第4研究室 創作に関するQ&A 400P | トップへ戻る |
蔵神紫苑さんからの質問 2008年
 主人公はヘタレじゃないと面白くない?
 
 どうも、現在ラーメン屋で皿洗いのバイト中の蔵神です。
 たかが皿洗いと思ってなめてかかったらひどい目にあいました……特に休日は。

 さて今回の質問はギャルゲー(エロゲー)にはよくある「ヘタレ」についてです。
 事の起こりはそっち関連ですが、ラノベを含む創作全体に関わってくるものだと、
 思いますので質問させてもらいます。
 先日友人が家に遊びに来たときのことでした。
 いつの間にかエロゲーレビューの話になっていたのですが、
 その中で友人がこんなセリフを口にしました。↓

「でも主人公がヘタレじゃないと面白くないじゃん」

 「待てやコラ!」と本気で憤慨してしまいそうでした。
 と言うのも私自身、うじうじ優柔不断・ヒロインの気持ちに鈍感など、
 俗に「ヘタレ」と言われているものが非常〜に嫌いです。
 そんなキャラクタが主人公の作品を読んでいるだけで、そいつを本気で殺したくなるくらい嫌いです。

※以下例に挙げる作品のネタバレがあります。ご注意ください。


 まあ殺したくなるはともかくとして、現実にヘタレは世間一般から嫌われています。
 にも関わらずギャルゲーエロゲー、もしくは純愛系創作には主人公がヘタレなものが多いです。
 「School Days」の誠や「君が望む永遠」の孝之なんかがその代表でしょう。
(知らない人はすみません)
 この二つの作品のレビューでは、ほとんど誰もが
 「誠氏ね」「孝之最悪」などといった評価をつけているほどです。

 でも逆に、確かにこの二人の主人公がヘタレじゃなければ、
 上記作品はたいしてそれほどでもないもので終わっていたかもしれません。
 主人公がとてつもないヘタレだったからこそそれが注目され、
 アニメ化されるまでにのし上がったのでしょう。
 
 ですが私は「有名=面白い・良かった」ではないと思います。
 「School Days」は私もプレイしたのですが、
 前述のとおり主人公の誠のヘタレさ・ヒロインの人間としての最悪さ、
 ストーリーの結末などからネガティブなものしか残りませんでした。
 「よく作られた作品」ではあると思いますが、決して「良かった」と言えるものではありませんでした。
 まあこれはあくまでひとそれぞれですがね。実際「そこがいいんだよ」な人も結構いますし。
 
  
 「School Days」の事もあって、私は
 「よく出来た作品でも暗いのなんて嫌だ! 物語は大団円な方向で終わるのが一番!」
 を信条として創作活動をしています。暗い話で読者を納得させたって嬉しくないですしね。
 ですから最初の「でも主人公がヘタレじゃないと面白くないじゃん」
 な友人のセリフに怒り+驚いているのです。(怒りは完全に私自身の我でしょうが)
 

 なぜ主人公を人間として最悪最低な奴にしないと面白くならないのか?
 友人に聞き返したのですが言葉を濁したりで答えてくれませんでした。
 そこで皆さんにお聞きします。なぜ主人公はヘタレじゃないと面白くならないのでしょう?
 そもそも具体的になぜヘタレは嫌われるのでしょう? 皆さんご教授お願いします。


●答え●

ひなげしさんからの意見
 あげられたゲームはほとんど知りませんが、私も蔵神紫苑さんとおなじてヘタレな主人公は嫌いです。
 結局、お前自分のことがかわいいだけじゃねーか! と思います。
 だから、これからの事はあくまでも想像の範囲です。

 さて、主人公がヘタレな理由ですが。
 たしかに、多くのギャルゲーやハーレムものの小説などの主人公は、ヘタレが多いですね。
 で、ヘタレの一要因として優柔不断を考えます。

 主人公が優柔不断な理由としては、そうじゃないと話が終わってしまうからじゃないでしょうか。
 主人公があっさりと一人のヒロインを選んでしまっては、話を広げるのが難しくなる。


 どっちつかずの葛藤などは書けませんからね。

 次に鈍感。
 これは、言い訳の一つなんじゃないでしょうか。
 ヒロインの気持ちをないがしろにするのも、どっちつかずかなのも、
 相手の気持ちに気付いていないからですよ、だから仕方ないんですよ、みたいな。
 たしかにそれだと、鈍感という設定はかなり便利ですしね。

 状況に流されやすい性格もそうですね。
 女の方から迫られたら仕方ないよ。俺はほんとはそんなつもりは無かったんだけど。
 そんな言葉が聞こえてきそうです。

 で、結論。
 主人公がヘタレなのは、話を作りやすいからと、非道の言い訳になるからではないかと思います。
 実際に言い訳になってるかどうかはわかりませんが。


 あらためて言います。
 私はこういう主人公は大嫌いです。
 お話の中だから許されるのかもしれないけど(私は許せませんが)実際にいたら最低男ですからね。

 では、この辺で。


流朗さんからの意見
 どうも、いつもは滅多にレスはしない私ですが、興味のある話題ですのでレスをさせて頂きます。
 ひなげし様がギャルゲにおけるヘタレの話をされているので、ギャルゲ的な意見は述べません。

 さて、ギャルゲーならChaos;head、ライトノベルなら文学少女シリーズはご存じでしょうか
 私はこの程度しか思いつきませんでしたが、共に主人公はヘタレです。
 前者は典型的なキモオタのヘタレという感じですし、後者は嫌な事から目を背ける鈍感な男です。

 君が望む永遠は私は知らないのですが、
 この二つとSchoolDaysの違いは、主人公が徐々に精神的に成長してゆく点でしょう。


 誰しも、自分の中にヘタレな部分はあるはずです。
 ヘタレな主人公を見ると自分もイライラしてしまうのかもしれません。
(心理学でいう投影に近いかもしれません)
 
 ですが、だからこそヘタレな主人公が成長してゆく展開を我の事のように感動し、
 胸に熱いモノを感じるのだと思います!!


