第4研究室 創作に関するQ&A 253P | トップへ戻る |
傘華さんからの質問
 句読点の使い方
 
 はじめまして。
 小説に限った事ではないですが、自分はどこら辺で句読点をつければいいのか分かりません。
 それぞれの好みで決めるのか、ある程度決まったところに打つのかを教えてください。


● 答え ●

鈴忌さんからの意見
 こんばんわ、鈴忌です。

 句読点というか、読点の話ですよね? 句点は文章の終わりなのでさほど迷わないと思いますし。

 ということで、読点についてです。

 読点は基本的に係り受けで分かりにくい場合に打ちます。
 例えば……

例文1:美しい日本の私
例文2:美しい、日本の私
例文3:美しい日本の、私


 有名なセリフです。
 言葉として発音すると非常に曖昧になりますが、
 上記のように文章化すると例文1以外は曖昧性を排除できていることが分かると思います。
 
 ちなみに、例文2だと「美しい」のは「私」で、例文3は「美しい」のは「日本」です。
 もっとも、例文2は意味合い的に考えるとあまり良い文章ではなく、
 何か意図がない限りはより明快な「日本の美しい私」と書くべきですけどね。

 小説では、これらを使い分けます。あえて曖昧さを残したい場合は例文1みたいに使いますし、
 曖昧さを排除したい場合は例文2や例文3みたいに使います。
(例文2を使う場合は何か別の意図がありそうですが……)

 あと、もう一つ。複数の文章を繋ぐ場合も使います。

例文:ボクは買い物に行って、お肉を買ってきた。

 この文章は「ボクは買い物に行った」と「ボクはお肉を買ってきた」という二つの文章が繋がれています。
 あまり極端に長い文章は別ですが、通常は効果やリズムにあわせて適度に文章を繋いでゆきます。

 ここまでが日本語的なお話です。
(本当は文脈の変化とか、並列とか他にもありますが、
 多分それはご存じだと思いますので端折ります)

 で、次に小説的なお話です。

 文章のリズムを変えたりする場合にも読点は使います。

例文1:刀を滑らせ肉を裂き捻るように切り飛ばす。
例文2:刀を滑らせ、肉を裂き、捻るように切り飛ばす。


 例文1でも意味は曖昧じゃないですが、平坦ですよね。
 そこにリズムを付けたのが例文2です。
 もっともっと極端に十以上の語句を読点でスタッカート的に並べた表現を使う作者さんもいますが、
 まぁ、要するに演出です。
 
 敢えて例文1みたいに平坦にして流れるような演出を施す場合もあるので、
 ケースバイケースで使って下さい。

 また、会話文で独特の言い回しや抑揚の表現でも使います。

例文1:「ボクは男の子だよ。それでもいいの?」
例文2:「ボク、男の子だよ。それでもいいの?」


 えー、内容は突っ込まないで下さい。不意に浮かんだだけなので。
 で、例文1の方が日本語的には普通の表現です。
 ですが会話の抑揚や言い回し的には例文2も有りですよね?
(というか例文2の方が微妙に可愛くないですか?)
 要するに、そういうお話です(苦笑)。

 他にも演出的な使い方については、それこそ無数の手法があります。
 上げていったらきりがないほど。
 なので、この辺を参考にしつつ、あとは色々な小説から技を吸収して下さい。
 そうやっているうちに作者独特のリズムが出ると思います。

 と、まぁ、こんな感じでよろしいでしょうか?
 一部抜粋的な話しですが、何かの役に立てば幸いです。


鍵さんからの意見
 ハウツー本によれば『文の意味を読み手に理解してもらえるように打て』だそうです。
 例えば、↓               

1.俺はまだ街の中にいた。血と汗にまみれ、折れ曲がった鉄パイプを握りしめて。
2.俺はまだ街の中にいた。血と汗にまみれ折れ曲がった鉄パイプを握りしめて。


 ……さて、説明ですが。1の文は『俺』が血と汗にま みれているように読めます。
 しかし2の文は『鉄パイプ』が血と汗にまみれているように読めます。
 私はこんな感じで使っています。以上、解りにくい例えと長文失礼しました。


