第4研究室 創作に関するQ&A 348P | トップへ戻る |
三里慈雨さんからの質問
 おいしい悪役の作り方
 
 掲示板初参戦…並みの三里慈雨と申します。
 よろしくお願い致します。
 本当の初参戦はコッソリとレスする感じでしたが、今回は堂々とスレッドを立ててしまうという事で、
 緊張の余り指の先が冷たくなっています。
 冷たいのは私が冷え症だという事と、妹が電気ストーブをぶっ壊したせいかもしれませんが……。

 どうでもいい前置きですいません;
 それでも物書きかって話ですよね、はい;;

 本題です。

 実は私、タイトルに「おいしい悪役」と入れたのですが「おいしい悪役」どころか、
 「悪役」自体が作れなくなってしまったんです。。

 いえ、“作れなくなってしまった”というのもあまり正しくありません。
 今まで「悪役」を避けて通ってきた気がするのです。
 妄想する物語はいつも尻切れトンボ状態。
 思い返せば、大好きな主要キャラは飛び回るのに、それとぶつかる悪役が存在しないんです。
(彼らもまた、主要であるべきなのに!)
 存在している作品もあるにはあるんですが、でかすぎて靄がかかっていたり、
 とりあえず世界征服してみようとしていたり(理由はあるけど)、
 「イメージしきれていない・淡白になっている」悪役ばかりなんです。

 そこで、こちらのサイトさんを掲示板や研究室をくまなく……
 そりゃもうドライアイが進行する勢いで探したのですが、
 ピタリとくる答えがなかったような気がします。

 皆さんは普段、作品を手掛ける際、どのように悪役(=敵キャラ)を作っていくんですか?

 できれば、主人公の目的を邪魔する者より、
 主人公が邪魔をしなければならない者を作りたいのですが……。
 なぜだろう。
 まだ児童書癖が抜けないのか、すぐに「世界征服でもしとけよ」ってなってしまう……。
 育児(?)放棄もいいところ。

 悪役にすら愛(拘り)を持って作ってあげられる作者になりたいです。。

 長くなってしまってすいません。
 説明下手ですね……正直、この場で自分の文章を出す事が凄く恥ずかしいです。
 ちょっと穴掘って入ってきます……。


●答え●

ふぁごんさんからの意見
 有名で特徴的な敵役を挙げ、敵の存在を軽くカテゴライズしてみましょう。
 キャラのチョイスは、私の独断と偏見によります。

ショッカータイプ

 仮面ライダーシリーズに登場するショッカーです。
 これは戦闘員の事ではなく、あの怪人達を生み出している組織の事を指しています。
 私利私欲のために世界征服をたくらむ悪者です。そして更生の余地がないということもポイントです。
 まぁ目的が世界征服でなくても、私欲のために人に害を与えようとするキャラはここに含まれます。
 戦隊ヒーローモノの敵など、勧善懲悪な物語の敵は大抵これです。
 この敵の性質上から、主人公が善に傾きやすい傾向にあります。
 また主人公の方が強いことが一般的です。

使徒タイプ

 エヴァンゲリオンの使徒みたいなタイプです。人類の敵ですね。
 ショッカータイプに似ていますが、決定的に違うところがあります。
 それは人間、もしくはそれに類するものではないという事です。
 そういった存在が本能的にしろ、何か隠された意図を持っていたにしろ、
 有無を言わさず襲ってくるので戦わなければならない。大抵こんな状況になります。
 倒せないと人類が滅ぶ事が前提なので、もちろん主人公の方が強くなります。
 全滅エンドで締めるなら話は別ですが。
 ゼーガペインのガルズオルム、グレンラガンのアンチスパイラルなどもここに含まれます。
 最近のロボットものに多いですね。

星人タイプ

 GANTZに登場する多数の星人です。少し使徒に似ています。
 ここでは敵の性質というよりも、戦う状況が重要ですね。
 理由もわからず何か大きな力によって戦わされるという状況です。
 有無を言わさず戦わされるという点では同じです。
 このタイプと使徒タイプは、ある程度のタイミングまで正体不明にしておくほうが効果的です。

