第4研究室 創作に関するQ&A 233P | トップへ戻る |
アヒルちゃそさんからの質問
 「面白い」とは一体なんでしょうか?
 
 こんにちは。こっちの掲示板は初めてです。
 アヒルちゃそと申します。よろしくお願いします。

 私は小説をチョクチョク投稿するんですが、
「面白みがあなたの小説には無い」
 という評価を受けてしまいました。
 そこで、私は新たな小説に面白みを持たせることを必死で考えたんですが……
 面白いとは、一体何?どんなことが、どんな状態を、面白いと呼ぶのだろう?
 そんな疑問が頭の中を埋め尽くします。
 今までの自分の作品を読み返してみると、やはり、どこが面白いんだろう?そう思います。
 それどころか、プロの方の作品だろうが、漫画だろうが、
「何が面白いんだろう?」
 面白いとは一体なんですか?もう、小説が書けない状態に陥ってしまっています。

 アイディアが浮かんで、書き出そうとしても
「成長してないと言われるのが怖い、面白くないのではないか?
 自分でどこが面白いとは言うことが出来ない」
 『面白い』を辞書で引いてみても、インターネットで調べてみても、
 小説に関する講義のページを見ても、わかりません。
 小説を書くことが、存在理由そのものである私にとって、かなり辛い状況です。
 『面白い』とは、一体なんでしょうか?


● 答え ●

嶋さんからの意見
 お初にお目にかかります。

 主人公と思想を対立する悪役がいること、
 尚且つ、悪役が主人公のサンドバッグになっていない(逆も然り)ことだと嶋は思います。


 サンドバッグ繋がりで、ボクシングを例えに使います。

1:ボクサーがシャドウボクシングをしているのを見る。
 虚空に向かって拳を打ちつづけるボクサー。
 殴るものも無く、殴られることもない。

2:ボクサーがサンドバッグに向かってパンチの練習をするのを見る。
 砂の入った袋を一心不乱に打ちつづけるボクサー。
 鎖が絡み合う音、袋を打つ低い音が響く。
 一方的に打つばかりで、逆に攻撃されることが無い。

3:ボクシングの試合を見る。
 試合のため、重ねに重ねてきた練習の日々が結果として現れる。
 対人戦ということもあり、相手の動きが分からない分
 どっちが勝つか分からない。先の読めない展開。
 技術が拙くとも”自分のモノ”を背負った人がが、ぶつかり合うのはエキサイトォォォォッ!

 とまあ、こんな感じだと思われます。
 1、2、3の中で、どれが面白いと思いますか?
 やっぱり、3でしょう。

 悪役がいなくて、主人公がホイホイ簡単に進む話
 悪役がいるにはいるが信念もなにもなく、
 主人公に圧倒されるだけの話が面白いでしょうか?


 まずは、悪役を物語に登場させるといいでしょう。


赤鬼さんからの意見
 「面白い」というものは万人に通用するものじゃないと思います。
 なのでアナタの書いた作品を「面白い」と思う人もいるでしょう。
 例えば「かぶと虫」をカッコいいと思う人もいればキモいと思う人もいるというわけです。

 決して「読者全員が面白い作品」は有り得ないと僕は思います。
 ただアナタの作品に何か「インパクト」が足りないと読んだ方は感じたのでしょう。


 現実では感じられないことだけどけど、どこか非現実的すぎない。
 読んでいる間に時間を忘れてしまったり、あたかも自分がその世界にいるように感じる。
 読み終わった後にもう一度読みたくなったりする。


 アナタが本を読んでこんなことを感じると思います。(感じ無かったらごめんなさい)


 それが面白い、あるいわ面白かったと感じるポイントだと思います。
 もう一度書いたものを読み返してみたり、誰かに読んでもらったりするといいと思います。
 (質問とは関係ないですが。)

 きっとまったく面白くないことはないはずです。


風月堂さんからの意見
 面白さをどこに求めるかによるでしょう。
 
 熱いバトル・アクションや智謀策略だけが面白さではないと思います。
 読者が面白みを感じ、求めるのは心理描写や恋愛、世界観など、様々なものがあります。


 また、「面白さ」には、求めるもの(題材)以外に、
 (テーマを超えて)話の凡庸さや共感の程度、
 描写の仕方などもあります。
(一例として、私は基本的にバトル・アクション系は好みではありませんが
 「空の境界」には面白さを感じました)

 悪役(の存在と、その)打倒だけが面白みではありません。
 悪役は、必ずしも分かり易いものであることもないでしょうし、
 また打倒すべき悪の存在が必須ともいえないでしょう。
 恋愛系・ラブコメは特にそれが顕著ですし、
 ハルヒシリーズでは対立し打倒すべき悪というのは無いように思えます。
 ボクシングの例の

>どっちが勝つか分からない。先の読めない展開。
>エキサイトォォォォッ!
 
