第4研究室 創作に関するQ&A 349P | トップへ戻る |
ななつさんからの質問
 地方出身者は方言でしゃべるべき?
 
 こんにちは、ななつです。
 自転車でぶっころんで左手が変です。

 は、置いておいて、本題です。
 物語の舞台を、例えば「海沿いの田舎町」とすると、
 そこの住人がバリバリ標準語でしゃべっているのはおかしいのでしょうか?
 転校してきた主人公などなら標準語でも構わないでしょうが、
 その先でできた友達が普通に標準語で話しかけてきたら違和感はないのでしょうか?
 
 作品を読むのがその地方の言葉に慣れた人ばかりではないので、
 読みやすさなら標準語を選ぶべきでしょうが、地方の人間としてはイマイチ納得がいきません。
 どうしても「山奥の田んぼしかない町で標準語はおかしい」と思ってしまいます。
 どちらの方がより良いのか、皆さんの意見を聞きたいです。
 よろしくお願いします。


●答え●

Dさんからの意見
 どうも、Dです。

 ぶっちゃけ言うと、方言で書かれると読みにくいと思います。

 決して方言で書くのが駄目だとは言ってる訳ではありませんが、
 普通に読む分に、いきなり「だんけどもなー」とかとか書かれると意味が分かりません。
 あと多分なんですが、地方では喋る時には方言が出ても、
 何か書くときには、標準で書くのではないでしょうか?
 作文書くのに方言では書いたりはしないでしょう?(中にはいると思いますが)
 
 ただし、その舞台でしゃべる言葉が後の布石になるのでしたらいいと思います。
 『バッテリー』という野球の小説では岡山が舞台になるのですが、
 主人公の母親が岡山出身で、幼なじみに出会うと忘れていた方言を思い出すというシーンがあります。
 
 そういった感じに、それが何かしらの意味を持つものでしたら、
 書いた方がいいのではないかと思います。


 まだまだ未熟者なんで、意見が参考になればよいのですが、ならないようであればスルーしてください。
 というところで以上です。


ある。さんからの意見
 ある。です。掲示板に書き込むのが初めてなのでご容赦を。

 「るろうに剣心」や「武装錬金」の作者、和月さんの話なのですが、
 るろうに剣心の中で関西弁のキャラクターがいました。
(刀狩りの張というキャラですが、ご存じでしょうか)
 
 その際に和月さんは、関西出身の編集者に関西弁をチェックしてもらい、
 さらに地元の人しか分からないような関西弁は標準語に直したとの事でした。
 その際に、変な関西弁になってしまいましたが、関西の方すみません、と書かれていました。


 そんなこんなで、俺は標準語以外の言葉を使うときは、和月さんの持論に基づいています。
 彼のファンだからってのもありますが。
 例えばタイムスリップして平安時代に行くという小説を書いた場合、
 すべてを当時の言葉で書かなければならないのかと聞かれれば、絶対にそんなことはないと思います。
 
 最低限雰囲気を留める程度の言葉遣いでいいのではないかと。
 むしろ難しい言葉を使って、結果的に使い方を間違ってしまう方が問題だと思います。


 要は、読者が読みやすい形と、方言の雰囲気、その妥協点を探すことだと思います。
 長文失礼しました。


飛車丸さんからの意見
 一般文芸なら方言ばりばり。
 ラノベなら標準語か、意味の通る方言。


 対象読者によって語彙を選択する、というわけですね。
 これは台詞回しだけに限らず、作中で使う熟語や単語やことわざ、
 あるいはその使い方にしても同様ですね。
 「暫く」は読めても「漸く」は読めないとか、「暫く」と「漸く」で混同してしまうだとか、
 「四海兄弟? 四人いるの?」と思ってしまうだとか、
 「的を得る? 射るじゃないの?」だとか、まあ色々と伝わらないわけですね。