戸愚呂タイプ

 幽遊白書に登場する戸愚呂です。ここでは弟を指します。
 自分の信念のために良いことも悪い事もするタイプです。悪い事しかしない場合もあります。
 あくまで本人の信念に基いてますので。
 その行動の中で主人公と出会い対立する構図が多いです。
 悪事を働く場合、その考えに至る経緯を明白にし、
 それ以外に無駄な悪い事をさせないというのがポイントです。
 FFタクティクスのディリータ、ガンダムZZのハマーン、NARUTOのサスケ、JOJOのDIOや吉良、
 鋼の錬金術師のスカーなど。ベルセルクのグリフィスもこの部類でしょうか。
 徐々に主人公の方が強くなる展開が多いです。

シャア・アズナブルタイプ

 機動戦士ガンダムシリーズに登場するシャアです。この場合ファーストのシャアですね。
 逆シャアのシャアはどちらかといえば戸愚呂タイプです。
 戸愚呂タイプと似ていますが、そちらは自らの意思で敵になるのに対し、
 こちらは立場上敵同士だったというところが違います。
 敵として対峙したこと自体偶然なので、悪人とは限りません。
 むしろこのタイプのキャラを作るのに悪人にする理由があまりないので、
 大抵が「実は善い人だった」という感じになります。
 ある意味、かなり自由に作れるタイプです。人間性も、経歴も、力量も特に縛りはありません。
 敵キャラというより、「もう1人の主人公」的な色が強いですね。
 銀河英雄伝説のヤン(ラインハルトを主人公として)、NARUTOの我愛羅等、多すぎるので割愛。
 戦争モノはかなり多いです。

Lタイプ
 デスノートのLです。
 どちらかといえばこちらが主人公である方が適切じゃないか、というようなキャラですね。
 まぁこの場合、主人公の方に起因するところが大きいです。
 主人公が悪い事をするので、敵がそれを阻止しようとする構図ですね。
 簡単に言ってしまえば、一般的な主役と敵役が入れ替わっているだけです。
 2人とも主人公である、ともいえます。
 コードギアスのスザクもこの部類ですね。

 と、大雑把に分類してみました。カテゴリ分けは独断なので、絶対に正しいとはいえません。
 そしてどれが良いということもありません。
 あくまで、こんな敵役がいますよということを伝えたかっただけです。
 しかしシャアタイプは邪魔する立場になく、Lタイプは敵が邪魔してくるタイプなので、
 三里慈雨さんの意向に合うのはそれ以外ですね。


TOCさんからの意見
 どぉも、初投稿おめでとうございます。TOCです。
 以下、おいしい悪役の作り方、TOC風味です。

1.主人公の目的を作る。

 例1:平和を取り戻したい。
 例2:偉くなって差別の無い国を作りたい。

2.主人公の目的の矛盾点を探す。
 例1:殺さなくては殺される。
 例2:差別されている人間の労働力で国は維持されている。

3.適役の役割を振る。
 例1:冷血を演じている勝つためには手段を選ばない戦争屋。
 例2:間違っていると知りながら差別を維持する高官。

 と言う感じで作っております。
 大切なのは悪役が『間違った正義』を貫いている事ですか。
 この悪役が、かつて心優しい師匠だったりするとデリシャスです。ケフンケフン。

 以上、参考になれば嬉しいでする。


テトロトドキシン壱号さんからの意見
 はじめまして。
 何だか最近また寒くなってきて、足かけ毛布が手放せないTTXです。

 私は、あんまり悪役という概念を使いません。
 主人公とは主義思想や立場が少し異なる人物を物語に置くことで、話を展開させています。


 具体的には、すっげぇベタな例ですが、

主役:「ある人物」を守るために行動する。
悪役:「ある人物」は人類にとって非常に危険な存在で、全体の未来を考えて殺そうとする。

 臭い言い方をすれば、どちらも正義です。
 信念も一貫しているので、物語を動かすのも非常に楽だと思います。
 実際には悪役の信念は物語の中であまり語らず、
 いざという場面で「実は〜」と真相を明らかにすることが多いでしょうか。
 