 というのは、もちろんひとつの面白さですが、興奮だけが面白さではありません。
(私はむしろ熱血なのは苦手なくらいです)

 悪役を登場させるのは、バトル・アクション系以外にも使える方法ですが、
 (打倒すべき)悪役がいないから面白くない、とは必ずしもいえないでしょう。
 
 したがって、面白みがないと言われてしまう理由は、(悪役がいない等の)
 テーマだけでなくストーリーや内外面の描写の凡庸さなどもあるかもしれません。


 自分が面白いと思える作品の、面白いと思える理由を検討してみるのも良いと思います
(描写や世界観、心理、共感など)。


補足
 "悪役"の別の見方として、"悪役"とは"敵キャラ"に限定されず、自分の心の葛藤、
 逃げたい心などの"克服・解決すべき課題"と解釈することも可能ですが、
 『悪役が……主人公に圧倒される』という文言があったので、
 このレスでは"悪役"は"(打倒すべき)敵キャラ"と解釈して話を進めました。
 "克服・解決すべき課題"が必要という意味でなら、私は肯定します。
 物語は心理描写だけでは成り立たず、何がしかのイベント・行動が必要です。

 嶋さん、誤解や不快感がありましたら済みません。


花菱 庵さんからの意見
 初めまして、花菱と申します。

 ご自身の好きな、面白いと思った小説を参考になさっては如何でしょうか。
 どうしても行き詰まれば、試みにプロの文章を模写するのも方法の一つかも知れません。


> 『面白い』を辞書で引いてみても、インターネットで調べてみても、
 小説に関する講義のページを見ても、わかりません。

 
 知識ではない。と、思いますよ。
 面白いと思われるもの一般に言われるものを
 沢山、沢山、観たり読んだりしてみるのが良いかも知れませんね。

 それではー。


にるさんさんからの意見
・読書=新たな知識・情報を得るのが目的

 そしてそれをする事で、ある種の快感・感動を得て「あ〜!面白かった!」と感じれば、
 それがつまりは《面白い》という事に繋がるのではないでしょうか。

 作家は文章という手段を用いて、新しい情報を読者様に提供しなきゃいけねぇ訳でありんす。

『この程度の話(知識)なら既に知っとるわ!どあほう』

 …と読み手に言われちゃ元も子もないんですね。
 だから、なるべく新鮮な、新たな《擬似》体験っちゅーサービスを
 作者は提供しなきゃいけないのでゴザル。

 それで読者様を上手く騙せたらこちらの勝ち。騙せなかったら作者の力不足…
 つまり、『面白い』とはそういう事なのでは?



 情報・知識の量が作者を救う! なにるさんの戯言でした。あべし。


FIVEさんからの意見
 こんばんは。FIVEです。
 「面白い」は英語で"funny"と"interesting"
 があるってのは皆さん良く聞くor聞かされた話でしょう。
 前者は面白おかしく、後者は興味深く、という訳が当てられいますが
 今回は小説としての観点から見てみます。

前者の小説の"funny"性。
 この場合(というか私の場合)、
 面白おかしい小説に限らず楽しめるエンターテインメント小説という意味合いです。

 バトルしようが恋愛しようがタイムスリップしようが国際テロ食い止めようが色々あるでしょうが、
 全てひっくるめて読者を楽しませる目的で書いた物です。
 まぁ、ラノベの多くはこれを重視してる言えるでしょう。

後者の"intereting"性。
 これは小説を通して読者に伝える物です。
 勇気や愛や恋愛はすばらしいなどの一次的な物から、
 寓話的な物などのことです。
 キノの旅なんかはこれでいいのでしょうか。

 さて、話を戻しますがこのどちらの面白いが必要なのかはここで議論するつもりはありません。
 結論など出ないでしょうから。

 ただし、アヒルちゃそさんが今回悩んでいられる原因は、
 恐らく前者の欠如なのではないでしょうか。

 作品を拝読したわけではないので押しつけに近いですが、
 何かを伝えたいと思うばかりにプロットに縛られてはいませんか?
 文学的意義に捕らわれてバッドエンドにしすぎてはいませんか?

