第4研究室 創作に関するQ&A 20P | トップへ戻る |
矢治さんからの質問  
 作品の見直しについて。

 矢治です。
 聞きたい事がありましたので書き込ませていただきました。
 皆さん、作品を完成させたら大抵は見直すと思いますが、どんな風に見直しますか?
 私の場合、文章、構成、人物、作品の持つ雰囲気、
 大体三十くらいの項目に気をつけて見直しを進めていますが、
 このやり方だと項目が多すぎて逆に煩雑になってしまう事がままあります。
 理想の見直し方なんてそうそうあるものではないでしょうけれど、
 他の方はどんな風に作品を見直しているのかな〜と思いまして。
 こんな風にしているよ、程度で書き込んでいただければ嬉しいです。
 
 また、大体平均で一つの作品を何回くらい見直しますか?
 見直しの後に、作品を大幅に変更したりする時はありますか? 
 変更するとしたら、それはどんなときに?

 教えていただけると嬉しいです。


みつきさんからの意見 
 矢冶さん、こんにちは。

> 皆さん、作品を完成させたら大抵は見直すと思いますが、どんな風に見直しますか?

 作品の見直し方ですが、私の場合、
・登場人物一人一人の行動の流れが、時間軸に沿って矛盾していないか。
・登場人物一人一人の心理の流れが、時間軸に沿って矛盾していないか。
・張られた伏線が、きちんと回収されているか。
 大体この三つを重点的に見ますね。

 文章や構成については、
 私は書きながら読み直しと推敲、構成のし直しをさんざん繰り返すタイプでして、
 そのときに随時直していますから、あまり気にしたことはないです。

 作品の雰囲気については、シーンごとにイメージがあるので、
 そのイメージを常に頭に置いて書く。
 書いたものを読み直して、またイメージを頭に置きながら推敲する。
 そうすれば絶対に伝わるはず! と、つまりはテレパシー頼みなので、
 見直せる部分ではなさそうな感じ……ですね(笑)。

> また、大体平均で一つの作品を何回くらい見直しますか?

 読み直しと推敲なら、書いた端から何十回と。
 章が書きあがったら、二・三回通して読み直します。
 全体が仕上がってから、全編通しての読み直しは、三・四回くらい……でしょうか。
 その時点でもまだ、未練がましく文章を直しています。

> 見直しの後に、作品を大幅に変更したりする時はありますか?

全編書き上がってからの変更というのは、今までしたことがないですね。
作品の中盤(起・承)までがきっちり決まれば、あとは最後まで直通なので。

> 変更するとしたら、それはどんなときに?

 作品の「起」「承」部分を書いている最中です。前半がストーリー全体を決める肝なので。
 で、書いている途中で、どうしても必要と思えるエピソードなどが出て来たら、
 それを挿入しても矛盾が出ないよう、先に書いた部分を書き直したりします。

 という感じでしょうか。それでは。


あやめさんからの意見 
 私はどちらかといえば推敲しまくるタイプですが、
 書いたものはあまり見直さないほうがいいのではないかと最近思いはじめています。
 何の本だったか忘れましたが、こんなことが書かれていました。

 最初に書いた文章ほど勢いがあり、魂がこもっています。
 文章は見直したり書き直したりするたびにどんどん力を失っていき、
 最終的にはよそ行きのつまらない文章になるそうです。


 誤字脱字は修正しないことにははじまりません。
 そこは見直すべきです。
 しかしいざ本文を執筆する際にはなるべく書いたものは振り返らず、
 さっさと仕上げてしまうのがいいと思います。
 内容がどうとかいう推敲は、プロットを作成する過程で調整するべきだと思います。

 これは私の経験ですが本文の内容は執筆中にこそ最高のひらめきがあり、
 見直さないほうが面白いものが書けます。


 私は改稿せずとも面白いものが書けるよう修行します。


雨杜 潤さんからの意見
 
わたしは、だいたい多いときは5回くらいでしょうか。
 長編の場合は、1話に付き4回くらい、一章書き上げたら、その時点で2回見直し。
 最後にももう一回って感じでしょうか。

