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ジダマさんからの質問  2007年
 人気作品をおもしろいと感じないのは感性が乏しいから?
   
 こんにちは。ジダマです。
 挨拶は短めにしておき、早速本題に入りたいと思います。

 僕は売れている、または人気のある作品をおもしろいと感じないことについて、
 最近不安を感じています。
 具体例をあげますと「キノの旅」がありますよね? あの作品はかなりの人気です。
 でも、僕はどこがおもしろいのかよく分かりません。
 ユニークな考え方だとは思います。でも、それだけです。

 メチャクチャ売れている人気作をおもしろいと思わないのは、
 つまり僕の才能や感性が乏しいのと同義なんでしょうか? 
 だとしたら僕は小説家には向いていないのでしょうか? なにかアドバイスお願いします。


●答え●

 これは全然心配することではありません。
 実は、私も世界的ヒットを飛ばした『ハリーポッター』を全然おもしろいとは感じなくて、
 一巻を途中まで読んで挫折してしまった口です。
 また、少年週間ジャンプで連載されていた『武装練金』という漫画が、
 当時のジャンプの中では一番好きだったのですが、人気投票では最下位が続いたらしく、
 打ち切りにされてしまいまいました(汗)。
 なぜ、『武装練金』を打ち切りにするのか!? と、憤慨したモノです。
 
 人の好みや価値観は、十人十色で全員違います。

 どんな人気作品にも、アンチファンレターが来ることがあるし、
 どんなマイナー作品でも、ファンがいるものです。

 他人と好みが違う=感性が鈍い、とは言えないでしょう。
 
 そもそも無理に他人の好みや、世間の流れに合わせようとすることこそ、
 感性を鈍らせてしまうのでは? と危惧します。
 というのも、ベストセラーが商業戦略的意図を持って作られる場合があるからです。

 ある本が売れていると話題になると、 
 それだけで、それは良いものだと判断して多くの人が買います。
 そのため、売る側は「50万部突破!」とか「たちまち20刷」などという宣伝文句を、
 本の帯に付けたりして、いかにも本が売れているようにアピールします。
 これは大衆に流されやすい日本人の性質を突いた戦略です。
 これで本の売れ行きが好調になると、それを煽るための広告がさらに多く出され、
 その絡みで、テレビやゲーム、CDなどとマルチメディア展開するようになり、
 ヒットが巨大化していきます。 
 ある作品が売れるとわかると、メディアはそれを徹底的に煽ろうとするものです。
 このため質的には並くらいの作品がヒットしてしまう場合があります。

 人気作品を手にとって、これはおまりおもしろくないと感じることは、
 感性が鈍いのではなく、逆に鋭いと言える可能性もあるのです。
 これはおもしろい、人気があるという先入観に流されていないわけですからね。

 もちろん、ベストセラーには、良いモノがたくさんありますし、
 例にあげた作品をけなす意図はありませんので、ご注意を(汗)。
 作品を読んで自分が感じたこと、それこそれが自分にとっての真実であり、
 それに否を唱えてしまっては、逆に作品を見る目が曇ると思います。


DoZunさんの意見
 売れている、あるいは人気のある作品を面白いと思えないからといって、
 気にする必要はないのではないでしょうか。
 その作品を面白いと思うのは、ジダマさんではなく、別の誰かでしかありません。
 単に多くの他人が面白いと思った作品でしかないのですから、
 ジダマさんがそれを面白いと思えずとも気に病む必要はありません。
 
 人の好みは十人十色、感性は人それぞれなのですから。
 ある人が第絶賛した作品をまたある人はつまらないと思うなんてことは、よくあることです。


 ジダマさんが小説家を目指しているのであれば、
 これまでに何かしら感銘を受けた小説や感動した小説を読んだ経験があるのではないでしょうか。
 他の人と好みが多少違ったからといって、気にする必要はありませんよ。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。オイラなりの答えを残します。
 まず、オイラは恋愛物が好きではないです(w
 読んでいてイライラしますw
 でも、面白い作品は、それを越えて面白い(オイラの趣味に合うのは少ないですが……)。
 ただし、これはオイラの個人的な感性のお話。