 方言もこれに同じ。

 いつでもどこでもルビ振って、ほぼ全部の台詞を説明してやれば、やってやれないこともないですが……
 それが好まれるとは思えないわけです。
 ぶっちゃけ、地の分で「なまりがある」と描写して済ませる方が、
 ラノベとしては読者に優しいと思うわけです。

 一般文芸の賞に出す予定でしたら、方言全開であっても一向に構わないのですが、
 ラノベ作家を目指すのであれば切り捨てる勇気も必要かと。


待宵さんからの意見
 読む人のことを考えるなら標準語だと思います。
 多くの人にとって自分の故郷以外の方言で馴染みがあるのは関西弁ぐらいです。

 
 方言で書かれた分を読む時は、文を見る→標準語に翻訳する→意味を理解する、
 という過程をたどらないといけないので、下手をすると古文を読んでいる様な、
 もどかしさを感じてしまうのではないでしょうか。
 
 地元感を出すために一部方言を織り交ぜるのはアリかもしれませんが、
 その言葉の説明をいちいちする必要があるので冗長になってしまうかもしれません。
 使うとしても読者が読み進むのを妨げない程度に加減する必要があるでしょう。

 地の文でその方言独特のアクセントを説明する、程度が妥当ではないでしょうか。


美央さんからの意見
 こんにちは、美央です。

 方言を使うと、やはり読みにくくなってしまいます。
 読者のことを考えて書くのなら、標準語がお勧めです。
 もっとも、読みにくい小説は、明らかに読んでいただけないでしょう。


>転校してきた主人公などなら標準語でも構わないでしょうが、
 その先でできた友達が普通に標準語で話しかけてきたら違和感はないのでしょうか?


 多少はあるでしょうね。
 しかし、読みにくいよりはマシだと思います。
 けれど、どうしても違和感があって嫌だというのなら、こういうのはいかがでしょうか。
 設定的には、田舎に転校してきた少女が主人公で、少女の一人称です。

例↓
――――――――――――――――――――
「えっと……ここは、こうして……ほら、完成!」
 私は完成した折鶴を、美咲に渡した。
 美咲は、ここに転校してきて、初めて出来た友達。
「わぁ! 唯、あいがともさげもした!」
 美咲は丁寧に頭を下げる。
 しかし私は、全く意味が分からず、なんと返せばいいのか悩んでいた。
 あいがとも……。あ、ありがとう御座いました、か!
 最近、何とか分かってきたのだが、私にはまだまだわからない方言が、日々飛び交っている。
 いい加減、覚えなくては……。
 私は自分の勉強不足に、苦笑いを漏らした。
――――――――――――――――――――

 とまあ、こんな感じにしたらいいのではないですか?
 主人公が、いちいち頭の中で考えなくてもよくなるほど話が進んだ時には、
 意外と読者の方も分かっていたりして……。
 しかし、この方法は、条件がそろっていないと使えませんけど。
 それか、ルビを使うか、ですね。
 私の思いつく解決法は、その程度です。

 参考になれば幸いです。
 これからもがんばってください。
 駄目文失礼しました。


レイさんからの意見
 プロの作家でも、標準語以外を使用している人は多くいます。

 芦原すなおさんなんて、思いきり博多弁ですよね。地の文はもちろん標準語ですが。
 青春デンデケデケデケなんて全て方言まみれですが、立派な賞をとっています。
 自分的には、博多弁て多い気がしますね。

 それと、最近ではひどい訛りのある言葉をしゃべるのは、結構上の世代だけだったりします。
 函館でも、青森でも。
 今の小さい子や若い人たちは割と標準語に近い言葉を喋ったりしていますよ。
 
 また、方言が一種の魅力になることもありますね。
 今、WOWOWでやっている押井守監督の「神霊狩」では、
 水天町という町の登場人物たちは方言を話しています。 
 「〜〜こつ」とか「〜ごたる」とか「〜ばってん」
 とか。
 それは物語を際立たせる効果になっている気がしました。