 わたしは、自分のサイトを持っていますので、
 長短編に関わらず必ずといって良いほどネットに上げています。
 そのときに、上げたアドレスに携帯からアクセス+画面メモ。
 暇が出来たら文章を見直し、
 誤字などを発見したらPCを立ち上げたときにまとめて直すようにしてます。
 あと、見直しは一気に何度もせず、1日に1回程度、3日くらい間を空けてやるのがいいです。
 その日には気づかなかった粗が、数日後には見えることもありますから。

 改稿点は、主に文章中心。
 内容に関しては、自分で判断して変えることはあんまりありません。
 中身を変えたい場合はサイト主体志向なので、
 短編なら、自分のところに上げる前にココの投稿室に投下しますね。
 で、皆様に読んでいただいてボロボロと出てきた改稿点を中心に直し、その後サイトにUP。
 他力本願だ……orz
 しかし、やっぱり主観で何でもやってしまうより、他人の意見を取り入れる方が得策なので。
 内容の大幅改定は、初期に書いた大昔の作品なら、
 目も当てられないくらい恥ずかしいのでやりますが、最近書いたものには用いませんね。
 これは、成長したというよりも、身の程を知るようになったというべきカナ(ぉぃ)
 その作品を直すよりも、次に取り掛かるほうが、ナンボか得だという考えです(ダメか;)


元村良一さんからの意見
 ども、元村良一でございます。

>皆さん、作品を完成させたら大抵は見直すと思いますが、どんな風に見直しますか?

 基本的に元村の場合は「ストーリー」「キャラクター」「舞台」という三要素に注意しつつ
 「きちんと“テーマ(書きたいこと)”が書けているかどうか?」を確認します。
 書きたいことがきちんと書けていない。
 相手に伝わらないでは、悔やんでも悔やみ切れませんからね。

 木を見て森を見ず……ということになってはまずいので、
 大まかなところから徐々に細かい部分へ意識を向け、気付いたところを修正するようにしています。
 ストーリーに矛盾はないか? キャラクターの性格が意味もなく変わっていないか?
 あり得ない舞台設定になっていないか?
  といったことを確認しつつ、少しずつ
 「同じ様な単語・文章を繰り返していないか」「誤字脱字はないか」というように手直ししていきます。
 大きな部分から直すのは、基本的に読者は「細かいことには拘らない」からです。
 同時に「細かい部分」から直しても、大まかなところで欠陥があったら意味がないからです。

 よく感想やレビューなどで「ストーリーがおかしい」「こんな設定はあり得ない」というのは、
 そうしたものの方が目につきやすく、印象にも残りやすいからです。
 文章や表現力にまで言及したレビューはやはり少数ですからね。
 そういう作業があるため、元村の場合はどうしても「設定」に拘らなければならないし、
 自作の設定書を手放すことができない。
 粗や欠陥などというものは、探せば思わぬところからぽこぽこでてきますからねぇ。
 初稿の段階から注意しています。


>また、大体平均で一つの作品を何回くらい見直しますか?
>見直しの後に、作品を大幅に変更したりする時はありますか?
>変更するとしたら、それはどんなときに?