 キノの旅は読んだ事はありませんが、アニメになったりゲーム化したりと、
 人気があるんだろうなぁと言う事は知ってます。

 でも、これが面白いかは別問題。
 そんなのは人によって違うでしょう。


 オイラは屁理屈の野郎なので、順序立てて筋道の通るものばかりが好みです。
 SFに傾倒してますし。

 で、恋愛物とか感情が優先され、多少周囲に迷惑かけても自己を貫いてラブラブ……
 心情は理解できるんですが、拒絶反応でます!w

 世界中に読者が居て絶賛と言われているハーレクィーンのシリーズなんざ、
 読んでもないですがオイラには拷問でしょうw

 世間様の最大公約数が面白いと言っても、オイラにはそうは感じない。
 つまりそう言う事で、そんな事は気にしなくても良いと思います。
 (でも、世間のニーズを調査するにはいいかも)

 まあ、よくある話ですよ。
 超がつくほど有名な横溝正史先生の金田一耕助シリーズですら、
 今の人が読めば文体が読み辛く、延々「」が続く作風に疲れてしまうであろう事は、
 容易に想像できます。ああ、角川の映画は偉大だった…

 なんか、大分脱線しました。すみません。
 ではでは。


みつきさんの意見
 ジダマさん、こんにちは。
 世間で評判の作品が、自分にとってはそんなには面白くないってこと、私にもよくありますよ。
 だからと言うわけではありませんが(笑)、

 才能や感性が乏しいということとは関係がないと思います。
 
 ただ、他の人たちとはちょっと違うものが好きなんだ、というだけ。
 もしくは、自分の『好き』がとてもハッキリしていて、
 そこからブレてしまうと面白いと思えなくなるだけ、なのではないでしょうか。 
 
 人とちょっと違う、ということは、実はとても大事なことだと私は思います。

 また、好きだと感じるものについてのポイントがはっきりしているということも、
 ものを作る人としてとても良いことですよね。

 人と同じものしか好きになれない人、
 自分の好きだと思うもののポイントがきちんと絞れていない人というのは、
 小説に限らずなんですが、物を作るときにどうしても既存の作品の真似ばかりしてしまったり、
 周りから入ってくる意見や情報に振り回されがちになってしまうんです。
 その結果、自分が何を書きたいのか分からない、
 何を書けば面白いと言ってもらえるのか分からない、いくら書いても先が見えない、
 これ以上書いても無駄だとしか思えない、もう疲れた……と言って手を止め、
 それっきりになってしまうんですよね。

 ですから、どうやら自分は人とはちょっと違うものが好きらしい、
 人が面白いと言うものがあんまり面白く感じられない、というのは、
 実はすごいチャンスが自分の側に来ているよ、という合図だと思うんです。
 
 『じゃあ自分は一体何が好きで、どんなことを面白いと感じるのか?』を深く考え、
 見極めるための足掛かりになります。
 その結果、自分の『好き』『面白い』『これが書きたいんだ』と感じるポイントが
 はっきりと自覚できれば、既存の人気作品をただ模倣するのではなく、きちんと分析・分解し、
 その中の自分の感性にヒットする部分だけを取り出して、
 自作品に上手く組み込んだりすることも出来るようになったりします。
 これはもう、一石二鳥というわけですね。