 地方によりますが、訛りの限度は異なってくると思います。


三毛招きさんからの意見
 作品として読みやすいかとかは他の方が仰っているのでリアリティの面から言います。
 地方でもバリバリ方言を使ってる人なんて少数です。
 70歳以上のお年寄りのかたぐらいです。しゃべる言葉がほぼ方言なんて人は。
 ほとんどの人は方言と標準語がミックスされたような感じの言葉です。
 その方言にしても言い回しとかでニュアンスは結構伝わる物ですよ。
 
 例えば「そうばってん、ここはこうしたほうがいいよ」という言い回しがあったとします。
 ここでは「ばってん」という方言が使われているわけですが、
 その後に続く言葉でこの言葉が「けど」「しかし」という逆説の意味合いを持つ言葉だとわかります。
 なので、よっぽど特殊な言葉で無い限りは大丈夫かと。

 逆に方言と標準語が通じないのなんてのもネタとして面白いですよね。
 私の小学校のときの先生が奥さんと会話をしたときに
「このラジオ直しといて」
「どこか故障してるの?」
 という会話があったそうです。
 「直して」は西日本で「片付ける」の意味です。


ゴンザレスさんからの意見
 どうも。
 早速ですが、他人に読んでもらう事を考えていて、それでも方言で話させたいと考えておられるならば、
 方言を薄めて書いた方がいいと思います。

 三毛招きさんが既に例を提示なさっておられますので、それに便乗させて頂きますが、
 「このラジオ直しといて」と書かれていても、私は京都在住なので意味は解ります。
 ですが、「直して」を「片付ける」の意味だと全国の人が理解しているとは考えられません。
 このような言い回しは方言ではなく、みんなに解る言い回しにしておく方がいいでしょう。
 
 それでも方言を出したい場合は他の人が既に書かれていますが
 「〜でごわす」「〜やんけ」等語尾の部分だけか、「何しとっと?」「何しとんねん」とか、
 まだ他地域の人に解りやすい簡単な方言に薄めた方がいいのではないでしょうか。


>どうしても「山奥の田んぼしかない町で標準語はおかしい」と思ってしまいます。

 昔はともかく音声メディアが発達した現代では、
 他地域の人が理解できない程のバリバリな方言は無くなりつつあり、
 若者を中心に方言色を残すも全国的に均質になってきています。
 
 そもそも都会だからって標準語を話す人なんていませんよ。
 ただメディアが東京に集中してそこから情報を発信しているので、
 東京方言や首都圏方言が標準語・共通語と思われているだけです。
 東京方言や首都圏方言=標準語・共通語ではありません。
 
 そもそも日本語の標準語・共通語の大きな特徴は、
 それが圧倒的に書記言語偏重であることであって、口頭言語については、
 発音・イントネーション・アクセント等の面でまだ固定した規範が完全に成立しているとは、
 言いがたいのが現状です。


美央さんからの意見
 こんにちは、美央です。
 面白い話ですね。

> 私の小学校のときの先生が奥さんと会話をしたときに
> 「このラジオ直しといて」
> 「どこか故障してるの?」
> という会話があったそうです。


 その勘違い、されたことあります。
 最近転校してきた友達に、
「あとは、この机を直しといてね」
 と言ったら、
「壊れてるんなら、先生に言ってよ」
 といわれました。
 一瞬意味がわかりませんでしたが、そういえばこの子は転校生だっけ?みたいな。

> 「直して」は西日本で「片付ける」の意味です。

 私の生活では、これが普通なんですよね。
 ちなみに、その友達に間違われたのはこちら。

1「あ、かべちょろがおる」
2「下関っていえば、ふくやね」
3「あー、今日はえらかった」
4「なにえばっとん?」
 ちなみに訳は、

1「あ、トカゲがいる」
2「下関って言えば、ふぐだよね」
3「あー、今日は疲れた」
4「なに自慢しているの?」
 です。
 余談、失礼しました。

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