第4研究室 創作に関するQ&A 222P | トップへ戻る |
狼獄さんからの質問
 規定ページ数に収まらないので応募先新人賞を変えようと思うのですが?
 
 こんばんは、楽しんで小説書いてますか? でおなじみの狼獄です。
 ……はい。嘘です、そんなことは初めて書きます。
 「なれなれしいなこいつ」と不快に思った方はすいません。
 では早速本題の方へ。

 大賞に応募しようと思っている作品が、そろそろ書きあがりつつある今日この頃なんですが、
 その作品の内容をどう削っても、応募規定のページ数で収まりそうにないのです。
 無理に内容を変更すれば収められない事もないのでしょうが、
 そうすると作品としての質が下がってしまうのは間違いないです。

 さすがにそれは嫌だと悩んでいると、
 知人にスクウェア・エニックス小説大賞と言う賞を教えてもらい、実際にHPに行ってみました。
 確かにページ数は無制限のようなのですが、私はこの賞を全く聞いた事が無かったので、
『仮に受賞したとしても、その先がないんじゃないのか?』
 と思ってしまいました。
 そもそもそこが出版しているラノベを目にした事もありません。(2007年3月現在)

 そこで思ったのですが、皆さんは実際に、
 そこ出版の小説を目にした事や読んだことなどはありますか?
 またこの賞に出すことについてどう思いますか?

 少し神経質になっているような気もするので、
 客観的な意見を言っていただけるとありがたいです。


● 答え ●

鈴忌さんからの意見
 こんばんわ、鈴忌です。

 エニックスは……鈴忌の記憶が確かなら、
 以前ラノベレーベルを一個立ち上げて半端に潰したような気が……?

 とか、脅しても何なんですけどね(苦笑)。

 えぇと、ページ数は原稿用紙で何枚ぐらいですか? たとえば、
 SD文庫だと700枚までOKなので電撃の二倍近くまでは大丈夫ということになります。
 これでも、足りませんでしょうか?
 別に「スクウェア・エニックス小説大賞」を貶めるつもりは、一切無いのですけど、
 名が通ってるという意味ではSD文庫の方が良いかも知れませんよ。
 「銀盤カレイドスコープ」とかが有名ですしね。もし、700枚に収まるなら一考の価値有りです。

 あと……


> 無理に内容を変更すれば収められない事もないので しょうが、
 そうすると作品としての質が下がってしまう のは間違いないです。


 これは、意外にそうでもないかも知れませんよ。
 
 鈴忌も削るのは苦手なんですけど、作者が必要だと思っている情報と、
 本当に必要な情報は往々にして差が大きいもので、
 その気なら2〜3割ぐらい削っても質の低下が無いどころか、
 むしろ向上することも良くある話です。

 
 何か特定の賞を狙っているなら、
 その賞の規定枚数に合わせて削る練習をしてみるのも勉強になるかも知れません。

 まぁ、何にせよ頑張って下さい(投げやり?)。
 スクウェア・エニックス小説大賞については、もっと詳しい方がたぶん答えて下さると思います。
 では、失礼致します。


半月さんからの意見
 『スクウェア・エニックス小説大賞』は少年ガンガン等で告知されている小説大賞で、
 今までは漫画家がビジュアルを設定してそれを主役にして物語を作る、というものでした。
 前回からビジュアルフリー(つまり普通の小説です)の項目が制定され、
 応募は全てビジュアルフリーになりました。
 文庫本や通常の新書版よりやや大きいサイズで出版されていますが、
 一応本屋なんかでは見掛けることが出来ます。

 過去の受賞作は何とも微妙な評価ですが、前回の受賞者の一人は
 富士見ファンタジアで大賞を取った川口士さんですので多少期待してもいいかもしれません。
 ただ知名度低いのは相変わらず(逆に競争率が低いとの判断も出来ます)
 従って壮大な野望がある場合は、違う賞を狙う方が大変だけれどやりがいはあるかもしれません。
 スーパーダッシュなんかは上限が700枚とかなり大きかったりします。


因幡の白兎さんからの意見
 どうも、どうもどうも。因幡の白兎です。
 横スレ御免。

 鈴忌さん
> 作者が必要だと思っている情報と、本当に必要な情報は往々にして差が大きいもので

 これ具体的にどういったものか、くわしく教えてもらえないでしょうか?
 いったい、どういうものが必要で、どういった情報が不必要なのか。
 かなり気になった言葉だったので、ぜひとも参考にしたいです。


鈴忌さんからの意見
 こんにちわ、再びの鈴忌です

 えぇと、鈴忌も「コレが必要でコレが不要」と断言できるほど
 見えているわけじゃないんですけど、例えば……

例文1:
 そこにはおぞましい魔物の姿があった。

例文2:
 見よ。あれは何と名状しがたく、邪で、醜い、
 まるで我々の知りうるあらゆる美の概念を否定するかのようなおぞましい姿なのだ。

 とかの文章は、内容的には大体同じことを書いてます。
 (というか例文2は御大みたいな文章ですね……苦笑)
 で、この二つの例文、どちらが良いですか?

