第4研究室 創作に関するQ&A 350P | トップへ戻る |
ヒロマサさんからの質問
 幼さを表現するために「ひらがな」のみで構成された文章について
 
 初めまして、ヒロマサと申します。
 今回皆様にお尋ねしたいのは、
 本来、漢字やカタカナで書くべきところをひらがなで書いた文章について、です。

 私自身は、稚拙さや幼稚さといったものを視覚的に表現できるのではないかと思ったのです。
 ですが、「読みにくい」、「ちゃんと変換しろ」などの評価を聞き、修正したほうが良いのか悩んでいます。

 以下、小説本文からの抜粋です。


 ものがたりをはじめよう。
 ちわきにくおどり、きょうきらんぶするえいゆうたんのように。
 ものがたりをはじめよう。
 せつなくあまく、どこかこっけいなおとぎばなしのように。

 とあるじだいの、とあるせかい。

 せかいにひとりのしょうねんがおりました。
 せかいでいちばんくらいところで、だれからもあいされなかったしょうねんでした。
 せかいぢゅうのぞうおとぶべつとりふじんをむけられて、それでもえがおをたやさないしょうねんでした。
 しょうねんはずっとひとりでした。

 おなじせかいにもうひとりのしょうねんがおりました。
 せかいでいちばんそらにちかいところで、だれからもあいされたしょうねんでした。
 せかいぢゅうのきぼうときたいとせんぼうをむけられて、けれどもじゅうあつにゆるがないしょうねんでした。
 しょうねんはいつもひとりでした。

 そしてさいごにもうひとり、ひとりのしょうじょがおりました。
 だれからもあいされなかったわけでもなく。
 だれからもあいされたわけでもなく。
 あたえられたやくわりいがいは、ごくごくふつうのしょうじょでした。
 そんなしょうじょには、たったひとつのねがいがありました。
 そのねがいゆえに。
 しょうじょは、こどくだったしょうねんたちにてをさしのべることをきめたのです。


 如何でしょうか?
 皆さんのご意見をお聞かせください。


●答え●

人形使いさんからの意見
 ひらがなで書き、稚拙さや幼稚さを表現しようとすること自体はNGではありません。

 絵本風の語りにしたいときなどに、僕自身も用いたことがあります。
 しかし、例示してあるものは長すぎます。
 ここまで長いと表現云々の前に読みにくさが先に立ってしまいます。
 ひらながのみで書くのであれば、もっと短くした方がいいかと。
 もしこの長さでなければいけないのであれば、ひらがなのみにせずに、
 ごく簡単な単語のみ漢字表記するなどの工夫が必要だと思います。

 また「稚拙さや幼稚さといったものを視覚的に表現」とのことですが、
 文章自体には「英雄譚」「滑稽」「孤独」「狂喜乱舞」「血湧き肉躍る」などの単語が含まれており、
 語句を選ばずただ単に文章をひらがなに変換しただけに見えます。
 表現したいところは理解できますが、幼稚さや稚拙さは伝わってきませんでした。
 
 稚拙さや幼稚さを表現したいのなら、もっと単語を選別しましょう。


 以上、参考になれば幸いです。


ゴードンさんからの意見
 感想。
 読みにくいです。

 私が許容できるのはこういった文章が一人称で書かれている場合のみです。

 しかし、演出表現というならばそれも良し。
 問題なのは、これが一つの表現方法なのだということを理解してもらう前に、
 文章が読みにくいがゆえに投げ出されてしまう事です。
 読んでもらえなければ意味がないので、ある程度は妥協すべきかもしれませんね。
 私なら妥協します。

 例えば、小学校低学年で習う漢字を調べて、それだけを漢字に変換するとか。
 たったそれだけでかなり読みやすくなると思います。


 むずかしい感じをひらがなで書くだけで、ある程度は「稚拙・幼稚」を表現できるかと。
 ここまで書いといてですが、三人称で何の稚拙さ、幼稚さを表現するのか、私にはよくわかりませんね。


ゴードンさんからの意見
 こんばんわ。
 ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』という小説でそういう技法が使われていましたね。
 知的障害のあるチャーリィ・ゴードンという男性が、
 特殊な治療を受けて天才的な知能を身に付けるという話ですが、
 この小説はそのチャーリィが治療の経過をまとめた日記という形をとっています。
 そして、知的障害を抱えた最初のチャーリィの日記はひらがなばかりでした。
 『けえかほおこく。いちにちめは…』といった感じで。
 しかし、チャーリィの知能が治療によって向上すると、日記の文章が驚くほど洗練されていきます。
 
