第4研究室 創作に関するQ&A 394P | トップへ戻る |
tknbさんからの質問
 作品の冒頭に歴史を述べる
 
 すみません、先日相談をさせてもらったばかりなのですが、
 今度は少し内容的なことでお話させてほしいことがあります。

 私が今構想している作品では、通例に倣って、
 冒頭はそれなりにインパクトのあるシーンを用意しています。
 でも、この小説を作る切っ掛けとなった私の好きな作家さんは、
 どの作品を取っても必ず冒頭にその世界の歴史を書かれているのです(海外の人ではあるのですが)。
 ちなみに私の作品では、歴史は話の中ごろにある人物が、
 主人公に語って聞かせる形を予定しています。

 このサイトにもあるように、確かに冒頭のインパクトは読者に見入ってもらうとても重要なものですが、
 世界で起きた出来事を順序良く並べ立てることで生まれる取っ付きやすさってあると思うんです。
 特に、歴史が物語に深く関わる作品だと、
 中途半端なところで説明してもあまり印象に残らないかもしれません。

 個人的にはどちらも有用性を感じるので、始めをどう切り出して行けばいいか迷っています。
 みなさんはこの方法について、どう感じられるでしょうか?


●答え●

みつきさんからの意見
 tknbさま、こんにちは。

 そうですね、説明を冒頭一ページくらいでさっくり切り上げられる程度、
 しかも、読者にその部分だけで「これは面白そうだ」と思わせられる設定が、
 その「世界の歴史」の中に盛り込まれているのなら、やる価値は十分にあると思いますよ。


 そうではなく、「これのどこが面白いの?」という昔話が延々続いて十数ページ分にもなってしまった、
 というのなら、まず間違いなくやめておいたほうがいいかと。
 冒頭数ページの段階で読者は、「これを読んでいても、ただの時間の無駄になるかもしれない。
 それは嫌だな」と危惧し始めると思いますし、そうなったら途中で放り出されても文句は言えません。

 冒頭にインパクトのある場面を持ってくる、というのは、
 海のものとも山のものともつかない素人の作品を読んでくれようとしている人に、
 「これは面白いですよ、読んで損はさせませんよ」とアピール出来る、もっとも大事な部分です。
 
 そこに作者の精一杯のサービス精神が現れていない限り、
 「最後まで読んでみよう」と読者に思って貰うのは至難の業、なんですよね。


 ベテラン作家さんにはそれまでの実績がありますから、
 冒頭からかなりのローテンションであったとしても、読者心理としては、
 「きっとこれからすごく面白くなるんだ。この最初の部分もきっと、
 ストーリーの重要な要素になっているに違いない。取りこぼしのないよう、しっかり読んでおこう」
 って気持ちになるものですが、素人作品の場合はそうはいきませんよね。
 
 つまらなく始まって、つまらなく終わる、っていうのが素人作品の常で、
 読者もそれをよく知っていますから……(^^;。


 なので、出来うる限り、最初からサービス精神てんこもり、で行くのが得策かと思いますよ。
 せめて、「その先」に読み進めていってもらうためにも。

 それではこれにて。


いちおさんからの意見
 こんにちは、いちおと申します。

 確かに、ラ研で回避を勧められている世界設定や歴史などを語るものも、
 実際の書籍には結構あると思います。

 ただ、それで引き込むのはそこまでの文章力が必要と言うか……
 難易度がかなり上がるんじゃないでしょうか。


 歴史が深く関わる物語なら、むしろある程度読者を引き込んでから説明した方が、
 印象に残ると思いますよ。
 だって自分が読むときに、冒頭ってその世界観が全くわかってないから、
 正直腰据えて読んでないし(様子見みたいなものなので)、話が進んでいけば忘れてますもん。
 最初って単語も地名も、な〜んにも知らないですから、
 真面目に読んだとしたって全然理解出来なかったりしないですか?

