第4研究室 創作に関するQ&A 29P | トップへ戻る |
白綾さんからの質問  
 美形・美少年の書き方とは?

 皆様こちらでは初めまして。白綾です。
 このサイトを知って数週間の新米で、まだまだ解らないことが多く、
 ぜひ教えていただきたいことがあります。

 タイトルにある通り、今書き途中の小説に出てくる美形男性キャラクターの
 表現にとても苦労しています。
 第一研究室では美少女の書き方というコーナーがありましたが、
 ここから「なぜ美少年の書き方はないのだろう?」と思っていました。
 美少女は美しくて儚げな物に例えればいいとのことでしたが、
 では男性はどうすればいいのでしょうか。
 現実の人物に当てはめるにも、ファンタジー要素の濃い人物は中々それも難しく、
 さらに私自身は女なので想像しがたい面がたくさんあるのです。

 ぜひ、男性の方々の「理想の姿」と、
 女性の方々の「憧れ」について、意見をください。


●答え●

 美形・美少年は、女性読者に支持されるように作らなくてはいけないと思います。
 男性は、美形や美少年には特に惹かれませんからね(汗)。
 女の子にモテそうな美形野郎が出てくると、コンチクショー! と思ったりするくらいです(笑)。

 女性に支持されるためには、ただ美しい、外見がカッコイイというだけではなくて、
 男性的な魅力が必要だと考えています。


 ジェンダーに関係してくる問題ですが、美少女にはかわいらしさが求められます。
 ここでいうかわいらしさとは、外見的な美しさだけではなく、男性にはない女性らしさです。
 女性らしさとは、繊細さ、やさしさ、といったものですね。
 この女性らしさというところがポイントです。
 勝ち気な美少女、傲慢な美少女、男よりも強い美少女とかもいますが、
 彼女らが男性に支持されるのは、時折ふっと見せる女性らしさが、普段とのギャップにより、
 ものすごくかわいらしく見えてしまうからです。 
 例えば、男勝りな格闘美少女が、実は動物が好きで影で子犬をかわいがっていたりすると、 
 やっぱり女の子なんだなぁ、かわいいなぁ、となるわけです(笑)
(注・男性は女性性に惹かれるということを言いたいのであって男女差別的な意味合いはありません)

 これと同じように美形キャラにも、女性が好むような男性的魅力が不可欠だと思います。
 私は男なので乙女心に関しては憶測でしか語れませんが、
 女性は本能的に、頼れる男性、包容力のある男性に惹かれるようです。
 これを反映してかどうかわかりませんが、美形キャラクターの特徴的パターンとしては、
 「物腰が優雅」「知的」「博学」「冷静沈着」「一芸に秀でている」「戦闘能力が高い」
 「女性の扱いに慣れている」「ポジティブである」「自信に満ちている」「プライドが高い」
 といったものが多いです。
 美少年の場合は母性本能をくすぐられるようなタイプというのもいますが、
 顔が良いだけのダメダメ人間な美形キャラクターというのは皆無ですね。
 情けないような男性だと、異性として意識できないからではないでしょうか?  

 恋愛ノウハウの本を読むと、女性は「余裕のある男性」に惹かれるとも書いてあります。
 女性に対してガツガツしていない男性ですね。
 少女漫画などを読んでみると、実に不思議に感じることがあるんです。
  
 登場してくる男性キャラが、あまり女に飢えていないような感じなのですね。

 女性向け恋愛ゲームなどもやってみたことがあるのですが、やっぱり登場してくる男性キャラは、
 ヒロインに対してそれとわかるような性欲は見せていませんでした。
 余裕があるんですね。
 普段、無理にお前に好かれなくても構わないといった態度でありながら、
 ヒロインが困ったら、ちゃんとフォローしてあげています。
 こういった男性が、女性には好まれるのかなぁ、と考えています。
  
 あと、これは完全に憶測ですが、色白で女の子のような中性的な美形というのもいますよね。
 おそらくこれは、男性の負の側面を払拭した、1つの理想の存在ではなかろうかと思います。
 男性には、野蛮、がさつ、汚いというイメージもあります。
 そういったところから、近寄りがたいと考えてしまう女性もいるようです。
 でも、女の子のように綺麗で、そういった負の側面を感じさせない男性だったら、
 マイナス面が無いので魅力的に映るのでは? と考えています。
 
 描写に関しては、美少女と同様、美しいモノに例えるようにすればOKです。
 ただ、「花」や「妖精」といった女性的な比喩は男性には合いません。
 キャラクターの特徴に合わせて「抜き身の刃」「狼」、なんていう男性的な比喩を
 使うようにすると良いと思います。
 