 この例でも、考え方のバランスを取ったり、他の面から光を当ててみたりすることで、
 また違った見方ができるので、「ある事柄に対して様々な考え方を持った人物を配置することで、
 物語を重層的に構成する」なんてのもありそうです。


 もっと極端に考えると
主役:人類を守る。
悪役:地球にとって人類は寄生虫。このままだと環境が破滅するから、はるか未来の再生を目論み皆殺し。

 さすがにここまでくると生理的嫌悪感を抱く読者も多くなると思いますが、
 論理で悪役を否定することは難しそうです。

 もちろん、徹底的に「外道な」悪役を作ってもいいと思います。
 それはもう誰もが蛇蝎のごとく嫌えるくらいに(笑)
 それでも、徹底すると悪役らしい筋は通りますしね。

 ちなみに、私が今書いている作品には悪役は一人だけ存在しています。
 が、基本的に「環境を作り出すだけの存在」なのでほとんど空気です。
 物語は、悪役不在で「主人公たちが困難な環境に立ち向かう」形で進んでいきます。
 どうでもいいことですが、こんな書き方もあるということで。
 他にも、物語を作るために悪役の代わりに使える概念は色々とありそうですね。

 逆に、テンプレ的に「世界征服」というような思想を貼り付けると非常に薄っぺらくなります。
 悪人は悪人なりに、信念を通させるといいと思いますよ。



テスカポリトカさんからの意見
 私が書いてるのは歴史物という事もあり、悪代官ばっかなのであんまり深く考えた事無いですね。
 欲望のままに動く人間は書きやすいです。
 
 他に悪役(敵役)の典型的パターンとしては復讐者、野心家、自称正義の味方がありますね。


 自称正義の味方タイプは、自分が正しいと信じながら悪に利用されてるタイプと、
 説得力をもつ正義を持ちながらやり方がまずかったり、主人公の正義と相容れないタイプがあります。
 いずれにしても何かしら理由を持たない敵では作者自身が書いてて分からなくなりますよ。

 参考までに私が今までで一番「悪役」と思ってるキャラクターを紹介します。(ネタバレ注意)
 「幻想水滸伝2」というゲームに出て来る狂皇子ルカという人物です。
 理性と狂気の両方を持った人物です。
 戦争を始める口実を作る為に自国の少年部隊を他国の仕業に見せかけて虐殺する。
 命乞いする女に豚の真似を命じ、女が従えば「豚は死ね」と言って斬り捨てる。
 敗残の将とはいえ、一軍を率いた将に対し誇りを踏みにじる処刑法を命ずる。
 占領した街の住人全てを儀式の犠牲として殺す。
 最後は主人公に追い詰められますが、
 「俺は俺の望むがままに邪悪であったぞ!」と笑いながら叫んで行き絶えます。
 ここまで徹頭徹尾悪を貫いてくれると最早あっぱれです。

 更に作中では彼の狂気の引き金となった事件や、
 死に際に蛍を逃がしてやるといったさり気ない慈悲の描写もあり、
 主人公が倒した後に達成感と共に無常感を感じさせてくれます。
 こんな悪役を見てみたいです。
 
 因みにこのゲームではルカ相手には負け戦ばかりなので達成感はかなりのものです。
 この様に敵の動機はありきたりでも余裕の無い戦いを延々と強いると、
 敵の巨大さを読者に印象付ける事が出来るのではないでしょうか。


 また、ふと思ったのですが、三里様は敵の方向性は定まっていますか?
 何が何でも倒さないといけない巨悪タイプか、
 思想が違う為に不運にも同じ天を頂けないライバルタイプなのか。
 「世界征服でもしとけよ」「悪役」でいわゆる巨悪を書きたいのかと私は解釈していたのですが。

 ハッピーエンドを目指すなら巨悪タイプは倒せば済みますが、
 ライバルタイプは大体の場合和解しなければなりません。

 和解しても戦争屋や野心家達はそれを不満に思うので色々問題が出て来ます。
 ところで巨悪タイプって難しいと思うかも知れませんが、
 歴史上には割といるのでモデルにしてみては如何でしょう。
 ドラキュラのモデルになったツェペリ、某君ネロ、後漢の董卓、
 南宋の秦檜なんかは自国の民からも嫌われた大物です。いずれも政治家ですけど。