 幼稚さ、知的な未熟さを表現するにはアリなのかもしれませんね。

 では、失礼いたします。


鳥ノ木さんからの意見
 私の意見と言うか、感想ですが。

 先ず、読んでみても何がしたいのか分かりませんでした。
 読んだ後ですが、全体的に幼さを出したいとのことのようですが、
 
 イメージ的には語り部のオッサンが赤ちゃん言葉でつらつら言葉を並べているような感じです。
 幼さを出したいわりに、文章のレベルが幼くない点が原因でしょうか。
(「こっけい」とか、「じゅあつ」とか、イメージには邪魔です)


 雰囲気と文章、両方とも中途半端な位置かと。
 だから何がしたいのか説明されないと理解できない。しかも冒頭ならなおさらと。

 子供向けの絵本を必死こいて初めて書いた大人って感じです。
 こう言う手を使うのも良いかもしれませんが、これでは駄目ではないでしょうか。


アノニマス・カワードさんからの意見
 はじめまして、カワードと申します。
 早速ですが、私の意見です。

 幼稚さを表現したいとの事ですが、いったい誰を幼稚に見せたいのかが分かりません。
 つまりこの文章では、幼稚に見せたい対象が不明なのです。

 
 三人称の地の文をひらがなで表現すると言う事は、
 登場人物以外に語り部として第三者が存在する事になりますよね。
 その語り部が幼いことを表現したいのでしょうか?
 そこからして、不明です。
 しかも、ひらがなとはいえ、結構難しい単語が出てくるので、この文章からは幼稚さは感じません。
 その所為で、単に読みにくいだけになっています。

 登場人物を幼稚に見せたいのなら、台詞をひらがなで表現するとかでできると思います。
 しかし、この場合何を幼稚に見せたいのかが分からないので、目的が分かりません。
 まずは、幼稚に見せる対象をはっきりさせるべきかなと思います。
 
 私の意見は以上です。
 それでは、がんばってくださいね。


興味本位さんからの意見
 「世界中の希望と期待と羨望の重圧に揺るがない少年は、魔王が如き重圧すら耐えうる」のでしょう。
 興味本位です(笑)

 地の文章に稚拙さや幼稚さが感じられませんでした。
 これなら漢字にしてもらいたいですね。


 人形使いさんが仰る様に幼稚な者が『血湧き肉躍る』とか言わないでしょう?
 小さい子が使わない言葉を頻出させれば、必然的に知的レベルが高く感じます。
 また語り口調にもある程度の年齢が感じられます。
 そして、何の為に地の文を稚拙にさせたいかの意図が掴めません。

 『アルジャーノンに花束を』の例も出ましたが、
 語り手が主人公で知的レベルが上がっていく様を表現させる事で、
 より深く感情移入をさせる等の理由(狙い)が明確でないモノは、読者に負担を強いるだけになります
 意図する事に理由が見られないのは痛いですね

 ちょっと古いですが『フォーチュンクエスト』に出てくるルーミィ(って名前だったと思いますが)は、
 幼稚なキャラでセリフにもそれが表現されていました。
 「るーみぃおなかへったぉ」とか言ってたと思いますが、
 実際の幼児が同じ事を言わないとしても幼さを感じます。
(友人に借りたり書店で立ち読みしてたので若干違う箇所もあるかもですが 汗)

 口調と語彙力の乏しさが感じられなければ、意図した様な効果は得られないですと思います。
 それならいっそ普通にしてもらった方が親切です。


 というのが私の見解です。


若竹さんからの意見
 こんばんは、実力テストまであと8日……若竹です。
 幼稚さ、稚拙さを表現するために、ひらがなばかりの文というのは効果的だと思います。

 ただ、それは短文や会話文だけであって、こう長々と地の文がひらがなだと、
 読みにくいどころか読む気までうせてしまいます。

 プロの作品でも、緊迫感などをあらわすために台詞中に句読点を一切打たないという表現もあります。
 ですが、やはりそれも短文や会話中のみでの使用です。

 
 駄文失礼しました。
 執筆がんばってください。


みずさんからの意見
 こんばんわ、みずといいます。
 自分も効果として使ったことがあります。

 子供が絵本を読んでる状況ですけど。

 ただ、ひらがなだけだと、単語の区切りがわかりにくくて読みにくいですよ。
 絵本を見るとわかりますが、文節ごとにスペースを挿入して読みやすくしていると思います。


 ものがたりを はじめよう。
 ちわき にくおどり、 きょうきらんぶする えいゆうたんの ように。
 ものがたりを はじめよう。
 せつなく あまく、 どこか こっけいな おとぎばなしの ように。
 とある じだいの、とある せかい。
 せかいに ひとりの しょうねんが おりました。
 せかいで いちばん くらいところで、 だれからも あいされなかった しょうねんでした。
 せかいぢゅうの ぞうおと ぶべつと りふじんを むけられて、 それでも えがおを たやさない しょうねんでした。

 かなり違うと思いませんか?