 そして「ヘタレ」は作者側も成長させていく上ですごく都合がいいです。
 私の書く主人公は、全てヘタレですw

 SchoolDaysはその点では私も好きではないのですが、
 ヘタレ主人公の物語が面白いのはこのような点にもあるのではないでしょうか。

 素人意見ですが、参考になれば幸いです

 
安眠妨害禁止区域在住の猫さんからの意見
 取り敢えず、その友人に「青空の見える丘」でもオススメしといてください。

 恋愛アドベンチャーゲームでへたれ主人公の割合が多いのは単純明快。
 そうしないと多数ヒロインとのルートを描きにくいからです。

 小説にある成長物のように途中で、成長するタイプのへたれを描けているシナリオライターは実力者です。

 逆にそうでないのは大概余り上手い人ではありません。
 そうしたいからへたれではなくそうしないと書けないからへたれなんです。

 へたれが嫌われるのは「同属嫌悪」でしょう。
 大抵日本人は欧米人より恋愛に関してはへたれです。
 だから、そのコンプレックスを刺激されてイライラする。
 せめて物語の中なんだから格好いい姿見せろよ畜生となるんでしょう。


 一方、欧米人に取ってへたれは単純な笑い話らしいです。
 へぇーそんな奴いるんだ面白い話だなって思うようで……中々何とも言えない気分です。
 まあハリウッド映画の主人公は皆格好いい。決断も早いし、頭も切れる。勇気があって、臆病じゃない。
 もしそうでも、それは表の顔。裏が凄まじいから隠しているという何ともまあ、な超人たちですから。
 んで大概へたれは脇役で、殺され役です。

意味のないバッドエンド<意味のないハッピーエンド<意味のあるハッピーエンド<意味のあるバッドエンド

 人が「良い作品」として印象に残るのはこの順番だそうです。


 ハッピーエンドは心地良い一瞬だけ最高で、
 バッドエンドは考えさせられるから長く印象に残るそうです。

 日本昔話から見ても分かるように心からハッピーエンドな作品というのは世の中に残っていかない。
(だから改訂版のお陰で、日本昔話は消える可能性が高い、何とも寂しいことです)
 むしろ悲劇の方が残り易いと言われています。

 人間の本質は「人の悲劇を好む」らしいですし、当然なのかも知れませんけど。


木野さんからの意見
 どうも、十五の友人がアダルトゲーム持っていたので通報しようとした木野です。
(そしてへタレといえばモズク風呂に浸っていた小豆色のライダーしか思い浮かばない木野です)。
 最近、機野に改名しようか迷います。
 ラノベはあんまり読まないので当てにしないでくださいね。

 さておき。
 へっぽこ主人公は何故人気があるのか。
 あ? いや。よく主役になるのかでしょうね?
 そして一般的には面白いといわれる。
 主役に成るのは単にまわりの人物が書きやすいからでしょうね。
 そういうのでは男の子が女の子に振り回されるのは良くあることでしょう。
(ってそういうのは全く読んだ事がなくラ研究ので見た限りですが)

 これがへタレでなく意志の強い人だったらどうなるか。
 女の子の命令もしくはお願いに対して、主人公が骨の髄まで凍り体中の血管を萎縮させる様な声で
「断る」
 といったら話が広がらないし進まない。
 というか絶対違う話になる。
 いやだけど弱み握られたり何だりで振り回されちゃうから面白い(らしい)んですね。

 へタレのほうが他の登場人物が生きる。

 そう云う事。
 そして何故面白いと云われるか。
 他の登場人物が生きるのと感情移入のしやすさです。
 これは意志の強い人と弱い人と、どっちが多いか考えれば解ることです。
 ああ、云っておきますがこれは多さが大事です。
 面白さは多数が認めるから面白いといわれるのですから。嫌な話ですが。
 閑話休題。

 悪に立ち向かう人物にあこがれてもなれませんし親近感も沸かないでしょう。
 ハーレム系(という云いかたで良いのか?)の小説やゲームでは、
 どれだけ主人公の気分を味わえるかが大事ですから。

 あーじゃあ最後。へタレは何で嫌われるか。
 自分はこんなんじゃないと信じたいからです。
 人間は都合の良い部分は受け入れ悪い部分は受け入れません。
 弱いくせに強くありたいと願うからです


 それと「人間失格」は主人公が究極に駄目な人間で全く面白くはありません。ですが素晴らしいです。
 人の闇の権化のように思います。
 面白いけど素晴らしくない作品よりは何か得るものはあると思います。
 好き嫌いが激しいですがヘタレを考える上では一読してみてはいいのではないかと思います。


言成嗣さんからの意見
 へたれですか……。

 思い浮かぶのは。
・リボーンのツナ
・フルメタの宗介
・マクロスFのルカ

 エロゲでいえば。
・マブラブの主人公(名前忘れた)
・車輪の国、向日葵の少女の主人公(これも)

 とりあえずどれも純愛じゃねーよ……と。
 純愛とか銘打ってるのは虫酸がはしってプレイできません。
 いわゆるへたれに女が群がっているのが理解できませんからね。

 スクールデイズはたしかオープニングと三行くらいみてからハードディスクから消えました。
 西尾維新の新本格魔法少女?
 だったかも血血血とかでてきて目的が父親探しと世界征服らしいってところで、
 二度とよまねえと心に誓ったくらいなので、それも僕にとっては普通のことです。

 徹頭徹尾本物のへたれという感じの作品は完読したことないので、まとはずれかもしれませんが。
 主人公がへたれなのがおもしろいのは間違っていないと思いますよ。

 上に挙げたキャラはどれも好きです。
(リボーンもフルメタも最近滅茶苦茶で微妙ですが)
 全然強いじゃないかといわれるかもしれませんが、どれも作中でへたれといわれています。
 表現は違うかもしれませんけど。

 結局キャラのへたれな部分はすきですよ。

 へたれに群がる美少女の図が論理的に理解できないので、そういうエロゲは嫌いですが。

 無理矢理そういうふうにしているなら話はちが・・げほげほ。

 それでは。


三月 椋さんからの意見
 冒頭からいきなり余談になりますが。
 きみのぞは知らないので何とも言えませんが、
 誠はヘタレだから嫌われたというのは厳密には違う気がします。
 
 彼が嫌われている本当の理由は、ヒロインである言葉と世界、
 その他大勢の女性キャラをことごとく食い物にして捨てて回ったせいでしょう。

 言葉と付き合い、合わないと分かったら即座に世界に鞍替え、
 それも気に入らないなら他のキャラ達とベッドを共にし、で結局は言葉とヨリを戻し、
 かと思えば世界と再び付き合い……と、大体どの原作ルート・アニメでもこんな調子でしたね。
 努力次第では、良い雰囲気のエンドもありますけど。
 
 まぁこんな軽薄な奴、嫌われて当然です。
 ヘタレな面もありますが、それ以上に外道な恋愛観が嫌われる要因でしょう。
 そもそも制作側からして、まず誠をプレイヤーに好かれるキャラにしようなんて
 最初っから考えてないわけですよ。
 グッドエンドが無難な割に、バッドエンドが異常に凝っているのがその良い証拠。
 ……ちなみに、誠の父親は彼なんて比べものにならないド外道だったりします。
 この辺はグーグル先生などで。