 例えそれぞれに葛藤やら辛い過去やらあったとしても、
 自国から見ても他国から見てもマイナス面があまりに多ければ、
 文句無く「悪」と位置付けて良いと思います。(先に触れた狂皇子ルカもこの手のキャラクターです)
 ただ、倒した後のアフターケアがしっかりしてないとかえって状況は悪くなるのでご注意を。
 抑圧が無くなった分、混乱に乗じる勢力が現われて治安は悪化します。(イラク戦争を想像して下さい)
 対応策としては敵を倒す前に有力な後釜を見つけておく事です


特に無しさんからの意見
 こんばんは。特に無しです。
 
 なんだか悪役の方が主人公っぽくなってしまっています。どうやら友達によるとガンダムの影響だとか。
 自分としては悪役はもう1人の主人公だと思います。
 主人公とは主義や行動理念が違うだけで、自分のやり方は間違いないと思っていて、
 悪役からすると主人公こそ悪である。そんな感じでようはちょっとした考え方の違いなんだと思います。
 現実だって宗教の違いや考え方の違いだけで戦争がおきたりしてますし。
 
 あぁ〜自分でも書いてて何が言いたいのかわからなくなって混乱してきてます。
 
 自分は悪役を作るときは、もう1人敵側に主人公作るようなかんじで作ります。
 こんなので少しでもアドバイスになれば幸いです。では執筆頑張ってください。応援してます。


鬼の舌震いさんからの意見
 書物の温かみもいいが、人の温かみを欲している今日この頃。
 どうも初めまして、中国地方の地名オニノシタブルイです。

> できれば、主人公の目的を邪魔する者より、
 主人公が邪魔をしなければならない者を作りたいのですが……。


 だとすると、『悪役』より『好敵手(ライバル)』のほうが都合がいいのでは?
 恋愛には必要不可欠な存在ですね。
 主人公は好敵手と同じ目標を持つが、理由があって共同戦線がはれない、
 だから相手を邪魔しつつ自分は目標に近づく。
 厚みを持たせようと思ったら、一方にはAがあり、Bがない。一方にはBがあり、Aがない。
 コンプレックスを作って互いの違いを明確にするとよさゲな感じ? 

 さらに考えると、主人公を悪役にすれば相手役を邪魔する義務もしくは使命感が出てきて、
 よさゲな感じになります。
 白雪姫で例えると、

・魔女っぽい婆さん(王妃)=主人公
・白雪姫          =好敵手
・王子           =目標

 「王妃は実の息子に禁断の恋」「白雪姫は玉の輿を狙う女の子」という設定でやると、
 面白いことになりそうですね。
 しかし問題はあります。

 主人公が悪役をやると、自然と悪の上限が決まってきます。
 作品がほのぼの、コメディー調になります。
 だからといって主人公が冷酷な悪役になると作品が暗く重いものにになります。

 さてさて、自分が悪役(敵)を考えるときですが、
 とりあえず主人公の邪魔になりそうな位置の人物を作る。
(例えば、主人公がクリスチャンなら邪魔になりそうなのは悪魔)
 そして、主人公を邪魔する動機をつくる。さらに、動機の原因を考えてつくる。
 原因が気に入らない、しっくりこない場合はつくり直し、考え直し。
 最終的に良いのができなかったとき。……そんなときがほとんどですが。
 主人公の理想と、主人公を取り巻く環境のつくる現実との擦れ(ギャップ、葛藤)を敵として、
 主人公はそれ打破する。
 
 オォ! 敵が不可視になった、誤魔化しがきくぜ! 
 なんて、チラッと考えちゃいますが、誤魔化しはよくないッスね。

 悪役なんて世に一杯溢れてます。
 沢山の作品に触れて、沢山の悪役を参考にするんだ!!