マギウス あひるさんからの意見
 初めまして、あひるです。
 幼い子供が得意なので出現。
 まずはみなさまと同じ意見です。その上で、私風に直してみますね。

>  ものがたりをはじめよう。
>  ちわきにくおどり、きょうきらんぶするえいゆうたんのように。
>  ものがたりをはじめよう。
>  せつなくあまく、どこかこっけいなおとぎばなしのように。

 おはなしをしましょう。
 まるで、ゆうしゃさまがあちこちをたびしてまおうやドラゴンをたおしたおはなしのように。
 おはなしをしましょう。
 かなしくてやさしくて、けれどどこかわらえるむかしばなしのように。

>  とあるじだいの、とあるせかい。
 こことはちがうとき、こことはちがうせかい。

>  せかいにひとりのしょうねんがおりました。
>  せかいでいちばんくらいところで、だれからもあいされなかったしょうねんでした。
>  せかいぢゅうのぞうおとぶべつとりふじんをむけられて、それでもえがおをたやさないしょうねんでした。
>  しょうねんはずっとひとりでした。

 せかいにひとりのおとこのこがいました。
 せかいでいちばんくらいところで、だれからも「すき」といわれたことのないおとこのこでした。
 どんなにかなしくても、どんなにくるしくても、どんなにつらくても、いつでもえがおでいるおとこのこ。
 けれど、ずっとひとりでした。

>  おなじせかいにもうひとりのしょうねんがおりました。
>  せかいでいちばんそらにちかいところで、だれからもあいされたしょうねんでした。
>  せかいぢゅうのきぼうときたいとせんぼうをむけられて、けれどもじゅうあつにゆるがないしょうねんでした。
>  しょうねんはいつもひとりでした。

 もうひとりのおとこのこもいました。
 せかいでいちばんおそらにちかくて、だれもが「すき」といいました。
 もっともっとといわれても、じぶんのみちをゆくおとこのこ。
 けれど、ずっとひとりでした。

>  そしてさいごにもうひとり、ひとりのしょうじょがおりました。
>  だれからもあいされなかったわけでもなく。
>  だれからもあいされたわけでもなく。
>  あたえられたやくわりいがいは、ごくごくふつうのしょうじょでした。
>  そんなしょうじょには、たったひとつのねがいがありました。
>  そのねがいゆえに。
>  しょうじょは、こどくだったしょうねんたちにてをさしのべることをきめたのです。

 そしてさいごに、ひとりのおんなのこがいました。
 だれからも「すき」といわれないわけじゃなく。
 だれからも「すき」といわれるわけじゃなく。
 ひとつのとくべつなこといがいは、ほかのおんなのこといっしょでした。
 そのおんなのこには、たったひとつのねがいがあります。
 そのねがいをかなえるために。
 ふたりのおとこのこをたすけることを、きめたのです。


 どうでしょうか?
 幼稚園生に聞かせるように話せば、稚拙な感じが出ると思います。
 それと、「せかいぢゅう」では無く「せかいじゅう」です。
 こういったひらがなオンリーの場合、漢字の読みを間違えると目立ちますよ。
 尚、幼稚園生くらいの子が他の子にお話する時は、また違った文体になります。
 この場合は、大人→子供ですね。
 参考までにどうぞ。


TOCさんからの意見
 TOCです。
 文章を直されて居る方がおり素敵な文だなぁと感化されました。
 蛇足と知りつつ、自分もチャレンジさせて下さい。


 さあ ものがたりをはじめよう
 そのちいさなむねに はいりきらないような おはなしを

 さあ ものがたりをはじめよう
 そのちいさなうでに かかえきれないほどの おもいでを

 それはむかし とおいくに
 そこに ひとりめのしょうねんがいました

 くらい まっくらなやみのおく だれからもあいされないで
 せかいじゅうにきらわれて せかいじゅうににくまれて
 なのに ずっとえがおで くらしています

 そして しょうねんは ひとりでした


 後は割愛します。
 うーん、難しいけど楽しいですね。是非ガンバッテ下さい!

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