 ラノベにもヘタレキャラは大勢います。
 ですが、件の誠や鳴海のように嫌われる存在もいれば、ヘタレながらに愛されるキャラだって大勢います。
 
 要は描き方次第じゃないですかね。
 魅力的な女性にたくさん迫ってこられたら、一人を選ぶのが難しいのも仕方ないと思いますよ。

 ヘタレでないならば、すぐに一人の女性を選んだらそれでハイお終い、です。
 ラノベにせよゲームにせよアニメにせよ、それで終わるくらいなら様々な女性との間で揺れ動かして、
 バラエティに富んだ物語を展開した方が面白くなるというものなのでしょう。エンタメ的に考えて。

 
 ヘタレが選ばれるところには、思うにそういう理由もあるのでしょうね。
 最終的に一人と幸せに結ばれ、誰とも後腐れが残らなければいいわけですしね。

 何か的外れなことを言っていたらすいません。
 失礼致します。


三月 椋さんからの意見
 ちわっす、ぽろろです。

 ヘタレじゃないヤツが主人公だと話がすぐ終わる、っていうのは他の方も書いてますが。
 ヘタレが主人公の物語の場合、

 問題が発生→放置、もしくは逃げる→別の問題に発展→逃げる、もしくは放置→…→
 問題が大きくなりすぎて逃げ場が無くなる。
 
 っていう超悪循環が発生して「ようやく」物語の核心になるから面白くなるんだと思います。

 
 つまり『大きな問題が襲ってきた』じゃなくて『小さな問題が積み重なりすぎて逃げ場が無くなった』
 っていうのがヘタレ主人公の物語に多い気がするのです。
 この場合、ヘタレ主人公は逃げ場が無くなるので、半強制的に問題を解決させられるか、
 問題に飲み込まれて被害を被るか、そういう展開&ヘタレ主人公の組み合わせだと、
 何かしらの山場があるんだと思います。

 これで主人公がヘタレじゃない場合、小さな問題をその場で対処するんで大きな問題にならず、
 何の山場も無く終わってしまうから、その物語では面白くありませんが、
 さっきの『大きな問題が襲ってきた』の場合、
 ヘタレじゃない主人公は多分解決に奔走することで物語が始まり、
 解決の経過や結果を「すごい」と感じるんだと思います。
 
 つまり、何事も展開と主人公の組み合わせ方だと思いますよ。
 大きい問題をヘタレにぶつけても放置&逃げるだけですし、
 主人公の行動の先に何が待ってるのかが重要だと思います。
 ヘタレじゃない主人公にしたかったら、
 わざわざその「School Days」のような展開を書かなければいいだけですし。

 そんな感じで。


言成嗣さんからの意見
 本題とそれるのですけれど。
 へたれだから問題から逃げ、山場があるという意見は賛成です。

>これで主人公がヘタレじゃない場合、小さな問題をその場で対処するんで大きな問題にならず、
 何の山場も無く終わってしまう


 これはちょっと違うかもと思いました。
 その場で対処してしまうから、大きな問題が出てくることもあります。
 有名なのを挙げれば、コードギアスのルルーシュ。
 二期はちょっとあれですけれど。一期の場合、ルルーシュが勝ち進むにつれて、
 黒の騎士団という組織は肥大化し大きな問題も出てきます。
 ガンダムなんかでいえば、戦功を立ててしまったため(その場でうまくやってしまいますよね)
 エースにされたり、果てはニュータイプに祭り上げられたり。

 うまく対処するから、責任ができたり、期待が生まれたりして問題は生まれます。
 いつかは期待が大きくなりすぎて、失敗して問題が大きくなることもあると思います。


 なにかを否定するつもりはないので。
 こういった考えも、という補足ということです。
 それでは。


EXEさんからの意見
 スクデの誠を一般のへたれと言われるとかなり語弊があるよーな。
 あれは最早血統書付きの外道ですしw
 幼女に発情して子作りしちゃう父親よりは全然マシです。
 一ルートのみ覚醒したり、あまつさえ言葉様より料理がうまかったりするのですし。
 奴がいないとそもそも言葉様がヤンデレ化してくれないのでそれはそれで困る。

 いきなりどうでもいいことから入りました。すいません。

 へたれ嫌いなら書かなければいいんでないかと。
 嫌いなもん書くほど苦痛なことはないでしょう。
 実力があればともかく、ないのに嫌いなもの書かれたら見る方も白けます。


 なら最初からへたれなんて考えずハードボイルド主人公を書けばいいじゃないですか。気にせずに。
 まあ伝奇物とかで一学生がさしたる理由も理念もなくかっこいい言葉を吐き連ねているだけなら、
 ただの作者の願望投影にしか見えないとは思います。や、嫌いなわけじゃありませんがね。

 ちなみにへたれは好きです。書くのも見るのも好きです。
 お前周りを振り回すのが好きな奴だろとか言われたら終わりですがw
 第一、学生の心情を考えたら結構へたれますよ、俺の場合。書きやすいですし。
 そこから成長していくパターンなんて絶頂すら覚える。
 ファンタジー系なら、いきなり主人公が化け物じみた世界を体験して、
 精神が不安定にならんわけでもなし。臆病物が転じて勇気を持っていくなんてのが王道。
 まあ殺意を覚える類のもいるんですがね。怒りより同情のが強いです。一種の共感的な。
 ああ、大変だね君、と。

 まあわざわざ声高にへたれマジ最悪、マジ外道、と申されるなら別の道でOKでは。
 なにせへたれ肯定発言で憤慨するレベルですから。

 なんか途中で書きたいことがわからなくなったのでこれにて。


パプテマスさんからの意見
 孝之だって蛍ルートでは医者になるじゃないかー!!
 どうも。パプテマスです。
 別にヘタレにする必要はないとは思いますが、
 
 聖人君子がトラブルをちぎっては投げ、ちぎっては投げっていう話は面白くはないかな……
 欠点があって、それを乗り越えるのが面白いのでは?



酒魚さんからの意見
 はじめまして、酒魚です。

 私は別に、主人公がへたれでもそんなに嫌いにならないですね。
 どっちかといえば、我が強くて(そういう奴に限って戦闘力も高くて)、
 「正義なんか俺はしらねぇ」ってかっこつけてる主人公のほうがよほど嫌いです。
 作者さんの描写力が豊かであればあるほど主人公への好感度は反比例して下がってゆき、
 最終的には何様のつもりだてめぇ、と思えてきます。

 おそらく、これは「人間的に強い」主人公は、
 それだけで物語の中でヒーロー的活躍をしなければならなくなり、
(たとえば囚われの身のヒロインをかっこよく救出して、その上礼は求めない)
 その結果「自分は人間として弱いんだ」と思っている読者を
 置いてけぼりにしてしまうことがあるからでは?