 無責任ですみません。
 お勧めは『されど罪人は竜と踊る・モルディーン卿ほか多数』『終わりのクロニクル・ハジ』
 『デュラララ!・折原臨也』『鬼哭街・劉豪軍』『薔薇のマリア・シックス』 
 すべて一押しラノベに紹介されている面白い作品です。興味があったらチェックしてみてください。

 書きたいことは以上でスッ!


茶太郎さんからの意見
 悪役なりの信念に基づいた台詞を言わせ、主役と対照的な印象を持たせるとよいのでは?
 つまり、主人公が言いたい事と逆の事を言わせるのです。
 そして、主人公の信念を笑い飛ばしてみるとか。


雷さんからの意見
 悪役は大事です。雷です。

 たとえば僕がプロットを温めているファンタジーに登場する敵は、旧体制に変革をもたらそうとします。

 身分や血筋に縛られない、全ての人に公平な国を目指す宮廷騎士。
 閉鎖的な祖国によって移民の恋人を見殺しにされ、復讐を誓った将軍。
 神の前の平等を信じ、経済発展に走る祖国を変えて貧民を救済しようと考える司教。

 身分制、血統主義、人種差別、格差社会……それらを解消する手段を探し出す過程で、
 世界に混乱をもたらす彼らは、ついに主人公と対立し、剣を交えることになります。
 この場合、主人公たちは旧体制を守り、現状維持のために戦います。
 「敵の目的を邪魔する主人公」ですね。

 敵の目的を大規模かつ高次元なものにすると、自然、主人公がそれに巻き込まれていきます。
 もちろん世界制服しても差し障りありません。
 敵がどういう世界を望んでいるのか、ビジョンを具体化すればいいんです。
 さらに動機に支持すべき点、同情できる余地などを与えておけば敵側の正義が際立ちますよ。

 少しでも参考にしていただければ幸いです。


ベルンカステルさんからの意見
 こんにちは、ニート中ですが講習がスタートしたベルンカステルです。

 悪と正義と呼ばれるものは常に一定ではありません。
 悪と正義とは常に状況と視線により変化するものです。
 片方から見れば悪、反対から見れば正義であったり。
 或いは両方正義だけれど思想の違いや誤解などで、敵対していたりと常に変化し続ける。
 たとえば、単純な世界征服を本気で行う悪を考えてみよう。

 まず、その人物は何らかの理由で現代社会に絶望し社会の再建を考えた人物だ。
 勿論、世界から見れば其は極悪人であるが、その人物と仲間からすれば、
 彼は平和のために立ち上がった英雄になる訳だ。
 どちらを主人公に置くかで悪と正義は変わります。
 また、そいつが世界征服の活動中にする高笑いなどは、主人公がボスを倒した時の喜びと同じです。
 結局、悪や正義なんてものは境界が曖昧である意味同一のものとすら言えます。
 ただ、悪はその表現や手段を何処かで間違えた元正義なのです。

備考
 悪とは古代の意味では、優れた力を持つものでしたが、
 朝廷が発足して以降は朝廷の邪魔ものの意味に変わり邪な心を表す意味になった。


なごり雪さんからの意見
 こんにちは、なごり雪です。

 「おいしい」ということを「悪役にも感情移入できる」と解釈しました。
 違っていたらすみません。

 私の場合ですが、悪役を作るのに最初から悪役と言う立場で作ることが少ないです。
 先にたくさんの人のたくさんの人物像や経歴、設定などを作ります。
 そして、その中で主義主張の違う人同士を対立させたり共闘させたりして、
 それに対して主人公がどう関わるかで書いていきます。

 少年漫画でよくありますが、今まで敵だった人物が仲間になっていくのは、
 主人公の考えが変わるか敵の考えが変わるかのどちらかだと思います。
 当然と言えば当然なんですが。

 なので、最初にたくさんの考え方をもつ人たちをつくって、
 それをぶつけるのがいいのではないかと。


 少しでも参考になれば幸いです。
 それでは。


かずなさんからの意見
 三里慈雨さん、こんにちは。
 掲示板初参加のかずなですv
 なんかおもしろそうでしたので、力不足とは思いつつ、参加させていただきます。

 あくまでわたしなりの悪役の作り方ですが;