 もちろん、答えは「ケースバイケース」です。

 これが、ピンポイントなら「例文2」も有りでしょうけど、
 全編に渡って繰り広げられていたら非常に読みにくいかと思います。
 しかし、作者的な視点だと「作品の演出上不可欠」と考えてしまうこともあるんですね。
 それはそれで間違ってないですし、
 実際に作者が目指す作品としては必要不可欠なのだろうと思います。
 
 でも、読者が「作者が目指す作品」と同じものを求めているかどうかは、正直なところ分かりません。
 御大の文章とかは全編がこんな感じですが、既に世界中にファンがいるので
 「それを求める」わけで問題ないのですが、普通はなかなかそうはいきません。

 例文2の「名状しがたく、邪で、醜い……」という「情報」は、
 それを書いた作者としては「必要だと思っている情報」であることは疑いがないのですが、
 さて「おぞましい」の五文字で代用できる情報ではないでしょうか?
 
 もちろん、上で書いたとおり「ケースバイケース」なので、
 結局はさじ加減が重要になってくるのですが(要するに経験)、
 ここで鈴忌が着目するのは「作者的にはほぼ常に必要な情報と思える」というところで、
 これに固執してしまうと文章は冗長になりがちです。


 更に、これは「読者を意識した文章を書けている」前提の話で、
 もしもそれ以前の段階だったら「冗長」とか「無駄な演出」以前に、
 「読者を置いてけぼりにした独りよがり」と取られる危険性さえあります。

 今回は短文で分かる例として「修飾の問題」を引っ張り出しましたが、
 物語の骨格とかの情報でも同じことは言えます。
 物語の骨格ベースでこの考えを当てはめると「エピソード」単位で要不要が変わってきます。
 
 修飾をいじるだけでも1割程度の文章削減は可能ですし、
 エピソードをいじるつもりなら3割ぐらいでも可能でしょう。
 結果として当初作者が想定していた「作品」とは当然ながら変わってきますが、
 それが当初より「良い作品」になる可能性だってあります。

 〆切がタイトなプロならともかく、アマチュアの間は色々と試してみるのも可能じゃないでしょうか。
 当初想定した作品が、常に最良であるとは限りませんから。そういった意味合いで……


・作者が必要と思う情報(当初の想定通りの作品を目指して)
・本当に必要な情報(当初とは違っても良い作品を目指して)
 というのは違うというのが鈴忌なりの意見です。


 ついでに、文章量の削減という意味合いで言えば積極的に
 「本当に必要な情報はなんだろう?」と試行錯誤するのは意味があると思います。
 それは客観視の練習にもなりますし、なにより目指す賞に応募できるようになるわけですからね。
 と、いう話でした。

 むぅ……まだまだ自己理解が足りていないので、
 こうやって文章化してもゴチャゴチャしていますね。済みません。
 少しでも鈴忌の意図が伝わるとありがたいのですが……。

 ということで、そろそろ失礼します。
 狼獄さん、余談で場所を取ってしまって済みませんでした。


飛車丸さんからの意見
 レーベルなんて飾りです。
 現代社会において、名作であれば自然と人気は出てしまいます。
 星界の紋章の知名度は高いですが、その出版社なんて殆どの人が知りません。
 なので、本当に削れる部分が無いなら、スクエニで応募するのも手だと思います。

 が、しかし。

 実力を伸ばそうと思うなら、むしろ「削る」という作業を経験すべきでしょう。

 不要なエピソードは無いか?
 無駄な表現を多用してないか?
 独りよがりな説明をしてないか?
 これらのチェックを、入念にすればするほど、作品の完成度は上がっていきます。

 ページ数無制限というのは、「通常より長い名作」を歓迎しているだけであって、
 「無意味に長い駄作」を迎合するものではありません。


 スクエニが未だ大賞を排出していないのも、ここに一因があるのでは? と思っています。
 推敲を重ね、無駄を省き、表現を改め、時には一から作り直す――
 そうした苦労の果てにこそ、洗練された名作は生まれるのですから。


