第4研究室 創作に関するQ&A 55P | トップへ戻る |
水面夕貴さんからの質問  
 有名作品に類似してしまったら?
 
 はじめまして。水面夕貴です。
 私は高校1年に入った頃から作品を考えていて結構話がまとまってきた所です。
 しかし、友人に話してみた所、あろうことかかの超有名作品『空の境界』と相似する点がありました。
 私の作品の主人公は女で、話し言葉は男のもの、おまけにナイフ使い(銃も使いますが)です。
 そう、空の境界の主人公両義式とそっくりだったのです。
 考えていた内容では、私の作品の主人公は過去に
 『連続神隠し事件』という誘拐事件に巻き込まれ、失踪します。
 そして唯一の生還者という設定。
 そのほかの失踪者は未だに死体すら出てこない状態で、
 唯一戻ってきた主人公はまったく覚えていないので、事件は迷宮入りに
 (本当は覚えているが覚えていないふりをしている)
 発見当時はボロボロの服でナイフを片手に握っている状態で発見され、
 その時から男の口調で話すようになっています。

 その誘拐事件には裏があり、連れ去った子供の頭に破壊衝動を芽生えさせ、
 その後どうなるかという実験を行っていて、殆どの子供は破壊衝動に耐え切れず、
 人格が崩壊し廃人になるのですが、主人公は何故か正気で破壊衝動を受け入れます。
 そして、欲望のままにその実験を行った研究員を皆殺しにし、
 一人街を漂っていて、保護されたという設定です。

 設定的にはまだあるのですが、内面ではあまり似ていないような気がしたりします。
 しかし、表面上女で男言葉、
 ナイフ使いという点で明らかに相似しているという事を言われるのです。

 やはり主人公の設定を変更した方が無難なのでしょうか。
 また、私も有名作品と相似してしまった、という方の意見も是非お聞かせください。
 よろしくお願いします。

 頭がぼーとしているので文章がおかしいかもしれません(汗


●答え●

 有名作品と、たまたま類似してしまう。
 そして、パクリだと叩かれて撤退することになる……
 という流れは、ネット小説でも良くあることです。
 星の数ほどの物語が生み出され、それぞれに著作権があるのですから、
 新規参入する際は、こういったリスクがつきまとうことになります。
 著作権法は、既存の作家やクリエーター、出版社の利益を守るために有効に作用しますが、
 反面、こういった負の側面も少なからず存在します。
 
 アメリカは、ミッキーマウスや1920年代に発表された名作の著作権が、
 切れそうになるたびに著作権法の保護期間を延長してきました。
 本来、著作権法の保護期間が56年であったところを、75年、96年と延長してきたのです。
 このため著作権はどれだけの間独占されるべきものなのか、という論争が巻き起こりました。
 おもしろいのは作家や音楽家などクリエイターと呼ばれる人たち全員が、
 著作権延長に賛成しているわけではないことです。
 実は、反対している人も数多くいます。

 これは著作権の独占がこのまま進むようだと、いつの日か、
 過去の著作物にがんじがらめにされて何も作品を作れなくなるのではないか?


 という危機感があるからです。
 例えば西遊記の著作権が永久に守られていたとしたら、
 ドラゴンボールは主人公の孫悟空が明らかに西遊記のパクリなのでNGということになります。

 日本は1990年代初頭までは、著作権にはかなりルーズな国でした。
 ウルトラマンのパロディ作品である漫画『キン肉マン』が大ヒットしたり、
 (キン肉マンは巨大化して怪獣と戦います。
 第一話はウルトラ兄弟に代わってキン肉マンが宇宙怪獣の群れと戦うというストーリーです) 
 仮面ライダーのパロディである仮面ノリダーが、テレビを賑わせていました。
 仮面ノリダーは、原作者や放送局に許可を取らずに、とんねるずが無断でパロディ化したため、
 作品のソフト化は一切禁じられていますが、損害賠償を求められたり、
 放送中止に追い込まれることはありませんでした。
 
 この2つの作品は、現代の日本でやったら絶対にタブー、NGでしょう。
 すると、このような名作が生まれる余地がなくなってしまうのではないか? 
 という危惧があるわけです。
 