 
 誰だってヒーローになりたい、そんな変身願望を持っています。
 ですが、あまりに高い目標を掲げても想像がついていかないので、
 一番自分と置き換えやすい「人間として弱い」主人公に人気がでるのではないでしょうか。
 
 弱い主人公にとっては、囚われのヒロインを助けに行く決意をするだけで大きな勇気がいります。
 強い主人公のように颯爽とはできず、おそらくあまりかっこよくない方法をとることもあるでしょう。
 ですが、その試練を乗り越えヒロインを助けた主人公が人間として強くなり、
 もとから強い主人公のようになれば、主人公に感情輸入していた読者は
 「自分が強くなった」ような気がします。

 ……私自身、へたれ主人公は好きでも嫌いでもない派なので、想像にすぎませんが……
 よろしければお納めください。

 乱文失礼いたしました。


世羅 悠一郎さんからの意見
 世羅 悠一郎です。
 創作でなかなか決断できずに、ぐるぐる回りながら一進一退を繰り返している自分は、
 やはりヘタレなんだろうなぁと思うと切なさ炸裂です(何)
 スクイズは知りませんが、君のぞは同意でございます(笑)

 私も、ヘタレ主人公大嫌いです。
 というよりも、食傷気味と言った方が正しいのかな……?
 ともあれ、初っ端から質問の前提を覆すような事を言いますが……。

 別にヘタレじゃないと面白くならないという訳ではないと思います。
 主人公がヘタレじゃなくても面白い作品は幾らでもあると思いますし。

 ただ、その。ヘタレというのは人間としての弱みを持っているという事に繋がるのではと。
 そういう意味だったのではないかなと思うのです。
 それが、極論になって「ヘタレじゃないと面白くならない」なのではと。


 んー。何と言うかですね。
 主人公は感情移入するための装置でもある訳ですが……。
 一つのキャラクターでもありますよね。

 だから、悩みも何にも無い、完全無欠になると面白くないという事なんでしょう。

 成長しない。前にも後ろにも動かない。
 それって極端な話、ハードボイルドの極みなんですが、
 主人公の内面から面白みが滲み出る事も少ないんじゃないかなというのが個人的に感じた事です。
 そういう理由で、私はハードボイルドと呼ばれるキャラクターが嫌いなのですが。
 ……これは、書き手の技術と思想に大きく依存しているのですがね。
 むしろ、書き手の思想や技術が、真のハードボイルドに追いついていないと思う事が多くて……。
 この辺、私、理想高いです。

 ……話が逸れました。
 ともかく、強いなら強いで、弱いなら弱いで。
 悩みを持ち、それを登場人物との触れ合いや、ストーリー展開の中で克服したり、
 何かを感じたりというのが面白いのではないかと。
 ですから、それらさえあれば、別にヘタレまで性格が弱い必要も無いのだと思います。
 ちゃんと、精神的に弱い部分、完成されていない部分をあえて持たせる事が重要なのではと。
 それは、部類によっては克服されなくても良いものでしょう。
 いつもその点で躓いてしまう。でも、それでも前に進んで行くなんていうのも良いと思います。

 ヘタレが嫌われる理由ですが……。
 それに関しては、ハードボイルドとは逆の方面で、前にも後ろにも進まなかったり、
 或いは後ろに後退してばかりだから、というのが原因なのではと考えます。


 「周囲はこんなに動いてる。なのに、何でお前はそこから動かない!?」
 そんな思いが混じっているのではと、私は思いました。
 だから、嫌われないためには、半歩でもいいから前に進んでる方が良いのでしょうね。

 君のぞを私に教えた友人が言いました。
 「孝之は確かにヘタレだ。でも、解らなくはない。アイツは優しすぎるんだ」
 と。それ故に長い事動かないから嫌われるのだ――私には、友人の言葉がそう聞こえました。

 思えば、今では一番大好きな平成仮面ライダーである、仮面ライダー電王。
 この作品の主人公である良太郎も最初は尋常じゃないヘタレでした。
 しかし、話を追う毎に譲れない思いが見えてきたり、成長したりしていって、とても大好きになりました。
 ヘタレだって、展開次第では好きになれるのです。
 ですから……最後まで嫌いなヘタレだとしたら、前に進んだ様子がどれだけ見えたか。
 どれだけ見えたら認められるかの個人差なのではないかと思います。

 かなり長文になってしまいましたが、これが私の考えです。
 参考になりましたら幸いです。
 それでは、失礼致します。


みつきさんからの意見
 蔵神紫苑さま、こんにちは。

 ヘタレ主人公にしか感情移入できない人は、「主人公がヘタレじゃないと面白くない」わけですし、
 ヘタレ主人公に感情移入できない人にとっては「ヘタレ主人公最低」ってことになる。
 ただそれだけのことだと思いますよ。

 それではこれにて。


猫柳さんからの意見
 猫柳です。皆さんとかぶる事が多いですが、私からも。
 失礼ですがあなたの挙げた例はヘタレとはいささかずれているかと。
 
 ギャルゲやハーレム系統の作品ではそもそもその定義から女性キャラが多くなるものです。
 つまり必然的に女性キャラを目立たせなければならならず、
 主人公に何かしら特別なコンセプトがあるにしても、また癖の強い奴だったとしても、
 作中最も目立たなければならないヒロイン達にくらべれば地味・平凡、
 つまりはヘタレに思えるわけです。


 だってそれが目的ですから。実際地味なのが多いですが、
 これは言わばヒロイン達を際立たせるための定石のテクニックであるわけです。
 鈍感でなくてはならないのはいちいち相手の好意に気づいていてはハーレムにならないから。

 主人公が普通であるからこそ青春時代の恋愛が面白くなるわけです。

 仮に主人公がどんな女性もイチコロで常に両手に美女をはべらせている美男子であったりしたら、
 例えば自分に落とせない女性が現れて彼女を振り向かせる為に四苦八苦する内に本当の恋をする、
 みたいな方向は普通の恋愛としてはありですが、ハーレムとしてはつまらないでしょう。
 そんなワケで主人公はヘタレが多くのです。

 でもそれは主人公の『ヘタレ』の定義が地味・平凡・鈍感あるいは奥手であるだけで、
 最低野郎は定義に含まれません。だから例が逸れてる、と。
 それと、別にそういう系統の作品でなければわざわざ無理して、
 主人公がモテるようにする必要は全くありません。むしろ話が逸れてしまうかも。

 それともうひとつ、文学には3つの種類があります。

 1つ目は、テーマのメタファーである小説世界を通して主義主張を伝える物。
 (このままでは人間はダメになるとか、自然は大切に、など)

