第4研究室 創作に関するQ&A 257P | トップへ戻る |
神童架音さんからの質問
 エンドレスストーリーに「成長」要素は盛り込める?
 
 はじめまして。前置きが思いつかなかったという苦しい前置きで本題へ参らせていただきます。

 ただいま僕は、ファンタジー世界を舞台に旅をする少女を描いた「短編連作」を構想しているのですが、
 壁にぶつかりました。
 少女の成長を作品に盛り込みたいと考えているのですが、この物語には「ラスト」を設定していません。
 最後にこういう形で終わる、という場面は思い描いていないのです。
 
 小説における「成長」を、「作品の冒頭と終極で、登場人物の心理に何らかの変化が生じていること」
 とするならば、短編各話の「終極」とその次の話の「冒頭」は、
 同じ「成長した後の」登場人物となっているのが自然かな、と愚考します。
 そうなると当然各話の「冒頭」とその次の話の「冒頭」で、
 その主人公は同じではなく物語が進むにつれて変化が生じています。
 
 このようにして主人公の少女に変化が生じていくと、
 その変化(成長)にどこかで決着をつけなければならず、そこで物語が終わってしまいます。
 かといって、前の話で成長したのに次の話で元に戻っているのは不自然かな? とも思います。
 やはり「ラスト」のない物語と「成長」は相容れないのでしょうか?
 
 極力、言葉を選んだつもりですが、なにぶん思考の混迷が文章に出ていると思います。
 不明な点がありましたら、何なりと。皆様方の貴重なお時間を割いてお答えいただければ幸いです。


kkkさんからの意見
 映画「男はつらいよ」シリーズの手法が参考になるのではないかと思います。

 「男はつらいよ」シリーズのあらすじって大体
 いい年してガキっぽい寅さん(設定年齢36歳)が旅先や柴又で出会うマドンナ(ヒロイン)に惚れて、
 彼女に関わることで人間的に成長するが、最後にはマドンナに振られて再び旅に出る。

 というもので、毎回毎回主人公の成長を描いていながら、次の回では、
 今回の主人公の成長がリセットされており、そのことを誰も不自然に思わない、
 という構造になっているわけです。

 こういう成長がリセットされる行動だからこそ、
 30年に渡って、約50作も、同じ設定年齢ままでいけたんじゃないか、と思います。
 「ドラえもん」も「クレヨンしんちゃん」も「こち亀」も、同じような手法で、
 主人公の成長を描くたびに、その成長をリセットすることで、
 設定年齢を据え置きしたままにすることに成功しているような気がします。


>ファンタジー世界を舞台に旅をする少女を描いた「短編連作」

 そもそも、写実的に「少女の成長」を描いた場合、
 主人公は、身体的にも精神的にも、あっという間に「少女」ではなくなってしまうように思います。
 なので、ずっと少女のままでいさせるためには、上記のような手法をとらざるおえないのかな、と思います。

 まあ、筒井康隆『旅のラゴス』みたいに、写実的に時間の流れを描いたほうが、
 味わい深い作品になるような気もしますが。


南志紀さんからの意見
 はじめまして。南は初心者なんで的外れなアドバイスかもしれません。
 その時はどうぞ聞き流してください。
 短編連作……好きですねぇ(感想です)
 
 というのは置いといて、ラストのない物語に成長がないなんて有り得ません。
 
 例えば人の人生。
 あなたは今『ラスト』にいますか?
 あなたは日々『成長』していませんか?
 そんなことありませんよね?
 あなたという物語は『ラスト』なわけありませんし『成長』していないはずもありません。
 成長とは始まりと終わりだけではありません。
 成長とは過程であり連続であり、常に人は成長しています。

 それは良くも悪くもです。
 そこに決着はありません。
 何故なら変化に答えはないからです。
 どれが答えか分からないから人は変化するんですよ。

 あまり参考になるとは思いませんが、『ラスト』がなければ『成長』がないなんてことはありませんよ。


まーさんからの意見
 人間に「完成」はありません。
 死ぬまで「変化」(「成長」だけでなく「後退」も含む)し続けます。

 「成長」するからといって、それをもって物語を「決着させなければならない」とする必要はないでしょう。
 「成長」したことで新たに発生するストーリーもまた存在するのですから。

 「ラスト」は作者の都合であり、「物語」の都合です。
 たとえそれで「物語」が終わったところで、「登場人物の人生」が終わるわけではないのですから。
 (死亡するなら別ですが)