 もっとも、これはパクリや盗作を推奨しているわけではありませんので、
 そこは誤解しないでください。

 
 キン肉マンや仮面ノリダーには、
 ウルトラマンや仮面ライダーとは明らかに違うオリジナリティがあります。
 
 出来上がったものが、元ネタとは明らかに違う魅力を放っていれば、
 それは認められるという良い例だと思います。 

 超有名作品『空の境界』の主人公と、たまたま設定が被ってしまっていたとしても、
 その主人公の持つ個性や雰囲気が、あきらかに違うのであれば、
 それは別物と考えて良いと思います。
 もっとも、これは主観の問題なので、これは○○のパクリだ! 
 と、批判や叩きを行う人が現れる可能性は常にあります。
 そこはクリエーターとして当然背負うべきリスクとして、あきらめてください。
 

国下夏草さんの意見
 初めまして、国下と申します。
 私も経験アリです、むしろアリまくりです。
 友人に作品を見せたりはよくしてたのですが、女魔術師を書いたら『青子先生だー』と騒がれ、
 誰だそれ? って思いながら探してみれば雰囲気、性格がすごいそっくり。
 戦う聖職者を書いてみれば、『アベル……ていうかトレスだね、こいつ』なんて言われて、
 有名作品『トリニティブラッド』を読み始めるきっかけとなり………。

 でもぶっちゃけ、面白ければなんでも―――って、これじゃ駄目ですね。
 実際、男言葉の女キャラなんて溢れてますし、ナイフ使いなんて考えるまでもありません。
 偶然その二つの特徴が重なってしまったとしても、
 その彼女は両儀式とは全く違うプロフィールを持った別人です。
 描きたいことまで同じ………では、困りますし、巻き込まれる事件も似たり寄ったり………
 では、駄目ですけど、少しくらい設定が被ってもそれに気付かせないのがテクですよ(?)
 『直死の魔眼』使いじゃないですよね(笑)

 そもパクリっていう問題は根深く、難しい偏見と独断の世界でもありますね……
 上記の『トリニティブラッド』にしても、出版当初はパクリパクリと叩かれたそうです。
 実際、ネタはすごい被ってます。


 でも『トリニティブラッド』は生き残りました。何をさておき面白いからです。
 仮に、新人賞などに応募するなら、その点はマイナス評価になる可能性は十分にありますけど。
 水面さんの考えた彼女の活躍する物語が面白いなら、そこを変更するわけには行かないでしょう。


リクさんの意見
 読んでないなら気にしてはいけません。プロの作品であっても何かしら別作品と
 雰囲気は似るものです。100%オリジナリティがなければいけないなら、
 ファンタジーや学園モノというジャンルは存在しません。

 「似てるからダメ」とご自分を縛り付けていては永久に書き始められません。
 「私はこれが書きたい!」と人の言うことを気にせず自由に書いた方がいいです。
 なぜなら完成作品が「空の境界」と100%同じ内容になることはないからです。
 完成作品を読んだ友人の方は「○○に似てる」と絶対に言えないはずですよ。

 というわけで迷わず書き始めることをオススメします。頑張ってください。


峰しずくさんの意見
 こんにちは。
 偶然、作品が似てしまうことは、実はよくあることのようです。
 作者がもう一方の作品を知らず、完全オリジナルで書くなら、
 なにも気にすることはないはずです……本来は。

 これがプロデビュー後の作品や、趣味でHPに書くとなれば、それでOKなのですが、
 新人賞への応募だけは気をつけたほうがいいのではないか、と私は思います。
 難しいかもしれませんが、似ないように設定を変えても、
 ストーリーやテーマなどに影響を大きく与えないのであれば、変えた方が無難だと思います。

 いや、あくまで「思います」の範囲内なんですけどね。
 自分が新人賞の審査員で、似た作品を既に読んでいたら、やっぱり……。


飛車丸さんの意見
 類似点ですか。
 そんなもの気にし過ぎたらいかんです。
 はっきり言って、その程度の類似ならば、そこらじゅうにあります。
 ナイフ使いを銃使いに変えたら、キノの旅のキノです。
 剣に変えたら、灼眼のシャナになるのかな確か。