 2つ目は、人間の心の内面を模索探求するもの。夏目漱石などがこれでしょう。

 そして3つ目が、小説世界自体を描きたいもの。ライトノベルなどがこれ。

 
 私は2つ目こそが文学の文学たる所以だと思います。
 無論現代ではその価値も相対的なものになったのでどれが良くてどれが悪いなどはありませんが。
 あなたの場合、大円団が前提なら典型的な3つ目のタイプです。
 3つ目は完全なエンターテイメント型であり、
 そうである以上読者のウケを考えない訳にはいきませんが、
 他の2つと違って自分で書いて楽しむ物ですから読者受けしか考えないなら本末転倒です。
 だからあなたの好きなようにキャラを書くべきだと思います。
 
 以上。
 長々偉そうにスイマセン……


風月堂さんからの意見
 一頃、ゲーム原作の深夜アニメを視聴して、主人公の行動を見ていて、
 あまり脚本が上手くなかったのか無理にまとめた感じがして(原作は知らないのですが)、
 優柔不断というのか主人公気が多過ぎ、と感じたものです。


○ヘタレ主人公が多いということ

 優柔不断なヘタレ主人公が多いのは、ヘタレでないと面白くならないというよりは、
 既に指摘があるように、ヘタレの方が(マルチシナリオを生かしての)
 ハーレム状態を演出しやすいという点にあるのではないかと、個人的には思います。

 あまりにひどいといわれるのは、シナリオや作者の書き方の程度の問題なのでしょうけど……
 その手のゲームは良く知らないので、なんとも言えません。すみません。

 そういう意味では、いわゆるハーレム的な作品にヘタレが多いことと、
 ヘタレに感情移入できるか否かは、必ずしも「=」ではないのかもしれません。
 つまり、「ヘタレが"(プライヤーや読者に)好まれるから"ヘタレが多い」
 という訳ではないかも知れない、ということです。

 紹介された友人の発言については、「ヘタレでないと"感情移入できない"から面白くない」のか、
 「ヘタレでないと"(複数の女性キャラを交えた)シナリオが面白くない"」のか、文面上は分かりません。


○ヘタレと感情移入

 上記のようなわけで、もしかすれば、プレイヤーの感情移入とは別の理由によって、
 (特にギャルゲーエロゲーで)ヘタレ主人公が多いのかもしれません。

 もう一つは、(ゲーム上の理由によるものを別とすれば)悩むところや成長するところに
 面白みや共感があるのかもしれません。


 よく悩むところや優柔不断さに感情移入しやすいのは、そういった点があるからではないかと思います。
 
 個人的には、決断力や高い知能や強固な信念など、
 あまりに立派なキャラクターよりもヘタレ気味のほうが、(感情移入という点からは)楽しめます。
 個人的な感性ですが。
 
 ヘタレを嫌うことについてですが、あまりに鈍感であったり優柔不断であることについては、
 プレイヤー等として納得がいかないことが理由ではないかと思います。
 また、決断力や信念などのあるキャラクターが好きな人にとっては、
 それを(十分に)備えていないキャラに好感を持てないのが、嫌う理由ではないかと思います。
 
 
 しかし、蔵神紫苑さん自身、これだからこの手のゲームはみんな嫌い、
 という感じではなさそうですから、ヘタレでない作品を目標にすればよいと思います。
 この世のすべての作品がヘタレ主人公というわけではないのですから。

 ゲームは詳しくは知らないので、もしかすれば適切でない見方もあるかもしれませんが、
 私見としては以上です。
 それでは。


TOCさんからの意見
 どぉも、TOCです。
 ギャルゲとか知らないですが、それでも私はヘタレ主人公の方が大好きですね。
 理由はヘタレの方が感情移入がしやすく、それが持続するからです。

 主人公がオールマイティ、もしくは前向き行動派だと、なかなか感情移入できず。
 出来たとしても「こんな行動しないよ」と言うところで、ふと感情移入が切れてしまいます。
 その後は作者が自分イケてるじゃん? とのたまう作品に見えてくるのです。
 主人公最強の小説とか、とにかく苦手です。

 ですが、ヘタレ主人公の場合は感情移入が容易で、
 何故かある程度の選択ミスは許容できてしまうのです。
 これは人の自慢話を延々と聞くのは苦手でも、失敗談ならいくらでも聞けると言うのに近いでしょう。
 
 そして、このヘタレ主人公なる臆病者が勇気を振り絞った瞬間、
 BUMP OF CHICKENとでも言うんでしょうか、その一瞬がたまらなく好きなんですね。
 こういうカタルシスがヘタレ主人公の醍醐味であり、やめられない理由です。

 
 ラノベで例を上げればイリアの空とかでしょうか。

 もちろん、どんな主人公にしても「これはない」という行動をとった場合、
 感情移入が切れてしまいますけどね。
 最悪最低とヘタレとはちがいますよ、と。
 以上、何かの参考になれば幸いです。


黒尻尾の駄猫さんからの意見
 通りすがりの野良猫です。
 水仕事って辛いですよね。しかも数とスピードが求められるとなると泣けそうです。

 それはともかく。
 身近な人間の気持ちに即気がつく。どんだけ観察眼が鋭いのでしょう?
 いえ、相手が口にこそしないがかなり強引にアタックしているのに気がつかないのなら、
 それは究極の天然か、或いは、相手が口にしないことは、
 憶測では絶対に行動に踏み切れない超臆病者かのどちらかでしょうかね。

 前者ならギャグ展開の王道なので、そういうもんだと諦めて頂くしかないのですが、
 後者はそこまで人間関係で臆病な理由をちゃんと掘り下げれば、
 面白そうな話の一つもかけるかもしれません。

 時に蔵神紫苑 さんは「即断即決即実行!」とか
 「媚びぬ、退かぬ、省みぬ」とかを信条に普段行動とかはされていますか?

 オイラは昼飯時にちょっと冒険で入った定食屋でもかなり迷う方です。
 何かと決めがたいことがいっぱいで、なかなか明確な答えにはたどり着けません。

 こういう部分は多かれ少なかれ、多くの人が持っている部分で、
 そうした少しマイナスな部分をデフォルメして強調することで「普通の人間」をイメージした主人公――
 読者やユーザーに共感されやすいアクのないキャラは設計されています。


 また、相手の心の動きに察しの良く、すぐそれを口にできる度胸の良いキャラだと、
 お話が続かなかったり、盛り上がらなかったりするので、これもあまりないですね。

 突然のアクシデントでも表面上は取り乱さず、すぐにその場でできる最善のことを考え、
 相手の心を察し、言うべきことをちゃんと言う。
 デキスギ君ですよね。これで、頭もよければ、かなり優秀なヒーローで、むしろうそ臭いです。

 能力は普通で、普段から優柔不断で、取り得も特にない。
 要はその辺に居る人間が主人公だからこそ、
 日常のちょっとしたお話も読者が自分に置き換えて考えたり共感しやすかったり、
 更には異常な状況が際立ち、その対応や行動が、
 ハラハラしたり面白かったりするのではないかと思います。

 オイラ的にはこんな感じですが、どうでしょうか?

