第4研究室 創作に関するQ&A 396P | トップへ戻る |
三毛招きさんからの質問
 一人称がどうにも苦手です
 
 はじめましての人ははじめまして。三毛招きと申します。
 私が今書いている一人称で小説を書いていたんですが、
 途中から三人称に切り替えてそれまでの一人称も直してしまいました。
 私が一人称を書くと「〜と思った。なぜならその時〜」とかいう風に妙に説明口調になるんです。
 説明口調、というよりも昔の文学風、あるいは日記風といったほうがいいかもしれません。
 理路整然としすぎて回顧録か自伝のようになってしまいます。
 一人称特有の、あの焦燥感や高揚感を生に出すやり方がどうにもうまく出来ません。
 どうしたらいいのでしょう?


●答え●

ウィキさんからの意見
 うーん三毛招きさん、人には向き不向きというのがありまして……。

 私は三人称の方がどっちかというと苦手ですね。
 三人称で書いていると特定の人物の心理状態や心の声を書きたくなる衝動にかられてしまいます。
 結局、三人称主人公視点にするよりは、一人称にして書いたほうがいいやと書き直しちゃいますね。
 まぁそういうことです。


魏延さんからの意見
 三毛招きさんが質問なさるのって珍しいなぁと思った魏延です。
 何の足しにもならない意見ですが……

 「ぼくは」「おれは」「私は」といった主語、
 「〜と思った。」をなるべく使わない、というのはどうでしょうか。
 例えば、

・>ぼくはこの絵をすばらしいと思った。

 から、削ります。

・>この絵はすばらしかった。

 上のは「少なくとも僕はそう思った」とワンクッション入れるのですが、
 下の方はより直接的になっています。
 なんと言っても語り手が主人公なので、「〜と思った。」という表現の多くは、
 書かずとも伝わってきます。
 なぜそう思ったのか、ということについても、一言二言でそれとなく書けばいいと思います。

「おれはリアルタイムでこう思ってるんだ!」、
 と、主人公のつもりでかいてみるといいのではないでしょうか。
 実際、自分が緊迫の場面の中にいて、その状況を伝えるとしたら、
 より簡素な言葉で簡潔に語るでしょうし。

 ですが、一人称としてそっちの方がいいというわけじゃなくて、
 三毛招きさんの今の書き方は、臨場感にはちょっと欠けるかもしれませんが、
 一人称ならではの深く静かな感情が表せるものでもあると思います。
 これは、三毛招きさんの言う「焦燥感、高揚感のある文体」と組み合わせたり、
 使い分けることでいっそう効果を発揮すると思います。

 始めは回顧録のような静かで落ち着いた文体で、
 ヤマへ近づくにつれて焦りと高まりを増していくように書くと、
 どれほどラストの盛り上がる作品になるかということを、
 年上の純文学の書き手さんの作品を拝見させてもらった際に思ったことがありました。


逢坂遮那さんからの意見
 模写を繰り返してみたらいかがでしょう?
 自身の理想とする作家を、作家としての生活を奪うほどの
 新しい描写を完成させられればしめたものです。


飛車丸さんからの意見
 あくまで私の場合ですが、一人称は口語調を意識しています。

 完全に砕いてしまうわけではないですが、この方が読者の意識に近いのではないか、と思うのです。
 また、基本的に一つ一つの動作がリアルタイムで進行しますから、
 三人称の時よりも現在進行形を多く使いますね。
 それとある程度、思考の順序と地の文の順序を合わせること、でしょうか。


みつきさんからの意見
 三毛招きさま、こんにちは。

 独白調に書くのが苦手だと、一人称での感覚・感情表現って、ちょっと難しくなりますよね。
 物事を俯瞰するタイプ、というか、客観的になりすぎてしまう人は、
 独白調に書くのはすごく苦痛なんだろうなと思います。

 栗本薫さんの『ハード・ラック・ウーマン』を読んだのが、私の独白調小説初体験だったのですが、
 たった一度でも、あそこまで小説の中で思う存分独白できれば、
 一人称が上手く使いこなせるようになるのかも……と思った次第です。
 作中後半、主人公の心中での独白が長ーく続きます。

 それではこれにて。


いちおさんからの意見
 一人称も三人称も中途半端なわたしですが……。
 ラ研の中に、確か「日記を書く」と言うような記事があったと思います。
 まあこれは、別に一人称を鍛えると言う主旨ではなく、脳の活性化と言う話だったと思いますが……
 手書きで実際に日記をつけるなんて言うのも、良い練習になるかもしれませんよ?
 どうせ誰に見られるものでもないのですし、誰に説明する必要もないのですから、
 フランクに書く練習を自分自身を主人公にやってみる、と言うことです。

 うぅん、あんまり参考にならないかもしれませんね……。
 お邪魔致しました。


龍架さんからの意見
 ええっとですね。皆さん。ラ研よ!わたしは、かぁえってきたぁ!
 はい。龍架です。

 【一人称をうまく書くコツ】
 ぼく個人の考えで上手くいくかわからないんですけど。

 そのとき思ったことを、小説風に想像してみるんですよ。

 例えば、学校に行って宿題をやっていない。当然怒られます。そのとき、小説風に思考するんです。

 揺れる薄い頭髪。英語教師の長尾が、オレに説教を開始し始めやがった。
 長いんだよな〜このおっさん。くたばっちまえ。
 そもそもオレが宿題をしなかったのは将来の夢、すなわち作家になるためであって。
 それは立派な宿題だと思うんですよ、将来の。
 ほら、大事じゃないですか。努力って。なので、さまざまなジャンルの本を読んだりすると言う、
 将来の宿題をするんですよ。
 そんな取り止めの無いことを考えていると、長尾の罵声が終わった。どうやら座れということらしい。
 ――――勝った。


 みたいな。普段からこんなことしながら生きています。
 やってみてください。きっと上手くいきます。多分。


jogtyさんからの意見
 三毛招きさんにアドバイスするなんて滅多にない機会を逃すのは惜しいので、2点ほど。

1.一人称で書くべきか三人称にすべきかを決めるのは、作者の資質でなく、物語の必然性。
2.私が一人称を書くときに常に意識しているのは、視点者の主観と作者の客観。


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