 なので、人とは違う視点や考えや感性や嗜好をもつ自分がいると感じたら、
 どうぞ、それを大事にしてくださいね。

 
 それはきっと、他の誰にも書けない作品を作り出す『あなた』なんだと思いますよ。
 それではこれにて。


鈴忌さんの意見
 こんにちは、鈴忌です。

 こういう言い方をするとアレですが、商品としての小説が「売れる」か「売れない」かは、
 いかに「宣伝するか?」に結構かかってくる話です。


 小説に限りませんが、良い作品でも宣伝が不十分で、
 なかなか芽が出ないことは多々あります。
 逆に、大した作品でもないのに宣伝が過剰だから取り敢えず売れた、
 (でも、宣伝費を差し引くとあんまり利益が出ない?)という例もあります。
 もちろん作品に「良さ」が無ければ「宣伝」をしても浸透しにくいし、
 仮に一度売れても後が続きませんから、作品の「良さ」は必須です。
 でも、その「良さ」は決して「万人が認める良さ」である必要はありません。

 ちょっと、数字を出して計算してみましょう。

 「キノの旅」については、鈴忌は大好きです。実際に相当売れています。
 シリーズ累計400万部突破だそうです。
 でも、9巻出してたった400万部です。
 1巻毎に割れば、50万部弱に過ぎません。日本の総人口は1億2000万人ぐらいですので、
 実は「キノの旅」を「面白い」と思う人は「0.5%」すらいないということになります。
 でも、「キノの旅」は「メチャクチャ売れている」作品です。

 どういうことか分かりますか?

 100人に読ませて、1人だけ(1%)が「面白い」と言った作品であっても、
 確実に欲しがる人に届ければ「キノの旅」の倍以上の大ヒットになるということです。
 この、「欲しがる人に届ける」という作業が「宣伝」なのですが、
 まぁ、この辺りは話が逸れるので軽く流します。
 さらに、「宣伝」による「付和雷同的購買層の獲得」とか色々なものが絡みますが、
 この辺りも流します。
 
 つまり、要するに「大ヒット作品」を作りたいならば、
 「100人のうち1人でも構わないから、買ってでも読みたい」
 と思う人が出るような作品を作れば良いのです。
 ですから、自分の感性が「いわゆる主流にあるかどうか?」
 ということはあまり気にしなくて構いません。
 100人も人がいれば、1人ぐらいは同じ感性を持った人がきっといますよ。
 
 そして、その人を探すこと(宣伝)は貴方の仕事ではなく出版社の仕事です。
 貴方は、自信を持って100人の内の1人でも良いから面白いと言ってもらえる作品を書くべきです。

 自分の好みを卑下したりせず、自分が自信を持って「良い」と思える作品を書くことが、
 デビューへの近道だと思いますよ。


 あと、出版社毎に想定している読者カラーは違いますので、
 新人賞に応募する時はできるだけ自分の好みに近い
 (自分が面白いと思う作品が多い)出版社を選びましょう。
 その方が、当選する確率が高まります。
 そして、一度当選すれば、後は出版社が色々とアドバイスをくれるはずですので、
 二人三脚で頑張ればよいと思います。

 長くなりましたが、要するに自信を持って自分の好みを突っ走って下さい、ということです。

 万人に認められる作品など、あり得ないのですから
 (仮に10%の人間に認められる作品を作れば歴史に名を残せます)。
 ということで、頑張って下さい。失礼します。


観柳千磨さんの意見
 初めまして、観柳千磨という者です。以後お見知りおきを。
 ジダマさんの悩みに、僕なりのアドバイスを述べたいと思います。

 まずとても当たり前のことといえば当たり前なのですが、
 「人気作=万人にとって面白い」は大間違いであるということです。


 簡単なことです。世の中に存在する誰もがそれぞれ別々の存在であり、
 全く異なる感性や、趣味など、好きなもの嫌いなものを持っています。
 それが100%一致する人間なんかいやしません。クローンだって不可能だと僕は考えています。

 なぜならば、それぞれの人が様々な経験をし、種々の環境で育ち、
 別々の家庭で色々な人々と関わりあい、また多くの物事に触れながら思い、感じ、
 成長しながら今の「僕」や「私」があるように、ジダマさんがここにいるわけです。
 ゆえに断言できます。キノの旅でもいいですしハリーポッターでもいいですし、
 それを周りの人が面白いと感じ、話題にしているからといって、
 ジダマさんが自分は面白いとは思えないということは全く異常でもなんでもないことなのです。
 特に小説家を志しているのであれば、むしろ周りの人にそうして同調しようとしていることこそ、
 問題があるように思いますが、この話はまた後ほどに。