 
 単純に「回数」という点では、最低でも100回は読み直します。* 部分的なものも含む。
 見直しのあとに大幅な変更をする場合ももちろんあります。
 話としておかしかったり、展開が強引だったり、
 ご都合主義になってしまったりなどといった「問題」が発生した場合は、
 できる限り躊躇(ちゅうちょ)なくバッサリ切り捨てます。
 小さなミスならともかく、大きなミスの場合は、
 「その部分だけ直す」ということは基本的に不可能ですからね。
 特にストーリーの場合は、場面と場面が連動していますから。
 相当な部分を書き直すことになります。
 ですので、その様な大きな欠陥を見つけた場合、新作を書き直すくらいのつもりでやります。
 その方が肉体的には辛くても、精神的には楽だからです。

 ともあれ「推敲」に関しては技術的・精神的にかなりキツイものがありますからねぇ。
 通常400枚の作品を直すのに、最低でもその3倍の原稿を書くといわれているくらいですから。
 大変です。辛いです。キツイです。
 でもそれを成し遂げなければ作家として生きていくことができないなんて……
「言う方は楽でいいよなぁ」
 などと思ってしまうのは仕方がないことだと思ってしまったり。
 何はともあれ、頑張ってください。応援しています。


雪野銀月さんからの意見
 自分の場合は、ブログかなんかにデータを叩き込んで、
 それを見ながらテキストを直す、といった形です。
 最初は追加できるものがないかをチェックしつつ、
 おかしい文章(誤字脱字誤表記などなど基本的部分)をなおしてます。
 次に、十分やった、と思ったら削れる場所を削り、
 細かい部分を少しずつ詰めたり、などといったことをします。
 で、だいたいそれでしばらく放置って感じです。

 数日後、新鮮な気持ちで読み直すと、やっぱりいろいろとおかしいところとかが見つかるので、
 だいたいそういう時に大幅な変更とかがあります。


 見直す回数(総数)は章(区切り)の数に比例して増えますね。
 長編はたいてい短編連作で作っているので、
 起承転結の繋がりが破綻しないように、構成は事前にじっくり練ってますが。
 これを失敗すると、その作品は最初からになるか捨てるかになります。
 (それ以上執着するとつまらんものになるので)

 見直し等平均
 短編:見直し自体・最大で20程度。推敲はそのうち2回程度。
 あとは読み返し・加筆・校正のチェックですね。
 長編:見直し自体・章の数×20程度。以下同。
 って感じだと思います。

 ――というか、それくらいでもう満足しちゃうようなのが自分なだけなんですが。


mayaさんからの意見
 こんにちは、mayaです。
 わたしの場合は、改稿作業は主に四つの点に留意します。

1 キャラクターについて
 作品ができた時点で、キャラクターの増減を考慮します。
 「かわいい女の子」を主人公に変えた方がいいか、
 「かっこいい青年」をサブキャラに入れた方がいいか、
 あるいは思い切って最低限のキャラクターで物語を構成しなおすかなどを再度検討します。

2 物語の構成について

 物語により意外性を出すために、起承転結を入れ替えることを検討してみたりします。
 あるいは、時系列だったものを錯時したりなど、
 シーンやエピソードごとにばらばらにすることがあります。

3 設定について
 設定はプロット段階でずいぶん練りこみますが、
 その設定が物語の世界観を崩していないかを検討します。

4 文体やスタイルについて
 人称の変更、文体の変更などによって得られる演出効果を検討します。

――とまあ、大きな外科手術ばかりですね。
 実際には、ライトノベル作法研究所などに投稿して、誰かに読んでもらって出てきた指摘を、
 上記の四つに当てはめて改稿課題として検討するといった具合です。
 基本的に、わたしは自分の作品をあまり信用していません。

 村上春樹さんではありませんが「完璧な文章なんて存在しない」といったふうに、
 斜に構えてなるべく客観的に作品を見る癖をつけるように努力しています

 (それがなかなかできないのですが……)。

 ちなみに、作品ができた後での見直し、いわば改稿の回数については、
 数えたことがないのでわかりません(笑)。
 文章を手直しする程度の修正は、何回やっているかわかりません(汗)。
 また、改稿課題が出てきてうまく直せない場合、半年ほど寝かしてしまうこともあります。
 また、仕事がいそがしいときは、いわゆる「一発録り」もしています(笑)。
 推敲、改稿一切なし……東京都心のビルの中、午前四時、
 人気のない仕事場で一心不乱にキーボードを叩いているときの爽快さは、
 大人じゃないと味わえませんよね(ナニ)。
 参考になりましたでしょうか。