 何でここで蘇るんだよ? って言われたら「だって、蘇ったら嬉しいじゃん」
 と開き直る視点もたまには必要かもしれません。
 もちろんやりすぎはB級マンガになりますが。

 大切なのは調和。あなたが何が書きたいか。読者に何を感じて欲しいのか。
 楽しんでもらいたいのか、考えてもらいたいのか、感動してもらいたいのか、
 そういうことってかなり重要だと思います。


 自分の執筆が行き詰まって、こんなに長文書いてしまいましたが、
 若輩者の戯言として、軽く聞き逃してくれれば幸いです。

 それでは。


んぼさんからの意見
 とりあえず、質問文から二通りの意味を解釈しました。

 「プロ作品・自作品含め、全く面白く感じない」
 この場合、面白いもんを書くのなんか無理です。
 諦めて下さい。

 「プロ作品を面白いと思うが、何が面白さを支えているか解らない」
 この場合は救いがあります。
 レスを返していらっしゃる方の意見を(流し読み程度ですが)拝見させて頂き、
 大半が話の筋に対する回答だったように思いましたので、別の角度からいってみます。

 「最終的な」面白さを左右するのは、「演出」です。

 演出次第で、同じ内容の文章が持つ「意味」すら変えてしまうことが出来ます。
 改行・描写・台詞・単語その他諸々の選択で、面白さなど簡単に変わってしまいます。
 解りやすい例を挙げます。
 事実のみが淡々と書かれた「あらすじ」を読んで、果たして面白いと思うでしょうか?
 読んでも、そこには何の感動も、満足も無いでしょう。
 「面白いあらすじ」というのは、探せばあると思いますが、
 それは「面白くなるように演出された」あらすじです。

 決して、骨格であるシナリオレベルでの「面白さ」の追求を否定するつもりはありません。
 しかし、それはあくまで「骨格」でしかなく、後からどうにでも変えていけるものだ、ということです。
 「最終的に」と入れたのは、そのためです。

 今回の質問文のうち、

>「何が面白いんだろう?」

 の(前後も含めた)一文が、二通りの意味に取ることが出来ました。
 少なくとも文章レベルでの話になると、こういった別解は(意図的に用いる場合は別ですが)
 足を引っ張ることが多いと思います。
 ついでに。

 作者として「(これから書く)自作の、どこが面白いかを言えない」のに、面白くはなりません。
 
 喩えるなら、セールスポイントが見当たらない企画を、
 魅力溢れる製品に仕立てようとしているようなものです。
 つまり、コンセプトが無い。


 小説を書くことが存在理由なのに、その書くものにコンセプトが無いっていうのは、
 正直自分には理解し難いのですが。
 (「書くことに依存している」のを勘違いしているパターンかな)

 先ほど「演出次第でいくらでも面白くなる」と書きましたが、
 どこをどう伸ばしていくかが決まらなければ、演出なんてしようがありません。
 面白さを哲学として追っているのでなければ、
 はっきり言って他人に聞くような質問でもないと思います。


kkkさんからの意見
 まあ、「面白さ」なんて非常に感覚的・主観的な概念なので、
「あなたの小説のどこが面白いんですか?」
「もっと面白くしてください」
 という抽象的なレビューが建設的なものかどうかは疑問がありますが・・・。
 確かに掌編の間に投稿されたあなたの作品は面白さに欠けるように私も思いますね。
 友達から雑談として聞く分には面白そうですが。

 私の場合、読者として、掌編小説に求めるものは以下の2点なのですが、
・オチが意外なものであること。
・そのオチが、笑えたり、感動したり、切なかったり、怖かったり、
 何かしらの感情に訴えるものであること。


 題材が弱かったり、構成や演出が効果的でなかったりで、
 あなたの作品はこれを満たしてないように思いました。


みつきさんからの意見
 アヒルちゃそさま、こんにちは。

 『面白い』の正体は『自分が楽しむこと』、それがまず第一だと思います。
 
 自分が楽しめる最高に面白いストーリーを作るのがまず最初で、
 それを他の人にも分かるように、文章なり絵なりの形にしたものが『表現』です。
 つまりここでは『小説』ですね。

 どんなストーリーであれば自分が楽しめるか。
 どんな設定や知識、キャラがあれば面白いと感じられるか。
 まずはそこをきっちり固めて、ひとつの妥協も無く、
 本当に自分が『面白い』と思えるものを頭の中で完璧に作ることが出来れば、
 あとはそれを文章にするだけです。
 
 自分が、真っ先に『面白い』と楽しむことをオススメしますよ。

 それではこれにて、失礼させていただきますね。

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