 ……と、以前冒頭に解説を持ってくると言う展開に
 「面食らった」と感想を戴いたことのあるわたしは、思いますw
 ちなみに今は、反省して変えました。
 難しいです、わからない世界の説明をすんなり受け入れられるように書くのは。

 せっかくインパクトのある冒頭を用意されているようなのに、もったいないかな〜とも思ったりします。

 まあ作品によりけりだとも思うので、身近な人に読んでもらうのがベストかもしれませんね。
 ではでは、お邪魔致しました。


咲さんからの意見
 はじめまして、咲(さく)です。こんにちは。

 新人賞への応募を検討している作品でしたら、冒頭はインパクトのあるものが良いと思います。
 故意に冗長な冒頭を持ち出して、
 下読みの人にマイナスの第一印象を与えるのは得策ではないでしょう。


>世界で起きた出来事を順序良く並べ立てることで生まれる取っ付きやすさってあると思うんです。
 特に、歴史が物語に深く関わる作品だと、
 中途半端なところで説明してもあまり印象に残らないかもしれません。


 印象に残るかどうかは、作中の《何処》で出すかよりも、
 《どんなふうに》出すかによって左右される部分が大きいと思います。
 なので、お二方も仰られてますが、冒頭であってもインパクトを持たせて歴史を描けるならば、
 冒頭からでも良いでしょう。
 ただ、それが難しいのであれば、とにかく冒頭にはインパクトのほうが新人賞向けでなおかつ、
 客観的にウケが良いかもしれません。

 以上、駄文乱文、失礼します。


リングさんからの意見
> みなさんはこの方法について、どう感じられるでしょうか?

 今続編が出ているテイルズ・オブ・シンフォニアでは、
 ナレーションのあと授業風景から物語が始まって……と言う形で歴史を切り出していましたね。

 確か内容は『世界を二分する戦争が起こった……争いを止めたのが勇者ミトスだ』
 みたいな感じだったと思います。

 これはゲームの話ではありますが、違和感なく受け入れる方法でしたね。

 主人公の職業にもよりますが、授業に限らず入隊試験や吟遊詩人の弾き語りなど、
 そのナレーションを『如何にも主人公が聞いていました』的な
 状況を冒頭の次のシーンに持ってくれば良いと思います。


 ディズニー映画の『ノートルダムの鐘』の始まり方も、それと似たような技法をとっていましたので、
 参考にしてみるといいかもしれません。


安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
 私は頷きかねますね。本当にやりたいならやればいいでしょうし、それがダメだとは言いません。
 しかしながら、一般的に言われる冒頭の価値をそれでは表現できないと思いますよ。

 冒頭、序章に当たる部分はアニメや映画で言えばオープニングシーンなわけで、
 「世界観」「文体」「キャラクター性」「ジャンル」「テーマ」「空気感」などを読者に分からせる部分です。
 それで、読者に自分の好みであるか否かを選んでもらうのです。
 この作品はこういう作品で、こういうシーンがあって、
 こういうキャラクターが居ますという紹介であって、歴史を語るのとは別物です。

 中途半端な所で説明しても印象に残らないとありますが、残る必要が逆にあるのでしょうか?
 貴方は読者に歴史を覚えてほしいのですか?
 それとも、小説のテーマを伝えたり、面白かったと思ってもらいたいのですか?
 描写や設定は物語を面白くする一つの材料に過ぎません。
 すべてが調和して味が生まれるわけで、覚えてもらう必要なんてないと思いますよ。
 料理にどういう材料が使われているかよりは、美味しいか美味しくないかの方が重要でしょう。
 それと同じです。

 貴方が本当に伝えたいこと、やりたいことを考えてみてください。
 それでも歴史を冒頭に持って来たいならそれはそれで良いと思います。
 やってみて、ダメでも一歩前進ですからね。成功すれば無論それは一歩前進。
 どっちに転んでも悪いわけではないですし。