 一人として同じ感性を持つ者はこの世にはなく、みんなが全く別の好き嫌いを持っています。
 キノの旅はその中でたまたま多く、
 作者の作品に込めたメッセージに共感できた読者を他の作品よりも獲得できた、
 ただそれだけの話なのです。
 一億二千万人の日本人のうちほんの数万、数十万人に「人気」となっているからといって、
 それが他の九千万人以上にまで好かれるとは限らないわけなのです。
 さらに僕が見るには、その数万人の中で本当にキノの旅に同調できている人は、
 10%にも満たないでしょう。以下その理由を述べていきます。


・流行に流されやすい日本人
 なぜある作品が数十万もの人に買われ、人気作品と呼ばれるのかということです。
 これは次のクリシエで簡単に解決できるでしょう。

 すなわち「日本人は流行に流される」ということです。

 日本人という民族は基本的に周囲に合わせようとします。
 周囲の人達が話題にしていることを自分が知らなければ、
 仲間に入れてもらえないとして恐怖に陥ります。
 すなわち物事に対する価値観というものを、
 自分自身の判断の中にではなく周りの人達に頼ろうとするのです。
 基本的にこういう性格を持った民族であるからこそ、
 日本では何かが流行するとそれが一気に流行するのです。

 皆それを好きでやっているわけではないと僕は見ます。
 いえ、確かに「好き」でやってはいるでしょう。
 好き=価値があると考えるならば、しかし、
 それは「思い込まされた、思い込んだ」そういう「好き」なのです。
 
 それに価値があるのかどうか自分では判断を放棄している。
 しかし周りのみんなが素晴らしい、価値があると褒めちぎるがゆえに、
 自分でもそれに価値があると思えてくる。
 さらには周囲のその輪に入りたいと思う心理が働き、自分もそこに入っていってしまうのです。
 
 今のジダマさんの心理状態はまさにそれであると僕は見ます。
 小説家を目指す分、いわゆる有名、とか人気、とか言われている作品が、
 どうしても気になってしまうのでしょう。
 しかし、自分自身の小説家になるための修行という意味で気になるならまだしも、
 みんながそれを素晴らしいと思っている、だから自分もそれを素晴らしいと思わなくては、
 自分は素晴らしい作品を作る能力はない、というのは明らかに早まった三段論法です。

 とにかくここでまず言っておきたいのは、本来何が価値のあるもので価値の無いものか、
 つまり何が好きで何が嫌いなのかは、全くもって各人の自由意志の元にある事象であるのだ、
 ということです。

 小説家を目指すのであれば心して聞いてください。決して価値の決定という重要事項を、
 大衆という存在の中に委ねてしまわないこと。これが大前提です。

 話は戻ります。ぶっちゃけて言えば僕だって、
 キノが心の琴線に触れるほどの感動を自分に与えたか、といえば答えは、はっきりとNOです。
 おもしろいとは思います。けれどもそれだけなのです。
 時代時代の要求にも応えるという「天運」をも得て、
 人気作というのは往々にして誕生するものなのだと思っています。
 

・流す存在たるマスメディア
 そもそも「人気」というのは、なにをもってそういうのでしょうか。
 買っている人の数でしょうか、自らは書いてもいないくせに、
 いい加減なことを並べ立てるに過ぎない批評家がべた褒めしていることでしょうか。
 僕は違うと思います。ここからは大いに僕の偏見が入ってしまうかもしれませんが、
 それでも物事の一つの面は示しているつもりなので、ご了承ください。