 どこをどう変えたって、殆どの場合は同じものがあるです。
 よほど突拍子も無い設定にしない限り(撲殺天使ドクロちゃんとかですかね)は、解決しません。
 ていうか、そんなの本質的には【どうでもいい】ことです。
 重要なのは中身です。
 戦闘の描写が上手いとか、言葉選びが巧みだとか、
 伏線の張り方がブラボーだとか、なんかそういうのです。

 事実、既存の作品とかなりの類似が見られる作品でも、多数の受賞作が存在します。

 小説や漫画の歴史もかなりのものですし、
 作品の氾濫も相俟って「ネタは出尽くした」とも言えるのが現状です。
 それでも新しいネタは続々と世の中に出てくるです。

 ただし、その多くは「新しい組み合わせ」でしかないのですよ実は。

 無論、オリジナリティは求められますが、
 それは何も「全てにおいてオリジナル」である必要は無いわけです。
 例えば、過去に電撃小説大賞を受賞した「ブギーポップは笑わない」。
 これのオリジナル要素って、実はかなり少ないです。
 「僕は自動的なんだ」という一点のみ、と見てもいい程です。
 他の設定は、どこかで見たことのあるような設定ばっかりです。
 でも大賞です。
 そして作者の上遠野氏は、今も現役ばりばりの人気作家です。
 あちこちの出版社で本を出してます。

 てなわけなので、100%同じで無い(性格・出自・決めセリフ等も含む)のならば、
 気にせずにばんばん書いてもいいと思いますよ。


垂れ坊さんの意見
 オリンピックを見るより小説を読んで書いていた垂れ坊です。もう末期です。

 僕もそういうことはしょっちゅうありますよ。
 例えば今書いている小説が二つほどあるのですが、どちらも既存の作品に似ていると言われて、
 少々−−いえ、結構ショックを受けました。
 ちなみにその作品名は、一つはされ竜、一つは攻殻機動隊でした。全然相違点ありませんね……
 ですが、こればっかりはしょうがないと思います。

 今はもうそれはそれは似たり寄ったりな作品が氾濫してしまっているのです。
 右を向いても左を向いても、見渡せばあるのは似たような設定ばかりです。


 しかし、本当の問題はそこではないと思います。
 要はいくつか似たような設定になったとしても、面白い話ならば許されるのです。
 よほど露骨にパクらなければ多分、大丈夫だと思います(何とも信用ならん言い方だなあ……)。
 まあそこは作者の技量によるものなので頑張んなければいけませんが……。
 と、何ともはっきりしないことを残して去ります。ではでは!


赤獅子さんの意見
 こんばんは、赤獅子です。

 似てしまった場合は、おとなしく設定を変えたほうがいいと思います。
 盗作と呼ばれることはないと思いますが、
 似ているという印象は大きなマイナスイメージになると思います。
 そうでなければ、徹底的にごまかすか……。
 頑張ってください。


克さんの意見
 はじめまして克です。
 キャラクターが似ないって難しいですよね
 僕も昔、悩みました
 戦いに身を投じた口の利けない少女の恋物語といったわけのわからん話を考えてみたり
 しかも、視点は相手の男! 断念しました。

 でも最近は開き直って「このキャラいいなぁ」と感じたとき、
 そのキャラみたいなキャラで書くときあります
 二次創作一歩手前みたいな。
 と、自分の意見を述べるだけ述べて失礼します。


こっこさんの意見
 はじめまして。こっこというものです。

 私も数年かけて温めた設定が後から発表された作品と
 著しく似通っていることに気付いてショックを受けたことがあります。
 やはり、小説などの世界は先に発表した者勝ち、という部分があります。

 しかし100%同じ設定になるなどそうそうあることではありません。
 80%の部分が似てしまったのなら残りの20%で勝負です。


 そもそも「王道のキャラ」というのは似たような設定のキャラが
 あらゆる方面の作品で登場することによって形作られるものです。
 水面夕貴さんが諦めずに作品を投稿し続ければ
 水面夕貴さんの考えたキャラが「王道」として受け入れられると思います。

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