 悪役はまず、二種類にわけられると思うのです。
1.絶対悪(敵)
2.好敵手(ライバル)


 簡単にいえば、
 1の悪役は主人公とは理解しあえない・絶対に相容れないものです。(古典的魔王と勇者とか)
 たいてい、圧倒的力量をもって主人公の前に立ちふさがります。
 2は、スポーツマンガなどでよくある「好敵手」とかそんなのです。
 主人公と実力が伯仲していて、ともに切磋琢磨しあいながら力を伸ばす。
 対立する原因は思想の相違・立場の相違など。


 で、作り方なんですが。
 2の方はわりと簡単です。
 まずは主人公を決め、主人公の戦い方(スポーツ? 戦争?)にあわせて、
 同じ土台で戦うキャラを決めます。
(例:主人公がトレジャーハンターなら、同じトレジャーハンターを)

 このとき、主人公とすべて反対にするとわかりやすくていい気がします。


(例:熱血⇔冷血
   庶民っぽい⇔貴族っぽい(雰囲気です)
   優等生⇔変人
   平凡な顔⇔超絶美形)
 ただ年齢だけは近い方がいいです。
(人生経験の差は大きいからバランスが崩れやすいし、個人的に大人を子ども、
 特に天才児がやりこめるような話はギャグじゃないかぎりあまり好きじゃありません;)

 デスノートの夜神月とLみたいに、殺人者(っていっていいのかなあ;)と探偵といった、
 立場的に対立せざるをえないのもナイスです。

 2の場合、立場さえ同じであれば、思想さえ同じであれば、
 誰よりも一番相手を理解しあえたかもしれない……とすると話がもりあがります。
(銀河英雄伝説のラインハルトとヤンみたく)

 トレジャーハンターを例にしてみると、
 世界にたったひとつしかないお宝をめぐって、ふたりのトレジャーハンターが激突。
 お宝を手に入れる過程で、どうしても一時的に手を組まざるをえなくなる。
 そのときに二人は友情をはぐくむ。
 しかし、そのお宝は世界にたったひとつしかなく、両者ともにどうしても手に入れざるをえない理由がある。
 その後、手を組んでゲットしたお宝を、ふたりで奪いあわざるをえなくなる……。

 みたいな。ありきたりな話で恐縮ですが(^^;)


 で、問題の1の方なのですが。

 この悪役は、作者の中にひそむ闇でもあります。
(いきなりぶっとんでごめんなさい)

 ある作者のいくつかのシリーズを読んでいると、
 共通する属性の悪役が登場するような気がするんですね。(勘違いかもしれないのがこわひ……)

 小物・大物問わず、
 右翼で粗野で暴力的な国粋主義者であったり、
 金の亡者で人の苦しみを愉悦と言い切る富豪であったり、
 頭の壊れかけた快楽殺人者であったり……。

 そういったキャラクターは、果たしてどのように生まれたのか?
 確証はないんですが、わたしは作者の人生から生まれたのだと思うんですよ。

 国粋主義者に地の文でも嫌悪を示す作家のひとは、
 もしかしたらそういった類の教師にイジメられたのかもしれない。
 金の亡者は、「金がすべて」な世間を擬人化したものかもしれない。
 作者はお金がなくて苦労したのかもしれない。
 快楽殺人者は、もしかしたら、作者の胸のうちに眠る黒い欲望なのかもしれない……。

 すべて推測な上、
 作家さん方の名誉を傷つける(?)かもしれないので、
 名前は出しませんが……。

 よかったら好きな作家さんの各シリーズ(短編・読みきりでも)見比べてみてください。
 多分共通する悪が潜在していると思うんです。

 この1の悪役は、
 その作者にしか描けない悪役です。


 その作者が今までの人生のなか、
 どんな存在に抑圧されてきたか、
 苦しまされてきたか、
 耐えてきたのか。

 それがにじみ出るのが、絶対悪です。
 この絶対は、作者にとっての「絶対」であり、作者、ひいては主人公の乗り越えるべき壁です。

 でもその絶対悪すらも、なんらかの正義を主張します。(盗人にも三分の利とかいうじゃないですか)
 でもそれに主人公は惑わされてはいけません。
 バッサリその屁理屈を切ってやってください。
 その方が爽快です。

