第4研究室 創作に関するQ&A 76P | トップへ戻る |
アラタさんからの質問  
 プロによる有料の批評を受けるべき?
 
 こんにちは。
 初めましての方も、こんにちは。アラタと申します。

 さて。某新人文学賞の下読みさんが、
 賞に応募する前の原稿を前読みしてくれるというHPを見つけました。
 メールで原稿を送ると、ストーリー内容や、構成、舞台・人物の設定等の評価やアドバイス、
 文章のチェックなどをしてくれるというもの。

 でも、金額を見てびっくり。
 原稿用紙四百枚まで、七千円。(ちなみに百八十枚までは五千円でした)
 質の良いダメ出しをしてもらえるなら、一度は依頼してみたいんですが……
 これって安いんでしょうか、高いんでしょうか。

 作品をweb上で発表して評価を頂く、という方法がお金がかからず一番なのですが、
 未発表作品に限る、とされている新人賞に関しては利用できないですよね?

 みなさんは書き上げた原稿のアドバイスが欲しい時、どうされていますか。
 わたしは友人たちに読んでもらっているのですが、
 素人さんなので鋭いダメ出しはしてもらえません。

 上記のような下読みさんに依頼するのは、アリでしょうか?
 どなたかご意見聞かせてください。お願いします!


● 答え ●
 
 個人的な意見ですが、7000円も払って、
 どこの誰とも知れぬ人に批評を依頼するべきではないと思います。

 
 ここでちょっと、イギリスの首相チャーチルのお話をします。
 チャーチルは絵を描くのが趣味で、かなりの腕前だったそうです。
 ある時、彼は絵画コンクールに審査員として出席しました。
 その審査員の1人に、まったく絵画の経験が無い素人の青年がいました。
 その青年に悪く批評された上流階級の画家は、
「お前は素人のクセになぜ審査員などしているのだ? お前に審査員の資格など無い!」
 と怒ったそうです。
 すると、チャーチルはその画家をたしなめてこう言いました。

「我々は卵を産んだことはないが、その卵が腐っているかいないかは、ちゃんと判別できる。
 同様に、絵画の経験の有無など審査員の資格には関係ないんだよ」


 この逸話が示すように、芸術の経験の有無やその腕前など、
 批評する立場の人間にはまったく関係がありません。

 むしろ、素人のほうが事の真贋を正確に見抜くこともあるのです。

 そもそも小説とは一般の人を楽しませるのが目的であり、
 新人賞の下読み編集者に受けても、一般の人に支持されなければ売れないわけで、
 まったく意味がありません(汗)。
 
 家族、友人、恋人といった身近な人に作品の批評をお願いしましょう。
 そうすれば、無料で有意義な意見が集まります。
 また、新人賞の中にはインターネット上で発表した作品を、
 未発表作品として扱ってくれる所もありますので、事前にご自分で十分に調べた上、
 当サイトのような投稿サイトに作品を送って、批評を頼むのもよろしいかと思います。

 あと、インターネット上の情報を、軽々しく信用しない方が良いです。
 インターネットでは、たやすく自分の身分、経歴、年齢、性別を偽ることができます。
 そこのサイトの管理人さんが、本当に新人賞の下読み編集者なのかはわかりません。
 もしかすると、お客を集めるために嘘を言っている可能性もあります。

 ネットでお金をだまし取られた場合、お金が返ってくることはほとんどありません。

 最低でも「特定商取引に関する法律に基づく表記」があるかは、確認してください。
 インターネットで通信販売を行う事業者には、
 特定商取引に関する法律に基づく種々の表示を行うことが義務づけられています。
 表示すべきなのは、販売価格、送料・代金の支払時期、および方法、
 商品・サービス等の引き渡し時期、および返品の可否と条件、
 販売事業者名、同住所、同電話番号、同代表責任者氏名です。
 これが無いようなお店やサービスは信用すべきではありません。

 また、NPOのボランティア団体の中には、月額2000円で小説講座を開いているところもあります。
 私もスタッフとして参加したことがあるのですが、
 そこでは複数のスタッフや同じ参加者から批評がもらえます。
 こういったところと比べると、やっぱり一回の批評で7000円は高いですね。
 有料サービスを利用する際は、よく調べて、なるべく良心的なところ、信用できそうなところ、
 実績のあるところを選ぶべきだと思います。 


ゆゆさんの意見
・料金設定が高額で、根拠が明記されていない
・「下読みをしていた」と言っているだけで経歴を裏付ける証拠はゼロ
・返金不可。不満やトラブルがあってもお金は返してもらえない。
・プライバシーポリシーが不明で、特定商取引法に基づく表示がない。

 以上のことが不安です。
 もちろんインチキや詐欺と断定するつもりは毛頭ありません。

 しかし親や友人、趣味仲間だって小説を購入し、購読する批評者です。
 高額の金を出す前に、周囲の人に作品を読んでもらってからでも遅くないと思います。

 かの「下読みの鉄人」さんのHPにはこんな言葉もあります。

『特にエンターテインメント系の作品については、誰が読んでも面白いものは面白い、
 誰が読んでもつまらないものはつまらない、というのが非常にはっきりとしているものなので、
 少なくとも、大賞候補になるような作品が一次選考で落とされてしまう
 などということは、絶対にありませんから、安心して応募してください』