 それはマスメディアなのです。

 どんな優れた良作があろうとも、それが何らかの媒体によって世に宣伝されない限り、
 誰も知ることはありません。
 逆に言えば、あまりにもひどい内容でさえなければ、何らかの媒体が世に宣伝すれば、
 誰にでも知られることが可能となるからです。
 
 そういう意味で言えば、マスメディアとはまさに流されやすい日本人を流す存在、
 すなわち価値観を押し付ける存在であるのだと僕は見ているのです。
 自らの力では何を好い、何を嫌うかが判断できなくなった多くの日本人は、
 マスメディアにその判断を頼っているのです。もちろんその判断をできる人は存在します。
 ですが、僕が見るに今の社会はこの90%の人達で溢れているのです。

 マスメディアによって「面白い」と吹き込まれ、
 マスメディアが宣伝しているということはそれは誰もが知ってて当たり前の情報と化し、
 すなわち自分もそのことを知らねばという恐怖に陥る、そういう循環があるように感じられます。
 そういう意味で言えば、電撃文庫だってマスメディアの一つなんです。
 ここが、何百という本の中からキノを取り上げて読者全体にこれはすごいんだぞ、
 と大号令をかければ、ほとんどの日本人は流されてしまうでしょう。いとも容易く。
 マスメディアにしてみれば、まとまった売上金が得られる。それだけの話なのです。


 以上の二項を通して僕が伝えたかったのは、
 結局のところそういう心配をすること事態が杞憂であるのだということです。
 例えマスメディアが存在せず、何万ものキノファンがジダマさんのところに押し寄せて、
 これは面白いんだぞ! と喚き散らしたとてなんのことがありましょうか。
 確かに道徳とか倫理とかの事柄はある程度皆共通の認識を持つ必要はありますが、
 個人の信念や心の問題、この場合で言えば「好き嫌い」は、
 はっきり言って他者に強制されるものでも、できるものでもないんです。
 
 そういう意味で、「みんなは面白いと言っているけど、俺にはそうは思えない」
 という気持ちをなくしてはいけない、とアドバイスします。
 

アトベさんの意見
 どうもです。ジダマさん。

 人気作品をおもしろいと感じないのは、自分の価値観と合わないからだと自分は考えます。
 
 価値観は人それぞれです。例えば、野球をずっとやっていたBB(ベースボールボーイ)と、
 バイオリンをずっとやっていたBG(バイオリンガール)がいたとします。
 2人はまったく違う人生を歩んでいます。
 その2人がまったく同じ小説、ここでは音楽をテーマにした小説を読んだとします。

 BBはきっと読むのを止めるでしょう。
 BGはきっと最後まで読むでしょう。

 極論ですがジダマさんが陥っている状態とはこれと同じことだと思います。
 人生が違うのはごく自然なことです。価値観が違うのもごく自然なことです。

 次に『才能や感性が乏しい』と不安になっているようですが、自分から言わせれば
 『悩んでいる暇があれば何か書け! 何か読め!』です。


 小説とは一種の自己表現です。
 自分の考えていることを一人でも多くの人に共感して欲しいから、
 物語を書いているのではないのですか?
 自分らがすることは自分の書きたい物語にありったけの思いを注ぐだけです。
 売れている物語が気になる? 冗談ポイです。
 率直に言いますと売れ線狙いの文章なんか書く必要はありません。
 自分の紡ぎたい物語を書くべきです。
 結果として最高になります。

 売れ線狙ったって上辺だけの文章になるのがオチです。
 それでは小説を書く意義が損なわれてしまいます。

 小説家というのは『なる』ではなく『なった』であると自分は考えます。
 金勘定(職)を考えて『なる』作家ではなく、
 本(内容)を考えて『なった』作家が大成した作家ではないのでしょうか?