Triple-Iさんからの意見
 ちょっと皆、忘れているかあるいは敢えて意図的に書いていないかしている
 ところがあるので、ちょっとその点、突っ込んでおきたいと思います。

 うちのブログで触れたのですが、
 僕の場合突き詰めると『作品に矛盾が無いか』だけです。

 ほんの一言だけの話ですが、実は結構いろいろな意味を含んでいます。

 ・一行に関する矛盾
 ・言葉の意味や文字に関する矛盾
 ・作品構造の矛盾
 ・作品の構成にある矛盾。
 ・文章に関する矛盾


 ……一言で矛盾と言っても、これだけの話があります。
 皆さんの意見もこれを含んではいるのですが、徹底的に突き詰めていくと、
 結局はここに行き着きます。
 基本的に作品に矛盾があるだけで、つまり、読者を「?」と思わせるだけで、
 それ以降は読者は読んでくれなくなる、というところがあります。これは、
 どんなに面白い作品でも例外はありません。

 基本的には自分が読者の気持ちになって『?』と思ったところを書き直していく――
 というスタンスでいいと思います。


遠藤さんからの意見
 これは確かに、作品の雰囲気を変えかねない冒険ですね(笑)
 でもそれを成功させる極端な方法ならあります。

 キャラクターに、これは「創作されたお話」で、自分たちはその「登場人物」であり、「作者と読者」がいるということを「自覚」している事前提で話を作る場合です。

 やり方によってはギャグにもなりますし、シリアスにすることもできます。
 キャラクター全員が上記の条件を知っているというパターンもありますし、一部のキャラクターだけが知っていて、他は知らないというパターンもあります。

 でも書く際にはそのことを忘れて書いてはいけませんし、その設定をどれだけ生かして面白くするかも大切です。

 この手法を使った作品に
・名探偵の掟
・作者を探す六人のと登場人物
・ファニーゲーム(これは嫌な話なので見る際には気をつけて)

 がありますので、よかったら参考に。



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イトウさんからの質問  
 地の文だらけになってしまいます。

 こんにちは。
 私の小説にはキャャラクターの会話文があまり入っていません。
 投稿室に投稿した作品は、会話文を必死に入れて書きました。

 そこで疑問が浮かびました。
 別に会話文を無理して入れなくてもいいのだろうか……?
 というものです。
 お話さえ成り立てばあまり会話文を入れなくても平気でしょうか?
 みなさんの意見を聞きたいです。お願いします。


●答え●

 ライトノベルというと、会話文と余白が多く、
 サクッと読める軽い小説というイメージが一般的です。
 中高生を主な読者層としたサブカルチャー的な小説ですから、
 読みやすいようにという配慮から、このような作品が多いのでしょう。
 そこで、おそらくイトウさんは、自分の小説はライトノベル的ではないと悩んでいるのだと思います。
 でも、中には地の文がギッシリ詰まったプロの作品もあるのですね。
 私は会話文だらけの小説より、
 読み応えのある描写に富んだ、地の文が多い小説の方が好きだったりします。
 会話文だらけの小説は、軽薄な感じがして好きになれないのです。

 例えば、私の好きな作家のベニー松山さんの『司星者セイン』は、
 8ページにもわたって、延々と地の文が続くシーンがあります。
 全体的に見ても、会話シーンはあまりなく、
 キャラたちは必要最低限の言葉しか交わしていないような印象のする作品です。
 しかし、これが群を抜いておもしろく、参考にために何度も読み直しています。
 