鈴忌さんの意見
 こんばんわ、鈴忌です。

> でも、金額を見てびっくり。
> 原稿用紙四百枚まで、七千円。


 けっこう、取りますね……。高いか安いかは作者さんの感覚次第ですし、
 批評の質にもよると思うのですが、
 一般の下読みさんが出版社から受け取る報酬よりは高そうです。
 (まぁ、それは当たり前なのですが……)

> 作品をweb上で発表して評価を頂く、という方法が お金がかからず一番なのですが、
> 未発表作品に限るとされている新人賞に関しては利用できないですよね?


 最近ではWeb発表は「未発表として扱う」というのが一般的みたいですよ。
 (中には明確にWeb発表済みは禁止と書いてあるところがあるので、それは除きますが)


 特に電撃大賞とかだと「営利を目的としない個人サイトでの掲載は未発表とみなして受けつける」
 と明記していたりしますのでより安心できます(2006年現在)。
 なので、絶対とは言えませんがWeb上での発表は、
 それほど神経質にならなくても良いのではないでしょうかね?

 ただ、自サイトを立ち上げての作品掲載だと「褒め言葉」しかもらえないのが普通です。

 理由はいくつかありますが、

1,作品を気に入った方しか感想を書かない。
  (気に入らない人は、わざわざ批評を書いてくれない)

2,ネチケット関連でオブラートに包んだ意見が多め。
  (サイトで辛口希望とか書いても、効果は薄い……)

 あたりが主な理由でしょうかね。実際、鈴忌も自サイトを持っていますが、
 そちらでは基本的に「絶賛」以外の意見はほぼ見たことがないです(苦笑)。
 まぁ、それはそれで執筆の励みになって凄く有り難いんですけどね。

> みなさんは書き上げた原稿のアドバイスが欲しい時、
> どうされていますか。


 鈴忌はこの「ライトノベル作法研究所」の「第五研究室」を利用させて頂いております。
 現在掲載中ですので、お暇があれば辛口批評を頂けると嬉しいです(と、さりげに宣伝して……)。

 ここの「第五研究室」はズバリ「新人賞に応募したら?」を想定して批評し合う場ですし、
 既に歴史があるのでネチケット等に負けないできちんとした批評を頂くことができます。
 批評をもらえるかどうかは運次第ですが、「第五研究室」に掲載されれば、
 少なくても管理人のうっぴー様からは批評を頂くことができます。
 それに、ここ3ヶ月ぐらいを見る限り2〜3人は批評をして下さっているように思いますよ。

 むろん、例の下読みさんと違って素人視点なので参考になるレベルは違うかもしれませんが、
 鈴忌の個人的にな意見をいわせて頂くと「とても役に立ちます!」という感じです。
 自分では相当気を付けたつもりで、
 しかし見えていなかった点が次々に浮き彫りになり勉強になりました。

 あと、邪道な方法ですが大学生でしたら、
 文学部の教授にすりよってお願いしちゃうという手もあります。


 実際に、小説家として活動していたり、横の繋がりがあったりするので便利ですよ。
 鈴忌の先輩はこの方法を繰り返して、新人賞を通過せずにラノベデビューしました。
(知名度やバックアップ体制など、新人賞の方が有利ですが)


> 上記のような下読みさんに依頼するのは、アリでしょうか?

 ゴメンなさい。何ともいえません。
 最悪、費用を丸ごとどぶに捨てる覚悟で挑戦しないとダメだと思います。
 でも、もし挑戦されるならどんな結果になったかの顛末を、
 こちらの掲示板で教えて頂けると後続の参考になります。

 ということで、頑張って下さい。


アゲインさんの意見
 まあ、信じる信じないはアラタさんの思うままにですね
 妥当なようで、高いようで……(値段が)
 とにかくアラタさんが試してみたいなら試してみてはいかがですか?
 まあ、お金に余裕があるなら、
 適当に描いた作品を一度送ってみるというのも1つの手ではありますがね。


> みなさんは書き上げた原稿のアドバイスが欲しい時、どうされていますか。
 わたしは友人たちに読んでもらっているのですが、
 素人さんなので鋭いダメ出しはしてもらえません。


 これについては、鋭いダメ出しがもらえないとも限りません。
 いや、鋭いダメ出しの方が多いですね。僕の場合は。
 何故なら、その友人は本を読む事が好きなのですから。
 まあ、ある程度本を読む人ならどんな友人でも良いのではないでしょうか?

 結局、読むのは顔も名前も知らない他人な訳ですから、
 友人たちも、そういう視点で読んでくれます。
 読者の代表として、意見をしっかり言ってくれるでしょう。


 そういった友人からの指摘は、とても鋭いところを突いてくれるはずです
 言い方が柔らかいというのが、鋭い指摘でないというように思ってしまう原因かもしれませんが、
 読んでもらっての感想は、きっと「元編集者」の方よりも参考になるのではないでしょうか?