 また、男性の方々の「理想の姿」を知りたいとのことですが、
 私としては、外見の良さにはあまり惹かれるものを感じません。
 男は競い合うこと、戦うことが本能的に好きな人種です。
 少年漫画なんて、バトル物ばっかりですからね(笑)。
 だから、やっぱり強さ、賢さといったものに憧れます。 


Triple-Iさんからの意見
 男の視点から一つ。
 美男子もしくは美少年で悩んでいるという事ですが、
 『小説を書く際の基本的テクニック』という視点で言うなら、
 別に美少年も美少女もたいした違いは無いです。
 どちらかといえば白綾さんの悩みは、
 映像が浮かんでもそれに筆がついていかない(或いは、美男子を思いつかない)、
 という悩みのように思えるので、その線で話を進めます。

 基本的には美男子を書く(思い描く)際には、バランス感覚を重視しましょう。
 身長はやや高め(数値にするなら180〜190センチくらい)、スリムだけど骨川筋衛門じゃない、
 筋肉はあるけどマッチョじゃ無い……という感じですね。
 女性の場合はワンポイントだけで結構美人(美少女)に見られる場合もありますが、
 男性の場合は美形=トータルバランスに優れた造形、とすれば間違いないかと。
 トータルバランスを重視するのだから、
 基本的には「美男子かどうか」の主観は避けたほうがいいです。
 トータル的な印象で描くように工夫するといいです。
 「切れるような顔立ち」とか「がっちりした、頼りがいのあるイメージ」とか、
 「優しくて愛嬌のある顔立ち」などなど……。

 あと、高等テクニックとして「美男子ではない人間を美男子に見せる方法」と言うのがあります。
 以下は夢枕獏先生の「闇狩り師」シリーズからの抜粋ですが、

 獅子鼻であった。唇も太い。ハンサムとは言い難い相貌であったが、
 魅力的でないという意味ではない。
 無表情で、一見気難しそうな顔に、不思議に人を魅きつけるものがあった。
 笑ったところを見たくなるような、そんな顔だった。

 こう言った感じの描写をすると、結構面白いです。


あやめさんからの意見
 私は綺麗なイラストや挿絵で興味を引こうと考えているようなライトノベルは嫌いです。
 そういう作品は得てして中身が伴っておらず、読後も空虚なものとして終わってしまうからです。
 美少年、美少女といってもイラストを使わず、
 文章のみで表現できる部分は自ずと限られてきます。
 作者がどれほど美しい登場人物だと書いても、
 それが読み手の価値観で美しいと判断されるとは限りません。
 各々で美的価値観は当然のことながら違います。

 登場人物は中身を描写するべきだと思います。
 外見がどうあれ、性格や価値観、考え方などに共感できる登場人物は魅力的です。


 私なら外見の描写に拘ることよりも、
 いかにしてこの人物を読み手に知ってもらうかを念頭においてエピソードを考えますね。


峰しずく さんからの意見
 こんにちは。

 美少年または美青年の書き方ですか。ふむ……。
 おそらくそれは、小説の中のその男の位置づけによって変わると思いますね。

 たとえば、「端整な顔立ちで、立ち居振る舞いも上品で優美、礼儀作法も一通り身に付け……」
 みたいな表現であれば、
 単に「端整」と味気ない一般論的な言葉ですませてしまえる場合があると思うのです。
 では、端整とはいったいどんな顔立ちであるか、というと、読者が勝手に想像するわけですが、
 ここではどんな顔立ちをしているかは問題ではなく、その物語の中で、
 100人のうち98人くらいが「美男子」と認めるような美男子であるということさえ
 読者が認識すればそれでいいわけです。

 しかし逆に、端整かどうかはどうでもよく、それより実際の顔立ちが、
 その物語には重要な場合もあるでしょう。
 女の子がその男の子に惚れる際に、例えばこれが一目ぼれだったりしたらなおさら、
 読者は「このキャラはどんな顔立ちをしているのだろう」と思うでしょう。
 その際には、やはり顔立ちの描写が必要ではないかと思われます。

 またその際、その小説のジャンルなんかによっても、美しいかそうでないかが変わると思うんです。
 野球部員の「美男子」と芸能界の「美男子」とヤオイの「美男子」では違うはずです。

 
 顔立ちは良いのに冷酷無比なんてキャラなら、
 やっぱり「なるほどね」と読者が思うような顔立ちでないといかんと思いますし。

 あれ?
 じゃあ、結局どう書くの? の答えになっていませんね。

 それと、男の場合は、「かっこいいおじさん」の描写の研究も欠かせないように思います。
 失礼ながら、いかりや長介さんや田中邦衛さんなど、おせじにも「美」とはいえないはずです。
 少なくとも、パーツをひとつずつ描写すれば、とんでもないことになりそうです。
 しかし、僕は同じ男として、「すげーカッコイイおやじだなあ」と思うのです。

 あ、また話がそれました。すいません。

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