 私のような嗜好の人間もいるので、それほど気に病むことはないでしょう。

 地の文が多くなってしまうというのは、イトウさんの文体の個性だと思います。
 個性は欠点と捉えて否定するのではなく、長所と捉えて伸ばしてやった方が開花します。
 小説は、一部のファンに支持されればそれで成功だと考えています。
 会話文の多い小説が好きな人もいれば、嫌いな人もいます。
 地の文が多い小説が好きな人もいれば、嫌いな人もいます。
 すべての人の嗜好にマッチした作品など作れないのですから、
 そこは割り切って自分の持ち味を磨いていった方がイイですよ。

 ただ、会話文がまったく無いと、キャラクターの個性(口調・言葉には人格が反映される)や、
 人間関係の繋がりが表現しにくくなるので、その辺りには注意が必要です。



雨杜 潤さんからの意見 
 地の文章だらけ。別に構わないとは思います。
 大衆文学などでは、よくありますよね。
 しかし、ネットやラノベ読者の中には、
 『あまり長い地の文章を読まない読み飛ばし型』の人間が存在しています。
 会話文だけ拾って読んだり、情景描写や長い説明はとりあえず飛ばして読んだり。
 話の流れを掴むだけでいい方は、こんな読み方をしています。

 実際、読みたくも無い作品を読まなければならない場合
 (相互リンクサイトの管理人付き合いとか、興味も無い本を友人に押し付けられたとき)は、
 わたしもこういう読み方しちゃいます;(多分、ダメな例だろうけど;)

 年齢層など、ターゲットによりけりだと思います。


赤いアレさんからの意見
 はじめまして。赤いアレです。
 ……一度、会話文無しの小説に挑戦してみてください。
 会話文を全く用いず、地の文のみでひとつの話を完結させる――
 過去、俺は俺に挑戦し、合えなく断念しました。
 そのことで分かったことは。
 
 『会話文は、キャラの心情を最も描ける場面』と言うことです。
 
 何しろ、そのキャラがその時思っていることを口に出しているんですから当然のことなんですが。

 会話を一切なくすと言うことは、映画で言えば『サイレント映画』に近いもの。
 全体的な盛り上がりの演出に欠け、どうしてもストーリーその物は淡々とした、
 良い言い方をすれば情緒にあふれたものに仕上がるはずです。
 が、それは一歩間違えれば『一本調子』とも取られ兼ねない危険な賭けです。

 無論、否定するつもりはありません。
 ただ、会話の無い作品を作り上げるのには、相当な実力。
 それも生半可なプロですら舌を巻くほどの力ないと、達成不可能な物に思えて仕方ありまん。

 もし、イトウさんが書きたいと思っている作品が、
 粛々とした、静かな物語だと言うのなら止めはしません。
 が、そうでない限り。会話文は重要かと思われます。

 どっちにしても。
 会話文は、キャラ同士が自分の考えを口に出来る唯一の場――そのことを忘れないでください。


 以上、赤いアレでしたー。


夏目陽さんからの意見
 こんにちわ夏目陽です。
 地の文だらけとの事ですが、改行を増やせば比較的読みやすいものになると思います。
 それに一人称であるならば、会話と変わらないような文章を書く事によって、
 地の文が読みやすいものになるでしょう。
 
 かくいう私は改行は半枚に一回しかしないし、地の文と会話の比率が9:1だったり、
 漢字の使用率が10文字のうち4文字だったりと普通にそういう事をやってます。
 故に画面が真っ黒に染まります。
 大体、それに対する批判もくるのですが、むしろ私は改行が多くて、
 会話が多い小説の方が見栄えが悪い気がします。
 一度プロ作家の作品をパソコン画面にすべて打ち込んでみてはどうでしょう?

 持論ですが、パソコン画面で見やすいからって、インターネット向けの文体に慣れると、
 新人賞に作品を送る時、改行の多さなどで変な印象を持たれると思っているからです。


 二、三度私は乙一の短編小説を全部打ち込んだ事がありますが、
 それを見たとき、インターネットじゃ読みにくいなあ、と思った事が多々あります。


雪野銀月さんからの意見
 会話文ほぼゼロの作品を投稿したことがある人間です。
 参考になるかは知りませんが、私見を少し。

 現実問題、会話文がほぼゼロになるにはそれなりの理由、
 例えば、主人公が人と関わらないとか、独り言の癖がない、とかが必要と思われます。

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ヤローさんからの質問  
 キャラクターが読者に話しかけてくるのはアリか?

