第4研究室 創作に関するQ&A 254P | トップへ戻る |
ヴィルアスさんからの質問
 三人称の文章のテンポ
 
 どうも、お久しぶりです。ヴィルアスです。

 未だ三人称について四苦八苦しているのですが、今回は別の視点から質問をさせていただきます。
(前回と被っているといえば被っていますが)

 三人称において、文章のテンポがいいと言うのはどのような文章のことを言うのでしょうか?

 これがどうにも分かりません。
 よろしければ、教えてください。

● 答え ●

飛乃剣弥さんからの意見
 こんにちは、ヴィルアスさん。
 参考になるかは分かりませんが、私が意識してやっていることを少し。

 まず一読しただけで情報がすっと頭の中に入ってくるかどうかですね。
 
 風景描写でしたら映像がすぐに思い浮かんでくるか、
 戦闘描写なら行動のイメージがすぐに湧くか、
 心理描写なら説得性があり共感できる物なのかどうか。
 読み返すことがなければ自然とテンポは良くなると思います。

 短い文章を連ねるのも効果的ですね。

 主語、述語の構成が簡易なので、文章の意味がすぐに理解できますから。
 ただ、コレはあまり多用しすぎると文章全体が稚拙な雰囲気を出してしまう恐れがあるので、
 程々にしておいた方が良いと思いますが。

 あとはストーリーでグイグイ引っ張っていくことでしょうか。
 立て続けに事件を起こして、読者の注意を引くことが出来れば、サクサクと読ませられると思うので。

 簡単ですがこんな所です。けどヴィルアスさんの文章は別に読みにくいとか、
 テンポが悪いとかは思わなかったので、そんなに気にすることもないかと思いますが。
 ではではー。


mayaさんからの意見
 こんにちは、はぐれメタルまやです。
 飛乃さんがレスをつけていたので、ついついのぞいてしまいました(笑)
 文章のテンポやリズムについては、わたしもよく小説の感想にて述べることがありますので、
 参考になりましたら幸いです。


【文章について(ミクロ的視点)】
■短文と長文
 すでに飛乃さんから指摘が出ていますが、一番手っ取り早いやり方ですが(笑)
 短文を続けることで文章にリズムが出ます。川上稔さんの作品はその良い例でしょう。
 また、詩歌を例に出すまでもなく、短文とは古くからよく使われている手法でもあります。

 その一方で、あえて長文を続けることでリズムを出す方法もあります。
 浅井ラボさんや古野まほろさんのように難解な造語やルビを多く振ることで、
 あるいは町田康さんや舞城王太郎さんのように句読点をつけずに記すことで、
 読者の意識を断絶させたり、トリップさせたりして、独特のリズムに誘うことができるわけです。

 ちなみに、一般的にリズムの良い文章とは、視覚的にも優れた文章であると言えます。
 
 たとえば五七五のように、一定の型を持つ文章は、
 ひと目見ただけで読む者を共感させる効果があります。

 いずれにしましても、一昔前なら、志賀直哉のような短文型、
 谷崎潤一郎のような長文型というのがありましたが、

 ライトノベルを書く上では、まず短文型で文章のスピードを上げることを意識し、
 時おり、長文型を混ぜて、文章に独特のテンポを出す方法が一般的かと思われます。



■体言止め、反復、韻や倒置など
 文章には様々な修辞技法があります。
 リズミカルなライトノベルの文章を見てみると、体言止めが比較的多く使われていることに気づきます。
 ただし、体言止めの多用は、単なる悪文に陥りがちになります。
 同様に、反復、韻や倒置といった技法も、効果的に使われないことには、
 単なる修辞的な技術のひとつに過ぎなくなってしまいます。
 それぞれについて説明すると、紙幅が足りなくなるので控えますが、
 
 とても大切なポイントは、これらの技法を使っていることを
 読者に気づかれないようにすることなのだと思います。


 たとえば感想をもらったときに、「文章にリズム感がありました。うまいです」と書かれてあって、
 技法的なことに触れられていなければ、効果的に使用することができたと言えるのではないでしょうか。
 