 もし、現在の自分に自信がないのなら『一つでも多く本を読み、一つでも多く文を書いてください』
 それが結果として自信となります。

 自分からはこんなところです。


みみながさんの意見
 こんばんは。
 人気のある作品を面白いと感じない、ということですが、不安に思うことは何もないと思います。
 ちなみに私は「セカチュー」のどこがいいのかさっぱり分かりませんでした。
 人はそれぞれ向き不向きや、好みというものがあると思います。

 「キノ」はジダマさんの好みではなかっただけではないでしょうか。
 好みでないものを面白いと思えなかっただけで、才能や感性が乏しいとは言えないでしょう。
 たったひとつの本で自信をなくすこともないと思いますよ。
 人気本なんてたくさんあります。その中のひとつ(いくつか)じゃないですか。
 私なんか「キノ」は読んでもいませんよ。
 アニメ化にもなった人気の「十二国記」だって読んでいません。 
 機会があれば読むかもしれませんけど。

 時間というものは限りがあります。
 好みの本をたくさん読みましょうよ。そして自分好みの話を書きましょう。
 それが小説家への道ではないでしょうか。

 偉そうにすみません


竜宮城さんの意見
 はじめまして、竜宮城と申すものです。
 以後、お見知りおきを。

 早速ですが、人気作が自分に合わないというのはチャンスだと思います。
 人気作といえど万人受けはありえません。

 作家の中には、おもしろい小説が無いので自分で書いたという人も多くいます。

 すでにある作品は自分の口に合わない! ならば、作ろう! というわけです。
 これは作品を生み出すうえでの大きな原動力となると思います。
 まぁ、書きたいことに目が行き過ぎるという事態もありえますが。
 なので、自分の感性を信じ進むしかないかと。
 私に言えるのはこれくらいです。
 お役に立てれば幸いです。
 竜宮城でした。


にら藤真さんの意見
 どうもです、いつも質問してばかりで心苦しいので、
 たまには無い知恵絞って答える側に回ってみたいと思います。
 とは言っても、自分も大体他の方と同じ意見です。ですのでその辺は割愛し、違う視点から一つ。

 確かに、一般的に面白いとされている作品を、
 自分が面白がらなければいけない理由はありません。

 ですが、「何故その作品は人気なのか?」というのは、考える必要があるります。

 流行を掴めと言っているわけではありません。
 どういう部分が人々を魅了しているのか、
 どんな要素が「面白い作品」になり得るのかということは考察すべきだと思うのです。
 
 例えば自分もキノの旅は大好きなんですが。
 どこが面白いのかと訊かれると、ジダマさんが仰ったようなユニークな考え方、
 旅の臨場感、様々な人々の物語に見える哀愁や皮肉など、
 ある程度は挙げることができます(あまり説明できてない気もしますが…)。
 
 次に、人気だけれど個人的には面白くない、という作品。
 ここではみみながさんが言及しているセカチューを例に使わせていただきます。
 自分はこの作品、好きじゃありません。
 猫の盛りさんの意見に激しく同意で、イライラしてきます(ファンの方ごめんなさい)。
 ですが、恋人を想う気持ちや、それが過去のこととして語られている切なさ、
 というのは、確かに魅力になり得るだろうとも思います。
 
 自分の場合、人気だけど嫌い、という作品は、
 ほとんど「こういうところが面白いってことなんだろうけど自分の好みじゃない」
 「こんな点は良いが他の要素が嫌過ぎる」といった感じです。

 
 何が面白いか、何が面白くないか。それを把握するのは重要です。
 何故なら、自分が小説を書くときに、
 自分の作品の「面白くなり得る要素」を理解することによって、
 より魅力的に書き上げることが出来るからです。
 今度の作品で、自分はこうこうこんな部分を武器にして書いていきたい。
 そのためにはどんなことが必要か。舞台は、設定は、登場人物は……。
 「面白くなり得る要素」はもちろん自分の好みで構いません。
 理解することによって、作品はより自分が面白いと思うものに変わっていくはずです。
 