 登場人物をリアルに描くには、「ラスト」の構想があろうがあるまいが、「成長」は必要だと、私は思います。

 その積み重ねから、いづれは「ラスト」が思い浮かぶかもしれないし、
 ただひたすら続いていくこともあるでしょう。
 必ずしも、最初から何らかの目的(ラスト)を目指して登場人物を変化させていく必要はないかと思います。
 そんな都合よくコントロールできるほど、「人間」ってやつは簡単じゃないことですし。
 あなたが

>少女の成長を作品に盛り込みたいと考えている
 ならば、ためらう必要はないと私は思います。

 あ、「ドラえもん」を目指すなら別ですよ? あれはあれでまた違った物語の方法論が働いていますから。


んぼさんからの意見
 ぶっちゃけ、「判りやすい劇的な成長」は入れづらいのが現実です。
 ですが逆に、現実的な日々のちょっとした成長なんか微々過ぎて、
 入れても気付かれないどころか書き分けが恐ろしく困難です。
 そういう意味で、現実の「成長」とは分けて考えるべきです。

 現実的には、毎話成長させる要素を入れようとしないこと、ですね。
 前回までに得た経験などは当然反映させていくべきですが、それが即「成長」には見えないものです。
 なので、「何かマンネリ化してきたなー」というくらいのタイミングで、
 ガシッと大規模な成長イベントを入れてやるのです。
 こうすることで、ダレがちなネバーエンディングストーリーにも緩急がつきます。

 要するに、扱いとしてはレギュラーの新キャラが登場したり、
 新アイテムが手に入ったり、といった類のイベントと同類として扱う、ということですね。
 それ以外では、肩に力を入れて「成長成長」と頑張るんじゃなくて、
 前回までの経験を反映させていく、という感覚でいいと思います。


和葉さんからの意見
 初めまして。和葉といいます。

 いいですね、少女の成長の物語。いえ、決してわたしの趣味とか変な意味ではなくて。
 主人公の成長。これは読者を惹きつけます。
 
 神童架音さんのいう『主人公の成長を描く小説』は様々な作家に描かれてきました。
 有名なものでは『不思議の国のアリス』がそうですかね。


 本題に入らせて頂きます。
 そもそも神童架音さんは物語の終わりを想定していないとのことですが、本当にそうでしょうか?
 わたしは終わりのない物語はありえないと思っています。
 物語である以上、始まりがあれば終わりがあるからです。
 
 短編連作はその言葉通り、いくつもの短編小説から成立しています。
 ライトノベル雑誌に連載されている短編小説がその典型でしょう。
 わたしはこの短編作品は『その一編で完結していなければならない』と考えます。
 作品が一編終わる度に、一度物語は完結するのです。勿論続きを書くことはできます。
 しかしそれは新たな物語です。物語は繋がりを持ってはいますが、それぞれが独立しています。

 少々理屈っぽくなってしまいました。
 なお同形式の作品に『キノの旅』(著:時雨沢恵一)という作品があります。

 この作品は短編形式を取り、短編を一編毎に完結させながらも一冊の本としても完結させています。
 
 参考になると思うので、時間が空くようでしたら是非読んでみてください。
 長くなりましたがあなたの作品をお目にかかれる日を心待ちにしています。


鈴神楽さんからの意見
 はじめまして、鈴神楽と言います。

 目指す高み、目標の次第だと思います。
 悪い例が、ドラゴンボールです。
 強さのインフレを起こして、見てる方も白けますから。
 一歩ずつ成長して行く事で、あれば、成長要素が組み入れられます。
 ただし、その際は、高みを何時も意識させて、
 所々で、その高みとの距離を示してあげる必要があると思います。

 いい例としては、少年サンデーで連載されている『史上最強の弟子ケンイチ』
 あの作品では、弟子であるケンイチと師匠達との差を物凄く空けている為、
 成長をし続ける状態を上手く描けて居ます。
 そこが亀仙人より強くなってしまったドラゴンボールとの明確な差ですね。


三毛招きさんからの意見
 ライトノベルでないのでたとえが悪いかも知れませんが、
 例えば『ドラえもん』
 のび太はドラえもんが来た直後に比べて成長していないと思いますか?
 いや、「成長していない」という意見もあるようですが私は成長していると思います。
 
 例えば『クレヨンしんちゃん』
 シロを拾う、ひまわり誕生などのエピソードを経てしんちゃんは成長したと思います。
 ラノベでも可能ではないでしょうか?
 もちろん、それには何らかのエピソードが必要でしょうが……

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