 キャラクターの好き嫌いについては、みつきさんが仰られているように、
 自分に行き着くのだと思います。
 「好き」も「嫌い」も意識無意識に関わらず、他人に自分の肯定するモノ、
 否定しているモノを投影した姿が見えたからこそ感じるものです。
 簡潔に言えば「他人の中の自分」が見えたからこその感情だと思います。

 私の好きなキャラクターですが、大雑把に言えば信念を貫く人物が好きですね。
 たとえ、それが主人公に対して倒さなければならない敵だとしても。
 例えば、アダルトゲーム「Fate/stay night」に出てくる言峰神父なんかは、
 他人の不幸こそが自分の幸福であることを認めた上で
 「生まれてきたモノが自分の行いを悪と思わないならそれは悪ではない。
 故にまだ生まれてもいないモノを罰するのは間違いである」
 みたいな考え方をしていて、好きだなぁと思いました。

 また、これも同作品のキャラクターであるランサーの
 「どんなに嫌いでも味方は味方、どんなに好きでも敵は敵。守るべきは守り、倒すべきは倒す」
 みたいな考え方をしていて、同じく好きだなぁと思いました。
 逆に嫌いなキャラクターは、こちらは明確に表現できるキャラクターがいないのですが、
 まあ、世界を否定する(要するに色んなコトから逃げるばっかりの)キャラクターですね。

 長々とすみません。失礼します。


匿名希望さんの意見
 どうも、匿名希望です。
 キャラだけ、で感情移入するのは、はっきり言えば私には無理です。
 
 そのキャラがどんな生き様をしてきたのか、そして、その結果として、今、どういうキャラなのか。
 それがわからないことにはどうしようもない、と思いますね。

 
 そのキャラがどんな性格をしていようが、どんな考えを持っていようが、
 説明されただけでは、そういう設定を持ったキャラでしかない。
 よく知らないやつを応援出来るほど、私は優しくないので、
 何か知らない連中が何かやってる、程度にしか思いませんね。
 好きなキャラは、作者や物語の都合で設定が変わらないキャラです。
 何の修行もドーピングも無くいきなり急激な成長をすることも、いきなり考えを変えることもない、
 ちゃんと物語と共に歩み、成長し、進んでいくキャラです。
 商業レベルなら大体このレベルなので、後はキャラとしてではなく、人としての好みです。

 嫌いなキャラは、その逆で、作者や物語の都合で変化するキャラです。
 こういう展開にしたいがために、ころころ性格や行動が変化するキャラ、矛盾したキャラです。
 伏線も無く、エンディングだけヘタレから勇ましいキャラになったり、意味も無く強かったり、
 動機も無いのに冒険に出るようなキャラです。過去や設定も無く、いきなり出現されても嫌です。
 
 具体例は、昔のRPGの勇者です。
 どこから現れ、何故レベル1で素っ裸で出現し、魔王退治を依頼された挙句、
 前払いの報酬や後の報酬も無いのに危険に突き進めるのか、そして、専用装備まであるのか。
 最近はキャラ色が強くなったのでそんなことはないですが、昔は説明されてなかったですね。
 しかし、あれはゲーム性しか求められていなかったので、問題ないでしょう。
 パッと具体例が浮かばなかっただけなので、RPGファンの方は気にしないでください。
 まあ、全て私の意見なので、流し読みしてもらえれば幸いです。
 色々と脱線し、長くなりましたが、失礼します。


朱雀美帆さんの意見
 始めまして、私も小説書きを目指して奮闘しています、朱雀美帆と申します。
 ……私としましては、感情移入出来るキャラクターが大事だと言うのは場合によりけりだと思います。
 
 あまり必要ない小説もありますし、絶対に必要な小説もあるでしょう。

 ファンタジーの場合は……、要るかも知れませんね。
 ファンタジーは基本的に人の心によって主人公が成長する物語が多いですから、
 主人公や脇役に共感か、同情かと言う感情が湧いた方が読みやすいと思います。
 (あくまで私個人の意見ですが)あまりに感情移入出来ないファンタジー小説を私は読む気になれません。
 (これもあくまで私個人の意見です)少しでも共感出来た方が読む気になれる要因でもあると思います。

 好きなキャラクターと嫌いなキャラクターの事ですが、腹黒いキャラは好きです。
 でも腹黒いキャラと言うのは難しいですよね……。
 それからやはりころころ設定や性格、強さの加減が変わらないキャラは好感が持てます。
 ハイテンションなキャラも好きですよ。いわゆる三枚目と言うキャラでしょうか。
 自分で格好を付けるキャラでは無いのが良いですね。

 嫌いなキャラクターはころころ設定や性格、強さの加減が変わるキャラですね。
 一番嫌いなのは自分の主張をころころ変えるタイプです。
 後は欠点の無い完璧人間でしょうか。
 私は完璧人間……とは言っても二次創作なのですが、作った事があります。
 しかしやはり欠点を作りました。
 強さも美しさも頭も良いんですが、その反動として性格を非常に悪く……
 と言うか極端に仕草や言葉遣いを子供っぽくしたり、口を悪くしました。

 ……幾ら完璧人間とは言っても欠点と言う物があってしかるべきだと私は思うんですね。
 だから私は完璧人間で欠点の無いキャラは得意ではありません。
(これらも私個人の意見ですのであしからず)

 それからあまりに度を越した囚われの姫君キャラなヒロインも苦手です。
 それだけでは完全に他力本願で待っているだけの受身ヒロインになってしまうと思うからです。
 そんな中で何か自分も出来るのではないかと動くヒロインだと逆に好感を持てますが。

 と言う訳で、私の意見としてはそんな所です。
 色々と自分の私情が混ざってしまいましたが私もまだまだ未熟者です……。
 そんな未熟者の差し出がましい忠告で申し訳ありませんでした。
 それでは、これからも創作、お互いに頑張りましょう!


一茶さんの意見
 私はそんなに大切とは思っていません。
 例えば乙一という作家のキャラクターは感情移入できないキャラクターがとても多いです。
 しかし、乙一の本は面白い、と人気があり本屋でもよく平積みされています。

 さらわれたヒロインの死体を見るために犯人を追う主人公に感情移入できますか?
 自分が殺した人の死体で家をつくる殺人鬼に感情移入できますか?
 母親が自分を殺す時どうするのだろう?と考えている少女に感情移入できますか?

 全くいない、というわけではないでしょうが、感情移入できる人は少ないと思います。
 このようなキャラクターが主人公を勤めていたり、異様に多かったりするのがこの人の作品です。
 
 キャラクターに感情移入できるのかではなく、キャラクターをどう動かせるか。
 私はこれに目を置いて本を選んでいます。

 それでは、ここいらで。

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