たつみ章乃さんからの意見
 はじめまして、こんにちは。
 小学生のときからライトノベルを惰性でガンガンを買い続けております、たつみ章乃です。
 参考になるかは激しく疑問ですが、私見を述べさせていただきます。
 話が本題からそれている上、気分を害されるかもしれませんが、ご容赦ください。

 狼獄さんは、なにを基準にレーベルを選んでいるのでしょうか?
 原稿用紙の枚数ですか?
 締め切りの近さですか?
 もしそうだとしたら、狼獄さん自身が書いた作品に対して失礼だと思いますよ。

 たとえば、「萌え」要素の多いハーレム小説をコバルトなどの少女向け雑誌に投稿し、
 一次審査をパスすることは可能だと思いますか?
 当然のことながら、答えはNOです。
 電撃に出せば大賞クラスの作品でも、おそらくは不可能でしょう。

 この例は極端すぎますが、そのレーベルの「カラー」に合っていなければ、
 どんなにレベルの高い作品もゴミ同然だということは、おわかりになっていただけたと思います。

 
 まわりくどい言い方になってしまいましたが、つまりは
 「レーベルのカラーも知らず、投稿せんでくれ」ということです。


 過去受賞作を読み「このレーベルは俺の作風に合ってる!」と思うなら、
 投稿すればいいと思いますが。
 
 また、賞狙いでなく力試しという意味でするならば、
 本命に「近い」レーベルでいいんじゃないかとも思います。

 当の私は、自分の好きな作品を多く取り扱っているレーベルを選んで投稿しています。
 創作では自分の好きなものを書いているので、
 好きなレーベル=自分に合ったレーベルなのだと思うからです。
 なにかの参考にしていただければ幸いです。

蛇足。
 スクエニ小説大賞は設立して日が浅く、良い作品であれば、
 どんなものでも選ばれると思われていますが、
 実際に選ばれる作品はガンガンに掲載されている漫画に準じた作品が多いような気がします。


クロ猫さんからの意見
 はい、ぶっちゃけスクウェア・エニックス小説大賞の第一回と第三回に実際に応募したクロ猫です。
 結果発表で残っている名前のどれかをググると、おそらく私のHPにヒットしますが、
 恥ずかしいので応募したPNは内緒です。
 ヒントは第一回と第三回、両方にある名前です。

 はい、それはさておき、本題です。

 スクウェア・エニックス小説大賞に応募することは、正直おすすめできません。
 小説をメインに考えるならなおさらです。


 スクウェア・エニックスは確かに漫画では老舗ですが、
 こと小説に関しては脆弱だといわざるを得ません。
 流通も乏しく、私の住んでいる田舎では
 TSUTAYAにしばらく並んでいたのしか、見たことがありません。
 それも今は消え、変わりに「鋼の錬金術師」のノベライズがおいてあります。

 唯一続刊が出ている「スタンプ・デッド」を読んでみましたが、
 一巻はともかく二巻は──個人的に、酷い出来だと思いました。
 受賞時点より悪くなっているとすら思いました。
 このほかの受賞作も、続刊が出るような話は誌面を見ている限りなく、
 使い捨てのような感じも否めません。

 選択したイラストを元に小説を書いていくという形式が独特で、
 そこが好きで応募していたのですが、第三回目にビジュアルフリーというものが加わり、
 そのときの受賞作品は全てそこから選ばれていました。
 そして第四回目はそもそもイラストがなくなり、
 スクウェア・エニックス小説大賞にあった唯一の個性がなくなったように思われます。
 これを見て私も応募するのは止め、電撃向けの小説を今せっせと書いています。

 スクウェア・エニックス小説大賞に応募するメリットは、
・早くからメディアミックス(特に漫画)が期待できること
・漫画の原作者としての仕事が来る可能性が他のレーベルよりも高い
・ノベライズの仕事が来る可能性が(以下略)

 といった感じではないでしょうか? あくまで個人的な意見です。

 小説をメインに出していきたいならば、
 やはり小説をメインに据えているレーベルに出した方が無難ではないかと思います。


 かくいう私は、ゲーム制作にも携わりたいと思いスクウェア・エニックスに応募していました。

──────────
 加えて、枚数上限が無制限という点ですが、個人的にいい点だとは思えません。
 新人賞では規定の中でどれだけ表現できるか、というのも評価されていると話に聞きます。
 もう少し頑張って、小説をシェイプアップさせてみてはどうでしょう?

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