 まあ、どうしても「何が面白いのか分からない」という作品はあると思います。
 恐らくそれは、考察段階で既に、作品の感性が自分とズレているということでしょう。
 自分が列挙したキノの旅の魅力にしても、
 何故「旅の臨場感」なんてものが魅力になり得るのか、全く分からないという人は多いでしょう。
 それはもう、他の方が何度も仰っているように気にする必要はありません。
 感性は数値化できないものです。方向性の違いというのはどうしてもありますので。
 
 自分の考え方には否定的な人も多いと思います。
 特に、感覚で小説を書いてらっしゃる方には全く受け付けない理論でしょう。
 ですが、どちらかというと理詰めで書いてる、という人には少しは参考になるかと。
 あまりとらわれず、一つの作品を読んでみたら軽く考察してみる、という程度で良いと思います。
 駄文失礼。これからも頑張ってください。


善壱さんの意見
 ジダマさんはじめまして。
 ここに顔を出すのは久しぶりの善壱です。新しい掲示板になっていてびっくりしました。

 さて本題です。
 すでにみなさんが言っているように、感性は千差万別、十人十色です。
 別に人気作品が面白くないと感じていても、どってことないと思います。
 自分だって「キノの旅」読んでません。

 人よりズレた感性というのは、逆にすばらしいことだと思います。

 夜空にポンと浮かんだ満月みたいなものです。
 周りの色に侵されてませんから、自己を主張しまくっています。乏しいなんてとんでもない!

 自分は小説でも漫画でも、他より遠く外れているものにとても魅力を感じます。
 マニアックだと言われるかもしれませんが、天才より奇才が好きなんです。
 偉人より変人……じゃない奇人(どっちも同じ?)です。

 そして、みんなと同じような感性で同じようなものを書くよりも、
 まったく違う感性でまったく違うものを書くことこそ、作家の望み、なんじゃないかと思います。


 的外れな意見かもしれませんが、勘弁ください。m(_ _)m
 それでは。


馬野鹿麻呂さんの意見
 はじめまして。馬野鹿麻呂と申します。以後、よろしくお願いします。
 では、早速。

 小説は芸術なので、そういうことはあって当然です。

 たとえば、私はクラシックマニアで、
 「第一主題と第二主題がはっきりしていて見事なソナタ形式だ!」とかいっているのですが、
 普通、みなさんわかりませんよね。

 反対に、私はポップスのわからない人間で、
 「良い歌詞と良い曲があったらいいんだよ?」と友達が言ってるのに愕然としました。
 歌詞にあった曲想じゃなきゃだめだろ?!とか思ったのですが、友達はピンとこなかったそうです。

 このように、同じ音楽でも人が違えば感じ方は違います。ということは小説も同じことです。
 「こういう淡々とした書き方がいいんだろ?!」
 「いや・・・ちゃんと表情はつけたほうがいいだろ」云々。
 同じ作品でも二人の人間がいればこんな風に感じ方が変わります。
 「キノの旅」があなたに合わなかったという問題です。何ら気にすることはありません。
 それよりも、「ユニークな考え方だなぁ」と思ったら、
 そこを見習って、自分の糧にしたほうがいいです。
 「俺はこういう書き方でいくんだっ!」と決めたら、文体にも個性が出るかも知れませんしね。
 では。


スナドリさんの意見
 スナドリです。
 もはや他の人と同意見になってしまいますが、気にする必要はありません。
 それならば世界的に売れている『ハリーポッタ』シリーズがまったく肌に合わない人は、
 感性がない人になってしまいます。
 実際自分も魔法少女ではなく魔法少年とは当時としては珍しいと思いますが、
 話はまったく面白くないと思っています。
 母親がなぜあんなに気に入っているのか分からないです(ファンに人ごめんなさい)。
 
 100人が100人面白いと言う作品などできやしません。
 むしろ1000人が1000人面白いと言ったら、これは不気味です。洗脳されているのかと疑います。


 小説に限らず、ゲームでも、芸能人でも好みは千差万別です。
 苺が嫌いな人は味覚がおかしいなどという人はいませんよね。
 それと同じだと考えていいと思います。
 変に極論を言ってしまいましたが、参考になれば幸いです。