鈴木有海さんからの意見
 『日本語の作文技術』 本多 勝一著作

 文芸より実用文向けですが、ロジカルで参考になると思うのでどうぞ。
 うち 近所の狭い本屋にも並んでたので簡単に入手できると思います。


まーさんからの意見
 第2研究室
 >>わかりにくい文章と交戦し殲滅せよ!
 >>句読点の使い方を考える

 とりあえず、これだけは絶対に押さえておきたいところ。

 でも文脈次第でここまでこだわらなくてもよかったりもしますので、
 やは り難しいところです。

 私のオススメは、やっぱり「音読」ですね。

 ぶっちゃけ日本人として人生を送ってきたのであれば、自然に使いこなせ るはずです。
 それを無理に意識しようとすると、途端にギクシャクしてしまう。
 「音読」は身体が覚えていることを引き出しますから、
 難しく考えすぎないで推敲できる手段だと思います。


夜霧さんからの意見
 こんばんは、かつて「句読点の付け方がおかしい」と批評された事がある夜霧です。
 私は自分の好きなトコに打ってます。
 
 どうしても判断出来ないときは、音読なり朗読してみて不自然じゃないか確認してますよ。

 勿論誰にも聞こえない程度の小声で。
 もしくは、まず自分の好きな様に書いてみて、それを批評してもらい、改善するのも良いかと思いますよ。

 でも確かに文法上の問題で、ある程度の法則性みたいなものはあるかもしれません。
 しかし、一人の読者として見れば、特に違和感や読み辛さを感じなければ、
 句読点の付け方なんてどーでもいいと思っています。

 まぁ色々書きましたが、一人でやるなら音読や朗読、
 批評してもらえる環境があるなら、批評してもらった方が良いと思いますね。
 では、失礼しました。


クロウドさんからの意見
 句読点嫌いのクロウドです。以後見知りおきを。

 以前、何かの本(小説の書き方のハウトゥー本)に書かれいたのですが、
 句読点は作者の感性次第だそうで、谷崎潤一郎(名前うろ覚え。細雪の作者)
 の様に流れるように綴りながら二行目でようやく打つも良し、それこそ自分のリズムを刻むも良しです。

 ちなみに私は呼吸点や離さないと読みにくい単語のところで打つのが多いですよ。

 では、創作がんばって下さいね。


飛車丸さんからの意見
 意味とテンポ、これが重要です。

 意味はそのままですね。
 読者に文章を理解してもらうため、分かりやすい位置に句読点を付け、スムーズな読書を促すわけです。

 飛車丸は、今日も、傘華の家に、転がり込んで、食っちゃ寝をしている。
 こう毎日では、流石に、呆れを通り越して、怒りを覚える、と、いうものだ。


 うん、切りすぎ。
 しかし意味的な切り方、という点だけで考えれば、これは正解でもあるわけで。
 そこで重要なのがテンポ。

 飛車丸は、今日も傘華の家に転がり込んで、食っちゃ寝をしている。
 こう毎日では、流石に呆れを通り越して怒りを覚える、というものだ。


 さあこれでぐっと読み易くなりました。
 これが句読点や誤字の修正、いわゆる校正の段階です。
 このように、意味とテンポ(必要ならば効果)を意識して句読点を打つ、というのが理想です。

 そして重要なのは、決まった形は無い、ということです。

 何故なら、句読点の打ち方もまた作家の特徴であるから、です。
 ある作家は、句読点を巧みに使って、とてもリズミカルな文章を書く。
 また別の作家は、句読点を美しく使って、とても流麗な文章を書く。
 中には、わざと崩すことによって、非常に奇怪な雰囲気を醸し出す作家もおられます。

 意外に知られていませんが、句読点や括弧は文体同様、作家の特徴が色濃く出る部分です。
 ある程度の方向性はありますが結局は、悩み、迷い、考え、
 自分の中で「これだ!」という結論を出すのが一番。そう思う次第であります。

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|