 長くなってスイマセン。でも、最後に1つ。

 友人に読んでもらう場合、最初の1ページだけ読ませると良いでしょう。
 そこで、続きが読みたいかどうかを質問します。


 小説の良し悪しは出だしで決まるとよく言われますからね
 「別に、これだったら俺は買って損したって思うかも」
 などと言われたら、再度編集してみましょう

 長くなりましたが以上です。


無用斎さんの意見
 本当にいい意見がいただけるのなら、その料金設定は、決して高いとは思いません。
 ただ、その下読みさんが本当に信用できるのかどうか、という問題がありますが……。

> 素人さんなので鋭いダメ出しはしてもらえません。
 
 そりゃプロの意見は、参考になると思います。なにせプロですから。
 でも、プロの意見ばかり絶対視されるのは問題かと……
 だって、小説を買うのは素人なのですから。

 読んで批評してくれる友人がいるのなら、それで十分ですよ。


優奈さんの意見
 初めまして。
 お金をかけるのはやめた方がいいと思います。もしかしたらだましかもですし…。
 web上に公開しても一応は未発表らしいですよ^^
 同人誌も同じだそうです。某HPに書いてありました。
 ただ、公式な本とかになっているものは駄目だそうです(当たり前だ)。

 なんだったら、ここの人の誰かにメールで送って批評してもらうのもアリではないでしょうか?
 あとは、経験豊富な家族とか。妹や弟は無理かもですけど。

 家族ならば、恥ずかしいですけど的確な言葉をもらうことができると思います。

 それでは。意見が被ってたらすみません。


むらちゃんさんの意見
 知っているかもしれませんが、MF文庫Jライトノベル新人賞では、
 下読みさんが設定やキャラクターなどの各項目をチェックして、総評もいただけます。
 よかったら試して見てはいかがでしょう?(2006年現在)。


猫の盛りさんの意見
 通りすがりの野良猫です。
 オイラなりの答えを残します。
 高いか安いのか、オイラには判りません。

 が、1つ確かな事は、この下読みさんに100点満点言う事なしの太鼓判を頂いても、
 新人賞を取れる保証はないと言う事です。

 批評というのは、絶対的に言える事ですが、完全な中立はあり得ませんから。
 どのような立場の人でも、読み手なら好みがあります。

 実際に賞を決める最終選考の場合でも、
 複数人の偉い人達が読んでその中で話し合いで決まるはずです。
 当然、気に入ってべた褒めしてくれる人もあれば、
 些細な点が気になってダメだしする人もいるでしょう。

 どんな読み手の言葉でも褒めてくれた点は、伸ばすべきです。
 それはその作品内で読み手に好印象を与えた部分であり、
 作品内でも特に目を引いた部分であるからです。
 また、半ば難癖めいていても批評は謙虚に受け止めるべきです。
 それは、その作品内で悪印象を与えた部分であり、作者へのアドバイスに他ならないからです。

 でも、作者の個性や作風に関わる部分は、考慮しつつも崩してはいけないと思います。
 なぜなら、その部分こそが作品の持ち味であり、面白みであると思うのです。


 ですので、一参考意見を貰うために積極的に投資、
 あるいは勉強料をお支払いになると言うのなら、試してみるのは良いかも知れません。
 でも、一参考意見にお金を払ったからといって、
 それに従えば作品の質が一気に向上したりするとは、オイラは思いません。

 ここの鍛錬投稿室に長編なり短編なりを投稿してみるのも良いかも知れません。
 オイラ的には厳しくも愛ある回答が頂けると思っています。

 また、他の方の書き込みにもあるとおり、
 Webサイトでの掲載等は未発表として扱ってくれる賞もあるようなので、
 選考基準を事前に確認のうえ検討されてみてはいかがでしょうか?


 オイラ的にはそんな感じです。
 ではでは。


スナドリさんの意見
 スナドリです。
 そこのサイトのことは知っています。
 でも、そこのサイトを見た限り信用しないほうがいいと思います。

 第一に、個人情報を他人に預けることになるのに、
 自分の経歴や素性というものを公開していません。


 金銭の取引をするのだから、なおさら信用性が必要だと思います。

 第二に、その人は確か現役の下読みさんと書いてありました。
 もしその添削した原稿が、某新人賞の下読み原稿として自分に分配されたらどうするのですか。
 その可能性は無きにしも非ずです。下読みさんは公平さを求められるのでは。

 第三に、現役下読みさんが自分のキャリアを利用してそんな金儲けを行っていいのか。
 はたして編集部から何も言われないのか。
 普通そんなことをしていたら一発でクビになると思います。

 以上でしょうか。そのサイトを信じるも信じないも、アラタさんしだいですが、
 個人的にはお勧めしません。むしろ、このサイトに投稿して批評を受けたほうがいいと思います。

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