フェアリーさんの意見
 それは気にする必要がないことだと思います。
 ピカソの絵・岡本太郎の絵なんていい例です。
 私はなぜか岡本太郎の絵は好きなんですが、
 「あれが好きじゃないお前は芸術を見る目が無い」なんて誰 も言えません。

 さらに言うならば、私は韓国の料理は辛すぎて食べられない料理が多いです。
 脂っこい料理が駄目な人はアメリカの料理は口に合いません。
 同じ日本に暮らしていても辛党・甘党はいくらでもいます。

 「人気スイーツをおいしいと感じないのは私の舌が貧相だから?」
 とい う質問には「好みです」としか答えようがありません。

 
 『好きこそものの上手なれ』というように、好きなタイプの小説を出すほうが、
 自分の才能を発揮できると思います。



コロナさんの意見
 こんにちは、コロナと申します。

 いきなり結論を言ってしまいますが、
 人気作品を面白く読めない=感性がないというのはちょっと違うと思います。
 
 感性が「ない」のではなく、感性が「違う」だけの話。

 ただ、私もその不安はよく分かります。
 私も人気作品だからということで薦められて読んだ小説や漫画がなかなかツボに入らず、
 私って変なのかな…? とか思って悩んだりしました。

 具体的に言えば小説ならシャナ、漫画ならワンピースやリボーンなど。
 後はケータイ小説って一時期すごい人気出ましたよね。
 私はあれは全く理解できませんでした(笑

 でも、同じジャンプの人気作の中でもDグレイマンなんかは大好きですし(他誌に飛ばされちゃいましたが)つい最近(2011年7月)大人気になったアニメ「まどか☆マギガ」もDVDを買ってしまうほどのファンです。

 要するに、ジダマさんは「人気作」を好きになれないわけではなく、
 「たまたま読んだ人気作が自分の色に合わなかっただけ」なのだと思うのです
 ですから、そこまで気にする必要はないのではないでしょうか

 ただしヒットしたということは、その作品に「人気になる理由」がある程度あるということですから、
 それを探るということはやはり必要なことだと思います

 あと、一度「人気作品は肌に合わない」と感じてしまうと人気作品を自分から突き放してしまう人がたまにいます。
 ジダマさんは、人気作を手に取るとき、先入観をもって読んでしまっていませんか?
 
 自分が意識していないだけで、もしかしたらそういうフィルターを通して作品を見てしまっているかもしれませんよ。

 もしそうでないなら大丈夫。
 人気になった作品の中にも、ジダマさんの気に入るものは絶対に出てくると思います。

 長々と偉そうに失礼いたしました。


ひろっさんの意見 2013/03/27
 結局のところ、どんなに人気がある作品でも、100%の人気なんてありえないんです。
 時代、土地、宗教など、価値観によって評価が真逆になってしまうことも少なくありません。
 そんな中で、作者、というよりも編集者ですが、「これは10%程度の人々にはウケる」と評価したものを出版します。
 
 ミリオンセラーが大ヒットの条件なら、日本の人口の10%以下しか読んでいないことになるんですからね。

 そして重要なことですが、それらを出版した編集者達も、他の人よりもちょっとだけ流行を知っているだけなんですよ。
 従って、彼らが評価するものにも、当たり外れがあります。

 中には、編集者達と感性が違っていて、すべて外れになってしまう人もいます。
 ただ、編集者達が求める感性と違ったからといって、それは精々30%の人々と感性が合わないという事に過ぎません。

 逆に私は、画一化されつつあるラノベの世界には、あなたのような違った感性の持ち主こそが必要だと考えています。
 残りの70%の開拓、是非とも挑戦してみてください。
 期待しています。

 それではこの辺で。
 何かの参考になれば幸いです。

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