 よくゲームとかでキャラクターがプレイヤーに、
「説明しよう〜〜〜」とかいって他のキャラから「お前誰に話してんの?」
「誰だっていいだろ」
 とかいうやり取りがあります。
(今ではもうあまり見かけませんが……)
 それって、小説でやってもOKなんでしょうか?
 それって場合によっては雰囲気ば打っ壊してしまいかねませんよね。
 もしやってもいいんだったら、どういう場面なら使ってもOKなのですか?


●答え●

 これは反則ギリギリのギャグです。
 ギャグ風味の強い作品の中でしか使ってはいけません。


 キャラクターが読者に話しかけてしまうと、作品の雰囲気どころか、
 その作品世界そのものが壊れてしまう危険性があります。
 昔どこかの本で読んだのですが、
 小説家とは読者に嘘をついて最後まで騙し続けるのが仕事だそうです。
 小説という架空の世界の物語を、いかに架空とは感じさせないか?
 ただの記号の集合体にすぎないキャラクターを、いかに血肉の通った人間として描くか?
 フィクションをどこまでリアルに近づけるかが、重要なのですね。
 リアリティが感じられない架空世界は、薄っぺらく、登場人物もいかにも作り物めいていて、
 感情移入して読み続けることができません。
 
 こうやって苦労して作り上げてきた架空世界を、これは全部フィクションですよと、
 バラしてしまう行為が、キャラクターが読者に話しかけるという手法なのです。


 せっかく気持ちよく騙されていたのに、いきなり真実を突きつけられては、
 興ざめしてしまいかねません。

 シリアスな物語には完全にマッチしない上、
 ギャグとしてもあまり褒められたものではないと考えています。


 一部の作家さんは、この手法を使っているのでタブーとは言えませんが、
 よほど勝算が無い限り、使わない方が無難でしょう。
 

うータンさんからの意見 
 ギャグならオッケーですが、使いにくく難しいです。
 シリアスでは完全に不可。コメディでもやめておいた方が良いでしょう。

 なぜ、語りかけが駄目なのかと言うと、
 作品世界が作り物であると解ってしまい読者が白けるのですな。

 臨場感もリアル感も無くなり、ただ作り物のセットで
 看板が喋っているような感じをもたれると思います。
 これはメタ手法と言って、出来ないわけではないですが、アクロバットに近いので、
 初心者が手をだしてはいけません。


yahoさんからの意見 
 18禁のラノベ青心社文庫から出ている、
 「超鋼威ガクテッカー」を18歳以上ならお勧めしましょう。
 この作品は、語り手が異常なほどの高いテンションで読者に語りかけまくります。
 更にキャラクターたちにも話し掛け、反応が返るシーンなどもあり、
 全体的にギャグとシリアスを行ったりきたりしながら、学園を舞台にした戦隊物が展開します。
 ストーリー的にもテンションが高く、
 ついていけない人にはどうしょうも無いものに映るかも知れません。
 間合いとタイミングは、長くステージショウをしてきた作者ならでわです。
 ただし、あなたが高校以下なら、読んじゃ駄目。
 
 あと、完全なシリアスなら、読者に語りかけるのは、止めたほうがいいですね。


匿名希望さんからの意見 
 すみません、名前名乗るのが怖いので参考までに一つ(汗)。
 『灼眼のシャナ (0)』の本文二ページ目に、
 「キャラクターが読者に話しかける」という手法が使われていました。
 良ければ、そこだけでも手に取って読んでみて下さい(そこだけでも)。
 あとは、ドラゴンマガジンの『伝説の勇者の伝説(伝勇伝』という作品にも、
 使われていた時期がありました。

 では、これにて。


衛藤 櫂さんからの意見
 宮部みゆきさんの『ドリームバスター』という小説の一巻にも、この技法が使われていますよ。
 読んでいてまったく違和感がないし、設定をうまく使っていて流石だと思いました。
 この小説全体は読まなくてもいいですが、
 この部分だけは参考までに読んでおく事をお勧めします!!