 逆に、「体言止めが目立ちました」、「反復、韻や倒置など、やりたいことが見え見えです」となると、
 これはまだまだ勉強が足りないと言えるでしょう。


【物語について(マクロ的視点)】
■キャラクター、構成で魅せる
 読者は感情移入をすると、文字を目で追っている感覚を失くすと言われます。
 読者が感情移入をするときは、一般的にキャラクターに魅せられることの方が多いですから、
 いかにキャラに肉付けするかということが大切になります。
 ライトノベルが、キャラクターノベルだと言われる所以だと思います。
 
 同様に、飛乃さんから指摘が出ていますが、七転八起のストーリーも読者の感情移入を助けます。
 いずれも本稿で記すには、紙幅が足りず、また趣旨ともやや異なりますので控えますが、
 
 結局のところ、魅力的なキャラクター、ストーリーが作品にリズムを生むとも指摘できます。


 他にも、演出的な技巧、あるいは舞台装置など、リズムを出すための手法は多岐にわたりますが、
 それらはたくさんの文章を書き、たくさんの作品を読んで、盗み取っていくものだと思いますので、
 色々と試行錯誤してください。
 ちょっと駆け足で書き、しかもきちんと読み直していないので、
 きちんと伝わっているかどうか不安なのですが(滝汗)、参考になりましたでしょうか。それでは♪


魏延さんからの意見
 簡潔に、手短に、簡単な文構成で……かなぁ。そろそろテスト週間の魏延です。

 オンライン小説なんかを読んでると、難しい言葉、難解な単語を使って、
 硬派な文を書く人をよく目にします。
 文を硬くするために硬い言葉を使ってる、みたいな文もよく見ます。

 僕は、漢字だらけの硬い文をテンポよくしようとするのはちょっと厄介なように思います。
 なぜなら、読む文字そのものが多ければ多いほど、文構成が複雑なら複雑なほど、
 テンポは悪くなっていくからです。

 なのでやっぱり「文を短く簡単に」していく方法が一番近道だと思います。

駄例)
 セ氏にして数千度もの灼熱の炎は、その空間の全てを焼却するには十分過ぎた。


 テンポ以前にかなりの悪文である気もしますが、とりあえずこれを見てみると……

 炎は、 ←灼熱の ≒ 数千度もの ←セ氏にして
 十分過ぎた ←焼却するには ←全てを ←その空間の

 こういった具合に分解できるわけです。
 文章の単語自体の音もバラバラですし、何よりヒレが付きすぎて読解もややこしいです。
 こういう場合はいっそ、

1・ヒレを大幅に省いてしまうとか、
駄例)
 数千度の炎はその空間を焼却し尽した。


2・複数文、文節に分けてしまうか、
駄例)
 灼熱の炎はセ氏にして数千度、それが空間を焼却する。十分過ぎる威力だ。



 しかしこれでもまだまだですから、単語自体をもっと省略・簡易にしましょう。

駄例)
 炎はセ氏数千度、空間を焼く。十二分の威力だった。


 ここまで来れば、原文よりはスッキリしたと思います。
 「には」「にして」「もの」などの余分な補語も極力減らしたし、炎の威力も保てています。


 テンポを乱すのは補語と文の長さ、言葉選びがキーポイントになってると思います。
 そんな場合はなるべく「、」「。」で区切って、
 文にあう代用表現を漁ってみれば、分かりやすくなるんじゃないでしょうか。


んぼさんからの意見
 あなたが読んでリズムが良いと感じる文章のことです。
 ……としか答えようがない質問をされても……(ノд`)

 たとえば七・五調は、日本語の文章の「リズムの良い定型」として知られていますが、
 これはあくまで定型の一つであり、全てではありません。
 拍数だけでなく、文末の母音、句読点の打ち方、子音の響き上の差異など、
 説明しろって言われたら学者を引っ張ってこなきゃならんような複雑な世界です。
(多分、分類していったら本が一冊書けるんじゃないかな……)

 というわけで、どうしても日本語の拍感覚を理論化したものが知りたいのなら、
 それについて詳しく書かれた本を読むことをオススメします。
(題名と著者忘れましたが、確かあったはず……ちょっと昔の話ですがw)

 まあ、それが小説書くのに役立つかと言われたら疑問ですが(´・ω・`)

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