 それで、このタイプを創るのに一番おすすめなのが、
 「自分の嫌いな人物」のリストアップをつくることです。

 (ついでに「好きな人」「尊敬する人」「憎んでいる人」なんかもつくっておくと比較できて便利です)

 それは別に生身の人間だけじゃなくて、
 架空の人物・キャラクター・俳優なんかでもかまいません。

 とにかくいけすかない「人間」をあげていき、なぜ自分は彼らを嫌うのか、憎むのか、
 彼らに共通するものはなんなのか、考える。

 他人は自分の鏡といいます。
 他人を嫌うとき、それは他人に自分の嫌いな部分を見ていると、どっかの本で読んだことがあります。
(ああもうあいまいでごめんなさい! ものをすぐになくすタイプで本もまた然りなんですよ……うう)

 そうやって、そのリストから抽出された共通部分が、「悪役の原液」です。

 あとはそれに肉付けしていきましょう。
 過去は必要じゃない限りてきとーでいいです。
 なぜなら2の悪役は人間じゃないから。
 人間の負の部分を具現化したものにすぎないのです。
 中途半端に人間味を出そうとすると、逆に薄いキャラになってしまうような気がしないこともないです。

 ただ、悪の仮面がひびわれて、
 そこから人間らしい素顔が出る、というのは、演出として効果的だと思います。

 
 悪役は人間から生まれるけど、人間ではないものなのです。
 人間から生まれた、人間性を破壊して人間を支配するもの。あるいはそれへの恐怖。
(この人間性は、作者の定義によります)
 それが悪役なのだと思います。


「主人公の目的を邪魔する者より、主人公が邪魔をしなければならない者」
 このタイプの悪役は、簡単にいえば殺人鬼です。
 なにもかもを殺したい・奪いたい・消したい……
 こういった負の衝動を持って暴走する悪役は、主人公が倒さなければなりません。

 三里慈雨さんになにかしら破壊願望・負の衝動があるなら、
 それを誇大化・擬人化したものを悪役にされてみては?

 あとはその1の悪役に触発された2タイプの下っ端をつくり、
 その下っ端と主人公を争わせることで真の敵(1の敵)から読者の目を逸らし、
 最後にドンと1の悪役を登場させて読者の度肝をぬく。

 こんな感じですかねえ。
 えらそうに語りつつ、わたし自身はまだ物語を練ってる最中なんですが(滝汗)

 ああもう長くなってすみません。
 なにかしらご参考にしていただければさいわいです。

 いっしょに小説、がんばっていきましょうv

萌え・美少女・美形・BLについて
その他・創作上の悩み
世界観・リアリティ・設定についての悩み
タイトル・ネーミングについての悩み
やる気・動機・スランプについての悩み
作家デビュー・作家生活・新人賞・出版業界
上達のためのトレーニング・練習法について
読者の心理・傾向について
使うと危険なネタ?
恋愛・ラブコメについての悩み
ライトノベルについて
文章・描写についての悩み
人称・視点についての悩み
推敲・見直しについての悩み
コラム(創作に役立つ資料)
批評・感想についての悩み
ネットでの作品発表の悩み
ストーリーについての悩み
冒頭・書き出しの悩み
プロットについての悩み
キャラクターについての悩み
主人公についての悩み
セリフについての悩み
オリジナリティ・著作権・感性
テーマについての悩み
二次創作についての悩み

 携帯版サイト・QRコード
  
第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。
質問をされたい方は、創作相談用掲示板よりお願いします。
質問に対する意見も募集します!
投稿されたい方はこちらの意見投稿用メールフォームよりどうぞ。
HOME|  第1| 第2| 第3| 第5| 鍛錬室| 高得点| CG| 一押| 資料| 掲示板|  管理人| 免責| リンク| メール|