                          ではでは。


三毛招きさんからの意見
 私思うんですがね、世間様ではヘタレの定義がちいとばかし広すぎるんじゃないかと思うんですよ。
 何を持って、ヘタレとするかですね。
 まぁ、某学園日々みたいなプレイヤーの言うこと聞かない主人公はともかくとして、ですが。
 たとえば、エヴァのシンジ君なんて、ヘタレの代表格みたいに言われてますが、
 私はあの子をヘタレだとは思いません。
 等身大の中学生なんてあんなものでしょ、という感じです。

 世間様でいうヘタレは以下のタイプに別れるんだと思います

1・やる気が無くて行動力が無い
2・やる気があって行動力が無い
3・やる気が無くて行動力がある
4・やる気も行動力もあるけど、その接続回路が上手いこといっていない


 一番多いタイプは4な気がするんですが、4はヘタレだといわれると私は結構疑問です。
 なぜなら、4のタイプは少なくともやることはやるからです。経緯はどうあれ。

 いつでも全力であると人間疲れます。
 イザというときに能力が発揮できません。
 いつでも全力全開、調子の悪いとき皆無でやさしく面倒見がよく……
 こんな奴嘘っぽいというか、明らかに胡散臭いでしょ。

 ヘタレが人間的に最悪最低かというと、私は違うと思いますね。
 むしろ、実際には一番多い人種ではないかと思います。
 一番多い人種だからこそ、感情移入が出来るのではないでしょうか? 

 
 もちろん、程度にもよりますし、ドコまで許せるかとなると人によって異なるのでしょうが……

 主人公がヘタレであることに対する怒りってのはある意味同属嫌悪とか自己嫌悪に近いと思いますよ。
 鏡見てるみたいで嫌なんです。だから否定する。


 というか、ヒロインの気持ちに鈍感は『ヘタレ』の定義には当てはまらないと思いますよ。
 それは朴念仁とかというのではないかと。


峰しずくさんからの意見
 こんにちは

 主人公はなぜヘタレでないと面白くないのか。
 それは簡単です。
 
 その物語は、主人公がヘタレであるという設定の上に成り立っているからです。

 ですから、そうではない主人公であるという設定の上に成り立っている物語は、
 そうではない主人公であるから面白い作品である、と言えるわけです。

> 「School Days」の事もあって、私は「よく出来た作品でも暗いのなんて嫌だ!
 物語は大団円な方向で終わるのが一番!」を信条として創作活動をしています。
 暗い話で読者を納得させたって嬉しくないですしね。


 それがあなたのヤリ方ですよね?
 だったら、そのヤリ方で通すべきではありませんか?


 もちろん、いくつか作品を書いていくうちに、
 異なる趣向のものも書いてみたくなるときも来るかもしれません。
 そしたら、今度はそういう作品を書けばよいのです。

> どうも、現在ラーメン屋で皿洗いのバイト中の蔵神です。
 たかが皿洗いと思ってなめてかかったらひどい目にあいました……特に休日は。


 サービス業は是非、経験しておくべきです。
 ですから、良い経験をされたと思います。

 よく飲食店などで横暴な態度をとる人がいますが、それがいかに店員の心象を悪くし、
 そのことによって、良いサービスが受けられなくなってしまっている、ということに気づかないのです。

 しかし、店員の経験があれば、どのように店員に接したら喜ばれるか、
 ひいてはサービスが良くなるかが、理解できるようになります。

 同じお金を払い、同じ時間を過ごすなら、客も店員も気持ちよく過ごしたいもの。

 これは作者と読者の関係も同じかもしれませんね。


風月堂さんからの意見
 追記
 「School Days」の内容については噂に聞くぐらいなので、あまり良くないのですが、
 レスの返答を見て少々気になったことを述べます。

 誠最低、と仰っていますが、それでは、もっとしっかりした人物が主人公であったら、
 あれほどまでに話題性溢れる作品になりえたでしょうか?
 あのような極端なキャラクターだからこそ、あのような作品が成立し、
 話題性を増すことになったのではないでしょうか。


 そういう意味では、主人公の成長よりも、
 二人のヒロインの感情をひっかき回すことに力点が置かれているのではないかと思います。

 また、同じ理由で、登場人物の人格設定ばかり問題視するのは、
 ストーリー(作品)そのものを根本的に否定することになるように思われます。
 あれほど流されやすいキャラでない場合、あのような作品が成立するでしょうか。
 その点で、人格設定ばかり批難することは、
 ストーリー(人間関係上の展開)という観点から見ると少々疑問を感じます。


 追記2
>> せめて物語の中なんだから格好いい姿見せろよ畜生となるんでしょう。
>全くもって! 私も完全に同じ意見です。


 というコメントがありますが、おそらくそうした感性だからこそ、
 優柔不断がちなキャラクターが好みに合わないのだと思います。
 そうした感性自体は何ら批難されるものではありません。

 ただ、感性は人それぞれ(*)ですので、自分に理解できないからといって、
 おかしい、というのは少々行き過ぎではないでしょうか。単に、好みの違いと考えてよいと思います。
 かく言う私とて、ハルヒを大絶賛する意見には全く共感できませんし、
 西尾維新の作品の紹介や評判を聞いても全く興味が湧かない人間です。
 しかし、だからといって「ハルヒや西尾維新を評価するのはおかしい!自分に分かるように説明しろ!」
 と主張することに意味があるでしょうか。
(個人的に共感できなくても)

 人気の理由を探るのならともかく、「(世間の人気に)共感できない自分に賛成してくれ」
 と主張するのは、とても野暮なことではないでしょうか。

*「School Days」は非常に極端なケースと思われますが、上記の理由から、
 (誠の人格設定は)ユーザーの共感よりもドロドロなストーリーを追求したためではないかと想像します。
 その点で、しばしば「誠最低」と評価されるのは、
 ある意味では、作品の意図するところなのかもしれません。

 ですから、蔵神紫苑さん自身の感性に合った作品を追求すれば良いのだと思います。
 性格面が格好の良い主人公を支持する人は少なくないでしょうから。

 それでは失礼しました。


ちさんからの意見
 ヘタレ=最低最悪なのかどうかはよく解りません。
 しかし、もしそのとおりなら、ヘタレが嫌われる理由は説明の必要がないでしょう。
 だって、最低最悪な奴を好きになるわけないので。

 そもそも、エロゲの事はよく解らんのですが、上のほうでコードギアスの話題が出てたんでちょっと。

 あのアニメにおいて、真のヘタレキャラはスザクです。
 そのヘタレっぷり極まって、ついこの間は東京壊滅させちゃいました。
 まちがいなく読者視聴者が怒るタイプのヘタレです。
 では、ここでどうしてそんな事になったのか。