吊られた男さんからの意見
 おはようこざいます。

 別に歴史の説明から入ってもいいかなぁ〜なんて思う次第です。

 
 説明を読むことで作者の知識がどれほどなのかを知るのは楽しいですからね。
 だが、間違っていたり変だったら嫌ですが――
 「何だこいつ? ちゃんと資料読んで時代考証したのか?」なんて白けてしまいますから。

 ま、どれもこれも絶対に正しいと言う方法は無いわけでして、自分の好きになされたらいいかと。
 受験と同じく、受かれば官軍ですから。
 ただ応募されるなら落とされるのは覚悟した方がいいでしょうね。
 歴史ファンタジーは掃いて捨てるほど送られてきている上に
 「既視感(オリジナリティーがない)」を拭えないからです。
 書き方よりはいかに新鮮さを見せられるかが投稿のポイントでしょう。
 あるいは既視感を超えるほどの薀蓄・知識を披露するか……
 とにかく読めるだけの資料を読んでいろいろ書き込むしかないでしょうね。書かないと増えませんから。
 とにかく自分のやりたいようにされたらいいかと思います。
 二つ書いてみると言う方法もあるわけだし、とにかく書いてみればどうですか?

 勝手なことばっかり書いてすいませんが、かんばってください。


シンレイさんからの意見
 結論から言って、世界観をダラダラ述べる冒頭は駄目です。

 プロでそれをしている人も居ますが俺から言えば三流です。
 例えばアリーの物語などは典型的な例でしょうね。

 人皇紀174年までの血塗られた数十年の間、旧名キュプリーシュ初頭では紛争が絶えなかった。
 王家は分裂し、幾度となく王座を奪い合った。
 女王であるハイミン家のイミアーリ六世は、何度もラカ間の和平交渉を試みた。
 だがその努力は実を結ばず、女王は12年間付いていた王座を終われる結果となった。
 本土ではキプリーシュの人々が「ルアリン」と呼ぶ白い肌をした東国の人間が、
 こうした諸島の混乱とこの地の持つ富をしっかりと見ていた。
 マレン国の下級貴族の年若い息子、レンマン家のリテヴォンは、この混乱に目をつけた。
 そして、トゥセイン、ガラ、トートル、マレン、サライン、
 そしてトートルと近い関係にある南方のバーズンと言った国々から、軍資金と同盟者を募った。

 続くこと5ページ、本編が始まるのはその後。
 これは読んでて頭が混乱しました。
 
 最初からこんなの出されてもごっちゃになるし、
 物語の途中で一気に関連させて出しまくっても混乱します。


 いい方法は少しずつ伏線を張りながら「小出しにする」ことではないでしょうか。
 世界観、歴史をしっかり把握してもらわないと物語が進まないからここまで詳しくしているのでしょうが、
 そもそもこんな膨大な量の設定では最初から訳がわからなくなると思います。


千音さんからの意見
 インパクトがあればそれで良いんじゃないですかね。


 どうも、冒頭から結論を出してしまったちねです。

 歴史ではないのですが、私の友人が『涼宮ハルヒの憂鬱』の冒頭に度肝を抜かれたと言っていました。
 知っている方も多いと思いますが、サンタの話ですね。
 あれは、話の本筋に対して重要なわけではありません。
 では、なぜそこまで驚いたのかと聞いてみると、ようするに、
 普通の人間とは違う考え方だったからだそうです。
 そういう風に内容には関係ないけど一風変わった始まり方というのもありだと思います。

 歴史ではじめたいなら、先に結論から出してしまうのはどうでしょうか。
 「○○国は滅びた」
 みたいな感じです。
 それを読んだ読者は理由を求めますから、自然と長い文章でも読んでもらえるのではないでしょうか。

 要はインパクトなのです。
 読者が今まで見たことの無いような始まり方を用意すれば、大体の人は食らいつきます。
 いくら中身が良くても、大体の読者は冒頭分でその先を読むかどうかを決めますから。


 と言いつつも、自分は最後の方の挿絵を見て買うかどうかを決めるちねでした。
 参考になれば幸いです。

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