雨杜 潤 さんからの意見
 わたしは、「キャラクターが読者に話しかける」というのには、ちょっと賛成できませんね。
 確かに、わたしも衛藤 櫂さんの言っている『ドリーム・バスター』とか読んだりしましたが、
 この作品の場合は特例でしょう。実際、あの書き方には好感が持てませんでしたし。

 敢えて言うなら、『宮部みゆき』だから読むことが出来たって感じでしょうか。
 たぶん、同じ文章がネット上にあったらスルーしていました。


 (本音を言うと、宮部さんはファンタジー作家には向いていないと思うのですが……
 そこは置いておきましょう)
 素人が安易に手を出してはいけない技法だと思います。


オジンさんからの意見
>よくゲームとかでキャラクターがプレイヤーに、
>「説明しよう〜〜〜」とかいって他のキャラから「お前誰に話してんの?」
>「誰だっていいだろ」とかいうやり取りがあります。

>それって、小説でやってもOKなんでしょうか?
>それって場合によっては雰囲気ば打っ壊してしまいかねませんよね。


 作中人物が読者に話しかける功罪のうち、罪の一つは分かってらっしゃるわけですね。
 その罪を犯してもいいと思うときに使えば良いのじゃないでしょうか?


 ただ、私自身はそういう作り方をされた小説の場合、感情移入できたためしがありません。
 作品世界に入り込もうとするのを作者が妨害しているように感じます。
 ヤローさんがその手法の「功」の部分を発見されて、
 効果的な使い方ができるようになるまでは避けるのが無難かと思います。
 試してみるのにまで反対する気はありません。


峰しずくさんからの意見
 無しではないですが、ここでは無しにしておくのが無難でしょうね。
 ところで、キャラではありませんが、
 筆者が読者に語りかけてくるものすごい小説を読んだことがあります。
 辻真先著「伝説『鬼姫村伝説』」(コバルト文庫)です。
 これはテレビ映画(今で言う2時間ドラマですね)のロケが主な舞台になっている、
 お涙頂戴も含んだシリアスラブコメミステリーで、物語の途中で「著者は……」と、
 いきなり著者がNHKに所属していた時代のエピソードが語られたりします。
 他の作品では『著者は……』と、
 手塚プロ(虫プロだったかも?)に所属していた時代のエピソードも登場します。
 そして、私はそれを興味深く読んだものです。

 ここでの特徴は、著者が物語(テレビ撮影でもアニメ制作でも)の舞台を、
 実際にスタッフの一員として現場経験があり、物語をよりわかりやすくするための手法として、
 自分が経験した事実を語っている、というひとつのテクニックである、ということなのです。

 しかしこれを計算しつくしてテクニックとして使うのは、
 よほどの技量がいるのではないかと思う次第です。



サンダーソードさんからの意見
 はじめまして。
 正真正銘初投稿サンダーソードです。

 もう意見出尽くした感ありますが一応。

 さんざ言われてますがこれは相当な高難度の技術だと思います。
 ええそれはもうシリアスな雰囲気見る影もなく打っ壊してくれます。
 考えずに使えば。

 巧妙に使えばこれすらも武器になります。

 叙述トリックの申し子電撃文庫トリックスターズシリーズ第三巻。
 『トリックスターズD』読んでみてください。
 ねたばれ防止の為詳しくは書きませんがシリアスシーンで見事に使いこなしてます。
 必見かと。

萌え・美少女・美形について
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
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第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
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