1、「できれば人は殺したくない」と言っていた。
2、事前にフレイヤ弾等(核爆弾並みの威力)を押し付けられていた。
3、フレイヤ開発者が「使え使え」とうるさかった。
4、強力な敵を前に敗北確定だったが逃げなかった。死ぬ寸前だった。
5、フレイヤ開発者が「死にたくなかったら撃つしかない」とうるさかった。
6、『生きろ』のギアスが掛かっているので、真に命の危険が迫ると自動的に回避行動を取ってしまう。

 まあ、これだと不可抗力に見えない事もないんですが。
 それにしたって、6の条件は本人も自覚していたのだから、
 危なくなる前に撤退しておけという考え方もあります。

7、途中で撤退する事もできたのに、そうしなかったのは、手柄を立てたかったから。
8、出撃前に「撃つ覚悟と同時に撃たない覚悟もある」とかカッコいい事言ってたのに……
9、戦闘終了後、「俺は悪くない」とかつぶやきながら放浪。

 これが加わると、どう見てもヘタレです。
 それでも男かよ、とツッコミたくなります。

10、突然開き直る。俺は悪くない!

 ここまでくると、間違いなく、最低最悪です。
 好き嫌いを通り越して、もう勝手にしてくださいって感じです。
 一期の頃のスザクならともかく、今のこのスザクは、
 物語的には不可欠な要素であっても、新たなファンを獲得する資格を失っています。
 これで物語が崩壊してないのは「SEEDは人が描けていない」
 みたいな反骨精神を一貫して貫いているからでしょう。

 つーことで、個人的な結論。
・ヘタレ=責任転嫁しようとする人(まだ終えていない)
・ヘタレはまだ許される可能性もあるが、責任転嫁を完了させるとさすがに嫌われる。
・しかし、何らかの一貫性があれば、最低最悪な主人公もありえる。


 ※言うまでもないことだと思うけど、コードギアスの主人公はスザクではないです。


Sierraさんからの意見
 こんにちは。Sierraです。

 「男主人公への優越感を抱かせるため」とか、もしくは
 「ヘタレ主人公は、ヒロインへの感情移入の踏み台」なんてところかなあと愚考しました。

 主人公の態度にヒロインとプレイヤーがうんざりする度に、
 プレイヤーはヒロインに感情移入する(同情とか、あわれみとか?)。
 ヒロインに感情移入すれば、飽きられる確率も低くなる。シナリオにも入り込んでくれる。
 そしてシナリオの展開などでプレイヤーの心に強い感情を残す。

 まあ、「プレイヤーを引きつけるためのメソッドの一種」という感じでしょうか。

 あれ? なんだか的外れなような気がしてきたぞ……?
 んー、壁にぶち当たり中の脳みそが放った妄言なんで、適当にスルーしていただければと思います。

 それでは、失礼いたしました。


Smanさんからの意見
 はじめまして。
 School Daysはプレイしたことありませんが、まあ評価は良く聞きます。
 内容もおおよそ聞いてるので鬱展開なのは知ってますw

 たとえば、すごく面白いホラー映画を見たとしましょう。
 見終わった感想は「面白い」ですが、その面白さとは何でしょうか。
 逆に、ただ恐怖を感じるだけだった、だからつまらない、というのはナンセンスです。
 だったらなぜホラー映画を見た、って話です。
 鬱なものしか残らなくても、感情が揺さぶられたのは事実。
 ゆえに「面白さ」を感じる人もいるのです。ちなみに私は違いますw
 「そういう話なんだから」ってコトですね。
 自分の好みじゃない、だから有名でも「面白い」とは違う。というのは間違いだと思います。

 さて、主人公のヘタレの有無って話でしたね。
 まず、主人公をヘタレにするには理由があります。
 以下自分が考えているヘタレのメリット。

1.普通の人間はたいていヘタレ。

 リアリティを出そうという目的です。程度がありますが。

2.読者以下の存在にするため。
 人間、自分以下の存在を見るとほっとするもんです。
 共感は誘えなくても、「自分ならこうする」と読者が思ってくれたらラッキー。

3.ヘタレであればあるほど、主人公が立ち上がったときってカッコよく見える。

 読んでなかったらすまないけど、「ダイの大冒険」のポップですね。あるいは「ドラえもん」の、のび太。

4.戦闘モノでライバルがいる場合、ライバルをカッコよく見せられる。
 主人公も最初からカッコイイとライバルの存在感が薄くなる気がする。
 装備も性格も対局というか「対」になったほうがライバルっぽい。

 いま思い浮かぶのはこんなところですかね。

 お察しの通り、「主人公が成長する」ということが前提の造りです。
 たぶん、蔵神紫苑さんの友人はコレを言い忘れてたんじゃないでしょうか。

 
 ヘタレのまま終わるのでは何も前へ進んでおらず、
 確かに私も「つまらない」という感想しか残りませんが、
 前途した通りそれは趣味の問題ですので、そういうのを好む人もいる。
 世の中には主人公の恋人が他人に寝取られる様を見て「面白い」と言う人もいるようですし。
 まあ、なにも最低最悪の人物のみを指して「ヘタレ」と言うわけではなく、
 広義的には「能無し」や「消極的」、「否定的」な人物を指すんじゃないかな。

 そういやエヴァの主人公シンジもヘタレでしたね。しかもヘタレのまま終わったような……


マイルドカフェオレ(仮)さんからの意見
 エロゲのシナリオは

 1. 自発的に主人公が行動することはあんまりない
 2. 何故かおなごが寄ってきて花びら大回転
 3. 結果として主人公は特定の女性とくっつく

 という形式を取ることが多いです。特に恋愛モノですが。
 せいぜいアクションと言っててもどこそこ行って選択肢選ぶくらいでしょ、とね。

 そうなった理由は知りませんが、まあお客さん個々人に、
 そういうのを望む特性があるのは間違いないです。
 奥手の人でも多いんじゃない?

 エロゲの恋愛シナリオでメシ食いたいんだったら、
 自発的に女の子にごり押ししていくタイプのキャラは作りにくい。

 あと、システム的、プログラム的な視点で言えば、
 自分が女の子に積極的なアプローチを仕掛けるってのは難しいようです。


 例えば、落ち込んでる女の子に声を掛ける。これはプログラム的には実装がすごく難しい。
 プログラムを使う場合、言葉の構文を解析することは出来ますが、
 正確に言葉の意味を拾うことが出来ません。
 なぜって、人間は、自分がどういうプロセスを経て言葉の意味を解釈しているか、
 自分自身知らないからです。
 プログラマに言わせると、「理解していないものは実装できるわけねえだろボケ!」。
 
 ですので、現在の地球人の技術では、
 「ナンパ」とか「女の子への気遣い」とかを何らかの形で表現するのは難しい。
 よって、プログラム的な視点でも、消極的な主人公の方が望まれます。
 女の子が話し進めてくれて選択肢を選ぶのが一番楽です。


 積極的な主人公というのは、恋愛シナリオをやる場合であれば、
 システム的に鬱陶しく、シナリオ的にリスクが高い。
 だからダメ。
 そういう見方もあります。

 自発的で意欲的な主人公を出したいなら、多分陵辱モノ。
 ああいうのだったら調教のシステムこさえればイケます。


緋月さんからの意見
 レスを読んでないので、類似の意見はあると思いますが。

 主人公がヘタレであることが面白い理由は、主人公の成長にあるからだと思います。

 ヘタレを強調して表現することで、土壇場での頑張りや、
 事件解決後の成長を読者に感じさせることが、感動や読後感の一端を担っていると思います。

 しかし、あながちそれが全てではありません。
 榊一郎先生のストレイトジャケットの主人公は、無気力でグータラですが、
 とても優秀で土壇場では初期から決断力も高いです。
 神坂一先生のスレイヤーズのリナも、ヘタレというほどではありませんし、優秀な魔法使いです。

 あえてエロゲーで話をあわせますと、Leafのうたわれるものの主人公ハクオロは、
 いつまでも本命を決めない優柔不断さはあっても最初からかなり優れた統治者です。
(優柔不断はエロゲーの主要であるハーレム状態を作るために必須の要素だといえます)
 KEY作品の主人公も、最初からヘタレではないですね。

 土壇場でもがんばれるキャラが多いです。


 重要なのは場面作りと、その場面への伏線の張り方。
 その上手さが作品の評価に繋がるからであり、主人公がヘタレである必要性は絶対ではありません。
 そういう意味では、『ヘタレ主人公を使う』という事自体が、
 『安っぽい感動の伏線』といってもいいかもしれません。
 なんせ、ヘタレ主人公が成長することで得られる感動は、
 とっくに飽和状態で飽きが来ている読者も少なからずいると思います。


陶 幸さんからの意見
 まだ書けてもいない状態の素人ですが、意見させてもらいます。

 自分はよくギャルゲーなどをやるのですが、
 総合的にへたれ主人公が多いというのは事実だと思います。
 
 しかし、へたれといっても一様にへたれではなく、
 キャラの持つ弱さをより濃く演出していることもあります。

注ネタバレあり



 例をあげるなら、Fate stay nightの主人公である衛宮士郎がわかりやすいと思います。
 この衛宮士郎というキャラの特徴は異様なまでに肥大した正義感、貞操感があることですね。
 作中この正義感から、とてもその状況下ではふさわしくない手段をとろうとする事が多い彼ですが、
 それによって作中のキャラほぼ全員に馬鹿扱いされます。
 
 これは一種のへたれ、弱さであるのですが、
 これが反転して強さとして現れる事も作中では多かったと思います。


 どのような創作物でもキャラに弱点は作るでしょう。
 逆にその弱さが強さであることも多々あります。
 へたれ、弱さと強さが表裏一体であると言っても良いのではと思います。


使い捨てさんからの意見
 同質問の意見を読んでいて思うことがあったので初カキコです。
 あと先に言っときます。誠はへたれではなくただの外道です。

 確かにへたれはうじうじして優柔不断で、みんなにいい顔して全然男らしくないです。
 しかし、いざという時には大活躍したりします。
 別にハードボイルドでも同じことができますが、
 
 へたれには『ギャップ』という強い力があります。
 この『ギャップ』というのはベタながら侮れません。
 

 今まではきつい態度だった子が急に照れ始める。
 それまでまるで役に立たなかったキャラが急激に強くなる。
 奥手だった子が急に積極的になる。
 ベタながらこのような展開は結構人気があります。

 キャラに一気に人気を付け、場を盛り上げる『ギャップ』。
 それを起こす為のへたれだと思います。
 ただし『ギャップ』のないへたれは本当に魅力ゼロです。書いてて虫唾が走ります。
 『ギャップ』あってこそのへたれです。
 へたれを書くならなるべく格好いいへたれを書きましょう。

 とりあえず自分がプレイしたゲームやラノベで良いと思ったへたれを上げときますね。

 以後ネタばれあり注意

 対馬レオ(つよきす)
 へたれになった理由は中学時代の軽いトラウマ。
 もともとは熱い性格だったがそれが原因でクラスの輪から外され、酷い仕打ちを受けた。
 ただし無理矢理自分をへたれにしているだけので時々地(熱血モード)が出る。
 へたれを気取って冷めた振りをする熱血野郎。

 タクト・マイヤーズ(ギャラクシーエンジェル)
 恋愛や日常方面は軽いへたれ。というか肝心なところで足が出ない。
 しかし戦闘時は英雄とも鬼才とも言われた指揮の腕を発揮し、ほとんどの戦闘で勝利した。
 しかし戦闘が終わると元の軽い性格に戻ってしまう。
 格好いい時は格好よく、格好悪い時はとことん格好悪い。
 へたれ、ではないかもしれない。

 小早川瀬那(アイシールド21)
 典型的な『ギャップ』持ちの成長型へたれ。
 日常では地味で優柔不断で謝ることが得意となさけないが、
 一度試合に出れば高速の足を持つ一人の戦士となる。第一話からギャップを発動させています。


夢咲さんからの意見
 こんにちは、咲です。
 私は、思考の幅を広げる為に居る様なものなので、反発論の方が多いかと思いますが。

 結論から言うと、
「私が、主人公を描くなら、ヘタレにはしません。
 主人公はヘタレじゃなくてもいい。」です。


 いろいろな人の意見を読んで、
 「完璧な主人公は嫌」とか、
 「ヘタレの方が共感できる」とか。
 そういう意見の方が多く出ている様ですが、
 私はそんな主人公もありなんじゃないか、と思います。

 ここで例を出すつもりはありませんが、
 むしろ全てを力でひっくり返してしまうほど、
 強い主人公も、時にはありなのではないかなと、思います。


干し柿さんからの意見 2013/02/02
 ヘタレが多いのは皆さんがいうように話が作りやすいし勧めやすいからだとおもいます。

 ここからは作品の引用になりますが、アニメ版シュタインズ・ゲートのオカリンのようにクリス一択で進むのもありかと。まぁオカリンも一般的にはヘタレなのかもしれませんがw
 他にもイリヤのようにひたすらヒロインとエスケープするなどの作品でも評価されているものはあるので蔵神紫苑さんがヘタレをどの程度の尺度で捉えているのか分かりませんが個人的にはヘタレでなくても面白い作品は多いと思います。

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